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2024年7月31日 (水)

人生意気に感ず「ハッブルは天の川銀河を発見。ハリスは無礼か」

◇27日はふるさと塾で宇宙を熱く語った。本来歴史を説く場であるが宇宙の過去・現在・未来は壮大な歴史の一環。酷暑とオリンピック中ということで参加者が少ないかと懸念したが盛況であった。パリでは、対ドイツ男子バレーが激闘を展開していた。高度で専門的な部分と生活に密着する所を関連づけて話した。人々の好奇心を駆り立てるためである。前者ではハッブルを取り上げた。彼の天文学者としての最大の業績はアンドロメダ銀河の発見である。それは宇宙の認識を一変させた。私はホワイトボードに大きな楕円を描く。その中の一点が太陽系で星の塊がアンドロメダである。「ハッブルは星までの距離を測りアンドロメダが私たちの銀河の外の存在であることを知りました」。その後無数の銀河が発見され、それが超高速で遠ざかっている。膨張宇宙である。話はその膨張はいつまで続くのか逆転現象はあるかと話は発展した。

 後者つまり身近な話とはアポロの月面着陸である。1969(昭和44)年7月20日、世界の目はアームストロング船長の一歩に釘付けになった。世界では5億人、日本では7,000万人が見た。船長は言った。「一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては飛躍である」。私はここで一人の人物の紹介と、ある私事を話した。人物は鈴木安雄さん、通称アームさんである。「この人は会社の名前をアームストロングとしました。電話帳ではトップです」。私事とは長女ゆりのこと。この年に生まれたので私の弟は名前をアポロちゃんにしろと真面目に訴えていた。懐かしい思い出である。

◇アメリカの大統領選が新しい局面を迎え面白くなってきた。ふるさと塾の最後に予告した。「8月はアメリカの大統領選をテーマにします。“もしトラ”とか“ほぼトラ”の叫びで暗くなっていた私の胸は明るくなりつつあります」。「カマラ、カマラ」の合唱が聞こえて来るようだ。セーヌ川を進む選手たちの笑顔、獲得が始まったメダルの数、これらはアメリカの理想主義を象徴しカマラ・ハリスの動きと呼応するようだ。

◇トランプ氏とイスラエルのネタニヤフが握手する姿は悪魔の化身を思わせる。もっとも最近のトランプでは悪魔の神通力を失いつつあるようだ。

 ハリス氏はネタニヤフ氏に人道的配慮を求め記者団には次のように語った。「多くの罪なき市民の死について私は黙っていない」。トランプはこのハリスをネタニヤフに対して「無礼だ」と批判した。ズレている感じを抱く。こうしている間にもパリの激しい動きが次々に伝わってくる。女子48キロ級の角田が金を獲得した。(読者に感謝)

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2024年7月30日 (火)

人生意気に感ず「セーヌを進む選手の船。ウクライナは143人が。マクロン大統領の姿も。信じ難い洪水」

◇27日深夜のパリ開幕式はさすが歴史と芸術の都だなと胸を熱くした。前日の高速鉄道破壊事件が祭典の緊張感を高めていた。凱旋門の上にも銃を持った兵士の姿があった。ナポレオンが戦勝記念に創らせたこの門はフランスの強い決意を表しているようだ。スポーツ相は「五輪を標的にすることはフランスを標的にすることと同じだ」と表明した。異論はないが私は更に人類の平和を標的にしたものとして憤りを覚える。70の国と地域が参加。それぞれの国の選手を乗せた船は普段観光用に使われているらしい。アフリカの小さな国の船があり、懐かしいパプアニューギニアの船も過ぎていく。それぞれが満開の笑顔で手を振っている。この自己ピーアールの光景こそ今大会が重視する多様性を示すもの。ウクライナの選手団は143人である。彼らの胸の中が伝わるようだ。ロシアと戦う祖国の人たちを思い、平和の大切さをかみ締めているに違いない。日本は93番目で409人が参加。盛上がる日の丸と人々の笑顔に思わず興奮してしまう。最後の選手を満載した大型船はアメリカとフランスであった。アメリカは631人である。祖国は大統領選に向けて深刻な分断と対立が続くが、パリでは一つになって汗をかく。パリの熱闘はアメリカの偏狭な自国第一主義を反省させる一助になるだろう。最後のフランス選手団に手を振る人々の中にマクロン大統領の毅然とした姿があった。

 多くの人々が関心を寄せていたのは聖火の点火である。ランナーはチュルリー宮殿に向い、前に据えられていた直系22mの球体に迫り球の土台に点火したのだ。燃える球体が天高く昇っていく。その時エッフェル塔のステージから凄い声量の歌が流れ出した。これから競技が始まることを宣言するメッセージであった。最も早くメダルが決まる種目は27火午後5時に決勝が始まる射撃。そして日本勢最初の金メダル最有力者は同じくこの日午後11時から決勝が始まる柔道女子48キロ級の角田夏実だろうとされている。

◇東北の大雨は信じ難い程だ。屋根まで水没し助けを求める人々。海と化した濁流の上をヘリコプターが舞う。梅雨前線の影響が大きい。小学1年生だった昭和22年の関東大水害を思い出す。歌に謳われる牧歌的な最上川が死の川に一変した。その河口の酒田市に特別警報が昼と夜2回発表された。警戒度を下げた1時間後の特別警報。「母を背負って2階まで逃げた」、「丸太が台所に」など。予測不能な事態がどこでも発生することを心に刻まねばならない。(読者に感謝)

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2024年7月29日 (月)

人生意気に感ず「セーヌの開幕式に度肝を抜かれる。五輪の敵、破壊行為。選手村の活気」

◇開会式は26日夜、日本時間27日未明セーヌ川で行われた。スタジアム外で行われるのは史上初。世界中が異常な暑さで茹だる中、雨まじりの風がセーヌの川面を撫でる中を各国の船が進む光景は壮観であった。セーヌ川を開幕の舞台に設定するとは流石である。沿岸の歓声が川面に響く。待ちに待った歴史的祭典が始まったのだ。

 ところで実質的な競技は開会式に先立ってサッカー男子の1次リーグが日本時間25日深夜パラグアイとの間で行われた。結果は驚くべき快勝ぶり。日本五輪史上最多の5得点をあげた。相手はブラジルやアルゼンチンを破り南米予選を1位通過した強豪である。さい先が良いと気勢をあげているがプロは勝ってかぶとの緒を締めよと戒める。過去には大変な実例があるからだ。1996年のアトランタ五輪である。日本は優勝候補のブラジルを破り大フィーバーを起こしたが1次リーグで大敗に終わったのだ。日本勢のこれからを期待する。28日のマリ戦はボルドーで、31日のイスラエル戦はナントの勅令で名高いロアール河口の都市で行われる。

 フランス政府は軍隊まで出して警備に当たっている。26日には高速鉄道に対する組織的な破壊行為が行われた。平和の祭典を真っ向から破壊しようとする組織は人類の敵である。振り返れば華やかな祭典は常にこの敵に脅かされてきた。1972年のミュンヘン大会は「血塗られた祭典」となった。南ドイツの都市ミュンヘンではテロによる悲惨な犠牲が生まれたのである。歴史を知る者は花の都パリが革命の舞台であったことを思い出す。間もなくスケートボードや自転車競技、ブレイキンなどが繰り広げられるコンコルド広場はかつてルイ16世やマリー・アントワネットなどがギロチンで首を落とされた恐怖の大地であった。だからこそ平和の祭典を守ることの意義は限りなく大きい。かつてノートルダム寺院を訪れ厳粛な空気に打たれたことが甦る。

◇選手村はパリ五輪が凝縮された裏舞台である。東京五輪ではコロナ禍で選手たちはひっそり過ごしていた。今回、レストラン、スポンサーブース、トレーニングルーム、ゲームセンター、コインランドリーなどが充実していると言われる。レストランは各国の料理が店を満を持している。胃袋は選手のエネルギーを支える基本なのだ。選手たちのために20万個以上のコンドームが用意されているという情報には驚くばかりだ。ストレス軽減をあげるが花の都の影に存在する現実は何か。(読者に感謝)

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2024年7月28日 (日)

死の川を越えて 第21回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「だって、日本海海戦の見事な大勝利は日本の実力に間違いないし、世界の大国ロシアは負けを認めたではありませんか」

 正助が色をなして言った。

「勝つには勝ったがな、内実はぎりぎりだった。日本の国力は限界で、あれ以上戦えないところに来ていた。国民は知らぬから戦勝国の取り分けが少ないことに大いに怒ったが政府は苦しかったのだ」

「へえー、初めて知った」

 権太が驚いた声で言った。

「明治41年と聞いて、私が驚いたことは他にもある。前年にイギリスの救世軍創始者、ウイリアムブース大将が日本に来た。救世軍は虐げられた人々を救う社会活動を目前にしていたキリスト教徒の団体だ。そこで、マーガレットさんも同じキリスト教徒としてハンセン病患者の救済活動を目指すのだなと合点がいったのだ」

