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2025年1月14日 (火)

「首相の東南アジア訪問の意義。米中対立の間に立って。臂さん無投票再選の重み」

◇石破首相が東南アジアを訪問している。10日はマレーシア、11日はインドネシアでそれぞれの首脳と会談した。石破氏は就任後、国際会議以外で個別の国を訪問するのはマレーシアが初めて。トランプ米次期大統領が20日に就任するが国際秩序の先行きが不透明となっている。こういう状況で日本政府は東南アジア諸国との関係を重視し地域での存在感を高めたいのだ。マレーシアのアンワル首相との会談後の共同記者会見で石破首相は語った。「複雑さと不透明さを増す新たな年の始まりだが、日本外交にとって、東南アジア地域との連携を強化することは最優先の課題の一つだ」

 次いでインドネシアではプラボウォ大統領と会談し高速警備艇の無償提供を約束した。侵出を強める中国を牽制する狙いがある。そして共同記者会見で石破首相は強調した。「インドネシアは我が国と基本的な価値や原則を共有する包括的、戦略的なパートナーだ」

 インドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の盟主的存在である。従って日本はこの国との連携を深めることによってトランプのアメリカとアセアンとのつなぎ役を果たしたいと考えているのだ。

◇トランプ新政権は中国を最大のライバル、つまり攻撃の相手と考えている。アメリカがナンバーワンでなくてはならないのに中国の台頭は著しくアメリカを抜こうとしているからだ。トランプ政権は今後増々中国に対する厳しい姿勢をとるだろう。ということはアメリカにとって日本の重要度が大きくなり、日本を大切にしなければならないことを意味する。日本はこのような国際状況を賢明に活かさねばならない。目先の利益を考え、トランプ政権の御機嫌取りに走るようであってはならない。今回の石破首相の東南アジア訪問の意義もここにあると考えるべきである。

◇米中の対立と日本の在り方を中国から見るとどうなるか。米中の緊張が増せば中国は必然的に日本との関係改善を図る。既にその動きが出ている。日本は絶好のチャンスを迎えている。ここでも重要なことは目先の利益に翻弄されることなく、平和憲法を基盤にすえてぶれることなく中国との間に信頼を築かねばならない。日本外交の楫取に注目したい。

◇臂さんが伊勢崎市長選に無投票再選を果たした。臂さんはミライズクラブのメンバーである。私は再選の重みと深さがよく分かる。堅実な政治手腕と人柄に期待する。他文化共生社会の先頭を走るにふさわしい謙虚さに拍手を送りたい。(読者に感謝)

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