人生意気に感ず「両手のない名手の衝撃、パリパラは夢を広げる。ケネディ氏の異常な行動とトランプの焦り。総裁選の行方」
◇フランス革命の地パリでのパラリンピックが胸を打つ。障害を乗り越えての死闘が輝く。中でも一際迫るのはアーチェリーで金を得たアメリカのマット・スタッツマンである。生まれつき両腕がないこの人は驚くべき工夫で矢を放つ。「腕のない名手」の技の冴えは信じ難い。15射のうち1度を除いて全て10点満点という精度を示した。2015年には健常者も含め最も遠い的を射抜きギネス世界記録を打ち立てた。そこに至るまでにいかに苦しい鍛錬があったかを想像する。この人を含めパラリンピックの選手たちの姿は人間の可能性の素晴らしさを示す。全ての障害者に生きる勇気を与えるもの。否、私たちの全てに希望と夢を与えるものだ。
◇アメリカ大統領選でケネディ氏が異常な動きを見せている。名門ケネディ家の一員でケネディ元大統領の甥である。環境運動で大きな存在感を示しタイム誌の「地球の英雄」の一人に選ばれたこともある。この人物がトランプ氏と手を握った。環境をめぐる主義主張を放り出して。このことは何を意味するのか。ケネディ氏の特異性と共にトランプ氏の大きな焦りを示すものと私は思う。墓穴を掘るに等しい。ケネディ氏はハリス陣営に相手にされず兄弟からは「私たちの父と家族が最も大切にしてきた価値観への裏切りであり悲しい物語の悲しい結末だ」と表明した。私たちの父とはケネディ元大統領の弟、故ロバート・ケネディ氏である。トランプ氏の行動は共和党の良識ある人々の離反を招き更には無党派層の冷笑をかうことになるだろう。10日の公開討論会が目前に迫った。
◇上武道路の3人死亡事故に遺族及び社会の怒りが沸いている。亡くなった湊斗ちゃんの母は事故後に出産し、なぜ呑んで運転したのかと怒る。遺族は悔しくて仕方がない。「会社や家族は分からなかったのか」、「会社の反省の態度は表面的に見える」と憤っている。69歳の運転手は危険運転致死容疑で逮捕された。専門家は20年から30年の懲役かとコメントする。この人物は刑務所で人生を事実上終えることになるだろう。運転中のアルコールを検知し運転を停止させる技術が開発され取り入れているトラック会社もある。この事故は社会の交通規制を変える一つの契機になるかも知れない。
◇総裁選の候補者が雨後の竹の子のように賑やかである。裏金で地に落ちた政治の信頼は再生できるのか。国民の怒りは深い。台風10号の渦巻く濁流と一連の熱波も呼応しているようだ。(読者に感謝)
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