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2025年10月31日 (金)

「日韓関係の重要性は更に。クマ対策は新たな局面に。生年月日が同じ女性との誕生会をした」

◇高市首相は30日、訪問先の韓国で日韓関係の重要性を強調し、シャトル外交の積極的推進を訴えた。米中対立が激化する中、最前線の日本の役割は増大している。北朝鮮、ロシア、中国を隣国にもつ日本である。韓国関係には複雑微妙な問題が存在するが、その重要性は痛切である。両首脳はシャトル外交(相互往来)の積極推進で一致。李首相は、次回は自身が訪日する番だと発言した。そして高市首相は北朝鮮の完全な非核化に向けた日米韓の緊密な連携と拉致問題の即時解決が重要だと指摘した。

◇ここまで来たかクマ問題の感を深めている。生活圏でのクマ出没が相次いでいる。文科省は30日、全国の教育委員会に子どもの安全確保を求める通知を出した。教育環境が脅かされるに至っている。秋田大学ではキャンパスにクマが現れ、全学の休講や講演会の中止に追い込まれている。同大学では注意を促す貼り紙が校内に張り出された。大学の関係者はキャンパス内の確認は初めてで「今年は異常だ」と話している。先日、クマが民家のこたつに入っていることが報じられた。クマは好奇心が強いのか。次は大学で講義をきくクマが報じられるかも知れない。

 政府はクマ被害の深刻化を受け、国民の安全を脅かす深刻な事態だとして関係閣僚会議を開いた。今年度のクマによる死者はすでに12人で過去最悪だった2023年度の6人の2倍となっている。完全な駆除が必要だと指摘されている。怪我をした「手負い」グマを逃がさないようにしなければならない。警察庁はライフル使用に乗り出す方針を決めた。従来の拳銃では無理と判断したのだ。人食いグマの恐怖が増大する中、人間とクマの戦いが新たな局面を迎えたといえる。

◇30日、近所のお婆さん及びその娘さんを加えささやかな誕生会をした。小学校時代の同級生であるこの女性は奇しくも私と生年月日が同じなのだ。六本木コオさんである。私が小さなケーキを提供。古い当時の写真を持参した。「まあ、これが○○ちゃんだ」コオさんの顔が若返る。80年近い昔にタイムスリップした瞬間であった。「これからも毎年続けようね」と約束。コオさんは「のりおさんもマラソンを頑張って」と励ましてくれた。ぐんまマラソン10キロが目前に迫った。11月3日文化の日は「特異日」と言われ、毎年快晴である。参加者は7千人を超える。国道17号を北上する洪水のような人の姿の波が想像される。最高齢の部類に違いない。自分への挑戦だ。胸が高鳴り血が湧く。(読者に感謝)

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2025年10月30日 (木)

「今日は誕生日。私は戦中派で様々あった。不登校35万人、自殺者も最多。スカート内盗撮の実態」

◇10月30日、今日は私にとって歴史的な日である。誕生日なのだ。長い年月で重ねてきた誕生日だが、今日は感慨ひとしおである。激しい人生であった。かつては人間50年と言われた。戦争の時代には20代の多くの若者が木の葉のように命を散らせた。私が生まれたのは1940(昭和15)年10月30日、前年に第二次世界大戦が始まり、翌年太平洋戦争が始まった。紛れもなく戦中派なのだ。廃墟と化した前橋市街の光景が目蓋に焼き付いている。

 様々な出来事が甦る。山奥の掘立小屋と開墾生活。すし詰めの教室は騒然として、いじめは日常だった。誰も平気だった。互いの存在を認めたり、いたわり合う空気も同居していたのだ。どこでも「リンゴのうた」が流れていた。

85年生きて思うことがある。知識や技術は積み重ねていくものであるから絶えず進歩を続ける。しかしそれを利用し頼る人間の精神面は劣化しているということだ。人間が本来備えていた野性的原始的要素がどんどん低下、あるいは失われているように思えてならない。人間の危機、文明の危機を感じる。

◇不登校小中学生が35万人超と、過去最多を更新した。教育は国の大本である。不登校のこの現実は当の個人にとって最大の課題であるが、社会にとっても重大事である。当人は出口のないトンネルに閉じ込められたような不安に怯えているに違いない。将来社会人として人生を生きることへのマイナスになる可能性は否定できない。不安と重圧に耐えられず自殺に至る者もあるだろう。厚労省と警察庁によれば、小中高生の令和6年の自殺数は529人で過去最多を記録した。その内訳は小学生15人、中学生163人、高校生349人である。中、高と上に進むにつれて増加しているのが現実だ。これは社会への進出が近づくことで不安が増すのではなかろうか。生きるパワーと大きく関わるに違いない。教育の目的は生きる力を養うことだから、不登校や自殺の現実は、学校や家庭が担う教育力と深く関わっているのだ。私の子どもの頃の記録は分からないが皆逞しかった。ハングリー精神に満ちていたあの頃が懐かしい。

◇女子児童のスカート内を盗撮した元教諭の実態は信じ難い。盗撮画像は1万点以上で「パンツが撮りたかった」とか。10年以上繰り返していたとされる。盗撮教師の存在はもはや一部の例外とは言えない。教育を食い漁るシロアリを退治する国の決意が求められる。(読者に感謝)

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2025年10月29日 (水)

「元始女性は太陽だった筈が現実は。貧しい層からは天使と慕われ上流階級からは悪魔と恐れられたエバ・ペロンの生涯」

◇今月の「ふるさと未来塾」では女性を語った。テーマは「勇気と誇りをもって生き抜いた女性たち」。その動機は心に湧いた「憤り」である。歴史を振り返ると、女性が酷い扱いを受けてきたことに愕然とする。「元始、女性は太陽であった」と叫んだのは女性解放運動家の平塚らいてうであった。男尊女卑は洋の東西を問わない。輝くような女性たちが踏みにじられてきた現実への怒りが私の筆を駆り立てた。

 桂小五郎を愛した芸妓幾松や吉田松陰の妹で初代群馬県令楫取素彦の妻として烈婦と言われた寿子からはじめて、アルゼンチンの聖女エバ・ペロン、そしてハンセン病患者に寄り添って「母にもまさる母」と言われた井沢八重までいろいろな女傑を用意したが、ここではエバ・ペロンを取り上げることにする。

 エバ・ペロン、愛称エビータは貧しい家に私生児として生まれた。牧場の料理人であった母は、牧場主との間に5人の子を生み、エバはその末っ子であった。聡明な少女は自分の境遇を呪いそこから抜け出そうともがいたに違いない。エバはこの世に金持ちと貧しい人がいると知った時、金持ちの存在がショックで我慢ならなかった。そして特権階級への憎悪をたぎらせていった。これが貧しい層からは天使のように慕われ、上流階級からは悪魔と恐れられた背景であった。エバは後に慈善活動や社会福祉の充実に力を入れたのであった。

エバは15歳の時、アルゼンチンの最大の都市ブエノスアイレスに出て声優、俳優になる。彼女にとって一つの大きな転機が訪れた。それは大きな地震であった。大統領が被害状況を視察し国をあげての募金活動が始まった。地震の惨状は蓄えも財産もない人々にとってより大きな衝撃であった。エバにはそれが痛い程よくわかった。そこで進んで募金活動を行った。一つの救済基金が労働大臣ペロン大佐によって設立された。彼は俳優たちのチャリティショーも発案した。ペロン自ら募金箱を持って通りを歩いた。このような大きなうねりの中でエバとペロンを結び付けたのは不思議な運命の力であった。この日につきエバは「わたしの素晴らしい日」と呼び、ペロンは「エバがまるで運命の女神に運ばれてきたように私の人生に飛び込んできた」と言った。

 ペロンは若い時陸軍武官になり、第二次世界大戦勃発直前にヨーロッパに派遣される。ペロンといえば民主主義とは対極のファシズム支持者で知られるが、それにはファシストの権化ムッソリーニの影響が強かった。ペロンはイタリアのムッソリーニにすっかり感化されたと言われる。エバはその勢いを助けたのだ。 明日へ続く。(読者に感謝)

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2025年10月28日 (火)

「核戦争の足音が聞こえる。核分裂の仕組みとは。物理学者オットハーンとマイトナー。ウラン235の役割」

◇最近、核戦争の足音が近づいていることを肌で感じる。それにはロシアのプーチン大統領が核の使用をしきりにちらつかせていること、ウクライナやガザで戦争を行われていることがあげられる。これらの戦争がエスカレートすれば核使用があり得るのだ。戦争に勝つためには手段を択ばない。それは歴史が示す事実である。そもそも原爆は勝つためにつくり出されたものである。昔から「何とかに刃物」とよく言われてきた。これは別の言い方をすれば、民主的コントロールの制度がない国が核を保有することである。北朝鮮の暴走振りはそれを思わせる。

 あるグループの会合で「日本は人類で初めての被爆国なのだから、原爆の恐怖を根本から考えようではないか」ということになった。この会にはいろいろな年齢層がいて、一人の中学生が意外な発言をした。「広島、長崎の原爆のエネルギーで蒸気を作り、発電機を回せば途方もない火力発電になると思います。原爆のエネルギーが生まれる仕組みが知りたいのです」。この少年の発言を機に核分裂について勉強することになった。まとめの大筋は次の通りだ。

