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2025年6月16日 (月)

「曽我ひとみさんが訴える拉致の現実。北朝鮮、ロシア、中国と対峙する日本の役割。イスラエルの暴挙に怒る」

◇拉致被害者の曽我ひとみさんの講演が14日、利根沼田文化会館で行われた。曽我さんのテーマは「帰国から23年を迎えて思うこと」。いっしょに拉致された母親ミヨシさんへの思いが胸を打つ。ミヨシさん拉致から47年が経つ。正式に認定されている被害者は17名であるが拉致の可能性がある人々は872名と言われる。新潟県の沿岸から袋をかぶせられるなどの暴力により連れ去られた。曽我さんは「1分1秒でも早く全員を取り戻さなければならない」と訴えた。曽我さんの訴えは平和ボケと言われる私たちの心に突き刺さる。ともすれば忘れかけているという悲しむべき現実がある。講演に参加したある市民は語る。「拉致問題が今も続いていることが信じられない」と。政府は為すべきことをやっているのかと問いたい。政府の姿勢を歯がゆく思うが、それは私たち国民の姿勢でもあることを認識しなければならない。大韓航空機爆破などの犯罪を平然とやってのける犯罪国家が隣国であるという現実に慄然とする。

◇北朝鮮の現実を突きつけられて世界情勢がにわかに深刻の度を増していることを痛感する。戦後80年を経てアメリカの変化と共に世界が変化し、地上は弱肉強食のジャングルになりつつある。歯止めをかけなければと思うとき日本の役割が大きいことに気付く。その役割をしっかり自覚することは現在私たち国民の急務。広島・長崎の経験を持ち平和憲法に立脚する日本は地政学的にも最も重要な位置にある。北朝鮮、ロシア、中国と対峙する日本は混乱の世界の最前線に立つ。日本は、果てしなく広がる途上国、貧しい国と連携を深め先頭に立てる数少ない国である。その連携の力こそ暴走するトランプのブレーキとなり得る。現実主義者トランプは最大の対立国中国と取引する上でも日本の重要性を認識している筈。アメリカは日本にとって重要な同盟国である。真の同盟は深い友情を基盤とすべきだ。世界の多くの国と手を携えてアメリカのコントロールを目指すべきだ。

◇イスラエルの暴挙は悲しむべきことだ。その建国の大義はナチスのホロコーストから立ち上がったことではないか。ネタニヤフ首相の表情が今悪魔のように見える。13日のイスラエルによるイラン核施設空爆が大きく報じられた。中東は世界の火薬庫と言われてきた。イランの最高指導者ハメネイ師は報復を誓う。双方の攻撃は激化している。この争いが本格的な世界戦争に広がらないことを祈るばかりだ。(読者に感謝)

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