2007年2月28日 (水)

「本会議一般質問のいくつかの論点」

◆「給食費未納問題は極めて憂慮すべきこと」

教育長は、このように発言した。全国的に問題になっていることで、高級な外車に乗ったり、ブランド品を見につけながら給食費を払わない悪質な未納者への対応をどうするかと本会議で質問があった。

 教育長は、教師が保護者に直接請求することが、教師にとって大きな精神的負担になっていることにも触れ、市町村教委と協力して、統一のマニュアルを作って強く請求する体制をつくると答えた。その中で強制的な措置も考えていると語った。

 未納問題の実態は、自己主義的で身勝手な人が増えていることのあらわれである。保護者の中には、どうしても給食費を払えというなら子どもを学校へやらないと主張する親がいることも紹介された。県立病院の医療費の未払い等と共に、今日の人々の道義心や公共心の頽廃を物語る問題である。

◆温暖化防止対策について知事が答えた。

県は、新コツコツプランとして次のような対策をとっていると言うもの。

①マイバッグキャンペーン。延べ11万人が協力、数量にしてバッグ120万枚、結果としてドラム缶123本分の石油が節約された。

②群馬県環境スタンダード認定事業所数が333となった。CO2対策に力を入れる事業所である。

③廃食油リサイクル運動、菜の花エコプロジェクト。

④エコドライブキャンペーン(ガソリンを節約するドライブ)。

⑤エコドウ(環境を考えた行動。ペーパーの使い方、ゴミの分別、クールビズなど。)

 知事があげたこれらの例は、民間の人々の日常生活の小さな行動である。環境問題は足元からと言われる。俺一人の行動どうなるものではないと言う人がいるが、それは間違いだ。一人一人の小さな行動があつまって地球を救う大きな効果を生むのである。

◆児童虐待の異常さ。担当理事の語る実態は、現代社会の病理を現わしていると思った。本県の最近の児童虐待数は500件台に。毎年約100件ずつ増えている。内容は、身体的虐待が最も多く全体の約4割に達する。虐待の対象は乳幼児から小学低学年頃までが全体の約80%だという。虐待するものは、実母が6割、実父が2割で、実父母は合わせて8割になる。このような子を育てられない若い親の姿を想像する時、病める現代社会の深い渕をのぞき込む思いがする。我が家の猫トコなどは、子を産むと一匹一匹を尻の穴までなめてやり、犬が近づいたりすると猛然と飛び掛ったりして命がけの愛情を示している。猫にも劣る人間を育てた原因は何かを真剣に考えねばならない。

◆「食育の推進」では、幼児期に、良い「食の習慣」を身につけさせることの重要性が語られた。また、障害者を教師に採用することは、教室における障害者への理解を深めノーマライゼイションを推める上でも重要だという主張がなされた。

(実りある2月議会であることを願って。読者に感謝)

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2007年2月23日 (金)

「本会議の一般質問が始まった」(22日)

 この日、自民、フォーラム、共産の各会派の一人ずつが質問した。夜の集会に出たら、テレビを見た人が何人もいて、私に説明を求めた。私が議長の時、議会改革の一つとしてGTVの生中継を実現させたがその効果は大きいと感じた。一人の人は、まるで私が質問者であるかのように詰め寄って言った。「授業料値上げの理由は分からない、息子が高校生だが、300円上げる理由を教育長は答えていないではないか」

 授業料値上げについては、自民の南波政調会長が取り上げた。値上げの目的は何か、値上げ分は何に使うのかという質問に対し、教育長は、使い道、目的は決まっていない、せっかくだから図書購入費に充てると答えた。また、生活が苦しい時に値上げすることによって就学が困難になる生徒がいるのでは、という追求に対しては、授業料免除や奨学金の制度があるから大丈夫だと発言。議場からは、「おかしい」という声がいくつも聞こえた。テレビの視聴者は、このやり取りをどう受け止めたのか。その現われの一つが、夜の集会の私への抗議である。南波氏は、呆れたのか深く追求せず、後は委員会の質問に任せるといった。三年ごとの公共料金の見直しということであるが、300円値上げする根拠とその使途については、しっかりと答えなければならないことだ。教育長の答弁は答えになっていない。議会を軽視しているのであろうかと疑いたくなる。