 原子力発電は制御(コントロール)された核分裂の熱を利用する。原爆は制御なしの分裂の連鎖反応の利用である。核分裂とそこから生じるエネルギーについてはオットハーンが発見。原子核に中性子を当てると、核は分裂し同時に中から別の中性子が出る。それがまた別の核に当たり、そこでも中性子を生む。これが次々に連鎖する。核が分裂する時、計器の針が振り切れる程のエネルギーが生じることを計算した女性物理学者はマイトナーだった。核分裂に使われる原子は分裂しやすい原子であるウラン235が使われる。つまりこうだ。ウラン235の原子核に中性子が当たると原子核が分裂して膨大な熱エネルギーと更に中性子を放出する。この放出された中性子が別のウラン235の原子核に次々と当たり核分裂が連鎖的に起こるのである。ウラン235は天然に存在するが、日本では現在採掘されていない。国内の鉱床が小規模で採算が取れないためだ。日本は全てカナダ、オーストラリアなど海外からの輸入に頼っている。この2か国で輸入量の7割を占める。日本に輸入されるのは天然ウラン鉱石の形で産出され、その後原子力発電に適した濃度に高める。東日本大震災時の史上最悪レベルの原子力事故を忘れてはならない。あれから14年余が過ぎた。首都直下型、南海トラフ型などの巨大災害が近づいている。(読者に感謝)

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2025年10月27日 (月)

「18歳で原爆開発に参加した天才物理学者の生涯。映画“原爆スパイ”の反響」

◇ヒトラーのナチスに先を越されたら大変なことになる。原爆開発のことだ。事実ナチスの下で研究は進められていたのだ。そこでアインシュタインを先頭に建てたかたちをとって米大統領ルーズベルトに原爆開発を勧め、これが契機となってアメリカは国をあげて研究にとりかかった。オッペンハイマーのもとで始まったいわゆるマンハッタン計画である。このマンハッタン計画に18歳で参加した天才物理学者がいた。ユダヤ人のセオドア・ホールである。この人は幼少期から数学や物理の才能を発揮し、飛び級でハーバード大を卒業した。ユダヤ人は不思議な民族で天才が多いと言われる。先のオッペンハイマーもユダヤ人である。この人物ホールは広島に投下された原爆「リトルボーイ」の設計や、長崎に落とされた「ファットマン」(太っちょ)の実験にも関与した。しかしこの天才物理学者の行動で注目すべきことは原爆開発の情報のスパイ行為である。重要な情報を旧ソ連に提供したのである。それは原爆開発拠点に勤務する科学者たちの詳しい情報やファットマンに用いられた「爆縮」という起爆方式の技術に関する機密情報である。この情報提供により、ソ連は原爆開発を数年間早めることが出来たと言われた。死刑にされる可能性があるスパイ行為の動機を知ることが重要である。それはアメリカによる原爆独占は世界の平和のために危険だとする政治的・思想的信念であった。つまりソ連も原爆を持つことによって米ソ間の核戦力が均衡し、それによって相互牽制が働き核兵器が実際には使われないようにすべきだと考えたのだ。

 なお、セオドア・ホールが死刑を免れた理由として大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発で主導的な役割を果たした実兄エドワード・ホールの存在が影響したと言われている。ちなみにローゼンバーグ夫妻は原爆開発情報のスパイ行為で死刑に処されている。

 また、セオドア・ホールの驚くべき生涯は「原爆スパイ」として映画化され大きな反響を呼んだ。これは原爆スパイの驚くべき人生と、核開発をめぐる大国の思惑を克明に描いた衝撃のドキュメンタリーである。核戦力の均衡をもたらした一方で、ソ連に禁断の兵器を与えた行動は果たして正しかったのか。1997年、その驚くべき人生が知れ渡ると共にアメリカで一大論争を巻き起こすことになった。同じ容疑で死刑となったローゼンバーグ夫妻との違いは何か。アメリカの民主主義を考えさせられる。(読者に感謝)

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2025年10月26日 (日)

死の川を越えて 第163回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「こう書いてある。父は元気なうちにぜひ草津をもう一度見たいと言っています。父の病気は治っています。顔の外見もよく見ないと分からないので拘束されることはないと存じます。母お藤の遺品を整理していたら珍しい貴重なものが見つかりました。それをこずえ様に渡すことも目的です、と」

「何でしょう。父に関することかしら」

「いずれにしても、鄭東順さんに会えるとはわくわくじゃ」

「俺は大変助けられた御礼を言わなければ」

 正助がうれしそうに言った。

 それからひと月程が経った。鄭父娘は日本に上陸して、無事軽井沢まで来たが、この駅で嬬恋行きの電車に乗車することを拒否されてしまった。

 実は、この駅にハンセン病患者に目を光らす妙な男がいた。又八という、元馬方のこの男は、湯の川地区の宿屋に客引きに雇われていた。見つけると駅に密告し乗車を拒否させ、自分の馬を使わせる。弱みにつけ込んで法外な料金を要求するのだ。ほとんどの患者は又八の特異な目力から逃れることができなかった。

つづく

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2025年10月25日 (土)

死の川を越えて 第162回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 さて、正太郎の利発さには目を見張るものがあった。マーガレット・リー女史が大変賢いと褒めたことが決してお世辞でないことは、湯川生生塾でもすぐに知るところとなった。記憶の良さ、理解力は抜群で万場老人も、これはひそかに期するものがあった。

 

第八章 住民大会

 

  • 韓国からの客

 

 草津は深山幽谷の地である。草津温泉が名声を高め全国から浴客が集まることを温泉街の人々は切望していた。問題は交通手段だった。時代は急速に発展していた。こういう時代状況の中で、軽井沢、草津間に鉄道を敷設するという事業が進んだ。ハンセン病の患者にとって、鉄道の利用は天の恵みである。しかし、社会一般は、ハンセン病は怖い伝染病で、伝染を防ぐためには接触を避けることだと信じた。そういう世の風潮を国の隔離政策が支えた。ここに鉄道会社のハンセン病患者乗車拒否が発生する。

 草津電鉄は大正年間、軽井沢ー嬬恋村間に開通したが、軽井沢駅で頻繁に乗車拒否が起きていた。患者の多くは、ここから草津までのおよそ60キロを歩かなければならなかった。

 ある日、韓国から万場老人の下に一通の手紙が届いた。万場老人は、はっとして息をのむ思いで一読すると、すぐに正助とこずえに声をかけた。

「ハンセン病の頭の鄭東順さんと娘の明霞さんが草津に来られるぞ」

「えっ、本当ですか。懐かしい。俺、夢のようです」

 正助は明らかに興奮していた。

「お藤おばさまのご主人に会えるなんて、そしてまた明霞さんに会えるなんて」

「私も夢のよう」

 こずえも頬を紅潮させている。

つづく

 

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2025年10月24日 (金)

「千両役者トランプに対峙する女性首相への期待。元始女性は太陽であった。鉄の女サッチャーと重ねる」

◇高市首相の外交の動きが始まった。いきなり大きな外交の舞台に立つ。28日に予定されるトランプ大統領との対面での会談だ。トランプ氏は千両役者であり、その存在感は大きい。女性首相は心中緊張しているに違いない。世紀の対決ともいえる場面に興味が湧く。しっかり見届け声援を送りたい。首相は25日を軸にトランプ氏と電話会談をする運びである。日米同盟強化と「自由で開かれたインド太平洋」実現の重要性の共有や対面での首脳会談の準備が電話会談の目的である。高市政権発足直後の首脳会談の意義は重要である。国際情勢は緊迫しており、アメリカは最重要同盟国であり、日本の役割は極めて大きいからだ。防衛大臣再任の小泉進次郎氏も日本の安全保障につき強い決意を示している。日本の安全保障につき重要なことは、アメリカとの同盟力だけではない。また、日本の武力を重視する姿勢でもない。外交力による諸国との良好な関係を築くことである。その場合、世界に広がる発展途上国と絆を深め貢献する姿勢は特に大切である。日本は人類初の広島、長崎を経験し、その反省の上で人間尊重の平和憲法を打ち建てた。これは軍国主義の侵略国から180度の転換を果たしたことを物語る。高市首相は超保守的とも言われている。私はこの人がもつ毅然とした精神性の現れと見ている。現在の世界状況は疾風迅雷の様相を呈している。柔な船頭では乗り切ることは出来ない。女性が政治の世界で活躍した事実は卑弥呼の例が示す如く長い歴史をもつ。「元始、女性は実に太陽であった」。これは女性解放運動の先駆者平塚らいてうの言葉である。憲政史上初の女性首相高市氏はこの言葉をかみ締めてプーチンや金正恩に対峙してもらいたい。高市首相は「鉄の女」と言われた元英首相サッチャーに憧れていたと伝えられる。私はサッチャーを目標にして高市氏が更に成長し、現在の歴史の一大転換点に於いて大きな役割を果たすことを期待する。高市首相の近隣諸国との姿勢につき、日韓関係悪化を懸念する声があった。高市首相は、これに対し日韓関係重視を打ち出した。次のように発言したのだ。「韓国は日本にとって重要な隣国だ。これまでの政権の間で築かれてきた日韓関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で安定的に発展させたい」と。日本は韓国を侵略し、その誇りを踏みにじった不幸な歴史をもつ。この歴史的事実は韓国の人々に深く突き刺さっている。これを謙虚な姿勢で乗り越えねばならない。(読者に感謝)

