人生意気に感ず「中国のスパイ対策。天安門原稿没収事件の反響。ハマスとイスラエルの戦い」
◇北京報告をブログに載せたら反応があり質問も寄せられた。近く小さな冊子にして日中友好協会の会員及び希望者に読んでもらう計画である。天安門広場で内ポケットの原稿を厳しくチェックされたことには大きな関心が寄せられた。実はこのことに関し帰国前中国の大学関係者と話し合う機会があった。この人物は中国の理系の教授であるが、次のようにこぼしていた。「日本の学者は必要以上に用心し、私たちの所へやってきません。これはお互いにとって研究の妨げです」。私の場合もその場の対応がまずければ一時的に身体を拘束されたり、面倒なことになったかもしれない。私は身に覚えがないので冷静であったが、面倒を避ける人間心理が働いて咄嗟に逃げるような行動をとったなら大変なことに発展したかもしれない。
中国ではアステラス製薬の日本人社員がスパイ容疑で逮捕された。この男性は懲役12年の判決を受けた。公判を含めた全過程が秘密裏に進められる。これまでに邦人17人が拘束され、そのうち計10人が3年~15年の実刑判決を受けている。日本の憲法が定めるような司法に於ける人権保障はないと思われる。グローバル化が進み多くの国の人が中国で活動する時代である。ことは中国だけの問題ではない。私は改めて人権の普遍性を痛感する。そして、天安門での私の体験の重要性を思う。同時に天安門の緊張が壮大な世界情勢と繋がっていることに驚く。私の原稿の体験は木の葉のような存在だが大きな問題につながっている。このような思いで今度のふるさと塾(11月25日)で触れようと思う。
◇今月のふるさと塾は11月25日土曜日午後6時半、中心テーマはハマスとイスラエルの戦いである。現代中東の争いの発端は1948年イスラエルの建国である。悠久の歴史を迫害の中でさまよっていたユダヤ人は、神に約束されたと信じる地に強引に建国を宣言した。この宣言の14分後に建国を承認したのが米国で以来して最大の支援国となっている。建国はこの地に長く住んでいたパレスチナ人との間に当然ながら激しい争いとなった。ナチスのホロコースを生き抜いたユダヤ人の建国に世界の多くの人々は同情した。今回のハマスの攻撃に対し世界の世論はテロと非難しイスラエルは自衛権の行使と主張する。しかし、自衛権の域を超えることは明らかでその歴史の経緯も踏まえて世界の世論はイスラエル非難に転じた。中国と日本の役割は大きい。中国での体験を踏まえて語るつもり。(読者に感謝)
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