◇フォーラムの長崎氏が多選批判をどう受け止めるかと知事にたずねた。それに対して知事は、多選は、その人の資質による、弊害を出さないように絶えず戒めて努力をする、命がけでノーというべきものは言う、そういうことが大切だと答えた。また、知事は、中曽根・福田総理は何十回も選挙したから総理大臣になれた、だから長いことでよい面もあると発言した。この点は、知事多選の本質論から外れた議論だと思う。

◇共産党の伊藤祐司氏と教育長の質疑応答には熱気が感じられた。伊藤氏は、全国一斉の学力テストを取り上げ、このようなテストは子どもたちをテストのための勉強に追い立てることになると批判。また、教育再生会議の第一次報告では、いじめる子の出席停止や体罰禁止の通達の見直しが強調されているがこれでいじめはなくなると思うかとただした。

 教育長は、いじめの根本原因は大人社会にある、子供の日常生活を正すことが大切で、そのために大人が如何に取り組むかが重要だ、学校が本気になっていじめは許さないぞという雰囲気を作ることがいじめを少なくする、と持論を展開していた。

 この点は私も賛成である。体罰の基準の見直しも、いじめは許さないぞという毅然とした雰囲気を作るための手段なのだ。教育改革は、教室改革にかかっている。地域社会全体が教師を温かさと厳しさで支え「教室を再生」させることが「教育再生」のカギである。(活気のみなぎる教室の再生を願って。読者に感謝)

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2006年11月21日 (火)

「多選自粛条例・高い倫理観や資質を有する場合も」

 今月6日の「日記」で多選自粛について書いたら、意外に多くの反響があり、その中に、高い倫理観を持つ人は別ではないかという意見があった。私は、高い倫理観を持ち人格高潔な人物が首長になった場合でも、多選には弊害が伴うと考えるのである。

 ここでは、東京都杉並区の条例が大変参考になると思う。杉並区は、03年、区長の任期に関する条例を可決した。

(目的)

 第1条、「この条例は、杉並区長が杉並区を統括し、予算の調整及び執行、職員の任免、その他の権限を行使する地位にあることにかんがみ、区長の在任期間について必要な事項を定めることにより、高い倫理観や資質を有する場合においても、その者が長期にわたり区長の職にあることに伴う弊害を生ずるおそれを防止し、もって区政運営の活性化及び区の自治の更なる進展を図ることを目的とする。」(傍線は中村)

(区長の在任期間)

 第2条、「区長は、通算して3任期を超えて存在することのないように努めるものとする」

◆なぜ多選は良くないか。何度も書いているように、強大な権力が一点に長期間集中することにより、法律には直接触れなくとも、民主主義の精神から好ましくない弊害が生ずるからだ。例えば、政治の独善化、人事の偏向、まわりがものをいえなくなる「裸の王様」現象など。

「有権者の判断に任せる」というのも、民主主義の理想論を逆手に取った論法である。なぜなら、知事は限りなく多い許認可の権限や、予算面での助成金制度を通して選挙では絶対に強い存在だからだ。だからこそ、選挙に任せられないとする多選制限論が主張されるのである。在職18年で逮捕された佐藤・前福島県知事は、「辞任の時期は各知事の判断と県民の批判的な判断に委ねられる」と主張していた。

◆多選を制限すべきもう一つの論点。

 それは、現在、地方の時代といわれ、地方分権が大きく進められ、知事の権限は更に大きくなろうとしているが、知事の権限をチェックする役割を負う県議会の権限は、制度上不十分であることだ。一例を上げれば、議会招集権は、議会にはなく知事が握っている。つまり、知事と議会が互いをチェックするという本来の二元代表性が機能していないのである。

 国は従来の考えを改めて、多選を制限する法律の制定を前向きに検討し始めたとされる。しかし、国の法律で一律に多選を制限するとなると、今度は地方分権を守る点から問題が生ずる。それぞれの地方が条例で多選を制限すること、法律は、それを後押しする、こういう方向が妥当なのではないか。

 岩手県知事は、先月末、3期で引退することを表明した。現在1期の神奈川県知事は、昨年多選自粛条例を議会で否決されたが、今度は、多選禁止条例を出す方向で準備を進めている。(知事の多選を正しく判断する気運の盛り上がりを願って。読者に感謝)

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2006年10月13日 (金)