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2025年10月23日 (木)

「ルパンを思わせる鮮やかなパリの強盗団。日本は地雷対策でウクライナに貢献できる。小川市長と民主主義」

◇まるで怪盗ルパンの仕業だ。19日、パリのルーブル美術館の窃盗事件。7分の早業。盗まれた宝飾品の価値は「測り知れない」という。プロの強盗団と思われる。覆面の四人組は2階から窓ガラスを割って侵入した。驚くべき被害の規模である。1998個のダイヤモンドで装飾されたナポレオン3世皇后の王冠も奪われた。王室コレクションを標的とした史上最大級の強盗事件とされ、被害は経済損害だけで155億円相当とか。あまりに鮮やかな犯行につき警備に問題があったことが窺われ批判が起きている。仏政府は警備をめぐり緊急の協議をしている。文化の国フランスの威信を大きく傷つけた。国家遺産を守れないことはフランスの威信を大きく傷つけた。

 子どもの頃、モーリス・ルブランの小説で登場するアルセーヌ・ルパンを愛読した。神出鬼没の怪盗と名探偵ホームズとの対決は少年の血を沸かせたものだ。今回のルーブル強盗団の正体はやがて明らかになるだろう。日本でも銀座などの宝石店が白昼ハンマーでショーウインドーを叩き割られ貴金属が奪われる事件が時々報じられている。プロの目から見れば隙だらけに違いない。犯罪が国際化している今日、平和でのどかな日本を悪者たちの稼ぎの場にしてはならない。

◇22日、ウクライナ地雷対策会議が開かれた。そして茂木外相は日本のウクライナに対する支援策「ウクライナ地雷対策支援イニシアティブ」を発表した。今回の会合は日本が主催し約75ヵ国・国際機関から閣僚や関係者が参加。日本は地雷対策に関し豊富なノウハウを持つ。

 ウクライナは国土の約3割がロシアの地雷や不発弾で汚染されている。ロシアのウクライナ侵略を許してはならないのは当然だが、日本はこれを阻止するために武力で戦うことは出来ない。地雷除去は平和的手段でウクライナを支援する有効な手段である。日本はこれからも地雷除去の技術を蓄積し、世界に貢献すべきである。世界の地雷状況は驚くべきものである。世界には6,000万から7,000万個の地雷が埋設されているとされる。日本が世界の平和維持に地雷除去で積極的に参加することは素晴らしい。それは日本の安全保障にもつながることである。

◇小川市長の問題は政治不信の極致を示すものであり、民主主義の危機に他ならない。この状況に対応するためには選挙が最適である。選挙は民主主義の根幹をなすからだ。有力な対立候補と激しい選挙戦をすれば、それこそ全市民の声に耳を傾けることに通じる。(読者に感謝)

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2025年10月22日 (水)

「初めての女性総理誕生の意義は。新閣僚の面々に思う。柔道山下氏の生き様」

◇2025年10月21日は日本の歴史で特記される日となった。初めて女性首相が誕生したのだ。国会で高市早苗氏が第104代首相に指名された時、思わず「やったー」と叫んでいた。自民党支持でない多くの人たちもそう感じたに違いない。不安と混乱と重苦しさが渦巻く時代。その瞬間緊張した高市さんの瞳が輝いて見えた。そしてこぼれる笑顔。それを見て私は何かが変わると大きな期待を感じたのだ。

 凄い速さで物事が動いた。新閣僚の誕生である。呼ばれて官邸に急ぐ人々が映る。女性大臣は何人で誰だろうと心が逸る。片山さつき財務大臣と小野田紀美経産相だった。その他の注目ポイントが次々に決まる。令和の米騒動と言われ農業が大きく構造的に変わろうとしている。その大任を担う農相は鈴木憲和氏である。北朝鮮やロシアを隣国とする日本にとって安全保障は焦眉の急。それを担う防衛大臣は小泉進次郎氏と決まった。トランプ大統領の来日も近い中、外交は重要な要。外務大臣は茂木俊充氏である。高市さんは3度目の挑戦で総理の座を得た。高市総理は語った。「何となく広がっている不安を希望に変えていこう」。大きな危機を前にして束の間の平穏を生きる私たちの心理を表現する言葉に聞こえる。

◇人間は窮地に立たされた時、そこから脱出するために真価を発揮する。柔道の山下泰裕さんの姿に胸を打たれた。かつて柔道少年だった私にとって山下さんは偉大な存在だった。五輪柔道の金メダリストで全柔連会長だった山下さんは不慮の大事故で頸髄損傷を負った。温泉の露天風呂で意識を失い、2メートル近い崖下に転落。現在首から下がほとんど動かせず車椅子の生活である。入院中、妻や子どもから「あそこで死ななくて生かされているのには意味がある」と励まされ社会復帰を目指したという。そして心中を語る。「障害やハンディを背負った方のためになることを、少しでもやって行かなければ死ななくて生かされた意味はない」。そしてスポーツの意義とスポーツによる貢献を次にように述べた。「スポーツにはルールを守るフェアプレーの精神がある。仲間と力を合わせる、相手に敬意を持つ、丈夫な体と健全な心を養うなどは人生で必ず役に立つ」。かつての伝説的な最強王者。その精神は王者を貫いていた。「人生の最後まで柔道家であったと思われたい。言ったこととやることは乖離しない」と語る。一芸を極めたこの不屈の人に武術に命をかけた侍の姿を重ねる。(読者に感謝)

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2025年10月21日 (火)

「トランプ大統領と警護問題。クマの被害と地球温暖化。小川市長の続投と社会の倫理」

◇トランプ大統領の来日は今月27日から29日を軸に調整されているという。一方高市氏は21日国会で首相に指名されることが確実となった。自民党と日本維新の会が合意に至ったからだ。トランプ氏と対峙する首相は誰になるかと大いに興味をもっていた。想像されるトランプ氏の性格からして女性の方が日本として安心できる気がする。それにしても大きな存在感とパフォーマンスが得意な千両役者とうまく渡り合えるのか見ものである。

 トランプ氏来日で最も神経を使うのは警備の問題である。安倍元首相の暗殺を許したのは当局の油断であった。アメリカなどでは考えられない手の抜きようと強く批判された。世界でも例がない程治安が良好な日本である。安全神話に胡坐(あぐら)と良く言われるが、それは警備について当てはまると言える。警備につき、一般市民に関し性悪説に立つべきである。トランプ氏には過去に凶弾が耳に当たり九死に一生を得た例がある。もし万一のことがあれば、その影響は測り知れないことだ。

◇クマの被害が相次いでいる。クマの世界に何か異変が起きているに違いない。絶滅させるべきでないことは当然だから、合理的科学的対策を考えねばならない。それはクマの生存環境とクマの実態をよく調べ賢明に恐れさせ共存を実現させることである。クマの体内から人体の一部が発見されたことは衝撃である。クマの恐怖についての認識を改めねばならない。母クマに連れられた子熊はいかにも可愛らしい。「クマさん」の受け止めは大事にしつつも、私たちも正しく恐れなければならない。クマの被害は過去最悪と言われる。これから冬眠に備え本格的に栄養を蓄える季節となるから市街地での出没が増える可能性があると言われる。刺激の多い人里では冬場でも目覚めやすく、アーバンベア(都会のクマ)のリスクが高まる可能性があるらしい。山に比べ市街地は暖かいから少しの刺激で冬眠から覚めるという。地球温暖化が異常に加速する今日である。総体的に冬眠が浅くなっているのではないか。本県でもみなかみ町などでしきりに出没が報じられている。

◇小川市長が続投を表明した。公約の実現が自分に課せられた責任と言っている。ラブホテルに既婚男性と10回以上とはいかにも品位に欠ける。人間の倫理観が地に落ちて享楽の世相が渦巻く中、市長の判断と行動がこの堕落した状況を肯定することに繋がることを強く懸念する。かかあでんかの本来の気概を望む。(読者に感謝)

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2025年10月20日 (月)

「大谷の異次元の活躍に思う。東大弁論部の“論壇”に私の作品が。暴力団排除条例をつくる」

◇大谷の活躍に度肝を抜かれた。「わぁー」と思わず声をあげた。このところ打率1割台だと低迷し心配していた。3本塁打、10奪三振と正に異次元の働きである。多くの日本人が、いや外国人も含めて心に快哉を覚えたに違いない。現在世の中に不快なことが多い。訳もなく人を殺す。格差が広がり生きにくい社会が広がっているのだ。ある事件の容疑者がうつろな目で「人を殺して人生を終わりにしたいと考えた」と口にしていた。昔は、人々は支え合っていた。現代社会で人々は孤独である。社会そのものが崩壊していく危機感を抱く。日本人離れした大谷の動きは暗い社会にとって一筋の光明といっても過言ではない。

 王選手が2025年の文化勲章を得た。私と同じ年で誠実そうな人柄にいつも打たれていた。大谷も王も日本の野球文化を変化させて発展させた。今年も暮れる野球と共に来年は良い年にしたいものだ。

◇東京大学弁論部の機関誌「縦の論壇」に寄せた私の小作品「戦後八十年、炎の山河」が近く出版物として発行されることになった。この出版物とは別に来年、ブログで発表した幾つかを加えた小著を作る計画を進めている。