 万場老人は言葉を切り、顔を上げて続けた。

「もっとも、ブース大将の救世軍は、虐げられた娼婦を救う廃娼運動に打ち込んでいた。前年の明治40年、前橋に来て大いに話題になったのでわしはよく覚えている」

「まあ、ご隠居様、そんなことがあったのでございますか。では、マーガレット様は、なぜ草津に目をお付けになったのでございましょう」

 こずえは不思議そうに尋ねた。

「わしが言いたいことはそこじゃ。ハンセン病患者が住む所は全国に多いのに、なぜ草津かとわしも不思議だった。マーガレットさんが言うには、この湯の川地区が、ハンセン病患者の希望が芽生えるところに違いないと注目したからだという。患者が力を合わせて自由の療養村を作ろうとした理由は素晴らしい。これを何としても生かさねばならない。今の混乱は、心を正すことで乗り越えることができるというのじゃ。この集落のことは二人のキリスト教関係者から聞いたと申す。驚いたことにその一人は、あの太平親分らしいのだ。わしの言うハンセン病患者の光のことが、リーさんに伝わっているとはのう。そして、その光のために力を入れたい。ついては、わしにも力を貸してくれと申したのだ」

つづく

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2024年7月27日 (土)

死の川を越えて 第20回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「さすがのご隠居様があの慌てよう。本当におかしい様でしたわ、ほ、ほ、ほ」

 こずえは思い出して愉快そうに笑った。正助がすかさず言った。

「今日、話して下さるという女のことですか」

「そうじゃ、驚いたのは異国の女ということだけではない、むしろその話の内容なのだ」

 一同は、老人の口から何が飛び出すのか身を固くして待った。

「先日のことじゃ。この家の戸を叩くものがある。現れたのは二人の女で、一人は異国の女ではないか。もう一人は通訳の日本人じゃ。腰を抜かすほど驚いたぞ」

 万場老人は、おかしさを堪えているこずえに視線を投げながら言った。

「イギリスの上流階級の婦人と分かった。名前は、ええ、舌をかむような、何と申したか」

「マーガレット・リー様ですわ」

「そうそう、マーガレットと呼んでくれと申しておった。この人はキリスト教徒でな。ハンセン病患者の悲惨さを見て、その救済事業に一身をささげる決意を固めたという。神への無償の奉仕とはのう。神も仏もあるものかと思っている人々には信じ難いことだ」

 万場老人がここまで話すと、三人の若者はしきりにうなずいた。こずえまでが膝に手を置き聞き入っている。老人はこの姿を見て、我が意を得たりという思いに駆られて話を続けた。

「マーガレットさんに、初めて日本に来たのはいつかと尋ねたら、明治41年ということだ。そこでわしは、はっと思ったことがある。明治41年といえば、日露戦争が終わって間もないころ。日露戦の勝利を支えたのは日英同盟じゃ。お前らよく聞くがよい。日英同盟はな、七つの海を支配するといわれる大国イギリスが、アジアの果ての遅れた島国日本と対等に結んだ条約なのじゃ。この条約のことと、日露戦の勝利に有頂天になったら、日本は大きな過ちを犯すことになる。はっと思ったのはこれじゃ。日本の過ちはわれらの運命に大きく関わる。わしは、このことに気づき、本気で心配しておる。日本が過信して、とんでもない冒険に出ることを恐れるのだ」

つづく

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2024年7月26日 (金)

人生意気に感ず「ハリスの躍進は未来の光。特別警報は続く。開幕とパリの試練」

◇アメリカの大統領選が一気に盛り上がってきたようだ。いうまでもなくカマラ・ハリスへの期待である。ロイター通信は全米での支持率でトランプを2ポイントリードと報じた。民主党という枠を超えて広がっていると思われる。アメリカでは大きな二つの政党で多様な国民を包みきれない。だからどちらにも属さない無党派層は膨大な筈だ。人種の坩堝と言われる特色は多様性である。そして多様性を体現するキャラクターがハリスといえる。任期俳優ジョージ・クルーニーは「ハリスの歴史的挑戦を支援するために何でもする」と声明した。「老いぼれ」の汚い表現が新たな意味と重みをもってブーメランのようにトランプに向うに違いない。詩人サミュエル・ウルマンは、人は理想を失う時に老いると謳う。理想とは前向きの姿勢のこと。アメリカをもう一度偉大にと叫ぶトランプの目は過去に向いている。ハリスは未来を目指すべきだと強調してトランプを強く批判した。地球的規模で課題が山積する時、自国の利益を優先することは自分の首を絞めることに通じる。「ハリス、ハリス」の声はアメリカの良心、人類の正義を現すものだ。

◇東北各地に大雨特別警報が出されている。津波のように盛り上がる濁流はただ事ではない。いったいどこからこんな水がと思う。命を守るために最大限の出来ることをとテレビの声は叫ぶ。この現象は世界各地で起きている。地球が狂っているのだ。その犯人は人間である。産業革命以来ひたすら自分勝手に利益を追求してきた結果である。もう手遅れだという声が上がっている。しかし諦めてはならない。人類は英知を結集する時である。平和の祭典オリンピックは新たな意義を持っている。平和を支える柱は環境である。パリ市長はセーヌ川を泳いできれいな水をアピールした。セーヌ川をいっぱいにして船で行進する光景は圧巻であろう。歴史と文化と芸術の都市パリは大きな試練の場に立たされている。

◇パリ五輪が明日開幕する。開会式の舞台はセーヌ川。壮大な船のパレードを想像するとわくわくする。治安当局はパリの安全を守るため必死と言われる。五輪妨害を企てた容疑でロシア人の男が逮捕された。ロシア連邦保安局要員と言われる。これまでもロシアの国家組織が関与したことを窺わせる様々なことがあった。古代ギリシャではオリンピック中は戦争を休止したという。これが平和の祭典の原点である。プーチンの胸には平和や人権の理解は存在しないに違いない。混乱の世界でもがく五輪。パリを機に本来の五輪を再生させねばならない。(読者に感謝)

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2024年7月25日 (木)

人生意気に感ず「ハリスの勢いは止まらない。恥を知れ大河原町議会。サッカー初戦の快勝。横綱敗北に拍採」

◇アメリカの大統領選ほどダイナミックなドラマは少ない。特に今回は格別の感がある。トランプを撃った危険な銃口がハリスに向うことを恐れる。世論調査によれば暴力に訴えて目的を達することを容認する人々が少なからず存在するからだ。民主共和両党のせめぎ合いが強調されるが無党派層の存在は無気味で大きい。多様性が尊重される社会に於いて国民を二大政党に分けることは土台無理なことなのだ。無党派という枠でくくるのは正確ではないが既存の政治に嫌気がさしている人は膨大なものだろう。ハリスの出現はそういう人々にも大きな影響を生じ始めた。世論調査はハリスの優勢気味を報じている。無党派の人は老々対決を嫌う傾向だがハリスはトランプより19歳も若い。副大統領候補の選択で更に動きが加速するに違いない。

◇「恥を知れ」、石丸伸二氏の声が宮城県大河原町議会から聞こえてきそうである。ただし今度は議会見学の小学生の声である。社会科の授業で一般質問を見学した児童はスマホでゲームをしている議員を見た。感想文に議員がこれでいいのかと書かれた。他に「寝ている議員がいる」との感想文もあった。安芸高田市議会のことがあんなに非難されて間もないことである。純粋な子ども達が受けた衝撃は測り知れないだろう。石丸氏の議会に関する対立姿勢を批判する声があるが、実態は深刻なのだ。大河原町議会に限らず全国いたる所の議会に存在すると思われても仕方がない。「恥を知れ、恥を」、この声は恥知らずの議員を選んだ有権者にも向けられねばならない。

◇25日午前2時に始まった五輪サッカー初戦で日本はパラグアイに快勝した。5対0である。朗報はこれから始まる全ての競技の選手に測り知れない激励となるに違いない。私はかつて訪れたパラグアイの光景を懐かしく思い出す。南米のヘソを言われウルグアイと共に海のない国である。首都アスンションではラパチョというこの国の国木がきれいだった。県人会の人たちの大変な苦労を知った。私の「シベリア強制抑留・望郷の叫び」を読んで涙を流したという。自分たちの苦しみと重ねたのであろう。65万羽の鶏を飼う壮大な前原農場は映画ジャイアンツを想起させた。人々はサッカーをどんな気持ちで観たであろうか。

◇無敗を続けた横綱照ノ富士を大の里が下した。乱舞する座布団。その一つ一つに観客の興奮が結びついている。私も思わず立ち上がって手をたたいた。名古屋場所は燃えている。(読者に感謝)

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2024年7月24日 (水)

人生意気に感ず「黒人女性カマラ・ハリスの衝撃的登場。大谷特大30号はパリ選手の背を押す」

◇「ほぼトラ」という黒い雲が広がる中、突如天の一角に雷鳴が走った。黒人女性カマラ・ハリス氏の登場である。「衰弱した老いぼれ」と口汚く罵倒する姿。こういう男をアメリカの大統領にしてはならないと怒りにじっと耐えていた。カマラは古代インド語で蓮の花を意味する。蓮即ちれんげは極楽浄土の世界に繋がる。アメリカの世論再び燃え上がろうとしている。トランプ氏を救ったと思わせた神の真意は深かったのだ。アメリカの建国の精神は目先の国益に熱狂するポピュリズムを超えたもの。カマラ・ハリスはアジア系の黒人女性である。アメリカの黒人層や女性たちの頑張れの声が聞こえてくるようだ。星条旗を背にして国民融和を呼びかけたかに見えたトランプ氏はその後本性を現した。連発する人格否定の言葉は今や自分に向う刃に化している。

 民主党のハマス一本化の動きは加速している。クリントン元大統領夫妻はいち早くハマス支持を表明。民主党への献金は21日だけで約78億円と記録的な額に達した。今アメリカで幕を明けたのは壮大な人類劇場である。息を飲むドラマを見守りたい。

