「不法移民摘発への抗議デモの炎。トランプと環境活動の少女グレタの対決。生活保護費引き下げは憲法違反」
◇不法移民摘発に対する抗議デモとこれに対する兵派遣で、移民の国アメリカが燃えている。派遣される兵の総勢は州兵約4千人と海兵隊員約700人。海兵隊は有事の際に緊急に展開する「即応部隊」で「殴り込み部隊」とも呼ばれる。
戦争や紛争などに従事することが任務。この海兵隊が国内デモに出動するのは極めて異例。ロスのニューサム知事はトランプ政権の対応を強く非難し、「合衆国憲法を無視し恐怖と混乱を作りだしている」と表明した。
抗議デモは、ニューヨーク、シカゴ、テキサスなど全米各地に拡大し緊迫の度を加速しているようだ。これは移民問題がアメリカの憲法の精神にも繋がる重大事であることを物語っている。国際的に孤立し経済でも行き詰まるトランプ政権がますます窮地に立たされることが予想される。
◇トランプ氏とグレタさんの対決は面白いし重要な意味をもつ。グレタさんは15歳の時、「気候のための学校ストライキ」の看板を掲げ、より強い気候変動対策をスウェーデン議会の前で呼びかけたことで知られる。アメリカ第一主義のトランプ氏は地球環境保護には後ろ向きである。グレタさんは温暖化に有効な手を打たない大人に対し怒りのスピーチをした。その大人の象徴がトランプという訳。米誌タイムズが「今年の人」に選ぶとトランプは「馬鹿げている」と批判。そして「怒りの制御に取組み友だちと古き良き映画を観に行った方がいい。落ち着けグレタ」とからかった。これに対しグレタさんは「怒りの制御に取り組む10代。現在は落ち着き友だちと古き良き映画を観ている」とやり返した。この対立の勝敗は明らかである。更に大統領選の時のトランプのある言動に対しグレタさんは表明。「とても馬鹿げている。トランプは怒りの制御に取組み、友だちと古き良き映画を観に行った方がいい。落ち着けトランプ。落ち着けトランプ」と同じ言い回しをSNSに投稿した。最近、二人が視線を合わす光景が報じられた。実に面白い。世紀の対決を全世界の指導者たちはどう受け止めているだろう。
◇生活保護費引き下げは憲法違反とする前橋地裁の判決が11日に下された。原告は引き下げを憲法が保障する生存権の侵害だと主張。裁判長はこれを認めたのだ。本県を含め全国の地裁に31件が提訴され、うち20件で減額が違法とされた。最高裁の判断も近い。(読者に感謝)
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