 私は弁論部に所属していた。東大の弁論部は通常、この部について抱くイメージとは違う。正式の名称は第一高等学校・東京大学弁論部である。第一高等学校の文字が示すようにその歴史は古い。物故会員に河上丈太郎(元社会党委員長)や矢内原忠雄(元東大総長)などが存在することは東大弁論の性格を物語る。私が進める作品は85年の人生を振り返り、それと関連付けながら時々の社会の重要な出来事を語るもの。その例を1、2紹介しよう。昭和21年、私が小学校に入学する前年のこと、1月1日天皇の「人間宣言」が行われ、それを踏まえ、11月3日日本国憲法が公布された。天皇は神の座から降り、憲法一条で象徴天皇と明記された。赤貧洗うが如しの経済状況で進んだ定時制高校は荒れていた。私は親友のトラブルに巻き込まれ障害事件を起こすに至った。心のマグマを抑える重要性を心に刻み反省した痛恨の出来事であった。

 県議時代に懐かしいのは暴力団排除条例に関わったこと。公営住宅から暴力団を排除しようとするもので決意をもって臨んだ。私が中心になって作ったもので、前橋東警察署は可決後しばらく我が家の周りをパトロールした。これを契機に県内全ての自治体の公営住宅につき同様な条例が作られ現在に至っている。(読者に感謝)

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2025年10月19日 (日)

死の川を越えて 第161回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 固い空気は和んで話は弾んだ。正助はシベリアの不思議な経験を話した。森山はこずえの母お品、そしてその双子の妹お藤のことにも触れた。さやは、京都帝国大学を訪ね、学者先生からハンセン病は遺伝病ではない、また感染力も非常に弱いと聞かされて正太郎を産んだことを話した。

 じっと耳を傾けていた木檜は姿勢を正して言った。

「いや、感激しました。皆さん、お一人お一人に熱い人生の物語があるのを知りました。皆さんから今日お話を聞けたことを、この木檜、決して無駄にしないことを約束します。それから万場先生、この湯川生生塾は素晴らしい。世はすっかり公教育の時代となったが、学問の原点は国の権力と離れた所にあるべきだ。学問の真の目的は生きる力。それは個人の心の問題です。だとすれば、権力は心を支配すべきではない。これは私の信念です。だから、こういう私塾の存在の意味は大きい。湯の川地区は差別された社会だから特別であるが、一般社会でも公教育一色はよくないと思う。私も塾生の一人に加えてほしい」

 木檜がこう言いながら森山を見ると、自分もという表情で頷いた。

「ありがたいことじゃが、ご冗談でございましょう」

 万場老人は笑って言った。

「いや冗談ではない。私と森山さんを仲間に入れてほしい。森山さんも異存はないと言っておる。皆さんと共に学ぶ心なのです。もっとも、出席はめったにかないませんが心は出席しているということでお願いしたい」

 木檜、森山両人が本気なのを知って、万場老人は言った。

「恐れ入りました。感激です。しかし、生徒というのでは、皆がかえって固まってしまいます。先生の一角でお願い致したいと存ずる。一年に一度でも、特別講師でお話頂ければ、この上なき幸せでございます」

 そう言って、老人が人々に視線を向けると、一斉に拍手が起きた。

「ははー、良い形で決定しましたな。いつか、皆さんの前でお話ができることが楽しみじゃ」 

 木檜との体面は、このような意外な結果を生んで無事に終ったのである。

つづく

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2025年10月18日 (土)

死の川を越えて 第160回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「ありがたいことでござる。先生のご発言と牛川知事の請願文は、この生生塾でも勉強致しましたぞ」

「何と、それは素晴らしいこと。そのような天下の大事を論じるとは、誠にかの初夏村塾を思わせる。ところで、森山さんが申していた県議会へ出向いた人々はどなたですかな」

 木檜の言葉に正助が顔を上げた。

「私が下村正助です。これが女房のさや、そして息子の正太郎でございます」

 この言葉に、後ろにいた正太郎は、両親の肩の間から頭を上げにっこりと笑顔を向けた。

「ははー、君のことだな。森山先生から聞きましたぞ。ヒゲの先生たちを少しも恐れず元気に名前が言えたというね。こういう勇気ある若者をこの生生塾で大きくまっすぐに伸ばしてください。この湯の川のため、また、天下のために、万場先生よろしくお願いしますよ」

「はい、微力な私ですが、社会に対する最後のご奉仕と考えております。厳しい道を覚悟するために湯川の文字を上に付けたのでございます」

「なるほど、なるほど、その通りです。鉄をも溶かす世界一厳しい水の流れを社会の不正義に対する怒りと捉えるのですね。わしら政治家こそ第一に忘れてならぬことです」

 木檜と森山は顔を見合わせて頷くのであった。

 木檜の視線は万場老人の傍らに座るこずえに注がれた。その姿からこのハンセン病の集落には異質なものを感じていたのであった。それと察した森山が言った。

「こずえさんといいまして、下の集落に住む娘さんで、万場さんの縁の者です。この生生塾では助手を務めておるそうで、子どもたちにもお母さんにも人気のある美人先生なのです」

「ほほう。わしも入塾したくなりました。わっはっは」

 木檜は豪快に笑った。万場老人は、森山から反骨の闘将と聞かされていたこの代議士の本質を垣間見る思いで、その横顔を眺めていた。

(読者に感謝)

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2025年10月17日 (金)

「年末に来年の惨状を想像する。今月のふるさと塾は市川房枝、津田梅子等の勇気ある女性を語るつもり。小川市長は自縄自縛だ」

◇10月が後半に入った。あっと言う間に年末を迎える。年末ということは新年が迫ることだ。思わず一年を振り返る。沸騰と呼ばれた夏だった。地球温暖化は一時的なことではないから続くに違いない。いや更に酷くなるだろう。行く手に待つのは焦熱地獄であろうか。不安に駆られる中で不吉な予感が匕首(あいくち)のように胸に刺さる。来年はとんでもないことが起きる気がする。災いは手を携えてやってくるという。いろいろなことが重なる気がする。巨大地震か火山の大爆発か。人間は怯えながら待つしかない小さな存在である。

◇今月の「ふるさと塾」は26日(日)、午後3時からである。長い塾の歴史で昼のこの時間にするのは初めてである。周知につとめてきたが知らない人もいるだろう。不安である。

 テーマは「勇気と誇りを持って生き抜いた女性たち」。洋の東西を問わず男尊女卑が続いた。女に教育は無用と言われた。取り上げたい女性は多いが桂小五郎が愛した幾松、女性政治家市川房枝、アルゼンチンの聖女と言われたエビータ、新五千円札に登場した津田梅子などなどである。アトランダムの感があるが私の人生の時々で胸を打たれた人々である。婦人運動のリーダー市川房枝は貧しい農家の娘として生まれ、父に薪で殴られる母を見て育った。私生児から身を起こしその美貌と才覚で大統領夫人に登り詰めたエビータは貧しい層からは天使と讃えられ上層階級からは悪魔と恐れられた。戦後の日本は小麦の援助などでこの人に助けられた。私はアルゼンチンを訪ね衝撃を新たにした経験がある。津田梅子を新紙幣に登場させたことは一つの快挙である。彼女は日本初の女子留学生の一人として渡米し、帰国後現在の津田塾大学を創設した。梅子は明治4年、6歳の時、岩倉使節団に加わって渡米した。アメリカの社会を目にした少女の驚愕ぶりは想像を超える。今日に置きかえるなら別の宇宙人の世界に行ったようなものであろう。偉大な女性パイオニアたちの勇気ある姿を話そうと思う。

◇市長のホテル問題が報じられてから3週間が経過。祭りなどの行事への欠席に関し、市民に戸惑いが広がっている。前橋まつりの関係者からは憤りの声が上がっている。県内各市の首長からも厳しい声が次々と聞かれる。市長は自縄自縛の状態にあると思う。これが長引くほど窮状は深刻となる。市長に求められるのは勇気と決断である。市民のストレスは限界に近い。(読者に感謝)

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2025年10月16日 (木)

「野党が政権を取れるチャンスだ。それを活かす西郷や勝海舟はいないのか。クマに備え深夜に笛を吹く」

◇野党が政権を取れるチャンスはめったにない。その時が訪れているのに野党は右往左往である。内憂外患の国難の時である。昨年の衆院選、今夏の参院選を経て多党化が進んでいる。国民にとって、多党化は政治の選択肢が増えることであり、良い事である。しかし、そのために政治の不安定が生じ、課題を解決できない状態は困ったことである。

 自民党は安定的な政治基盤の構築に向け、国民民主党のつなぎ留めに躍起となっている。連立の対象になり得ると見ているからだ。

 自民の鈴木幹事長は14日、国民民主党の榛葉幹事長に「政治の安定のため新たな枠組みにご協力頂きたい」と呼びかけた。両党は憲法、エネルギーなど重要な基本政策でほぼ一致していると言われる。政権を奪うには各野党が一つにならなければならない。立憲民主党の野田代表は今後も野党間で共通点を探る努力をしたいと言っている。私たち国民からは緊迫感が欠けているように思える。幕末の西郷隆盛や勝海舟のような腹がすわり大局観を備えた人物はいないのだろうか。現代に於いて政治の世界で活躍するには選挙というルートを経なくてはならない。選挙は民主主義の根幹をなすといわれるが、選挙は理想との乖離が激しく、また有効に機能していないから有為な人物を生み出せていないのが現実である。