9月議会の重要な意見書と決議(その2)

  昨日に続き、警察官増員に関する意見書と飲酒運転撲滅に関する決議を取り上げる。

 本県の治安対策については、この議会で何人かの議員が取り上げて、新たに就任した折田警察本部長の決意を聞く場面があった。そこでも語られたことであるが、治安対策のカギは、民間の協力と警察官の増員なのである。

 日本の犯罪現象は深刻である。世界でも奇跡的といわれた良好の治安は過去の神話となった。私の子どもの頃は、殺人事件が報じられるとショックを受けたものだが、今日では、殺人は日常茶飯事の感がある。山の中で死体が発見されたという話も、またかと軽く受け取られる。日本中の山に死体が捨てられているかと思われる程だ。

 群馬県の犯罪状況はどうか。平成16年までは、刑法犯認知件数は、4年連続、本県における戦後最多を更新していた。そこで危機感をもった私たちは、犯罪防止推進条例をつくって官民一体となった犯罪抑止総合対策を推進した結果、昨年は、前年比で、犯罪認知件数は大幅に減少したのである。このことを話すと多くの人は群馬は犯罪の少ない県になったと思うようだ。

 しかし事実は違うのだ。本年8月末現在の犯罪率(人口10万人当たり)は、全国9位である。外国人の犯罪も多く、全検挙人員に占める来日外国人の比率は全国第2位だ。そして、交通事件に関しては、人口10万人あたりの交通人身事故件数及び負傷者が共に全国2位となっている。

 このような状況に対応するために警察官の増員は急務であり、昨年、私は議長として上京して増員を働きかけ、それが認められたが、引き続き大幅な増員を強く要望する、というのが意見書の目的である。因みに、本県の警察官一人当たりの負担人口は611人(全国17位)で全国平均の508人と比較して依然高水準にある。

 飲酒運転による事故が連日、大きく報道される。交通事故は、運転という正常な日常の行為に伴うことから罪の意識が薄い点に特色がある。だから通常過失犯として処罰されるわけだが、最近の事態は、私たちに、車の運転をもっと厳粛に考えるべきことを訴えている。

 8月飲酒運の市職員が幼児3人を死亡させた事件は、私たちに衝撃を与えた。この事件をきっかけに、全国の多くの自治体が飲酒運転に対し厳罰で臨む方針を打ち出している。公務員は模範を示すべき立場にあるから、これは当然のことであるが、一般の人々も、飲酒運転しないことを心に刻まねばならない。

 県議会の決議は、このような意識に基づくものである。「飲酒運転撲滅のためには、運転者自らが飲酒運転を絶対にしないという強い意識をもつことはもとより、社会全体が飲酒運転を絶対にさせない許さないという環境を醸成することが必要である。本議会は、飲酒運転撲滅に向けて全力を挙げて取り組むことを決議する」(要点)

(犯罪のない安全安心な社会の実現を願って。読者に感謝)

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2006年10月12日 (木)

九月議会が終る、重要な意見書、決議 (その1)

 最終日、第7号から第13号までの議案が可決された。それぞれ重要な、県議会提出の意見書や決議である。主なものを上げると、警察官増員に関する意見書、飲酒運転撲滅に関する意見書、群馬国際アカデミー問題の早期解決に関する決議、北朝鮮に断固たる措置を求める意見書、カラ主張自主返納残余金に関する決議等がある。

 残預金返納問題は、96年(平成8年)に発覚した県政史上の重大事件に端を発する問題である。県職員のカラ主張が報じられると、県担当課には一日中抗議の電話が殺到し、県民の関心は全てこの一点に集まったかの感が生じた。人々の関心は一気に高まるがさめるのも速い。あれから10年が経ちこの事が話題になることはほとんどなくなっていた。それが、この9月議会で再び問題になった。過去に遡って説明したい。

 最近、岐阜県で膨大な裏金の実態が明るみに出て信じられないという思いを抱いた人は多いことだろう。群馬のカラ主張の問題も構造的には同種のもので、カラ出張でつくった金は、裏金であった。岐阜県の事件を知って、この種の事件は、官庁ではどこでも絶えず起こり得ることを感じる。記憶を新たにすると共に、絶えず監視の目を光らせることが必要なのだ。