◇対決の構図は一変した。一時、神がかりなトランプ氏に対する攻撃を控えざるを得なかったバイデン氏は堂々と訴えた。「今こそトランプを打ち負かす時だ」と。ハリス氏は父がジャマイカ、母はインド出身の移民二世。これは多様性を象徴する。多様性は個々の違いを尊重することで人権と民主主義の原点だ。トランプ氏はバイデン氏を老いぼれと罵ったが、ハリス氏は19歳若い。ざまを見ろという声が聞こえてくるようだ。トランプ氏の勢いに影を潜めていた女性スキャンダルも連邦議会襲撃という国家犯罪も白日の下に蘇るに違いない。態度表明を控えているオバマ元黒人大統領もハリス支持を打ち出すことは間違いない。

◇大谷が止まらない。特大144mを放った雄姿は日本人の枠を超えた。衝撃的な30号場外弾実現の姿は超人的。彼ほど国境と人種の違いをこえて日本人の存在感を高めた人物は少ない。この勢いは26日開幕のパリ五輪と連動しているかのようだ。酷暑が続く中、熱くなっているのは選手たちであり私たち日本人の心である。パリを動脈のように流れるセーヌで行われる開会式。160隻の船に乗った選手たちの入場行進。男女同数参加で育児室が初めて設置される。歴史的な五輪が始まるのだ。(読者に感謝)

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2024年7月23日 (火)

人生意気に感ず「喫煙飲酒辞退の意味。富士見の女性が五輪に。バイデンが勇退する。育児女性マクロンに直訴。盗撮防止法の意義」

◇パリ五輪が秒読みに。平和の祭典は人間尊重の場。男女平等は当然の筈だがその道のりは長い。スタートは女人禁制だった。今回のパリでは女子参加率50%が実現するらしい。女子の陸上が認められたのは1928年のアムステルダムであった。人見絹枝が800mで銀を得た。スポーツの世界での女性の活躍は社会のスポーツに対する認識を正しく発展させる。

 昨日のブログでも触れたが体操女子宮田選手の喫煙飲酒辞退は前代未聞で日本体操協会の失態であった。パリ五輪最初のつまずきを乗り越えねばならない。辞退問題は意外な波及効果を生みつつある。前橋市富士見町出身の椛沢和佳奈選手の弾けるような笑顔が踊っている。天から届いたようなサプライズだ。辞退が出たために世界陸上から再配分を受け追加で陸上女子5000m出場が決まった。椛沢姓は富士見と私が住む芳賀に多い。最初は信じられなかったと語る。パリ五輪が一段と身近になった感がする。

◇トランプ氏銃撃から一週間が過ぎ容疑者を巡る謎と銃社会アメリカの病理が浮き上がっている。警護隊は射程距離の現場を最重要警備区域から除外していた。屋根で銃を構える男に近くの人々は騒いでいた。警護隊に非難が集中している。狙いは正確だった。ミリ以下の違いでトランプ氏はあの世だった。突き上げる拳の姿はたちまち勇気ある奇跡の英雄となりバイデン氏のヨタヨタ振りを際立たせる結果を生んだ。バイデン氏の勇退が決まったらしい。民主党の候補者は副大統領ハリス氏になるだろう。女性という点もプラスに働くかもしれない。

◇パリ五輪の一つの注目競技は日本のお家芸柔道である。フランスの柔道代表の女性は娘を選手村に連れて行きたいとマクロン大統領に直談判した。IOCは家族の選手村宿泊を禁じている。フランスオリンピック委員会は選手村近くのホテルを特別に用意した。育児中の選手が初めて子供と過ごせる。この女性は大会中選手村とホテルを行き来する。赤ちゃんの存在は限りない勇気を与えるに違いない。パリ五輪にふさわしい。女性の活躍に注目しよう。

◇盗撮が驚く程増えている。かつては電車内の痴漢が社会問題であったがスマホの普及を背景に情勢が変化した。盗撮は迷惑防止条例で規制されていた。迷惑行為ならいくらもある。犯罪という認識も薄いだろう。そこで処罰法が出来、昨年7月施行された。県警は35件を摘発。小学校の先生や塾の講師の逮捕例があった。専門家は氷山の一角と見る。崩れる日本を一角から食い止めねば。(読者に感謝)

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2024年7月22日 (月)

人生意気に感ず「五輪辞退の意味は。島サミットと日本の信頼度。香典の原資は裏金だった」

◇パリ五輪がいよいよ26日に開幕。選手団のパリ到着が伝えられ始めた。ある女子選手は語った。「パリはどこを切り取ってもすごく絵になる街」と。一人一人の選手は人生のドラマを抱えている。白血病の地獄から奇跡的に立ち上がった水泳の池江璃香子のさわやかな笑顔が胸を打つ。19歳の陸上のエース宮田笙子の五輪辞退は何としたことだ。ストレスに耐えられず喫煙飲酒に走ったという。少女は花の街に駆り立てられ冷静さを失ったのか。サポート体制の不備が問われるべきである。

 今回のオリンピックは極度に緊張した国際情勢下ということ、そしてパリで行われるということで地獄の釜の上の祭典の感がある。

◇太平洋島サミットが18日閉幕した。岸田首相はクック諸島のブラウン首相と共に共同議長を務めた。首脳宣言と共同行動計画が発表された。島しょ国はフィジー、パラオ、サモア、ソロモン諸島など。これらの国が抱える最大の課題は気候変動問題である。海面が上がり国の存続に関わる危機に直面しているからだ。日本の支援強化が確認された。

 この島サミットで注目されるのは、海洋進出をひたすら求める中国に対する牽制である。南太平洋のこれらの国々は米中対立の最前線になっている。政府は南シナ海での中国の実効支配をあげ南太平洋地域も手遅れになってはならないと思っているらしい。そこで首脳宣言には現状変更の試みへの反対が盛り込まれた。

 太平洋戦争時、これらの国を日本が支配したその名残は時を超えて存在していると言われる。「ツカレナオース」(疲れ癒す)、「ブタイ」(部隊)、「ケンコツ」(拳骨)、「コマッテル」(困っている)、「タスケル」(助ける)などだ。日本はかつてパラオに南洋庁を置き日本語教育を義務づけた。日本語がパラオ語となって残っている事実は日本に対する信頼の現れかもしれない。これらの国の発展に覇権主義と関係なく真に協力することが日本の責務でなければならない。

◇自民の堀井学衆院議員が違法香典で特捜部の家宅捜索を受けた。堀井氏はリレハンメル冬季五輪銅メダリスト。特捜部は香典の原資は裏金だったと見ている。裏金が違法に使われたことはないと自民党は主張していた。この主張の根拠が崩れる可能性が出てきた。首相は「強い危機感をもって信頼回復に努める」と述べた。香典を提供しない政治家を批判する有権者がいるのも事実。政治家は自ら悪例を絶つべきだ。政治の信頼には勇気が要るのだ。(読者に感謝)

 

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2024年7月21日 (日)

死の川を越えて 第19回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 太平は側で聞いていて、大きくうなづき、目頭をぬぐっている。太平親分がこんなに心に響く深い話をするとは想像もしなかったのだ。マーガレットは姿勢を正し、親分の手を取って言った。

「素晴らしいお話です。私、死の川を見たい。皆さんの心のお手伝いがしたい。ハンセン病患者の光に接してみたい。私を案内してください」

 マーガレットの顔は少女のように輝いて見えた。太平は、それを見て心に叫んだ。

〈俺の賭けが当たりやがった。これ偉えことになるぞ〉

 上州へ帰る太平と大沢の足取りは踊るようであった。

 

三、マーガレット・リーの登場

 

 ある日のこと、例の3人が万場軍兵衛の家の戸口に立っていた。正助は手をかけようとして、その手をそっと引っ込めた。権太と正男が何事かと首をかしげる。正助が小声で言った。

「こずえさんがいるよ」 

 正助の鼻は、戸の隙間からほのかに流れている女人の香りを敏感にとらえていたのだ。正助は中に声をかけた。

「こんにちは」

「はーい」

 明るい女の声。正助の予感は的中し、戸は中から開かれた。こずえの姿がそこにあった。

「お入りください。ご隠居様がお待ちです」

 3人の顔を見るなり万場老人は言った。

「こんな小屋、しかもハンセン病の老人の家など訪ねる女はこずえのみと思っておったが、最近珍客があった。しかも異国の女なので仰天した」

つづく

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2024年7月20日 (土)

死の川を越えて 第18回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 大沢は賭博と聖書を一緒にすることに戸惑った様子であったが、親分の勢いに押されて東京の教会にマーガレットを訪ねることになった。人々が計画を練っている時、太平が突然顔を出して言った。

「この勝負、俺が振ったサイコロだ。中途半端じゃ念力は通じねえ。俺にお供させておくんなせえ」

 人々は一瞬驚いたが、反対する理由は見当たらない。集落の熱意と覚悟を案外伝えられるかもしれないということで話は決まった。

 東京の教会では、マーガレットと、マーガレットの通訳で日本語教師でもある井村祥子が待ち構えていた。大沢が来訪の目的を話した。大沢は、湯の川地区とハンセン病の患者に関する事実を詳しく話した。