◇クマの出没と被害が増えている。県の担当部門は調査の結果本年度はどんぐりが凶作と発表した。クマがエサを求めて人里へ出没する可能性が極めて高くなると注意を呼び掛けている。県はクマ出没マップを作って備えようとしている。出合った際の対策や出合わないためにマップは有効だと思われる。仙台市は15日、住宅街に出たクマを新たに作られた制度、「緊急銃猟」の実施で駆除したと発表。この制度は安全確保の条件が激しく運用が困難と言われている。工夫しながら運用の実績を重ねる上で定着していくのではなかろうか。

◇クマの被害が身近に、そして多くなる中で私は深夜に走る時、笛を持つようになった。工業団地の一角に小川が流れ木々が覆いかぶさっている所がある。クマやイノシシが出るとすればここと思えた。現に何かの気配を感じたことがあった。ピッピーと響く笛の音は「出てくるなー」というサイン。小さい頃から“クマさん“の愛称で物語の中でも親しんできた。そこには恐いクマへの身構えはなかった。そういうクマの文化が変わると思うと淋しい気がする。(読者に感謝)

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2025年10月15日 (水)

「廃墟と化した光景の中で人質解放の実現。トランプの歓喜の顔が輝く。排外主義が広がる中の万博だった。多様でありながら一つの意味」

◇泣き叫ぶ子どもや女性、廃墟と化したビル群、こうした異次元の光景を連日見てきた。両軍の人質はどのような拷問を受けているのかと想像した。想像を超える人道危機に、超大国の指導者は手をこまねくだけなのかと苛立たしく思った。そのような中、トランプ大統領のイスラエルに対する強い圧力が報道され、もしやという一抹の期待を持った。

 そのもしやが実現の運びとなった。14日の紙面に「ガザ全人質解放」、「ハマス人質全員解放」の大きな文字が躍る。人々の歓喜の声が伝わってくる。長かったというのが実感である。2023年のハマスによるイスラエル奇襲作戦で戦闘は始まった。この戦闘で約1,200人が死亡し、約250人がガザに拉致された。イスラエルのネタニヤフ首相は人質解放につき「歴史的出来事だ」と強調、トランプ大統領はイスラエル国会で演説した。

「テロと死の時代が終わり、信仰と希望、神の時代が始まる」と。イスラエル国会は大喝采で応じた。まだまだ停戦後の大きな課題を残しつつも平和に向けての大きな前進である。トランプ氏に拍手を送りたいと思う。アメリカでは大統領選の中間選挙が近い。トランプ氏はピリピリしている筈。それだけに今回の人質解放はトランプ氏にとって、また共和党にとって大きな意味を持つことになると思う。

◇13日、万博が開幕した。世界で排外主義が広がる中での大イベント。158の国と地域が参加し、184日間に2,500万人超が参加した。この日、「多様でありながら、ひとつ」とのメッセージが世界に発信された」との宣言が出された。「多様でありながらひとつ」はよく練られたメッセージである。多様性の尊重は全体主義、排外主義の排除に通じる。同時に世界はひとつでなければ地球的課題を解決することは出来ないからだ。地球温暖化や平和の問題は世界がひとつにならなければ前進しない。十倉万博会長は開会式で語った。「万博で得た経験、感動を世代を超えてつなぎ、引き継いでいのち輝く未来社会をともにつくりあげていく。そのスタートは今から始まる」と。次回大型万博はサウジアラビアの首都リヤドで開かれる。楽しみだ。

◇昨日、ロイヤルホテル開業50周年式典で乾杯の音頭をとり挨拶をした。その中で同ホテルの重要性を支えるものとして「おもてなしの精神で接する経営の姿勢を評価する」と述べた。群馬の役割が増す中で自然と調和したこのホテルの意義は大きいこともあわせて語った。(読者に感謝)

 

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2025年10月14日 (火)

「高崎市敬西寺の講演で県令楫取の業績、廃娼運動を語る。小川市長の責任は。野党の責任は大きい」

◇12日、高崎市の敬西寺(きょうさいじ)で講演。この寺は浄土真宗の古刹である。題は「今こそ楫取素彦を見詰める時」。「今こそ」に込められた意味から始めた。楫取は近現代群馬の原点を成す人。楫取の妻寿子は吉田松陰の妹。寿子は浄土真宗を深く信仰していた。

 話の中で、現在勢多郡黒保根町出身の新井領一郎を取り上げた。渡米し生糸の直輸出の道を開いた人物である。生糸輸出は間に立つ悪い外商によって妨げられていた。生糸産業の発展に県の将来をかけていた楫取は新井領一郎を支援した。県令の妻寿子は渡米前の領一郎に短刀を示して言った。「これは兄松陰の形見です。兄は太平洋を渡ることが出来なかった。これには兄の魂が込められています。これを持って頑張って下さい」。領一郎は渡米し、その人柄と能力により目覚ましい成果を上げたが、それを支えたものとして松陰の短刀にまつわる物語があったのだ。

◇楫取の業績として忘れてはならないものとして廃娼運動への関わりがある。明治の初め、安中出身のキリスト教徒、湯浅治郎が中心となって廃娼の建議を議会に提出し可決させた。街道と宿場が多い群馬には遊郭と娼婦が存在した。虐げられた女性の存在は近代的な新しい社会を目指す若者たちにとって許されないものであった。遊郭の存在は人々の勤労精神を蝕み教育環境を破壊したのだ。楫取は可決された廃娼建議の実現に尽力した。曲折はあったが群馬県は日本で最初の廃娼県となり「金字塔を打ち立てた」と全国から賞賛された。

◇高崎市の講演で小川前橋市長のラブホ問題につき私の意見を聞きたいという人がいた。事態の深刻な広がりを痛感した。その小川市長についての動きが報じられている。今日13日、市民との間で行われる「市民対話会」に出席し例のラブホ利用問題につき市民に経緯を

説明し参加者の意見を聴く予定であるという。

 この対話会は支援者らが13日に、1回50分で計6回開くという。市長は問題の表面化により市民の前にほとんど姿を現さなかった。こういう状態の継続は余りに無責任である。本人も大きな責任を感じている筈。今回行う「対話会」は追い詰められた窮余の策に違いない。

◇十数年に一回の政権奪取のチャンスを野党は活かせるか。立憲民主党の野田代表は首相指名に向け、野党の調整に政治生命を懸けるという。国の未来のために小異にこだわって前進できないというのは責任ある政治家の姿ではない。変化の中で政治家が試されている。(読者に感謝)

 

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2025年10月13日 (月)

死の川を越えて 第159回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「万場軍兵衛さんですね。木檜です。地元でありながら初めてお目にかかります。湯川の流れを聞き、あなたの前に立って、ここにわが国の大きな問題が凝縮していることを感じます」

 万場老人は深く頷いた。

 木檜は老人が背にした書物の山を見ながらさらに言った。

「入り口に湯川生生塾とありました。現代の松下村塾ですね。恐れ入りました」

 そして、改めて人々に向かって口を開いた。

「こんにちは。私は、原町から出ている国会議員の木檜泰山と申します。以前は、森山先生と一緒に群馬県議会におったこともあります。湯の川地区の真実を知るために参りました。ここには、人間の尊厳、人間の自由平等の問題があるので、ことは重大です。この集落の移転問題が国会で持ち上がっています。私も考えがあって発言しています。しかし、今日は、難しい問題を議論するのが目的ではない。この集落の真の姿、皆さんのことを知ることが目的です。この集落の実態を肌で知らねば、政策の議論も地に足が着かぬものになる。発信にも魂が入らぬものになる。これから重大な局面に入るので、このことを痛感するのです。いや、つい難しい話をしてしまったが、どうか固くならんでほしいのです。私は普通の人間、一上州人ですから。は、は、は」

 木檜泰山代議士は笑い声によって、その場の緊張をほぐそうと試みていることが人々には分かった。演技はうまくなかったが、その気遣いが人々に伝わり雰囲気を和らげていた。

「それでは、私から皆さんを紹介致します。改めて、この方は万場軍兵衛さんで、私の古い友人です」

 森山抱月県議の言葉に万場軍兵衛は深く頭を下げた。

「お噂はかねて聞いていました。あなたのことは局長も、内務省の先輩だと申しております。これを機にご指導願いたい」

「そのような過分なお言葉、誠に恐縮です。先生の帝国議会のご発言には、湯の川地区とわれらを思う熱い気持ちがあふれておりました」

「おお、読んでくれたのですね。あなたに、そのように受け止めてもらえたことは感激です。思うようにはいかぬ問題ですが、私の発言を今後に生かす責任を深く感じています。あなたの今の言葉で自信をもつことができました」

つづく

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2025年10月12日 (日)

死の川を越えて 第158回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「まさか。このような所に天下の国会議員が。山田屋あたりがいいでしょう」

 万場老人は、あり得ないだろうという顔で言った。

「いや、国会議員であるだけに、今回は山田屋は人目に付きよくないのです。ここがいいというのは木檜さんの思い入れです。集落の実態を肌で感じ取りたいという決意なのです。あの人は私とは政治の同志ですが、反権力、そして反骨の闘志、人間の平等とか自由とかについて信念をもっておる。万場さん、会えばきっとあなたと通じるものがあると信じますぞ」

