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2024年8月14日 (水)

人生意気に感ず「熱狂の閉幕、本県勢の活躍。がん死の元妻の墓に。タリバンの性差別は異次元」

◇熱狂の五輪が閉幕した。驚くべき大会だった。歴史的舞台で人間の力が極限まで発揮された。一方で人間の醜い面も現れた。SNSでの選手への誹謗中傷などだ。男女平等が形の上でも前進したことは救いだった。男女の参加者枠の同数が実現した。女子やり投げで金を得た北口が旗手を勤めた姿はその弾ける笑顔と共に象徴的であった。本県勢も活躍した。レスリング女子元木咲良の金には感動した。私は育英の理事で、元木の五輪出場が決まった時、壮行会で身近に接していたからだ。この人は育英大の助手である。女性版文武両道の人である。山本知事は語った。「元木選手の金メダルは県民に感動と勇気を与えてくれた」と。感動の勇気の意味はこの人の文武の活躍を知る時一層の重みをもって心を打つ。

 創始者クーベルタンの母国に100年ぶりに戻った今大会である。フランスは国の誇りと名誉をかけて取り組んだ。フランス革命で、ギロチンで首を落とされたマリー・アントワネット。開会式ではその出来事を窺わせる演出があった。フランス人は王妃の血を乗り越えて近現代の世界があることに誇りを持っている。華々しい女性たちの活躍は苦難の歴史が支えている。王妃は天国で時代の変化を驚きの目で見ていることだろう。

◇昨日、お盆の墓参りをした。十字を刻んだ墓石は亡き妻のもの。8月14日が命日である。早いもので、あれから間もなく44年になる。最も苦しかった時の人生の同志であった。彼女の兄は「限りなく熱き墓なり妹よ」と詠んだ。壮絶ながん死。日赤での闘病の姿が甦る。死の重みが分かる年になって彼女の最期が輝いて見える。死と対峙することは密度の高い生きる姿であった。手を合せ「あと20年走るつもりだよ」と語りかけた。

◇オリンピックに難民枠で出ている人々がいた。満開の女性たちの華々しさと対照的に性差別に苦しむ女性たちのことを考える。イスラムの世界、特にアフガニスタンで差別が酷い。タリバンは女子の中等、高等教育を禁じ、女性のスポーツも許さない。ヒジャブの着用を義務付けるがその理由につき驚くべき論理をあげる。タリバンの幹部は言う。「我々は女性の尊厳を守る。夫だけが妻の美しさを眺める権利を持つ」と。彼らはパリ五輪の女性の活躍をどう受け止めているのか。人間性を無視され、物と同様に扱われ自殺に追い込まれる女性も多いという。このような異次元の国がグローバル化の中でどこまで存在するのか注目する。(読者に感謝)

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