「尹大統領と民主主義。弾劾訴追の行方。台湾有事の現実性。兵庫県知事の戦い方。元大阪検事正のハレンチ」
◇何と激しい変化なのだろうか。韓国の政変である。非常戒厳をめぐり、国防相の地位にあった権力者が逮捕され自殺を図った。尹大統領についても、立件を視野に入れて大統領府の家宅捜索が行われる動きだ。
大統領府、国会、そして世論。これらが激しくせめぎ合う様が伝わってくる。激しいデモの状況から世論が重要な役割を担っていることが窺える。国会や世論の強い攻撃に屈したかにも見える尹氏は、自身の進退を含め与党に一任すると発言した。しかし大統領という権力の座にしがみつく姿勢も見える。
早期退陣を決定づけるのは弾劾の可決だ。それには与党から8人の賛成が必要だが、現時点で少なくとも5人の賛成があるという。野党は14日に弾劾案を採決に持ち込む構え。
◇台湾を巡る波が一段と激化している。中国海軍が90隻余の艦船を展開し軍事活動を行っている。台湾は日本から肉眼で見える位置である。「台湾有事」が言われて久しい。日本の安全保障にも強く関わることである。1996年の台湾海峡危機以来の最大規模の海上軍事行動であることは確か。習主席は最近毛沢東を再評価しているが、毛沢東はかつて台湾海峡を血で染めてもと発言したことがあった。台湾有事と日本の安全保障を真剣に考える時が来た。
◇兵庫県知事の動きには大きな関心をもっていた。四面楚歌からの戦いでまさかの111万票を得た。雑誌のインタビューで、「なぜ絶対に諦めなかったのか」に答えている。孤独と不安を語るところが面白い。メンタル的に一番きつかったのは失職した日の朝、駅立ちした時だと振り返る。ポツンと一人で立つ、誰も足を止めない光景を私もみた。「本当に辛かった。ゼロ以下からのスタートだった」と心情を語る。組織の支援はなく、友人や同級生十数人が応援した。昔、私が初めて県議選に挑戦した時がそうだった。真のボランティアの同志は十数人でいいのだ。私のまわりには現在目前の市議選に臨む新人が数人いる。大きな組織に憧れるのではなく、小さな人の輪をつくれと私は呼びかけている。齋藤知事は「兵庫県知事が人生の夢だからどれだけ濁流に流されようと辞めたいとは思わない」と心中を明かした。
◇元大阪検事正の準強制性行罪に関わる事件は前代未聞である。被告は検事正在職中、官舎で酒に酔って抵抗出来ない状態の女性検事に性的暴行をしたとされる。被告は初公判で基礎内容を認めたが一転して無罪を主張する構えである。(読者に感謝)
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