 マーガレットは井村が置き換える日本語にじっと耳を傾けた。太平は異国の女性の白い肌、神秘的な青い目に身を固くしていた。

「湯の川の本当の姿は、親分、いや太平さんの話をお聞き下さい」

 マーガレットはうなづいて太平に視線を移した。

「ここは患者が助け合って生きる所です。患者が税金を納め村を動かすなんで世界に例がねえはず。人はここからハンセン病の光が出ていると申します。ところが今それが消えようとしております」

 マーガレット女史は身を乗り出し、手を上げて話を制した。

「ハンセン病患者の光が消えようとしているとは」

「へえ、患者は開村時の心意気を忘れ、生きる希望をなくし、神を仏もねえと思うようになったのでごぜえます。わしも最近まで、悪者の代表みてえな者でごぜえやした。今、必要なことは、まっとうな人間の心を取り戻すことだと気づきやした。きっかけはキリスト様との出会いでやす。わしらの心に出始めた小さな芽を大きく育てるために、草津の湯の川に来てもらいてえ。死の川とともに、死にかかっているのはわしらの心でごぜえます」

 

つづく

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2024年7月19日 (金)

人生意気に感ず「前畑がんばれを思い出す。オリンピックの原点。郭さんの書道展。大相撲が面白い」

◇パリ五輪が始まる。日本中が五輪一色となり沸き立つに違いない。パリは特別である。ベルサイユ宮殿やセーヌ川も競技場になる。パリを目指し全てを注ぎ込んできた選手の中には出場できず無念の涙をのんだ人も多い筈。「前畑がんばれ」の話は子どもの頃からよく聞かされた。長男の兵藤正臣氏が語っている。前畑のことは小学校の教科書にも載っていて、先生が「息子の兵藤が読みなさい」と言って朗読させられたという。ナチスが戦争の準備を進めていた頃で、ベルリン大会であった。前畑の快挙をヒトラーも称えた。ナチス親衛隊に囲まれた写真は何とも強烈だったと兵藤氏は振り返る。

◇オリンピックは平和の祭典である。古代ギリシャでもオリンピックの間だけ一時的に戦争は休戦となった。オリンピックはフランス人クーベルタンの提唱で始まった。クーベルタンは古代ギリシャにならって世界平和と人間の尊厳をスポーツの力によって実現しようとした。このことを明記したオリンピック憲章の下で現在の国際情勢は何と嘆かわしいことか。ウクライナに於いて、ハマス・イスラエルに於いて人道に反する戦いで毎日多くの血が流されている。

 花の都パリはこの国際情勢を背景にしたテロの恐怖にピリピリしている。第20回ミュンヘン大会では「血塗られた祭典」と言われたような惨事が起きた。パリは人権と政治に関し、人類史上特記されるべきフランス革命の地である。花の都の花の下で夥しい血が流された歴史をかみ締めねばならない。パリ五輪がその名に恥じない成果をあげ無事に終わることを祈らざるを得ない。

◇今日は日中友好協会が関わる大切なイベントが行われる。書家郭同慶氏の書道展である。日中友好協会会長としいて挨拶やテープカットをする。上海出身の郭さんは長い友人で、書だけでなく色々な面で絆を深めてきた。協会では芸術部門の理事。高名な中国の書家及び中国大使館の参事官も出席する。来日して間もない頃、中国青少年書道展を行った。彼は関係者に反対されたが私は全力で支援した。中国の諺に「井戸を掘った人を忘れない」がある。信義の郭さんは私をそう思っているらしい。選挙の時、資金面で助けられたことがあった。夕食歓迎会は話に花が咲きそうである。

◇大相撲が面白い。一瞬に全てをかける勝負の世界は奥が深い。大の里、熱海富士、宇良、翔猿などを応援している。観客席も時代を映していて面白い。時に頭をヒジャブで覆ったイスラムの女性の姿に驚く。土俵上は女人禁制の国技の世界。(読者に感謝)

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2024年7月18日 (木)

人生意気に感ず「トランプに集まる支持の声。イーロン・マスクは毎月71億の寄付とか。ほぼトラの悪夢は。平和の祭典にテロの影」

◇暗殺未遂事件により米社会の対立は極度に高まり、米民主主義は吹き飛んだ感がある。星条旗の下で拳を上げるトランプに応じる民衆の光景。それはかつて第二次大戦に至る過程でのナチスの集会を想起させる。カギ十字はためく下で広い会場を埋め尽くした民衆は拳を突き上げるヒトラーに熱狂した。大きな違いは民主主義を象徴する国で、選挙という民主主義の舞台の上でことが展開しているということだ。

 耳を貫通されながら助かった事実は正に奇跡。神の意志かと想像する人々もあるだろう。大実業家のイーロン・マスク氏は「このようなタフな候補者はセオドア・ルーズベルト以来だ」と絶賛した。マスク氏はトランプを支えるために毎月71億円を寄付すると表明している。

◇現在アメリカでは南北戦争以来の分断と対立が高まり暴力を正当化する世論が急騰している。シカゴ大が実施した直近の暴力と政治に関する世論調査は衝撃的だ。それによればトランプ「再選阻止のため」暴力が正当化されると考える人が10%もいる。一方トランプ「再選のため」に暴力が認められると答えた人が6.9%もいた。

 このような対立の原因の最大の一つはトランプ前政権の対立をあおる政治であり、その象徴は連邦議事堂占拠を扇動したトランプの行動であった。アメリカは司法までおかしくなっている。連邦最高裁は今月この占拠事件に関し、公務ならトランプの刑事責任は免責されるとの判断を示したのである。この銃撃事件で「もしトラ」が「ほぼトラ」になったと見る専門家はかなり多い。悪夢の実現は近づいているのだろうか。トランプが勝てばプーチンと金正恩は大喜びするだろう。そして最も心配しているのはゼレンスキーであろう。

◇射殺された容疑者は高校時代理数系が優秀で表彰されたという。元カナダ軍所属の伝説的スナイパーは容疑者には何らかの組織的支援があったと指摘する。さもなければ119mの距離に銃を持って近づけない筈という。これから様々な事実が明らかになるだろう。

◇世界のスポーツ界が沸騰している。先ずは大リーグのオールスター戦。大谷が待望のホームランを放った。快音は海を超えて私の胸に。

 オリンピックが目前に迫る。今回は日本の女性勢の活躍が期待される。歴史を振り返れば女性の参加は認められない時代があった。オリンピックの創始者クーへルタンは女性のスポーツを強く否定した。女性の初参加は1900年のパリ大会。日本女性人見絹枝は1924年パリで銀メダルを獲得した。

平和の祭典はテロに備えピリピリである。(読者に感謝)

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2024年7月17日 (水)

人生意気に感ず「トランプを大統領にしてはならない。バイデン氏は勇退すべきだ。政治が三流なら経済も三流に」

◇トランプ氏が正式に共和党の大統領候補に決まった。一発の銃弾がアメリカの運命を大きく変えようとしている。その凶弾が耳を撃ち抜いて顔面を血で染めた。しかし命は奪わなかったことが世にも見事なストーリーを作り上げることになった。青空にひるがえる星条旗を背に拳を突き上げる姿は救国の英雄のように見える。構図的にはフランス革命で三色旗を掲げて民衆を率いるドラクロア作の自由の女神を想起させる。漫画的発想を私はニヤリとして打ち消したが感情的になったアメリカの民衆の中には動かされる人も多いに違いない。雑誌タイムは早速、星条旗を背にしたトランプを表紙に登場させた。私はアメリカの歴史を流れる民主主義のために、卑劣な犯罪人にして人格的にも破廉恥なトランプに大統領になって欲しくない。トランプを打ち負かすことは世界の自由と平等のためでもある。

 ところで、この状況の変化の中でバイデン大統領の老体ぶりが心配になってきた。先日のトランプとの討論会では惨状を晒した。81歳のバイデンの脳に何かが起きているのではないかと思わせた。国際会議でもプーチンとゼレンスキーを言い間違える場面があった。認知症適齢期である。多少の認知機能の衰えがあっても普通の人なら社会活動を工夫によって行うことが出来る。アメリカの大統領は最大の重責を担う立場である。脳みその衰えは個人問題を超えるのである。バイデン氏は一大決心をもってハリス副大統領に民主党の候補者の立場を譲るべきである。

◇今月の「ミライズ」が迫った(20日)。担当者の事情により急に私が話すことになった。構想は出来ているがその中で一つここで紹介したいことがある。石丸氏はその著書で政治が三流なら経済も三流になると指摘し、例として自分がかつて銀行の経済分析アナリストの時経験したアルゼンチンのことに触れている。石丸の胸に一貫して存在するものは政治不信に対する怒り、つまり「恥を知れ」なのだ。

 私はかつて県議会議長の時アルゼンチンを訪ね、興味ある出来事を知った。この国はインフレが酷かった。実際にあったが話であるが、スーパーで人々が買物をしているとき放送があった。「今から20%値上がりします」と。県人会の人は「この国の人は自国の通貨をまったく信用していません」と語った。通貨に対する不信は政治への不信である。石丸の165万票は既成政治への不信と怒りが生み出したものだ。(読者に感謝)

 

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2024年7月16日 (火)

