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2023年11月14日 (火)

人生意気に感ず「私の部屋を訪ねた人と意外な会話。私の書を読みたいと言う」

◇日中友好交流会議が閉幕した後、私の部屋を訪ねた人物が居た。謹厳実直そうなその人物は今回交流事業の取組みを語る中で青少年の交流の重要性を強調した。この人は私が日中友好条約の中の「覇権を求めない」、「紛争の平和的解決の必要」を強調したことについいて話をしたいという。

「覇権主義が世界に広がっています。中村さんはどうお考えですか」

「ウクライナ侵攻を始めたロシア、現在行われている限度を超えたイスラエルの動きの底にも覇権主義があると考えます。そして今、この北京で発言しにくいことですが、中国の南シナ会問題についても心を痛めています」

 この人は私の発言を待っていたように言う。

「先生は日中の真の友情について時には言いづらいことも発言する必要があるとおっしゃいました。同感です。若者に接する時、難しさを感じます。先生は中国にどういう感情をお持ちですか。若者にはどのように接しておられますか」

「私は中国が好きで尊敬しています。少年時代から三国志の大のファンでした。若者には時々三国志の英雄について話し、現在の大国間の対立は三国志の世界に似ていると話して聞かせます。そしてこれからの若者は歴史を学んで真の友情を築くべきだと考えています」

 うん、うん、と頷きながらこの人は意外なことを言う。

「私は中村先生がふるさと塾という勉強会を長く続けておられ中国に対する本も書いておられることも承知しております。中国との関わりは深いのですね」

「はい。私が群馬の日中友好協会の会長をやっている背景には残留孤児や帰国者の会の顧問をしていることがあります。著書『炎の山河』の中では中国を侵略したかつての日本を強く非難しています。そういう反省を踏まえて中国との友情を築くことを若者たちに教えるようにしています」

 私は北京で交流会議の熱気が漂う中このような会話ができて嬉しかった。

「目の前が開けた思いです。私もそういう歴史の視点を身に付けて若者を指導したいと存じます。先生のその本は書店で手に入りますか」

「今では新刊書として書店で手にすることは難しいでしょう。在庫があるので差し上げます」。

 この人との対話は北京の交流会議を私の心の中で豊かなものにした。この人以外にも私の著書を贈りたいと考える人々の顔が浮かんだ。(読者に感謝)

 

 

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