 万場老人は、森山の目を正視して深く頷いた。

 約束の日が近づいた時、森山から手紙が届いた。それには、希望を受け入れてくれたことに代議士は感謝し、県議会に出席した下村正助一家、特に正太郎君にも会いたがっている。それはハンセンの集落で元気に生きる子どもの姿には重要な意味があると考えているからだとあった。 

 その日がやってきた。秋の日の午後であった。湯川に沿った細い道を2人の男が一定の前後の間隔をとって歩いている。後の男には、身なりは質素だが鋭い眼光と共にどこか辺りを払う威風が感じられた。この男が反骨の熱血漢と言われたが木檜泰山代議士であった。前を行く従者らしき男が立ち止まり、後ろを振り返り、一方を指してここですと言った。木檜はゆっくり近づき、湯川生生塾の文字をじっと見て深く頷いた。

「ごめんください」

 従者が声を掛けると、すかさず中から女の声があった。

「はーい。お待ち申しておりました。木檜様でございますね」

 にっこり笑って迎え入れたのはこずえである。中には数人の人々の姿があった。

「ご苦労様です。目立つので出迎えはあえて致しませんでした。どうぞ」

 一歩入ったところで出迎えた森山が言った。

「おお、森山君、しばらくですな。このたびはお世話になります」

 木檜はそう言いながら、はっとした表情で、岩のような老人の姿を見た。紛れもなくその人と認め代議士は深く頭を下げた。

つづく

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2025年10月11日 (土)

死の川を越えて 第157回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「例の件ですな」

「そうです。この湯の川地区のことは、山田という衛生局長が代議士に説明したと申す。木檜さんはご自分の地元のことで、初耳のことも含まれていたらしい。もっとも、山田局長は、委員会の答弁で、委員会に備えて、湯の川地区の実態を部下に調べさせたこと、部下の報告は、住民が自治をつくって助け合っていること、それを見て部下は他に例がないと感動したことまで木檜さんは大いに面目を施したそうです」

「森山さん、その局長の部下が、西村数馬氏と申す課長で、この湯の川に来て、われらと親しく話し合った人物ですぞ」

「その通り、わしもあの時、山田屋にいて、あの課長と話して、威張らない誠意ある人物であると感銘を受けましたのでよく覚えております。その続きが大切なのですぞ。木檜さんは、その部下に会いたいと言いだし、衛生局長を通じて呼び出し、国会内で西村課長と会ったのです。そしてこの課長からあの時の様子を詳しく聞いたのだ。万場さんのこと、正助君や正太郎坊やのことまでな」

「ほほう。意外な展開ですな。わしのことはともかく、正太郎君が帝国議会で話題になるとは」

 万場老人は驚いたように言った。

「そして、今度は、私との話になりました。ご承知のように、木檜さんと私はかつて県議会で一緒であったが、正太郎君が県議会に来て、元気に自分の名を答えたのは大正11年であった。この時、木檜さんは、国会議員になっていて、県議会には既におられなかった。そこで、私があの時のことを説明すると大変興味を示しておられた」

「ところで、どうやってお会いすることになりますの」

「木檜さんはここがよいと申しておる」 

 森山はいとも簡単に言ってのけた。

つづく

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2025年10月10日 (金)

「北川氏のノーベル化学賞に思う。世界大学ランキングで清華大12位、東大は26位を考える。イスラエル・ハマスの停戦合意の恒久性について」

◇続いての快挙、ノーベル化学賞に心が躍る。選考に当たる王立科学アカデミーは「人類が直面する大きな課題の解決につながる可能性がある」と指摘した。科学研究の成果が日常社会の実利に繋がることは嬉しい。しかし初めから実利を目指すことは、科学の王道から外れる。坂口教授の発見が衝撃的であったため、当初は理解されず「うそつきだ」とも言われたらしい。新しい道を開くことには常に受難が伴う。

 北川教授が開発した材料は地球温暖化の原因物質の二酸化炭素(CO2)を吸着させ、有害な一酸化炭素(CO)を有益物質に変化させるなど夢のような技術の実現に道を開いた。

 ノーベル賞受賞の快挙を今後の発展に繋げるためには、低下が指摘されている基礎研究を振興させねばならない。研究者の好奇心を駆り立てる環境を作るべきだ。政府は広い心と科学に対する深い理解を持つべきであり予算をけちってはならない。

◇イギリスの教育データ機関が、今年の世界大学ランキングを発表した。いか程に事実を反映しているかは別にして、ランキングの上下や変化は気になることだ。今回発表の特徴として、アジアの大学が急進している点に注目する。

 教育環境や研究、国際性などで評価する。3,168校がエントリーして2,191校がランク入りした。アジアのトップは清華大で12位、北京大は13位である。我が東大は26位、京大は61位だった。全体の1位は英オックスフォード大で、2位は米マサチューセッツ工科大であった。

 中国の教育環境は複雑で困難な課題を抱えている。その一つは激烈な競争社会が進み高学歴を得ても就職が難しいと言われること。不動産バブル崩壊の行方は非常に気になることである。

◇大戦争の足音が近づく世界状況下、イスラエルとハマス双方が和平への一定の合意に達したことにほっとする。

 トランプ大統領は8日、パレスチナ自治区ガザの戦闘をめぐり、イスラエルとハマスの双方が平和案の第一段階に合意したと発表した。その中味は全人質の解放とイスラエル軍の一部撤退である。連日報道される地獄の状況は決して離れた地域の他人事ではなかった。6万7千人以上の犠牲者を出した極限の人道危機。その終結に向けた前進である。トランプ氏の影響力は大きい。トランプ氏は人質解放につき「おそらく月曜日(13日)になる」と明言した。女性と子どもが救われることにほっとするが恒久的な停戦を祈るばかりだ。(読者に感謝)

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2025年10月 9日 (木)

「地方議会の役割で小川市長問題等を語る。天めいの生死をわけた十五段。郵便物事故の重大性を思う」

◇近く「地方議会の役割と課題」と題して講演を行う。主なテーマを挙げると、①小川前橋市長問題、②巨大災害との対応、③認知症1,000万人時代の中で、等である。①についてはあらゆるメディアが争って取り上げ、その状況は嵐のようであった。それにより市行政は大きく妨げられ、一般市民も大変な迷惑を被った。これに対し市議はもっと迅速に適切な行動を取るべきであった。議会の形骸化が叫ばれて久しい。今回の前橋市議会の有様はそれを如実に物語る結果となった。市議は大いに反省し今後の市政運営に活かすべきである。

②巨大災害時代に突入した。首都直下型や南海トラフ型巨大地震は間近に迫り、足音が聞こえるようだ。富士山の噴火も近いと見なければならない。我が県は浅間山を抱える。不気味な沈黙が続くが、それは大爆発の時を測っているかのようだ。鎌原観音堂の悲劇が甦る。そこに立つ標柱の「天めいの生死をわけた十五段」が村の悲しい歴史を雄弁に物語っている。注意を要するのは、このような歴史的な大災害ばかりではない。地球温暖化に起因する最近の異常降雨はただ事ではない。あっと言う間に河川は氾濫し街は水に呑まれる。想定外のことが日常化するようになった。もはや安全な所はないと言っても過言ではない。群馬県は心配ないという安全神話にあぐらをかくことは許されないのだ。安全になれた私たちは異常事態にパニックになりがちである。そういう時、社会の指導者には冷静な判断と行動が求められる。地方議会は非常時に備える訓練をすべきである。関東大震災の時、朝鮮人が井戸に毒を入れたとかのフェイクな情報に人々はパニックになり、多くの朝鮮人が犠牲になった。

③について認知症が燎原の火のように広がっている。高齢化の必然の結果である。患者は500万人に迫り、軽度の人々、つまり予備軍を含めれば1,000万人とも言われる時代となった。誰もが認知症になることを念頭に支え合わねばならない。

◇かつて大量の年賀状が捨てられる事件があった。郵便物の事件は今日でもある。憲法で保障された表現の自由、通信の秘密の侵害に繋がる。日本郵政は過去の非公表事案の件数と内容を公表する方針だとした。「郵便物や荷物を預かる事業者として誠意が足りなかった」と述べた。総務省の行政指導を受けていた。事態の重大性の認識が足りなかったのだ。(読者に感謝)

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2025年10月 8日 (水)

「坂口志文氏のノーベル賞に思う。基礎研究の重要性。高市氏への期待」

◇坂口志文氏のノーベル生理学、医学賞に「やったー」と思わず叫んだ。日本の文化度、そして国力が感じられてうれしい。日本だけの問題ではない。人類への貢献なのだ。日本が得たノーベル賞の数は30名1団体で、非欧米諸国では最多、欧米を含めた全体でも世界5位。また、21世紀以降は自然科学部門において米国に次ぐ世界2位である。湯川博士が理論物理学で日本人初のノーベル賞を得たのは1949年で、私が小学3年生の時。日本もやるなあと子ども心に喜んだ記憶がある。敗戦で打ちひしがれていた日本人にとっては暗夜の光明であった。そして復興に対する大きな勇気を与えた。