人生意気に感ず「“再会長江”を観て。トランプを狙った銃弾とアメリカの民主主義」

◇7月13日、元気21のシネマまえばしで「再会長江」を観た。群馬県日中友好協会の特別貸し切りで行った。冒頭、私は会長として挨拶。「中国の歴史は6,300キロの大河と共にあります。ありのままの中国を知ることができます」と。主人公のチベット人女性ツームさんとは、昨年会ったが美しい人だった。再会長江は私にとって再会ツームさんでもあった。大河はチベット高原を発し、上海付近で日本海に注ぐ。映画は河口から上流へ遡る。途中の光景は悠久な中国を語っていた。それは三国志で呉が蜀と力を合わせ魏を破った赤壁の戦いの「赤壁」、世界最大の水力発電の山峡ダム、蜀の皇帝劉備が死んだ白帝城などであった。変化する大河の雄大な姿と、大河と生きる沿岸の街や村や少数民族の様子も面白いが私が強く動かされたものは初めの一滴であった。それは氷河の訴えであり地球の悲鳴であった。カメラは氷河が後退し小さくなっていく姿を映し出していた。地球温暖化がここまで進んだか、末期的状況ではないかという感を抱いた。私は氷河の訴えを6,300キロの大河の訴えとして受け止めた。ドキュメントは美しいツームさんの姿を大きく取り上げた。ツームさんは多額な資金を投じて民宿を行っている。昨年来県した時、群馬の民宿につき学びたいと言っていた。今回、「再会長江」であの雄大な大河、そしてチベット高原の大河の原点である氷河を見て、群馬県との繋がりを考えた。ツームさんの笑顔が悲しみの表情に変わることはないかと憂えた。

◇13日、衝撃が走った。ペンシルベニアで演説中のトランプ氏が銃撃されたのだ。銃弾は右耳を貫いた。騒然とした会場にシークレットサービスが走った。九死に一生を得たトランプ氏が拳を突き上げている。民衆は「USA!USA!」と叫んでいる。映画の場面かと思うが、これがアメリカの現実なのだ。私はかつてテキサスを訪れ、現職のケネディ大統領が高い所から撃たれて暗殺された場所を見た。アメリカの病理は続いている。トランプ氏は殉教者になろうとしている。その勢いはこの人物の数々の神を恐れぬ破廉恥な所業も押し流してしまうのか。ペンシルベニアは米の独立宣言が採択され合衆国発祥地と言われる。独立宣言は人間の自由平等を訴え圧政を許さぬことを強く掲げ、近代民主政治の基本原理となっている。アメリカの民主主義はこんなものかという声が民主主義を否定する国々から聞こえてくるようだ。アメリカは南北戦争以来の分断を抱えたまま11月の大統領選に向っている。(読者に感謝)

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2024年7月15日 (月)

死の川を越えて 第17回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 米川の訴えは太平の義侠心に火をつけた。太平は、前田屋で説教を始めるにつき、自分に仁義を通した米川の窮状を見過ごすことはできなかった。

 太平は早速、力を尽くして米川のために伝道場を確保した。米川は喜んで説教に励んだ。太平は伝道所を尋ねて言った。

「先生、何か看板を出した方がよかんべえ。ナンマイダの方は大層なものを出してやがる。負けちゃなんでえでしょうが」

「その通りです。遠慮していました。親分に言われて勇気百倍。考えます」

「それがいい。早い方がいい」

 米川はこう言われ、興奮した様子でどこかへ飛び出して行った。

 翌朝のことである。米川は太平に言った。

「よい名前を考えました。世光会です。聖書の言葉『地の塩、世の光』から思いつきました」

 米川の声は弾み瞳は輝いていた。

「うーむ。聖書のことは分からねえが、世の光が気に入った。それに致しやしょう」

 太平の胸には、万場老人のハンセン病患者の光という言葉がよみがえっていた。

 キリスト教の動きが活発になるにつれ、湯の川地区に良き師を招きたいという声が強くなった。それには、仏教側が時々名のある僧を招いていることへの対抗意識も手伝っていた。

 そんな時、マーガレット・リー女史の話が伝えられた。イギリスの貴族の名門につながる出身で、社会の虐げられた人々の救済に一身をささげ、神のようにあがめられているという。太平は、この話を世光会の中心人物である大沢襄から聞いた時、すかさず言った。

「その先生を湯の側にお呼びしようではありませんか」

「来てくれれば、そんな素晴らしいことはないが、どうかなあ」

 大沢はため息をつくように言った。

「いちかばちかですぜ。われわれの世界では丁か半かです。ひらめいた時はいけるもんです。もっともわしは今、足を洗いやしたがね。呼吸は心得ている。この話は勝ちそうな気がするんでさあ」

つづく

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2024年7月13日 (土)

死の川を越えて 第16回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「ちげえねえ。大きな意地にちげえねえ。ハンセン病患者の光とは大変なことだ。目の前が開けた気が致しやす。これからは、この湯の川地区を生かすために力を尽くそうと思いやす。それが仁助の頼みに応えることですな」

 大門太平は自分に言い聞かせるように大きくうなづいた。

 その後、湯の川地区に新たな宗教の動きがあった。それは、九州のハンセン病院の院長、エリザベス・リデルがキリスト教を伝道しようとしたことである。

 リデルは司祭、米川完治を派遣し、米川は旅館前田屋で説教を始めた。米川は、この動きを始めるにつき、ある人の勧めで太平に話を通すことにした。

「へえー、ヤソの坊さんが仁義を切りに来るとはおったまげたもんだ。ナンマイダの方は何もあいさつなしにいきなり奉加帳だ。お前の所も奉加帳を回すんかえ」

 太平は、奉加帳を叩きつけた仁助のことを思い浮かべながら言った。

「いえ、私のところでは、そういうことはありません」

 米川は笑いながら言った。

 キリスト教の説教ということで、好奇心も手伝って参加者は増えた。その中には子分を連れた太平の姿も時々あった。しばらくして、説教が順調に行き始めたと思われたころ、米川司祭が太平を訪ねて来た。

「親分、困ったことが起きました」

「困ったこととは何だね」

「実は、宿屋組合が私たちの説教に反対で、前田さんで説教ができなくなりました」

「それは一体どういうことだね」

 太平は片腕をまくって身を乗り出した。米川は、組合が説教の目的を誤解していると語った。米川司祭を派遣した熊本にはハンセン病患者が集まる拠点があったので、説教によって、そこへ客を引こうとしていると誤解されたのだ。

 

つづく

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2024年7月12日 (金)

人生意気に感ず「性変更を判決の行方。NATOとウクライナの行方。石丸氏をミライズで語る」

◇手術なしで男性から女性への性別変更が認められた。広島高裁である。性同一性障害の人は多く存在する。このケースは男として生まれたが、自分の認識は女である。戸籍は男、それを変更したいというのだ。自分が認識する性で生きるという願いは自分は何かという問題と結び付く。個人の尊厳に関わることだが、容易に認めると社会は混乱する。性同一性障害特例法は事実上手術を強いるものだった。手術とは男性器の切断である。外見要件の理由は公衆浴場などでの混乱だという。確かに男性器の人物が女性の風呂に入った場合、普通の女性は驚くだろう。バランスをどう考えるかは難しい問題である。ホルモン療法の継続で男性器の形状が変えられるようになった点も重要と思われる。性転換に関してはとかく興味本位に捉えられがちだったが多様性社会に於ける重要な人権の問題であることを改めて思った。

◇NATOは首脳会議でウクライナの加盟に向けた決意を示した。加盟は戻れない道(不可逆的道)と表現した。ウクライナにとって加盟は悲願なのだ。実現すればウクライナへの侵略は全加盟国への侵略となる。NATOは加盟を進める施策を打ち出した。軍事支援の強化などだ。来年は少なくも約7兆円を支援するという。プーチン大統領が最も恐れているのがウクライナのNATO加盟である。プーチン氏はウクライナの加盟により最大の軍事同盟がロシアの勢力圏に広がると捉えているからだ。プーチン氏は最近しきりに核の使用をちらつかせている。あせっている証拠であろう。

◇今月のミライズ(20日)は「石丸伸二とは。165万票の衝撃」と題して私が講演する。この人物に入れ込んだ一人としてこの人物と165万票の行方を追わねばならないと思っている。石丸氏は政治と経済と日本の現状について次のように述べている。「三菱UFJ銀行に入り経済を分析予測するアナリストとして働いてきてどんな経済の問題も突き詰めれば政治の問題に行き着くと痛感した。特にニューヨーク駐在時に担当したブラジル、アルゼンチンなどの南米の国々では政情不安が経済の不安定に直結していた。政治が三流なら経済も三流になっていく」と。彼の目には政治が三流になっていく日本に対する憤りがあったに違いない。このような背景が安芸高田市長に飛び込んだ動機の一つに違いない。そして市長になったとき、議場で居眠りする議員に対する怒りが爆発したのだ。「恥を知れ、恥を」。かつての群馬県議会が胸に甦るのだ。(読者に感謝)

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2024年7月11日 (木)

人生意気に感ず「シベリア強制抑留の真実を語る。スターリン大元師の感謝状を。鳩山一郎と日ソ」

◇10日午前6時、倫理法人会で講演した。企業を支えるものは倫理という理念に基づく経営者の集まりである。テーマは「シベリア強制抑留の真実」。ロシアのウクライナ侵略が続いている。非道の国の恐怖の歴史を語りたかった。敗戦直後、およそ60万人の日本人がシベリアに抑留され6万人以上が命を落とした。平成6年夏、二人の抑留体験者と共にハバロフスクを訪れた。二人とは前橋市の塩原眞資さんと青柳由造さんである。二人とも既にこの世にない。シベリア最大の都市ハバロフスクでは日本製の中古車がやたらと目についた。郊外の夏草が繁る中に「友よ安らかに眠れ」と書かれた墓標が静かに立っていた。突然意外なことが起きた。塩原さんが涙の顔で大声で叫んだ。「俺だけ先に帰って悪かった」と。零下45度の現実がいかに過酷かを物語っていた。多くの人は初めての冬を超せずに死んだ。びっしりとシラミがついた毛布を外に出すと寒気で死んだこの白い生き物がボロボロと落ちた。

