「赤城山で女性から素敵なプレゼント。赤城は素晴らしいオアシスだ。国定忠治を偲ぶ」
◇6月1日、赤城南麓の小さなレストランでコーヒーとしるこを注文した。これから大沼を目指す。道中に何か起こるか密かな期待があった。山の友だちに会えるかもしれないのだ。それはクマか、鹿か、ヘビか、それとも全く予想もしない新しい友だちか。湖畔を想像する。さぞ涼しいだろう。登り詰めた所でソフトクリームを食べるのが楽しみである。湖畔の涼風が迎えている。最高のご馳走は風景と風と緑である。まず途中の広場だ。あそこまで数分で、そこから上までは近い。登る車が多い。皆都会を脱出してオアシスを求めているのだ。しるこを食べていたらある女性に素敵な花をもらった。黄色い花でアルストロメリアという。黄色は珍しいとか。花言葉は「未来へのあこがれ」とか。ピッタリだ。赤城を目指しての成果の一号である。この時、この店にアジア系外国人女性3人が入ってきた。イスラム教とすぐ分かる装いである。日本で農業に従事しているという。国際化の波がこのような形で押し寄せている。
◇約15分で山頂についた。ソフトクリームを買った。450円。緑の風の中の味は格別である。腰が曲がった杖の老人が歩いている。うしろでは声の高い老人が何かを注文している。窓の外では若い女性がスマホを手にソフトクリームを食べている。
3時20分、着信の音。妻であった。山の道を心配している声であった。様々な人が訪れている。赤城山は群馬県のオアシスである。腰を下ろした場所は「赤城山総合観光案内所」である。そして目の前が白樺牧場だ。この静寂からはかつてこの山が大爆発したことを想像することは難しい。赤城山は活火山で今でも足下ではマグマがたぎっているのだ。この周辺の温泉はその恩恵である。この店の一角にやくざの旅合羽がかかっている。かつて国定忠治が「赤城の山もこよい限り」と見栄を切った姿が想像される。そういえば、この山の中腹に忠治の隠れ穴があり私はかつて入ったことがある。忠治の存在が世に出たのは新国劇の辰巳柳太郎と島田正吾の力である。辰巳柳太郎の当たり役は忠治や宮本武蔵や王将だった。十八番の「国定忠治」の公演は通算3000回を超えたというから凄い。3時55分である。中村紀雄の国定忠治もそろそろ腰を上げることにした。
◇4時13分、湖畔に着く。さわやかな涼風が湖面を渡っていた。何とも言えぬ美味しさである。帰りの道は小沼を経て林道を下った。林道に期待した友だちが現れなかったのは残念であったが緑の森は私の原点であり、久しぶりに山の気分を満喫することができた。(読者に感謝)
| 固定リンク



最近のコメント