 事件は、オンブズマンの指摘をきっかけに発覚した。調査の結果、不正の旅費は、平成6年度分3億6千7百万円、平成7年度分3億5千万円である事が明らかになった。小寺知事は、「陋習(ろうしゅう)であり県民にわびる」と表明した。陋習とはわるいならわたしのことである。「旅費だけではないだろう」という声が当然のことながら起こった。フォーラム群馬は旅費以外に不適正支出の可能性がある分野すべての調査を県に申し入れた。

 この時、世論を刺激したことは、不正に受け取った職員からの返還は求めない、という小寺知事の発言であった。世論は単純に反応するから、「不正に受け取った金を返さないとは何事か」と轟々たる非難の声が押し寄せた。遂に県職員及びOBが自主的に返還することになり、集まった金は、驚くべきことに、総額11億3千7百万円に達した。不正額は、平成6年と7年の2カ年分にその利子を加えて計7億6千7百万であるから、これを返還して、残余金3億7千万円が生じたのである。

 残余金に関する決議とは、この金の処理のことである。決議は、この残預金が何ら活用されることなく現在に至っている、このままの状態で放置することなく広く県民の理解が得られるよう一日も速く処理することを強く要望する、というもの。二年分の不適切支出に限って処理したが、それ以前にもあった筈だ、残余金も県民の税金に帰すものだ、その放置は誠に怠慢ではないかという声が県議会にはある。従って、県議会の決議の意味は重い。

(県政の健全化を願って、読者に感謝)

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2006年9月29日 (金)

一般質問は、三日目で、最後

 5人の自民党議員が、各60分質問に立った。皆、熱の入った良い質問で、なかなかの名優振りであった。県政史上まれといわれるほどの激戦が予想される県議選が事実上進行している。そのような状況下、本会議がGTVによって生放送されるのだ。議員にとっては、絶好のPRの場であると同時に、無数の厳しい審査の目に晒される場面でもある。全ての質問者は、有権者を前にした演説会以上に神経を使いエネルギーを注いだのではないか。

 注目した質問の部分を拾ってみる。須藤氏は、①指導力不足教師の認定状況 ②県職員及び教職員の精神疾患対策について取り上げた。①については、他県に比べ本県の認定数が非常に少ないというのだ。ちなみに、平成17年、三重県や千葉県では、20人以上認定をしているのに群馬は2人であった。実態はこんなものではないだろうと追求。

 ②については、職員、教員の長期休職者のうち、精神疾患者の割合が年々高くなっている。中でもその割合は教師において高いという。内山教育長は、教師はさまざまな難しい問題を抱えストレスが多いと説明していた。

 碓氷郡出身の岩井議員は、サル、イノシシ、クマなどによる被害が拡大しているが農家を守るために捕獲に力を入れるべきだと主張した。担当理事の答弁の中で面白いと思ったことはサルの対策だ。サルの捕獲は慎重にやらないと群れを分裂させ、結果として繁殖数を増やすというのだ。山の動物の世界にもいろいろ変化が起きているらしい。

 一期の新井議員は演壇につくと傍聴席を見上げながら、今私の後援者が前の人と入れ替わっているからちょっと待ってくださいと、議長に求めた。彼は、新任の折田県警本部長に治安対策の決意を聞いた。本県の犯罪の発生件数はこのところ大きく減っているが人口10万人当たりの犯罪率は全国9位にある。発生する犯罪の内容も県民に身近な犯罪などが増えている、本件の犯罪を減らすための決意を聞きたいと迫った。

 しんがりをつとめた真下議員は、地球温暖化対策につき身近な例をひきながら興味ある追求の仕方をしていた。真下さんのあげる例は次のようなもの。庁内は28℃であつい、自民党控え室は扇風機を何台かつって耐えているのに、知事と予算折衝した部屋は寒い程だったこと、また、8月15日の慰霊祭のとき黒い車が何台も止まっていて注意していたら帰るときまで皆エンジンをかけていたこと、その他いろいろあげていたが言わんとすることは、地球温暖化は非常に深刻なのに、多くの人は、自分一人位とか、年配の人は俺の生きているうちは影響ないと考えている、こういう一般の人の意識を変えなければならないということである。そして、手本を示すために、知事は率先して低公害車に乗るべきだと提案した。