◇日本のノーベル賞の勢いは今後も続くであろうか。基礎研究を重視しない流れに懸念が指摘されている。すぐに効果が現れる研究に研究費が付く。「日本には基礎研究が出来る環境がない」と嘆く研究者がいる。自然の未知の仕組みを解き明かすには短期の効果を期待すべきではない。十分な時間と長く使える資金が必要なのだ。現在の子どもの教育の在り方が問題である。教育の目的は生きる力を育むこと。それには夢と好奇心が重要だ。それは機器に頼る教育では困難である。人間の脳には進化の過程で生じた無限の可能性が秘められている。活かされているのはそのうちほんの表層部分に過ぎない。隠された脳の可能性を引き出す教育を求めねばならない。それこそ息の長い基礎研究の目的である。

◇高市新総裁に対する期待が高まっているらしい。トランプ大統領は彼女につき「深い知恵と強さを持つ、非常に尊敬されている人物」と評した。ベッセント財務長官も「彼女は素晴らしい経歴を通じ、強力なリーダー、政策立案者であることを示してきた。日米関係を深める上で貴重なパートナーとなるだろう」と評価する。高市氏が総理に指名されるのは15日の予定であるから、28日高市氏は総理として大統領と会うことになる。絶妙なタイミングというべきである。高市氏は幸運な船出となった。この船出には日本国民の運命が掛かっている。真に幸運の女神となることを祈らずにはいられない。

◇今月30日、私は85歳を迎える。生まれは1940年であるから、前年に第二次世界大戦が、そして翌年に太平洋戦争が勃発したのである。正に歴史の大転換期に生を受けたことになる。現在新たな時代の大きな節目に立ち85年の人生を振り返る時、強い緊張感をもって行く手に立ちはだかる老境に挑戦しようとしている。(読者に感謝)

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2025年10月 7日 (火)

「性教育で真実を教える重要性。小川市長と奥様探偵団。水墨画教室で雪舟を語る。高市新総裁が動き出した」

◇少女が出産し幼い命が犠牲になる事件が相次いでいる。背景には退廃した社会状況、性道徳の乱れがある。小川前橋市長の醜態はその象徴である。週刊文春は特集を組んで「ラブホ密会、前橋市長、乱倫すぎる私生活」と大々的に取り上げている。そこでは「奥様探偵団」の活躍が面白おかしく述べられている。私の小学生の頃、名探偵明智小五郎が登場する「少年探偵団」の物語が流行って、「僕らは少年探偵団」と歌って楽しんだ光景が甦る。少年探偵団ならぬ奥様探偵団に追い詰められる小川市長は政治家として断末魔を迎えているといえる。

 話を戻すと、少女の出産と小さな命のことが学習指導要領にある性教育の「はどめ想定」に関わっている。現在、これに関して10年に一度の指導要領改定の時期に来ており議論が進められているのだ。

 現行では中学の保険体育で「妊娠の経過は取り扱わない」と明記するなどの「はどめ規定」があり、性教育の事実上の障害となっている。規定の撤廃を求める教育関係者の声は高くなっている。教育の現場では「規定があるから性交は教えないように」と指示を受けたという声があがっている。こうした現状が子どもたちの性感染症や予期せぬ妊娠などの一因となっているとして撤廃が求められている。

 コンドームのイラストを使わない中学校があると指摘されている。誤った情報があふれている今こそ、信頼できる情報を子どもたちに届ける必要性は大きい。子どもを守る道である。

◇5日、私が会長を務める群馬県日中友好協会主催の水墨画教室で挨拶した。講師は日中現代墨画会会長の曽勤さん。中国人女性である。日中友好は現在増々重要になっていると語る中で水墨画の歴史に触れた。水墨画は唐時代に生まれ鎌倉後期禅宗と共に伝来。その後室町時代に雪舟らが活躍し日本独自の発展を遂げ今日に至っていることなどである。日本では山水画を中心に流行した。水墨というが「墨色に五彩あり」と画論で論ぜられるように色彩の水墨画も多く存在する。曽さんの絵は落下する滝に赤い楓が舞う構図であった。

◇高市新総裁の下で早くも大きな動き。要となる幹事長は麻生派の鈴木俊一氏が、組閣後の外相には茂木俊充氏、官房長官には木原稔氏がそれぞれ決まった。高市氏の表情は明るいが初の女性総裁、女性総理への期待と責任は大きい。大きな課題も山積。今後を注目したい。(読者に感謝)

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2025年10月 6日 (月)

「自民新総裁に高市氏とはサプライズ。政治に於ける女性の地位の低さは異常。高崎の敬西寺で楫取を講演する」

◇自民党新総裁に高市氏が選ばれた。決戦投票で小泉農水相を破り第29代総裁となった。初めての女性総裁は15日で調整している臨時国会で第104代首相に選出される見通しである。少数与党であるが野党が一つになれないからだ。首相に就任すれば憲政史上初の女性首相である。「超保守」とも称されてきた高市氏である。憲法改正、外交、安全保障、靖国参拝などに関する政治姿勢が問題となるだろう。与党の一角を占める公明党は総裁選前に中道保守で基本理念を共有することを連携の条件としていた。高市氏は「自民の新しい時代を刻んだ。多くの不安を希望に変える党にする」と訴えた。

 日本の政治における女性の重要な地位の割合は国際的に見ても非常に低い。2025年の時点で、特に国会での女性議員の割合は先進国の中で最低レベルである。都道府県議会では2023年時点で女性議員の割合は14.6%で、2025年までに35%とする政府目標には遠く及ばない状況である。市町村議会では2023年時点での女性議員の割合は市議会で19.1%、町村議会では13.6%である。町村議会では女性議員がゼロの議会も存在する。

 このような状況の中で高市女性総理が実現すれば大きなサプライズである。女性議員が増える一つの契機になるかも知れない。前橋市議会は議員総数38人中、女性議員は7人である。時代の大きな節目にあって女性政治家の役割は非常に大きい。それにつけても小川前橋市長の醜態は情けないの一語に尽きる。

◇今月12日、高崎の敬西寺で講演する。題は「今こそ楫取素彦を見詰める時」。この寺は浄土真宗である。楫取の妻久子は浄土真宗の信者であった。楫取は物づくりと教育によって群馬の基礎を創ろうとした。そして教育は道徳教育を重視したのだ。楫取が力を尽くして編纂した道徳の教科書「修身説約」は全国で教科書として使用された。今日、機械文明が異常に発展し人々の心が貧しくなっていると叫ばれている。これは文明の危機であり人間の危機と言わねばならない。天国にあって楫取はこの状況を歎いているに違いない。楫取の嘆きを私たちは真摯に受け止めねばならない。敬西寺の講演の題名はこの決意に基づいている。講演は2時30分から3時30分。電話は027‐326‐2322である。興味のある方はご参加願いたい。入場無料で参加者には拙著「楫取素彦読本」を謹呈したい。(読者に感謝)

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2025年10月 5日 (日)

死の川を越えて 第156回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 二、木檜泰山と会う

 

 事態は思わぬ展開を示し始めていた。ある日、森山抱月県議が突然、万場老人を訪ねた。

「ほほー、湯川生生塾ですか。現代の松下村塾ですな」

「いえ。そんな大それたものではありません、見た通りのわびしい寺小屋です。じゃがな森山さん、中身は光る塾ですぞ。この名の通り、厳しい湯川に負けない意気込みがござる。実は先日、森山さんが気に掛けてくださった正太郎君は、この塾の優等生ですぞ」

「ほほー、県議会で元気に返事をした姿が目に浮かぶ。はて、確かリー女史の寺小屋で学んでいるという話であったがな」

「その通りです。リー先生と話し合って、正太郎は両方で学んでおるのです。ここでは日本の心、リー先生の所では西洋のこともな」

「それは、それは。理想の姿ですな。和魂洋才と申す。日本の伝統の精神が忘れられようとしている。西洋の文化も必要。理想は二つの調和ですからな。大いに期待しますぞ」

 その時、足音が近づいて、こずえが姿を現わした。

「まあ、森山様」

「ほほー、突然来て、こずえさんに会えるとは。これで何度目かな。こう近くで見ると、お母さんのお品さんに生き写しじゃ。立派な姿にお母さんもあの世で喜んでおられよう」

 この時、こずえは、森山抱月県議の前に正座して両手をついた。

「母が昔、森山様に大変お世話になったことをご隠居様からお聞き致しました。私がこの世でこうしておられるのも、森山様のおかげと知りました。本当にありがとうございました」

 こずえの白い手に涙が光って落ちた。

「万場さんからそれを聞きましたか。お品さんも、あなたも大変な人生。人の縁は不思議です。ここには万場さんがおられるから安心しておりますぞ」

 この時、万場軍兵衛が大きな声で言った。

「こずえは、この塾の立派な先生を務めております。わしよりも、こずえに人気がある」

「は、は、は。それはそうであろう。いや、立派。頑張ってください。ところで、万場さん、今日は大事な要件で参上しました。秘密を要することはここが一番ですな」

「何事ですか」

「木檜泰山代議士がひそかに会いたいと申しております」

つづく

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2025年10月 4日 (土)

死の川を越えて 第156回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 湯川生生塾を始めてひと月ほどたった時、万場老人はこずえと正助を前にして言った。「こずえは、さやさんと、以前、京都大学を訪ねて驚いておったな。小河原という学者に会って話を聞いたことで正太郎を産む決意をしたわけじゃった。不思議なことよのう。いや、不思議というのは学問の力のことじゃ」

