「開闢以来の敗戦を振り返る。人口減少と認知症社会の衝撃」
◇今日は8月15日(土)である。特筆すべき日だ。私の人生も85年を重ねた。振り返れば稀に見る激動と混乱の中を生きたなと改めて思う。4歳にも満たない少年の目に様々なことが焼き付いている。県庁の近くでネズミを食べていた二人のおじさんの姿は忘れられない。開闢以来の敗戦という悲劇は少年の頭にも衝撃であった。進駐軍が迫っていた。敗戦の残酷な結末は古来の歴史が示していた。我が家は流言飛語に追われるように赤城の山奥に逃れた。緑の開拓地は別天地であった。小川にはカニが戯れていた。斜面を削って建てた掘立小屋は私の冒険心を掻き立てた。昭和22年小学校入学。文化の進んだ新しい世界を発見した気持ちがして心が弾んだ。前年に新しい憲法が公布され学校に関することは一変した。手にした教科書には民主主義の精神があふれていたのだ。その初めに登場した詩をよく覚えている。「おはなをかざる みんないいこ。きれいなことば みんないいこ」。それまでの1年生の文は従来の日本精神を現わすように、ハタ、サクラ、アサヒといった言葉が使われていた。女の先生と口を合わせて元気よくこの詩を唱和した光景が甦る。あの場面の人々も85歳を迎え、元気な人は毎年姿を消していくようになった。振り返れば、あの詩と共に、そしてあの教室の元気と共に息づいた民主主義であったと思う。戦後81年目の8月を迎え民主主義の原点が薄れていくような懸念を覚える。今こそ一人一人の国民が民主主義をしっかり見詰める時である。
◇81回目の終戦の日を迎えた。昔の仲間が気になり、小学校1年生の写真を見る。この顔もない、この顔も消えたと、元気だった顔が姿を消している。その多さに驚く。次は誰かと思わざるを得ない。昔は人間五十年と言われたが、平均寿命は延びて男が81.09歳、女は87.13歳である。寿命は延びるが問題はその中味である。高齢化と不可分の課題が認知症問題である。周りを見てぞっとする。65歳以上の高齢者のうち12.3%、約443万人が患っている。その数は軽症者を含めると1,000万人におよぶと言われる。高齢化の勢いは止まらず、人口減少は日本の最大の課題である。不気味な底なし沼に沈んでいくようだ。このままいくと日本は消滅してしまうかも知れない。この情況で外国人との共存は避けられない。日本の伝統と文化をいかに守るかは焦眉の急となっている。開闢以来の国難に対し国民各自が覚悟する時なのだ。(読者に感謝)
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