 3日間の本会議におけるその他の主要な質問は、また、おいおい日記で触れるつもりだ。10月2日からは、常任委員会、特別委員会が始まる。引き続き注目して頂きたい。

 (テレビ放映を通して、県議会に多くの関心が集まることを願って。読者に感謝)

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2006年9月27日 (水)

私の質問は70分、妻と事務員も傍聴

 70分は短かった。教育行政に多くの時間を当てたから質問の相手は主に教育長だった。議論が十分にかみ合ったとは言えず不満が残る。かみ合わない理由は、あらかじめ部下に作らせた答弁が、その場の私の生の質問にぴったりと対応していないためかもしれない。

 質問の中に、なぜ、県外調査に参加しなかったかというのがあった。今月、12日~14日にかけて行われた、兵庫、滋賀、広島三県の調査に、教育委員会は、議会から要請したにもかかわらず参加しなかったのである。内山教育長は、調査先などを検討して必要があれば参加するという方針なのだとこたえた。

 この答弁からすれば、今回の県外調査は、事前に検討した結果必要がないから参加しなかったということになる。しかし、このような考えは、議会と力を合わせてよい教育を模索しようという立場からは納得できない。

 他の県の教育に関する取り組みの実態に接するという体験を、議員と執行部が共有することに意義がある。群馬の教育のために他県の対策を参考にするとき、共通の認識が議論を実りあるものにするからである。

 教育委員会は参加しなかったが警察は2名が参加した。暴力のまちといわれた広島県が暴力団対策に真剣に取り組んでいる様は、大変参考になった。説明する職員の決意を肌で感じたが、これなど、その場にいないと実感できないことだ。

 私の属する委員会は、「文教警察」であるが、他の委員会の調査にも、執行部が参加しなくなったことには、別の理由があると思う。それは、県費を無駄に使ったとして、市民団体から訴えられたことである。訴訟は決着が付かない部分もあるが、反省するべき点は改めやるべきことは萎縮しないで実行しなければならない。現に、私たちの行動も、かなりハードなスケジュールをこなしながら、ビジネスホテルに泊まり、食事は近くの食堂などで他の市民に混じって食べた。執行部の姿勢には、「あつものに懲りてなますを吹く」の感じがある。

 議会改革が進められるようになって、私のことは別にして、議員の質問は確実にレベルが上がったと思う。自分で勉強して実態を汲み上げている様子がうかがえるのだ。選挙で選ばれ、有権者と常に結ばれているという議員の立場を、最大限生かすように努めねばならない。

 知事の答弁は、自分の言葉で真剣に答えている様子がうかがえるが、理事の答弁には、用意されたものをそのまま表現していると思われることがよくある。そのため、「一問一答」になり議員の質問が、形通りでなくなったことに柔軟に対応していないことが感じられる。金子一郎氏の森林に関する質問はよかったと思う。妻が二人の事務員と傍聴に来ていた。妻の評価はいつも厳しいのである。

 (議会改革が実りを結ぶことを願って。読者に感謝)

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2006年9月26日 (火)

本会議一般質問が始まった(25日)

 この日の質問は3人が行った。自民党の安楽岡、フォーラムの黒沢、共産党の伊藤の各氏である。皆、熱のこもった真剣勝負をしていた。

 安楽岡氏は、太田の群馬国際アカデミーの問題(私学に助成金を出す、出さない)に多くの時間をかけていた。しかし、二人のやりとりはどこまでも平行線。その中で、全員協議会に知事が出席しない理由をただす場面があって私の名前が出た。中村前議長の時、出席につきよく話し合って共通の認識が出来ているのではないかというのだ。しかし、知事は、それには触れず、全員協議会は公式の会議ではなく、そこでの発言は責任を伴わないものだから出てもあまり意味がない、本会議で議論すべきだと主張した。

 この点については、私が議長の時、長い時間をかけて議論したのだ。私は、公式の会議でないからこそ形式にこだわらず、自由に発言できる利点がある、そこでの発言に責任が伴わないということはない、と主張した。結局、あの時知事は全員協議会に出席したが今回は、頑(かたく)なに出席を拒否したのだった。

 知事とのやりとりの光景は、否応無しに来年の知事選につながっていると私は思った。なぜなら、多くの県民は、テレビで放映されるこの様子を、知事選をイメージしながら見ているに違いないからだ。

