「日本へ接近する中国。中国に集うカリブの人々。新大陸発見と文明衝突の悲劇」
◇昨日は群馬会館の事務所で日中友好協会の会議があった。地方の小さなスペースにも米中対立の波が寄せていることを感じる。諸議題の一つは中国政府が日本の若者を招待する件。本県からはおよそ20人が。群大初めいくつかの大学に呼びかけることを指示した。8月17日から22日までの6日間である。
◇習主席は中南米カリブ海諸国共同体との閣僚会議で関係国との経済協力拡大を訴えた。会議は13日北京で開かれた。長期的に見れば米中2超大国の対立は激しくなるばかりだ。
習主席は米国を年頭にして「関税戦争に勝者はいない。いじめや覇権主義は孤立を招くだけ」と述べ各国の指導者に団結を呼びかけた。この地域はアメリカの裏庭と呼ばれ伝統的にアメリカが強い影響力を誇ってきた。全世界を対象にした関税政策によりアメリカの孤立傾向が進む時、中国はアメリカの喉元につけ込むチャンスと見ているに違いない。訪中中のコロンビア大統領ペトロ氏は「一帯一路」への参加を表明した。
中国がドサクサに紛れるようにカリブの国々と連携を深めようとしていることに驚く。この海域にはキューバがあり、その側にある小さな島サンサルバドルは1492年にコロンブスが大西洋を横切って到着した島である。そしてコロンブスの目的はマルコポーロが伝えた黄金の国ジパングであった。ジパング(日本)を見つけることが出来なかったがこれが新大陸発見に繋がった。その後、続々と訪れるスペインの侵略者たちは暴虐の限りを尽くし原住民は絶滅の危機に晒されることになった。価値観と文明の発達段階が異なる文明が遭遇するときの悲劇の例証となった。宇宙人との接触を警告する一つの理由ともなっている。マルコポーロが旅をして日本のことを聞いたのは中国であった。カリブの人々が集う中国の人々は、マルコポーロに始まる壮大な歴史に気付いているであろうか。
◇かねて注目していたウルグアイの元大統領ムヒカ氏が89歳で亡くなった。ウルグアイは面積が日本の約半分の国。激しい社会主義思想の闘士で10年以上投獄された経歴を持つ。大統領となっても報酬の大半を寄付する清貧な暮らしを貫いた。16年には広島市の平和記念公園を訪れ原爆資料館も見学した。国連の会議で「貧乏な人とは無限の欲があり、いくらモノがあっても満足しない人のこと」と演説した。日本には「大欲は無欲に似たり」という諺がある。サムライの生涯だった。3日間の服喪が行われる。(読者に感謝)
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