◇この街の国立古文書館で意外なものを入手した。「スターリン大元師への感謝状」である。スターリンを人類最大の天才、全世界勤労者の導きの星と称え、日本を強盗的帝国主義、極悪非道の極東の憲兵と糾弾する。この自虐の文に、ただ帰りたい一心で6万4千人を超える人々が署名した。

 日本人は奴隷のように卑屈で従順だと言われた。その日本人が最後に意地を示した出来事が「ハバロフスク事件」で「シベリアのサムライたち」と後に高く評価された。抵抗運動を起こした人々は元軍の幹部、元憲兵や特務機関の人々などで、その中には瀬島龍三もいた。死を覚悟して中心となったのは元陸軍少佐の石田三郎であった。病人までも過酷な労働に駆り立てる悲惨さに人々は追い詰められ生きるためには抵抗せざるを得ない瀬戸際にあったのだ。作戦のための人材には事欠かなかった。作戦の一つは中央政府に対する請願運動であった。その場合の注目点は中央政府を批判しないことであった。中央の人道主義を理解しない現場の収容所が耐え難い悲惨な行為をしていると批判したのである。

 最後に鳩山一郎元首相に触れた。昭和31年鳩山は自らモスクワに渡り、日ソ国交回復を成し遂げた。これにより瀬島龍三ら長期抑留者の帰国が実現した。そこには抵抗運動の責任者石田三郎の姿もあった。

 聴講者の中に身内が抑留されたと語る人が多いのに驚いた。シベリア強制抑留の真実を語り継がねばという思いを共有できたことは嬉しかった。(読者に感謝)

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2024年7月10日 (水)

人生意気に感ず「マグマに火をつけた石丸氏の責任。民主主義を悪用するN党をぶっ壊せ。地獄の門は開いた」

◇都知事選が終わり石丸氏が改めて人々を熱くしている。衝撃はそれだけではない。56人の候補者中上位3人以外は供託金を没収され、その総額は1億数千万円にのぼるという。またふざけた候補者が多くいたことに憤りを覚えた人は多いに違いない。早速法律を作りこういう徒に鉄槌を下さねばならない。N党などと称して訳の分からないことをいっている。民主主義の大木に巣食う白アリである。この選挙を機に法律を作ってぶっ壊さねばならない。

◇今回の都知事選は既成政党が掲える末期的状況に対し都民が怒りを現し行動した姿であった。正に「恥を知れ」の叫びが潜在していたマグマに火をつけたのである。

 私は石丸支援に積極的に動いた。安芸高田市長として居眠りをする議員に対して叫んだ「恥を知れ」に共鳴し動かされたのである。私の石丸氏関連のツィート(X)へのアクセスの合計はあっという間に17万を超えた。「細流は合して大河になる」、「大河は都を動かし日本を変える」という私の訴えを無数の人々が真剣に受け止めていることは不思議であり新たな発見だったのだ。大衆は愚衆ではなかった。皆、国の現状を憂えている。地に落ちた政治の醜態に対し立ち上がろうとしていたのだ。裏金に翻弄され機能しない「最高機関」にぶつける最適な言葉こそ「恥を知れ」であった。今、石丸伸二は勝利したという声が上がっている。しかしそれは正しくない。勝利の可能性があるということである。真の勝利は石丸氏の今後の行動にかかっている。国政選挙に出るとかいろいろ言われているが要点は自ら火をつけたマグマを生かすことである。拳を振り上げた無党派層に応える責任がある。細流は合して大河になったがその大河は目的を失っている。このままでは石丸氏の行動は巨大な線香花火で終わってしまうだろう。私は石丸党のような組織を創ることが最適だと思う。

◇酷暑の様は地球が炎上する姿である。各地の温度は40度に迫り熱中症が頻出し日本救急医学会は予防や治療に関する緊急提言を発表した。国連の機関は「地獄の門が開いた」と表現した。米西部のデスバレー(死の谷)で50度を超えたという。産業革命後の人間の活動が作り出した結果で専門家は手遅れだと指摘する。人類は一つにならねばならない。

◇地震の頻発はただ事ではない。昔の人は不正な政治に対する天の怒りだと言った。そう思いたくなる日本の現状である。首都直下、南海トラフの足音が聞こえる。高齢社会の加速状況と重ねると私たちの存在は風前の灯火に思える。(読者に感謝)

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2024年7月 9日 (火)

人生意気に感ず「自民党大会の反省度。経産大臣の講演。次のふるさと塾は宇宙」

◇7日、自民党県連大会に出た。満堂あふれる光景は一声で多くの人が集まる党の力を示している。

また、自民党の現状を憂える姿でもあった。国会議員は異口同音にお詫びを口にし、自民党の危機を訴えた。この日は七夕である。大会は10時に始まった。私は都知事選の動向を気にしていた。しきりに反省を表明する議員たちが真摯に胸に置くべきことは石丸氏が放った「恥を知れ」の一言であると思った。

◇経産大臣斉藤健氏の基調講演に耳を傾けた。大臣の話を日本経済の中枢にある人が発する重要な情報として受け止めた。大臣は冒頭、変化に対応するものが生き残ると述べ、国内外の経済の動きに話を進めた。現在の顕著な特色は特定の産業に国が特別な支援をすることだという。「社会主義の国のようだ」と私は驚きで受け止めた。自国産業ファーストという表現を使ったのだ。そうでないと国際競争に勝てないという。その例として半導体産業をあげた。日本は現在九州に大規模な誘致を進めている。多くの近代産業の生死にかかわる拠点が国内に存在する意義は測り知れないのだ。

 大臣は次に環境に繋がる産業としてカーボン(炭素)ニュートラルをあげた。炭素は二酸化炭素のもととなるから地球温暖化が迫っている現在、これは正に焦眉の急なのだ。問題はその財源である。国債発行で対応するという。10年で10兆円発行する。カーボンニュートラルだけに国債を発行するのは世界初という。

 大臣はもう一つのキーワードとして人材の育成活用を強調した。やはり人間が基本なのだ。科学がいかに発達しても、いや発達すればする程、人間力が重要になるという思いで聞いた。

◇今月の「ふるさと塾」(7月27日土曜日)は趣を一新させて宇宙を語る。「膨張する宇宙―人類はどこから来てどこへ向う-」。昔から宇宙への関心が強かった私はいろいろな所で宇宙を語ってきた。今や宇宙への扉が開かれ宇宙のことが飛躍的に分かってきた。最近は中国が月の裏側の資料を持ち帰った。天文学者ハッブルは銀河までの距離を測って銀河は無数に存在することを明らかにした。宇宙の膨張はどこまで続くのか。限りなく存在する惑星の中には知的生命体が存在するに違いない。接触の時はあるのか。UFOの存在がオカルトでなく語られる時代となった。最近話題のオッペンハイマーはブラックホールの存在を理論的に明らかにした人である。日本でも国会にUFO(UAP)議連が出来た。会長は浜田前防衛相である。(読者に感謝)

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2024年7月 8日 (月)

人生意気に感ず「石丸氏は勝ったのだ。マグマを絶やすな。石丸氏の今後に。酷暑は地獄の門」

◇首都決戦は衝撃の結果で幕を閉じた。石丸の勝利を期待したが成らなかった。しかし蓮舫氏に勝ったことは凄いの一語に尽きる。ひと月前に広島の山の中から出てきたばかりの男なのだ。YouTubeとSNSが選挙のかたちを変えた。選挙に行ったことのない人々が熱く燃えた。私としても都知事選にこんなに動いたことはなかった。私のツィート(X)へのアクセスが16万件を超えたのだ。寄せられたおびただしいコメントから都民の切ない程の思いが伝わってきた。83歳、元自民党県会議長が真剣に応援していることが衝撃を与えたのだ。敗戦を受け止めた石丸青年の表現はすがすがしかった。彼の胸中には勝利と変わらない達成感があったに違いない。私を最初に動かした快音は「恥を知れ」の叫びであった。安芸高田市議会の醜態に加えた鉄槌であった。この叫びは時あたかも燃え上がっていた国会の醜態と重なって燎原の火のように広がった。ある人は石丸氏を清流の若鮎と表現したが、彼は単なる美しい絵ではなかった。大義を掲げ、身を捨てて行動する若者であった。私は「細流は合流して大河となる、大河は東京を動かし日本を変える、それをやろう」とツィートした。一日10カ所を超える街宣の度に集まった夥しい群衆は大河が実現した光景であった。マグマは動いた。これを一時的な花火に終わらせてはならない。私は民主主義の危機を訴えてきた。今回の出来事は大衆が衆愚でないことを示した。小池291万8015票、石丸165万8363票、蓮舫128万3262票、各氏の得票である。三氏の票をじっと見て考える。巨大マスコミの報道姿勢にも問題があったと思う。石丸氏の街宣の状況を余り映さなかった。小池氏の化けの皮を鋭く追求しなかった。緑のたぬきと呼ばれた実態をあばくことをしなかった。石丸氏の功績の一つは小池・蓮舫両氏を古いタイプの政治家に位置づけたことだ。石丸氏の今後に注目したい。彼を支持した膨大な人々の今後に注目したい。マグマは急速に冷えるのが常である。裏金国会、裏金議員という卑しいレッテルを温存させてはならない。