 共産党は、知事選のことを正面から取り上げた。まず、敬老の日に慶祝で訪問する高齢者の範囲を従来よりずっと増やし、記念品を渡す時必ず小寺さんからですよと言葉を添えるよう指示したとされる点だ。多くの県職員が分担して動いたのである。知事は、選挙目的であることを強く否定した。誰かが陰で画策しているのだと、つぶやく声がしたが、選挙戦が近づいて熱くなるとそんなことも有り得ることだろう。

 また、各地の子ども育成会が知事選の推薦を始めたことも追求した。知事は、選挙との関わりを強く否定していたが、子ども育成会の方が、勝手にそのような動きをしているのだろう。そのこと自体が問題だ。

 とにかく、知事選のことが議会でも熱く感じられるようになってきたのが9月議会の特色である。これから来年にかけてこの動きは一層強まるだろう。最高の権力者である知事の下へは、あらゆる団体がすり寄っていく傾向がある。特に何らかの形で県から助成金などをもらっている団体がそのような動きをすることが容易に想像される。今は、目立った動きはぼちぼちだが、これから加速する可能性がある。

◆今日(26日)は、いよいよ私の出番だ。朝4時に起きて、この日記を書く。質問項目の中で、中心は教育行政だが、少子化対策も重要テーマである。夫の協力が一つのポイントだという。昔は、妻の出産のとき飲んでいたという人もいたというが、今のパパは半数が出産の現場に立ち会うらしい。そこで男の育児休業取得が重要だが、県職員では、これまでに11人が「育休」を取った。男の「育休」についても触れようと思う。

9月議会の成功を願って。読者に感謝)

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2006年9月20日 (水)

9月議会議第一日。本会議は30分で終る

 議員団総会を済ませ、本会議は10時10分に始まった。大沢議長が開会の挨拶。その中で悠仁親王のお誕生を祝う言葉を述べた。それを聞くと、最近まであの位置に私が立っていたのだなという感慨が湧いた。

 知事の提案説明のポイントは次のようであった。①景気は全体的に回復基調にあり、景気回復の効果を県内のすみずみまで行き渡るようにしていく必要がある。②県税収入は、平成15年度に底を打ち、今年度も、2,210億円を確保できる見通しである。③今回の補正予算の重点は、企業立地を資金面で支援するための融資枠の拡大を図る、

医師不足に緊急に対応する、若年認知症対策や精神障害者に対する支援、等である。そして、補正予算の額は97億572万円、これまでの予算額を合わせると、8071億3081万円となる。

 また、知事は、特に、「ぐんま国際アカデミー」の問題に触れ、太田市長は、副知事との協議で、一方的に席を立って中断した、解決に向けての誠意ある対応がない、と批判した。太田市長の清水さんの態度は、感情に動かされたのなら大人気ないことだし、計算の上でのことなら戦術的にまずかった。この点は、午後の全員協議でも感じたことである。

◇午後に、アカデミー問題に関して全員協議会が開かれた。ここには、知事も副知事も出席しなかった。昨年3月に開かれた全員協議会のことが思い出される。知事は、やはり出席を渋った。私との間で、何度もやりとりがあり、議論を重ねた揚げ句、私が議長として公平に議事を進める等の条件をつけて知事出席が実現となったのであった。

 今回は、太田市長だけの出席である。清水さんの説明を聞きながら思ったことは、市長にも知事にも言い分があるということだ。知事が、本会議で、太田市長は一方的に席を立った点を批判しているように多分に感情論になっている。知事はクソ真面目、清水さんは県議時代からどちらかといえば変人タイプ。私から見れば、どちらも本質論からはずれた枝葉のところでひっかかっていると思えてならない。子どもたちのため、そして、群馬の教育のためという大局的見地から解決できないものか。腰塚さんが、余分なことはしないで欲しいと市長に注文をつけていた。プログで、知事を批判することを指しているのだ。清水さんもうなずいていた。小寺知事がもっと腹の大きな人物なら、プログで批判された位のことは問題にしない筈と思うが、当事者の立場に立つとそう簡単には割り切れないのだろう。

 私が議長の時から、知事との間に緊張関係が続く。議員は必然的に勉強をする。その意味では緊張は無益ではない。大切なことは何のための緊張という点だ。

(実りある9月議会になることを願って。読者に感謝)

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