「助産師が点滴に便混入の衝撃。国旗損壊罪は違憲の疑い」
◇奇怪な事件があるものだ。何でもありの狂乱、怒涛の世相を映す一コマなのか。県の助産師が勤務先の病院で入院患者の点滴に便を混入させ殺害したとして逮捕された。被害者は75歳の老人である。かつて福祉施設で、生きるに値しない命として多くの入所者の命をゴミのように奪った事件があった。その事が頭をかすめた。今回の便混入事件は7月15日千葉県で起きた。逮捕された51歳の女性容疑者は被害者のフロアの看護責任者であった。点滴チューブ内に茶色の物質が残っており警察は人間の便の可能性が高いと判断している。そしてこの看護長が便を混入させたとみている。正に前代未聞の怪事である。
◇国旗損壊罪が成立の動きである。17日の参院本会議で成立する。法案は「人に著しく不快嫌悪の情」を催させる方法で公然と国旗を損壊した場合に2年以下の禁固刑か20万円以下の罰金刑とするという内容である。非常に問題のある法案だと思う。国民に刑罰を科す法律は基本的人権を守る上で最も慎重でなければならない。この法案が非常に問題なのは、どんな行為が処罰対象となるか否かの線引きがはっきりしない点だと専門家は指摘する。刑法がイロハとすべき「罪刑法定主義」が形骸化することもあってはならない。国会で3人の参考人中2人が違憲の可能性が高いと述べた。また国会外でも148人の刑法学者が異論を唱えた。この人たちは言う。「感情を理由に処罰規定を作ってはならない」と。余りにも当然のことである。参考人の憲法学者の一人は何が犯罪かを「前もって明確に定めなければ」、「刑罰は後出しじゃんけんになる」と述べる。罪刑法定主義とは、後出しじゃんけんの禁止に他ならない。国旗の問題を軽々に愛国心と結び付けるべきではない。愛国心は長い歴史と日本の深い文化を基礎とするものである。私は今こそ真の愛国心が求められていると考える。憲法97条は叫ぶ。「この憲法が保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と。敗戦と共に日本の歴史と文化の流れが断絶した観があるが決してそうではない。憲法は敗戦を機に一変したが全てが変化した訳ではない。憲法の底を時を越えて脈々と流れ続ける日本人の文化と伝統は変化に応じながらもその根幹は永遠のものである。人類は開闢以来の宇宙時代に入った。変化の力はこれに応じることが出来るか。(読者に感謝)
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