◇7月の初めというのに40度に迫る暑さである。異常を超えている。これをどう表現すべきか。国連は沸騰と表現し、更に地獄の門が開いたと発言した。無心に水に戯れる子どもたちを見てその将来を憂う。地球環境の危機は文明の危機であり、人類の危機である。世界は一つにならねばならない。世界のリーダー、アメリカはどこに向うのか。(読者に感謝)

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2024年7月 7日 (日)

死の川を越えて 第15回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

「うーむ。仁助親分が頼朝神社を口にしたとはのう。あれは湯の川地区の開村にあたり、本村と交渉して、頼朝を祭ったお宮をわざわざ集落の西の入口に移し、頼朝神社と名付け、集落の氏神としたのじゃ。この頼朝神社の建設を何と考えるか。わしは、この集落の決意を表したと見る。本村から患者を追い出した差別と偏見に対する意地じゃ。仁助さんは、自分の中の意地を本物の意地と比べて、突き動かされるものがあったのではなかろうか。意地に生きた男が最期につかんだ本物の意地を無駄にしてはなるまい」

 万場老人の目が鋭く光った。

「なるほど、ご老人。少し目の前が開けてきたような気がしますぜ。同じ意地にもちっちぇえ意地とでっけえ意地があるのが分かりやした」

「よくぞ申した、大門親分。源頼朝は、武士の世の中をつくった。武士は単に人殺しの集団ではない。乱れた世の中に平和と秩序をもたらす力を天下に示した。天下に侍の原点、つまり武士の意地を示したのだ。その頼朝を集落の守り神に据えた、この集落の先人の意地を忘れてはなるまい。それは、われわれハンセン病の患者も人間であることを天下に示そうという意地なのだ。神も仏もない、その日その時がよければいいという生き方は、源頼朝の意地に反するものとは思わんか」

 万場軍兵衛はきっぱりと言った。

「へえ、よく分かる気がしやす。殿様の湯は頼朝が入ったからこの名がついたというではねえですか。草津のこんな山奥に、源頼朝が来ていろいろ動いたということは、何かわれわれ患者の運命に関係あるような気が致しやす」

「親分、わしも同感ですぞ。われら患者と結び付けて頼朝を生かすということが、重要なことではないか。頼朝は神になった。この神をわれわれの心の芯に据えようとしたのが、開村の時の集落の人たちの心意気であり、意地なのだ。心の芯にするということは、患者同士が力を合わせ、生きる道を開くことじゃ。患者にとっての理想の村を目指すことじゃ。これは、ハンセン病の患者にとって、希望の光を育てること。わしは、湯の川地区こそ、ハンセン病患者の光が発するところと信じておる」

つづく

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2024年7月 6日 (土)

死の川を越えて 第14回

※土日祝日は、中村紀雄著「死の川を越えて」を連載しています。

 

 仁助は湯川の縁まで一気に走った。死の川はごうごうと音を立てている。川面に先ほど殺した男の顔が映って見えた。仁助は腹をあらわにし、柄をつま先で固定し、切っ先をへその辺りに当てて一気に体重をかけた。

「ぎえー」

 と叫ぶと、刀を引き、今度は同じように切っ先を喉に向け、頭を振り下ろすように打ち付け、そのまま湯川に突き刺さるように落ち込んだ。仁助を飲み込んだ湯川は、何事もなかったように下流の暗い森の中へ流れ下っていた。

 仁助の壮絶な死を知った太平は、爆風の後に取残されたような気持ちであった。

〈野郎は何を言いたかったんだ。あいつらしくもねえ、神妙なことを言いやがったなあ。あいつが、神とか仏とか言ってもぴんとこねえが、集落の守り神の頼朝神社のことを言った時には、何か胸に来るものがあったぜ。真剣に考えてみなくちゃなるめえ。あいつの死を無駄にしちゃなんねえ〉

太平はこう思案をめぐらせるのであった。そして〈そうだ〉と、思わず心に叫んだ。

〈この湯の川地区に変な学者がいて何でも知っているということだ。この爺にひとつ会ってみよう〉

 ある日、太平は万場軍兵衛を訪ねた。

「おう、あなたが大門親分ですか。珍客ですね。は、は、は」

 万場老人は、意外な客を笑顔で迎えた。太平は仁ふけの一件を話した。

「腹を切って、湯川に飛び込むとは向こう見ずにもほどがある。死の川が何かを訴えているようじゃ」

 ゆうべの雨で水かさを増した流れの音が高く響いていた。

「ヤツの死を見て、親分などと言われていい気になっていたのがばからしくなってきやした」

 太平は頭をかきながら続ける。

「仁助は以前から神も仏もねえと言っていたが、死ぬ前に妙なことを言うんでさあ。人間というもんは死を受け入れると神や仏を感じるもんでしょうか。頼朝を祭った集落の頼朝神社のことまで口にしやがった。普段、神も仏もねえと言っていた男の言葉にぐっとくるものがありやしてね。何か教えてもらいてえと思ってやってめえりやした」

つづく

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2024年7月 5日 (金)

人生意気に感ず「大法廷は鉄槌を下した。差別の思想は時を超えて。米大統領選討論会の衝撃。石丸は台風の目に」

◇最高裁大法廷は15人全裁判官が強制不妊を憲法違反とした。1万6千件を超える強制不妊手術は、貧血で治療が必要などとだまして行われるのが実態だった。被害者は人生を奪われたと悲痛な叫びをあげる。違憲の根拠は憲法13条と14条である。13条は「すべて国民は個人として尊重され、生命、自由、幸福追求の権利は最大に尊重される」と定める。14条は「すべて国民は法の下に平等であって差別されない」と定める。旧優生保護法は特定の障害のある人に不妊手術を強制するがそれはそれ以外の人と差別することだ。NHKのテレビ小説「虎に翼」では「全て国民は法の下に平等であって・・・」と定める14条の全文を大書した光景が度々登場する。憲法の規定に関心を持たない人も前代未聞の強制不妊問題が最高裁大法廷の違憲判決と直結することを知って驚くに違いない。「不良な子孫」を排除する、社会の役に立たない人を除くという思想は時を超えて存在する。記憶に新しいのは知的障害者19人を殺害した津久井やまゆり園事件である。生命に優劣をつける優生思想は人権意識の欠如から生まれる。中学の公民の時間で生きた人権教育を行うべきである。それは、社会で生起する現実の事件を教材にすることで実現される。強制不妊手術問題を教材にする学校がどれだけ存在するか知りたいものだ。

◇現在最も憂鬱な国際情勢は米大統領選の行方である。先日のバイデン・トランプ両氏の討論会は悲惨だった。トランプ氏はバイデン大統領を口汚く罵倒した。トランプ氏の人間性からしてそのことは驚くに足りないが問題はそれに反撃できなかった大統領の姿である。アメリカの理想と民主主義が打ちのめされた光景に見えた。バイデン氏は「ひどい夜だった。しくじった」と語っている。多くの米メディアが撤退すべきと報じている。ケネディ元大統領のような人物が颯爽と現れてトランプ氏を打ち倒すことを希望と共に想像する。アメリカの民主主義は正に危機にある。バイデン氏の決断はここ数日にかかっているらしい。

◇都知事選は息を呑む瞬間を迎えている。石丸伸二氏の勢いは「もしかして」を通り越して確かな力になっているようだ。多くの巨大メディアは無視しているが間違いなく台風の目になっていると思う。私のツィート(ポスト)がジワジワと広がっている。「恥を知れ」に始まった清流の若あゆは大河に辿り着いた。私は、細流は合流して大河になると発信した。私のツィートも細流の一つ。大河に変身したが戦いは最後の瞬間に決まる。死力を尽くして最後の勝利をとツィートした。(読者に感謝)

 

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2024年7月 4日 (木)

人生意気に感ず「新紙幣に津田梅子の顔。強制不妊に大法廷の違憲判決。石丸支援の嵐が伝わってくる」

◇20年ぶりに全面印刷の新紙幣流通が始まった。銀行には新し物好きの人々の長蛇の列が出来、早くも便乗した詐欺の動きが報じられている。手口は「旧札が使えなくなる」というものだが、一度発行された紙幣は法令に基づく特別の措置がない限り使い続けられる。1万円の顔は聖徳太子、福沢諭吉と変わり今回の渋沢栄一となったが、聖徳太子もまだ使えるのだ。紙幣は経済を動かす血流であり、信頼が第一。その信頼を支えるのは偽造防止の徹底である。犯罪国北朝鮮は資金獲得に手段を選ばないから国の力で偽造に取り組んでいると報じられたことがある。巧妙な偽造が国を挙げて行われればミサイル以上の危機となる。世界で初めの新技術「ホログラム」は紙幣を傾けると肖像の顔が動いて見える。「NIPPON GINKO」の小さな文字はコピー機での再現は難しい。

◇5千円札の津田梅子に注目する。6歳で初の女子留学生として渡米した。明治4年岩倉使節団に同行したのだ。ワシントン郊外の米人宅に滞在して通学した。進んだ文化、異なった習慣に腰を抜かす程驚いたに違いない。17歳で帰国したとき、日本の女性の地位の低さを嘆いた。当時16歳くらいまでに結婚して家庭に入るのが当たり前だった。「ねえやは15で嫁に行き」という歌がある。うめは日本語を忘れて苦しんだ。女性の時代と呼ばれながら、まだまだ社会参加が遅れている今日、5千円札の顔として登場した意義は大きい。

