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2024年9月 5日 (木)

人生意気に感ず「パラで続くメダルの波。車いすがぶつかり合う圧巻。多様性はどこまで。マングースの悲しい末路」

◇パラリンピックは人間存在を知る宝庫だ。障害故に差別と偏見の重圧に苦しむ人々。そしてそれと闘って生きる人々。人間とは何かを考え、人間の可能性を称える瞬間だ。第6日は日本のメダルラッシュであった。3つの金、それに銀と銅が続く。金は車イスラグビー、梶原大暉のバトミントン男子シングルス、そして里見紗李奈のバトミントン女子シングルス。鬼谷慶子、女子の円盤投げの銀は印象的で、山口尚秀の競泳100平泳ぎも固唾を呑んで見守った。

 車イスラグビーは決勝で格上のアメリカを遂に破っての金。繋いだ手を突き上げる選手たちの笑顔の光景は障害などを忘れた誇りに満ちている。車イス同志が激しくぶつかり合う姿は豪快で車いすの両輪は選手たちの身体の一部になっていた。

 円盤投げの鬼谷は銀を得て「信じられない、夢か」と語る。大学で脳幹部に炎症が起こる難病を発症し車イス生活に。練習で取り入れていたハンマー投げのフィニッシュ動作を意識したら円盤投げの飛距離がアップしたという。夫婦の二人三脚ぶりは円盤投げとハンマー投げの二人三脚に思える。

 トランスジェンダー公表の選手の活躍が報じられている。国際パラ委員会によるとトランスジェンダーを公表した選手は初めてという。ある時妻に「女性になりたい」と告白しホルモン療法を続けたという。性別変更して女子400m(視覚障害T12)準決勝まで進んだ。この人は言う。「私の夢が叶った日。もう差別や偏見は聞きたくない」と。多様性を大きく掲げるパラリンピックはどこへ向うのか。

◇かつてマングースとハブの闘いを見たことがある。猛毒の蛇とマングースの死闘は悲しい宿命の対決に見えた。巻き付こうとするハブの輪をかいくぐって頭をかみ砕くマングースの動きは遺伝子という本能に決定付けられたもの。現在は動物愛護の観点から禁じられている。環境省は3日奄美大島でマングースの根絶を宣言した。マングースは毒蛇ハブ対策として1979年約30匹が放たれた。マングースは増え続けハブ対策の効果はなく逆に希少な野生動物を襲う害が大きくなった。ハブ対策として効果がないのはハブは夜行性なのにマングースは昼行性だからである。マングースが「特定外来生物」に指定されたことで駆除が本格化、苦心を重ね根絶宣言に至った。奄美という大きな島で定着したマングースを根絶した例はない。希少種を救うことになったことに大きな意義があった。マングースの運命に心が痛む。(読者に感謝)

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