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2025年6月17日 (火)

「日本製鉄勝利のサプライズ。株主として快哉。トランプへの抗議デモ、中心はフィラデルフィア。その意味は。中間選挙の行方は」

◇15日、ほとんどの新聞が「日鉄・100%子会社化」を一面大見出しで報じた。中味は「トランプ氏・USスチール買収承認」である。長いこと株主として関わってきたがこんなことは初めてである。日鉄としても前代未聞に違いない。

 かつて鉄は国家と言われた。日鉄が大きく変化したのは技術力により高級鋼に於いて世界に冠たる地位を得たからである。その高級鋼の特色は強くて軽いこと。自動車に於いて、強さは命を守り、軽さは燃料を少なくする。USスチールを100%子会社にしたことはアメリカでの日鉄の大きな発展への寄与が期待される。アメリカは世界最大の高級鋼市場だからだ。鉄の国内市場は低迷していた。中国の安い鉄が過剰に流入しているからだ。トランプの承認はサプライズだった。鉄はアメリカの安全保障と結び付くからだ。そこで、トランプの承認は日鉄とUSスチールが米政府と国家安全保障協定を結ぶことが条件となった。両国の安全保障を支えるものは強固な日米同盟であるから、現実主義のトランプもこの点は計算に入れているに違いない。

◇アメリカ各地で14日トランプ大統領に抗議する集会が開かれた。第二次トランプ政権発足以降最大規模と言われる。また34年ぶりとなる軍事パレードでは「ノーキングス」のプラカードであふれた。これは「王はいらない」を訴えるもので「権威主義、億万長者優先の政治」に反対するもの。抗議の中核の場は東部フィラデルフィア。この都市が反トランプの中核になっていることに重要な意味がある。なぜならここでアメリカの独立宣言が採択され合衆国発祥の地とされるからである。現在、法の支配、民主主義が危機に直面している。トランプの政治姿勢はその象徴というべきで「王はいらない」はトランプを糾弾するアメリカの良心の叫びに違いない。

 この日、異例の軍事パレードがあった。トランプ79歳の誕生日でもあった。トランプは演説で強調した。「我々の兵士は戦って、戦って、そして勝って、勝って、勝つ」と。兵士を前にしたトランプの姿には巨大なアジテーターたらんとする意図がうかがえる。「王はいらない」のプラカードがアジ演説に呼応しているように見える。

 全米各地で燃える反トランプの抗議デモは中間選挙にどう現れるのか興味をひかれる。中間選挙は来年4月7日から11月3日にかけて行われる。捲土重来を期す民主党は着々と準備を進めている。全世界が息を呑む瞬間である。(読者に感謝)

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