◇強制不妊を定めた旧優生保護法を最高裁大法廷は違憲だと報じた。立法の目的は「不良な子孫の出生防止」。1948年、つまり人権尊重の日本国憲法施行の翌年にナチスが行った民族浄化の優生政策を議員立法で行った。国会議員たちの人権意識にあきれるばかりだ。この法につき大法廷は「立法時点で違憲だった」とした。手術を受けた人は2万5千人に及んだ。憲法の規定「全て国民は個人として尊重される」を正面から踏みにじったのだ。岸田首相は「賠償を速やかに行う。反省とおわびの言葉を直接お伝えしたい」と語った。

◇「まさか」、「もしか」の石丸現象が形となって現実化する時が目前に迫った。「石丸氏に注目」の地方紙が図書館で見つからないという連絡が都内の二児の父という人らから寄せられ、事務所は早速送った。石丸支援の嵐の呼びかけが伝わってくる。初代群馬県令楫取素彦の子孫、東京都狛江市の楫取能彦氏にも私が石丸氏を支援する理由を書き送った。恥を知れが南の風に乗って伝わってくるようだ。(読者に感謝)

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2024年7月 3日 (水)

人生意気に感ず「日中友好協会の出来事。地獄の門が開いた。石丸を押す大河は」

◇7月1日、日中友好協会総会が行われた。激動の世界情勢を背景とした会議であった。私は主催者として挨拶した。「深刻な世界の動きの中で日中関係は極めて重要です。両国は一衣帯水と言われます。二千年の歴史が基盤です。体制が異なるからこそ良好な関係を築くことが重要です」私の胸には海洋進出を強引に進めようとし、東シナ海、南シナ海で覇権を求める中国の姿があった。議長として議案の審議を進めた。通常シャンシャンでスムーズに行われる。スムーズではあったが、この日二度質問があった。ふるさと塾の会員でもあるF氏。事務局任せにせず私が答えたが会議を引き締める意味で良かった。

 政治部参事官聶佳さんが約40分講演を行った。その中でこの女性参事官はネット流行語を通じて中国の世相を紹介。また、日中の民間交流増進のために必要なこととして、人的交流をさらに増やしお互いに歩み寄ることの重要性を強調した。

 聶さんと理事との懇親会は有意義で楽しかった。聶さんは私が北京で走ったことに触れ「今でも走っていますか」と訊く。「毎日3回、1回は約2キロ走ります」と答えると深夜の走りに驚いておられた。

◇異常を通り越した暑さである。地球はどうなるのだろう。猿が熱中症で死んだと報じられた。インドでは昔から鳥が暑さで落ちてくることが言われている。50度を大きく超える中で野生動物が深刻な影響を受けるのは当然であろう。気象の専門家は、少し前「地球が沸騰している」と表現したが、今はそれを超えて「地獄の門が開いた」と末期の地球を憂えているという。私は昼間の直射日光は避けて走るがそれでも身体がだるい。だるさは筋肉だけでなく精神にも及んでいる。暑さの中でストレスが大きくなるのは当然だろう。生きづらい社会である。ストレスは弱者を打撃する。社会の格差を増進させているに違いない。風前の灯火の高齢者が心配だ。私の小学校の同級生が「おくやみ欄」の人となった。その一歩手前の施設の住人は増えている。

◇私のツィート(ポスト)のアクセス数が短期間に5万を大きく超えた。石丸伸二を支援する細流の群れは合流して大河になるだろう。大河は「恥を知れ」の怒りの流れ。大河は東京を動かして日本を動かす、というもの。これから終盤戦である。途方もない人々が石丸現象を形成している。その光景は正に大河である。私は新聞の投稿で群衆は衆愚でないと書いた。ストレスを吹き飛ばす涼風を期待する。(読者に感謝)

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2024年7月 2日 (火)

人生意気に感ず「ふるさと塾で宇宙を語るつもり。膨張宇宙は宇宙人の存在は。もしトラを憂う」

◇7月が始まった。ふるさと塾の新しい構想が燃え始めた。歴史を語ることを本来の目的としたこの塾で、かねて胸にあったことを語るつもり。「膨張する宇宙。人類はどこから来てどこへ向うのか」このようなテーマで宇宙を語るときが来た。宇宙の現実は私たちの歴史の一部なのだ。私の中で宇宙への科学的関心をかき立てたのは大学の生物の時間教授がオパーリンの「生命の起源」に触れたことであった。この書は今も私の書棚にある。かつて灼熱の火の塊であった地球に生命が存在する余地はなかった。我々高度な知的生命体は神が創ったものなのか。ソビエトの科学者オパーリンは実験室で生命の起源をつくることに挑戦しそれが可能であることを証明した。オパーリンを説明する東大教授の話はほとんど無知に等しかった私に衝撃を与えた。早速、東大ソビエト医学研究会訳の「生命の起源」を入手して数人の同志と勉強会を始めた。あれから数十年が経過し宇宙への好奇心は膨張し続け、現実の科学の目は驚異的な宇宙の現実を明らかにしつつある。宇宙は膨張を続けている。それは尽きることがあるのか。実験室で明らかにされた生命の起源は、生命が地球だけのものでないことを物語る。条件が整えば他の宇宙でも生命の発生は可能だということだ。宇宙人との遭遇が現実のものとして語られるまでに至った。ふるさと塾では宇宙の現実を易しく語るつもりだ。塾生たちの好奇心に火をつけることができれば成功である。つい最近、中国は月の裏側の資料を持ち帰った。日本の「はやぶさ」は遥か彼方の小惑星の資料を入手した。宇宙時代の扉は開かれたのだ。天文学者ハップルはアンドロメダ星雲が隣りの別の銀河であることを明らかにし、私たち宇宙には無数の銀河が存在することが分かった。過日、高山村の天文台を訪ねアンドロメダ星雲の写真を特別な気持ちで見た。現在文明の危機が叫ばれている。数十億年の時の流れの中で人類の文明史は一瞬である。「おごれる者久しからず春の夜の夢の如し」。平家物語の一節は現在の人類にも当てはなるように思えてならない。ふるさと塾は7月27日(土)である。

◇アメリカの大統領が近づきバイデンとトランプ両氏の罵り合いが演じられた。公開討論会である。泥試合となれば恥を知らぬトランプが有利である。バイデン氏は年齢の重圧に押し潰されてしまうのか。トランプはウクライナ戦争を24時間で終わらせると豪語している。ロシアの侵略を認めることは世界の覇権主義を勢いづける。世界の民主主義の危機なのだ。(読者に感謝)

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2024年7月 1日 (月)

人生意気に感ず「開善学校記念式典で在りし日を振り返る。長男周平の決断」

◇6月30日、白根開善学校創立46年記念式典に出た。朝7時に家を出て途中少し休んだりして午前10時少し前に着く。久しぶりの六合の山河に私は胸を熱くした。傷害のある長男周平を入学させたのは我が家にとって大きな決断であった。そして何よりも周平にとって人生最初の決断であったのだ。小学6年のとき芳賀の我が家に創設者の本吉修二が訪れ周平と二人で話し合った。そして周平は言った。「僕、山の学校へ行くよ」と。山の学校で待ち構えていたものは彼の想像を遥かに超えるものであった。私は周平と我が家の闘いを拙著「遥かなる白根」で書いた。振り返ればこの学校は本吉修二という男の理想の教育に対する執念によって実現したのである。学校の入口の掲示板には「人は皆、善くなろうとしている」とある。これは本吉氏の教育理念の中心である。受験戦争が荒れ狂っていた。知識の量、受験技術の優劣が教育の流れを支配している。落ちこぼれの人たちを救わねばならない。人は皆よくなろうとしている。これは落ちこぼれた人たちの魂の叫びである。この学校の設立が世に現れたときの反響は驚異的であった。

 全国紙は大きなスペースをあてて大々的に報じた。「落ちこぼれ集まれ」、「六年、全寮教育で再生」、「群馬山中、春に開校、学者たちの夢が実る」、このような文字が躍った。そして次のような解説文である。「激しい受験戦争の中で落ちこぼれてゆく子どもの姿を見るにしのびず、草津温泉の近くに全寮制の六年制中高校を建て、自らも先頭に立って人間回復の教育にあたる」と。本吉氏の自宅には全国からの電話が嵐のように鳴り響き止むことがなかった。しかし、やがて厳しい現実に突き当たった。期待と現実との差、教育の理念とそれを遂行する方法をめぐる考え方の違い、白根の山奥という厳しい自然環境、新しい事業に対する行政の戸惑い、これらが複雑にからみあって静かだった白根の山中は人々の熱い感情がぶつかり合う戦場と化した。学校設立の認可は遅れ、見通しが立たず、遂に入学金返還の訴訟にまで発展しマスコミも一転して非難の側に回った。四面楚歌、絶望の中で本吉氏は私に意外なことを語った。「百キロ競歩です。旧制中学校の時限界に挑戦して気力で完歩した経験です。あれを思い、きっと出来ると思って頑張りました」。現理事長は私を紹介する中でかつて私が百キロ競歩に挑戦したことに触れた。私は途中挫折したが周平は3度完歩して開善賞を得た。周平は生きる力を今実践し大きく成長している。(読者に感謝)

 

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