人生意気に感ず「大統領選、ハリス候補の行方。同時テロを振り返る時。水責めの拷問」
◇他国の問題だとして軽視したり無視したりは出来ない。アメリカの大統領選のことだ。人類共通の問題、そして日本の現在と未来に密に関わっている。トランプ氏に「老いぼれ」と口汚く罵られ、ノックダウンを食らってよたよたと立ち上がるバイデン氏。「ほぼトラ」現象が進むことに絶望しかけていた。カマラ・ハリス氏民主党候補が確定となった。黒人女性、そしてアジア系の政治家が大統領候補に選ばれるのは初めて。新たな流れは次第に大きくなっているらしい。7月だけで約450億円の献金が寄せられた。3分の2は初めての献金者、この額はトランプ氏の2倍を超える。一時的な花火と見る向きもあるが私は違う。彼女のキャリア、建国の精神と結び付くその信条、これから選ばれる副大統領候補、これらはこれからの伸び代を示すものだ。大統領選は限られた接戦州の動向で決まる。その一つがペンシルベニア州である。最大都市フィラデルフィアでは独立宣言と憲法会議が行われ合衆国発祥の地と呼ばれる。世界の民主主義が音を立てて崩れる危機が迫る。アメリカの良識が目を醒し、息を吹き返すことを祈らずには居られない。
◇2001年の同時多発テロは記憶に新しい。高層ビルに飛行機が突き刺さる光景に目を疑った。約3千人の犠牲者が出た。それはアメリカの繁栄と誇りが脆くも崩れ落ちた瞬間であった。全米のナショナリズムが火のように燃えた。犯人捜査の過程には酷い行きすぎもあったらしい。アルカイダの幹部はCIAの施設で水責めなどの拷問を受けた。映画でよく見るシーンは現実のものであった。
オースチン国防長官は2日主犯格との司法取引を破棄したと発表。司法取引の内容は犯罪を認める代わりに死刑を免除し終身刑とすることで合意が出来ていた。方針転換の理由は遺族の反発やテロリストと取引したとの批判を回避するためらしい。私は同時テロに関する映画をいくつか観た。その一つが「ワールド・トレードセンタ-」。救出作業のため貿易センターに向った警察官ヒメノは瓦礫の下に埋まってしまう。最後まで諦めずに必死で音を発信し遂に救われる。ヒメノを支えたものは家族との絆だった。視界を遮る砂塵の中で、どどっと建物が崩れ落ちる音が響く。多くの一般市民を巻き込んでニューヨークは戦場と化していた。極限の状況で死と直面する人間の姿、最後まで諦めないことの大切さ、人間関係の素晴らしさ、テロの陰を跳ね返す人間賛歌に打たれた。(読者に感謝)
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