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2026年6月 4日 (木)

「台風6号は大災害を警告する。決断する責任者の判断は大丈夫か。鎌原観音堂の教え」

◇台風6号は相次ぐ氾濫警報と共に各地で記録的大雨をもたらし、3日明け方紀伊半島上陸後、日本の東へ抜けた。気象庁は和歌山県の古座川でレベル5氾濫特別警報を出した。氾濫のレベル4の危険警報は各地で相次いだ。東京都内の善福寺川、目黒川、神田川などでレベル4の氾濫危険警報が、品川区や横浜市、川崎市にもレベル4の大雨危険警報が出た。そして、東京、神奈川、千葉の3都県では少なくとも計165万人に避難指示が出された。人や建物の被害も各地で起きている。

 異常気象が常態化している今日である。こういう状況で、各学校が休校するかなど、危険判断を迫られる。学校や施設など置かれた状況はそれぞれ、川や堤などの条件が異なるから自治体や施設の長の判断には困難が伴い、その責任は大きい。生命や財産がその判断にかかっているからだ。自治体と施設の責任者は普段からいろいろな場合を想定して備えを研究しておかねばならない。文科省によれば休校に一律の基準はないという。各学校が作成する危険マニュアルに沿って学校長らが判断する。一律に休校を決める自治体もある。

 水害だけの問題ではない。巨大災害の時代である。首都直下型、南海トラフ型などが近づいている。富士山の大爆発も近い。想定外などと言っていられないのだ。群馬県は災害が少ないと言って大災害に無関心の人が多い。しかし、それは災害の歴史に目を向けない誤った姿勢というべきだ。私は昭和22年カスリン台風を思い出す。私が小学校に入学した年であった。戦後間もない日本で記録的な集中豪雨を引き起こし関東や東北地方を中心に死者、行方不明者1,100名以上、負傷者2,420名と報じられた。この台風の時、学校は早く終了となって逃げるようにして家に向かったことが甦る。しかし宮城村を縦に流れる荒砥川は大氾濫となった。岩をかむ黒い濁流が頭に焼き付いている。

 先日吾妻郡の鎌原観音堂を訪ねた。埋没石段は静かに雄弁に歴史を語っていた。石段わきの石柱には「天明の生死を分けた十五だん」と刻まれている。15段より上に逃げた人々は村の有力者の協力で組み合わせにより夫婦となり新しい人生を始めた。今でも老人たちが歌う「和讃」は雄弁に当時を伝える。

「妻なき人の妻となり、主なき人の主となり」と。石段に残った、支え合うような二つの骨は、後の研究から「たいへんな美人だった」と指摘されている。二人は天国で近づく災害を警告しているかもしれない。(読者に感謝)

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