 老人は目を閉じて何かを考えている風であった。

「わしは、帝国大学で学びながら、学問の意義を分からぬ間にこの年を迎えた。学問の力とか、学問の役割などが真に分かってきたのは、最近のこと。湯の川地区のことで激しくハンセン病のことを考えるようになってからじゃ」

 老人は、そう言って、再び目を閉じた。そして、目を開くと意外なことを言った。

「時代が大きく変わろうとしている。われわれの集落も変わろうとしている。それなのに、われわれは小さな穴の中にはまり込んでいる。葦の髄から天井をのぞくでは、われわれは益々みじめになる。穴から出て世の中を見なくてはならぬ。この穴の出口、あるいは外の世界を見る窓といおうか、それが生生塾なのじゃ。知識と学問が心の世界を広げる。われわれの眼を開く。正助は、朝鮮やシベリアを経験した。それは正しい知識と学問によって、広い世界を知る力になる。学問と行動は共に必要で、これを知行同一というのじゃ。このことの重要性をわしは反省と共に噛み締めておる。どうじゃ、正助、わしの言っていることが分かるであろう」

「はい先生、よく分かります。朝鮮ではすごい反日運動を見ましたし、シベリアでは本当に恐ろしい経験をしましたが、あれも学問に結び付けなければ正しく理解できないことが今、分かった気がします」

「社会の変化は今後ますます厳しくなるに違いない。われわれハンセン病の患者は途方もない大波に見舞われるだろう。その中で、われわれが生き抜くためには、力を合わせねばならない。力を合わせる絆が学問なのじゃ。学び、そして力を合わせることで、われわれは力をつけ、小さな穴から抜け出せるに違いない。今日はわしの人生を振り返ったが、難しい理屈になってしまったわい」

 万場老人は一気に語り終えて、ほっとした表情であった。

 

つづく

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2025年10月 3日 (金)

「トランプ氏の来日と日本の政局。盗撮とみよしの防犯カメラ設置。市長不倫で市議会は試練に。拉致とめぐみさん誕生日」

◇トランプ大統領が27日来日するらしい。自民党の新総裁は4日に決まり、新首相は15日に選出される公算だ。トランプ氏と対面する首相は5人のうち誰になるだろうか。その場面を想像すると興味がわく。

 トランプ氏は日本訪問後、韓国で開かれるAPEC首脳会議に参加する。そこでは習主席とトランプ氏が注目の会談をすることになっているので、それに先立って日米同盟の重要性を共有し、中国や北朝鮮に対する基本政策を擦り合わせる狙い。同時に首脳同士の信頼関係を強化したい考えである。

◇各地で教員の盗撮が続く。そういう中、愛知県みよし市議会は全小中学校の防犯カメラ設置を決めた。ついにここまで来たかの感がする。市議会はカメラ194台のため5,772万円の予算案を可決した。後押しとなったのは7月の市内中学の男性教師2人の盗撮容疑逮捕である。小山市長は語った。「保護者も多くカメラ設置を求めている。同じような事案を2度と起こさないためにできることは全て行う」。防犯カメラに晒される児童の心理の問題もあるのでカメラ運用の在り方が重要である。市は今後具体的な運用方針につき外部の専門家もいれ来年4月からの運用を目指すとしている。教員の信頼が地に落ちている。盗撮問題は今後も全国の学校で起きる恐れがあるからカメラ設置は広がるのではなかろうか。

◇小川市長のラブホ不倫問題はどこまで続くのか。市政の停滞は大変であろう。前橋市議会も変なことで有名になったものだ。市会議員の対応能力が試されている。議場の光景が全国に放映された。相手の市幹部職員は58歳で、利用したラブホは市内川原町の露天風呂つきの「ホテルマリア」とか。1か月に迫ったぐんまマラソンのコースに近いので見たことがある建物だ。あのあたりが取材関係でにぎやかになっているのだろうか。密会の場としては利用しにくくなっているのかもしれない。

◇北朝鮮に拉致された横田めぐみさんは5日61歳の誕生日を迎える。犯罪国家の非道につき、なぜ解決への前進が見られないのか。母、早紀江さんは「元気だと信じているので、くじけずに頑張って」と呼びかけた。北朝鮮はめぐみさんが死亡したとして遺骨を届けたがDNA鑑定の結果偽物と判定された。北朝鮮による大韓航空機爆破事件が思い出される。悪魔のような国が強大な兵器を振りかざして隣国として存在しているのだ。このことをめぐみさんの誕生日に改めて思う。日本は平和ぼけであってはならない。(読者に感謝)

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2025年10月 2日 (木)

「草津町長の名誉毀損事件に執行猶予がついた。子どもの性被害と日本版DBS」

◇なぜ執行猶予かと思う。求刑は懲役2年だった。黒岩草津町長から「性被害を受けた」と虚偽の告訴をした件。被告は新井元町議である。事は重大である。町長室でわいせつな行為をされた、肉体関係をもったというもの。この件を聞いた時、まさかと驚いたことが鮮明である。町長室の状況が録音されていた。裁判長は指摘した。「わいせつ行為をうかがわせる音声は一切ない」、「新井被告が動揺するような声も一切ない」と。町長は判決後の会見で語気を強めて言った。「まさにテロ、もしくは通り魔事件と同じだ」、「6年弱、本当に長かった。精神的にものすごいストレスがあった」。

 新井被告については昨年の民事訴訟についても注目する。新井氏が町長に165万円の損害賠償をするとの判決が確定したというもの。民事裁判と刑事裁判は別個のものであるが、この民事の判決は今回の刑事有罪に事実上の影響を与えたのではないかと思われる。

◇盗撮や不同意性交など、子どもの性被害があとを絶たない。社会を震撼させた事件として名古屋や横浜市などの小中学校教員5人が女子児童の着替えなどを盗撮して逮捕された事件がある。この種の事件の根は深い。病める現代社会の深淵に子どもが落ち込むことを防がねばならない。

 子ども家庭庁が「日本版DBS」の運用に関し動き出した。子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する義務を雇用主に義務づけるもの。こども家庭庁の有識者検討会が運用指針のとりまとめを急いでいる。年内の決定を目指す。学校、保育所、学習塾、スポーツクラブ、子ども食堂など子どもに何かを教える業種が対象になる。有識者検討会は学校等の施設にカメラを設置することが有効であるとした。それに対しては子どもを委縮させるものではという意見が出ている。性加害に関しては、子どもの傷を深くしないために早期把握と迅速な初期対応が求められる。それにしても、教員の不祥事が余りに多い。教員が責められるべきは当然であるが、子どもを救うためには教員が何を抱えて悩んでいるか等を調べてサポートすることも重要である。教員を聖職とする時代は過去のものとなった。そういう現実を踏まえた上で教員を、研修等を通して再教育することも考えねばならない。教員不足が叫ばれている。この点からは教員の質の低下が懸念される。現在は教育が危機に瀕している。それは子どもの危機に他ならない。(読者に感謝)

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2025年10月 1日 (水)

「メディアは市長不倫で炎上、市議会はだらしない。市長交替こそ最大の議会改革だ」

◇メディアの世界は小川市長問題で炎上している。様々な情報が洪水のように流れている。山本知事は「今後更に様々な情報が出てくるだろう」との認識を示し、また質問状を出した市議会について「市議会もちゃんとやらないと。議会は何をやっているんだと皆が見ている」と述べた。

 地方議会の形骸化と地方議員の劣化が叫ばれて久しい。かつて安芸高田市長が居眠り議員に対し「恥を知れ、恥を」と叫んだ光景が甦る。小川市長のラブホテル不倫問題は議員の居眠りとは比べ物にならぬ程深刻である。議会改革を掲げている市議会とすれば正に正念場である。適切かつ毅然とした対応が出来なければ議会の存在意義はないというべきだ。

 人口減と高齢化は加速する。これは地方財政が増々厳しくなることを意味する。消滅自治体は死屍累々と広がり日本消滅と繋がる。我々は座して死を待つのか。小川市長の醜態は転げ落ちてゆく県都の憐れな姿を象徴するものだ。昔から高崎市と比較する声があるが今やそれも影を潜めた。最大の行政改革は市長交替である。そのための選挙は必然である。選挙は民主主義の根幹と言われるがこの言葉は今前橋市にピタリと当てはまる。前橋は今民主主義の危機にあるからだ。日本中が、小川問題で大騒ぎしているが市議会はそれをどう受け止めているのか。議会こそ火中に居ることを厳粛に自覚すべきである。

◇前橋市は4日予定のタウンミーティング中止を発表した。市長と市民の対話の場である。質疑応答の内容が本来の議題からそれてしまう可能性があるからだという。市議会は非公開で実施した小川市長の説明会で質疑応答の時間を設けなかった。市議会に前向きの気迫が感じられない。議長は「まず説明を聞くことに注力し、内容を精査した上で後日に質問や意見を出す方が議論を深められると判断した」と語る。まるでぬるま湯の表面を居眠りしながらこねているようではないか。市長の説明は15分程度で終わり説明不足との声が上がったらしいが、その責任はぬるま湯をこねる側にあると言わねばならない。議会に能力がない以上主権者たる市民が追及する他はない。この問題に絡み市役所には30日も業務時間に470件の意見が寄せられ、他に無言電話やワンコールで切れる着信が153件あったという。職員の業務への影響は大きいに違いない。それは物理的に妨げられる以上に心理的に落ち着かないことが大きいだろう。(読者に感謝)

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