« 2021年4月 | トップページ | 2021年6月 »

2021年5月31日 (月)

人生意気に感ず「ワクチン接種を終えた感慨。あらゆる手を打つとき。歴史的瞬間なのだ」

◇29日、ワクチン接種を終えた。大げさと言われそうだが歴史的体験である。新型ウイルスはおよそ100年ぶりであるが、新型ワクチンに遭遇してコロナ戦争といわれる中でワクチンを接種するのは歴史上初めてのことだ。この1年余りの間に世界の被害は、感染者が1億7千万人に近づき死者は352万人を超えた。群馬県の状況は29日の時点で累計感染者数7,794人、死者137人である。

私の予約時間は13時15分で、会場は前橋市総合福祉会館であった。少し早めに着いたが既に30人ほど同時刻グループの人が列を作っていた。隣の人が知り合いで「百年前のスペインかぜの時も大変だったそうですね」と訊かれた。「群馬県ではおよそ3年間で約4,500人の死者が出ました。日本全体では45万人もの人が死んだそうです」と話すと驚いておられた。

 今回はスペインかぜの時と違ってワクチンがあって、世界中で接種が進んでいるが国産ワクチン開発が遅れていることが決定的な弱みである。敵(ウイルス)は人間のワクチン開発に挑戦するように変異を重ねている。従来型より感染力が強い英国株が現われたと思ったら、その上を行くインド株が猛威をふるうようになり、更に今度は英国型とインド型の混合型が出現したというから驚くばかりである。ウイルスは地球上に最初の生命体として出現してから30数億年の歴史をもつ。このことからも決して舐めてかかれない恐るべき存在なのだ。現在ワクチン争奪戦が世界で展開されているが人類は謙虚になって力を合わせないとウイルスに勝つことが出来ないと認識すべきである。

◇しかし、当面日本はワクチンの出遅れを打開する喫緊の状況に追い込まれている。ここでは打てる手は何でも検討しなければならない。この点では緊迫感に欠けると批判される菅総理も必死になっているようだ。陣頭に立って自衛隊への働きかけをなすなどはその例であるが更に米製薬会社のトップに首相が直接電話して直談判したことが報じられている。それは先日の日米首脳会談で訪米した時のことである。バイデン新大統領が世界で初めての対面会談を設定した舞台である。菅総理も最高のチャンスをワクチン確保に利用したのだ。ファイザー社のCEOに「日本への提供ルートをお願いします」とホワイトハウスで電話をしかけ相手は「しっかり対応します」と快諾したというのだ。(読者に感謝)

|

2021年5月30日 (日)

「サンパウロの刑務所暴動、昨夏の訪問を思う」 2006年5月21日(日)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです

 

 最近の報道はサンパウロの暴動を報じている。各刑務所の服役囚及び外部と連携したサンパウロ最大の犯罪ネツトワークのリーダーは38歳の服役囚だという。銃撃戦もありパニックを起こしているサンパウロには多くの日系人がいる。県人会長の松田さんは、暗黒街のボスを思わせるようなボディガードを3人も私たちにつけたが、あれも必要な配慮だったのだと、今、改めて振り返った。お世話して下さった県人会の方々はどのように過ごしておられるであろうか。昨年8月16日から31日まで南米各地の県人会を訪ね、この間のことは、毎日「日記」で書いた。サンパウロのことは、18日と26日の部で取り上げてある。あの時知らされた治安状況、特に刑務所内のことからすれば、今回の暴動もうなずける気がする。

 8月26日、ホテルにつくと「ニッケイ新聞」を渡された。ニッケイとは日系のことである。そこには、大きな見出して、「聖州で振り込め詐欺急増、1日100件を超える」とあった。聖州とはサンパウロ州のこと。サンは聖を意味するからである。私は、日本と同じではないかと思いながら新聞を読んだ。

 そこでは、服役者が外部と連絡を取りながら暇に任せて携帯電話で振り込め詐欺を実行していること、終日暇を持て余しているので新しい手口の犯罪プラン作りに余念がないことなどを報じていた。面白いと思ったのは、日本でも振り込め詐欺が盛んであった事である。互いに無関係に始めたことであろうか。それとも、どちらかがヒントを得たのだろうか。ちなみに、このニッケイ新聞には「オレオレと言ったら女房電話切り」という川柳まで紹介されていた。

 今回のサンパウロの暴動についても、一斉蜂起の連絡には携帯電話が使われたこと、それは、差し入れに忍ばせたり刑務官を買収したりして入手したものであること、報復攻撃をちらつかせて刑務官を従わせることもあることなどが報じられている。

 その国の治安の状況は、その国の政治、国民性、社会の安定度などを端的にあらわす。南米各国の訪問は2度経験したが治安の悪さはその度に感じたことである。最初の南米訪問は平成8年のことであった。5月3日ペルーの日本大使館を訪ねた。その時、防弾チョッキと銃をもった兵士、青木大使の豪放な人柄が印象に残った。ところが翌年(平成9年)4月、この大使館がテロ集団に占拠され、それが4ヶ月も続く事件が起きたのであった。外国と比べ日本は良い国だとつくづく思う。その日本が今崩れようとしている。何としてもそれをくい止めねばならない。今、その重要な曲がり角に来ている。

(安心安全な社会の実現を願って。読者に感謝)

|

2021年5月29日 (土)

「駐禁、ガイドライン公表は27日10時」 2006年4月13日(木)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです

 

 6月から駐車違反の取締りが一変する。まず、取り締まり業務が民間に委託されるのだ。受託業者は入札によって既に決まった。前橋は、東朋産業(株)の4人があたる。駐車監視員は、公務員とみなされるから、妨害すれば公務執行妨害罪、物を贈って逃れようとすれば収賄罪ということにもなる。監視員は違法車をデジカメで撮影し端末機で警察に送り車にステッカーを貼る。反則金を払わないと車検を受けることが出来ないとか、常習の違反者には車両使用制限命令が出されるとか、違反金の納付がない場合には財産の差し押さえもなされるなど非常に厳しくなる。

 これらの取締りが行なわれる道路と区間は、「活動ガイドライン」として、4月27日午前10時に公表される。駐車違反が多い道路区間がガイドラインの中で定められることになろう。民間監視員の制服、制帽、腕章もデザインされ、用意された。

○今回の駐車対策の背景と目的

 現状は、大量の違反で、あふれる違法駐車である。そして違反者の特定が困難、呼び出しや検挙に時間労力等多大なコストがかかるといったことが問題なっていた。このような状況を乗り越えて良好な駐車秩序を確立することが第一の目的である。また、現在の深刻な犯罪状況に対する警察官不足への対応という目的もある。民間委託でカバーする分を犯罪の捜査に充てるのである。

○反則金の流れに注目すべき変化

 運転者が出頭して納付に至った場合は従来通り国庫に入る。ところが運転者が出頭しないために責任を追求され納付命令が出されて納付された反則金は県の財源となる。これは、三位一体改革の中での国から県への財源移譲の一環である。

○救急車急増、タクシー替りも。本県の対応は

 総務省消防庁は、「患者の選別」(トリアージ)導入の検討を始めた。毎年出動件数が急増し通報の順に応じたのでは肝心の「重度の患者」に対応できない恐れがあるからだ。通報者の中には、軽いケガやタクシーで対応出来る例、しかも常習的な利用者もいるという。

 消防庁の資料によれば、搬送した患者のは、65歳以上が急増している。高齢化の進行でこの傾向は更に進むだろう。しかし、各自治体は財政難から救急車や隊員を増やせない。そこで緊急度を判定して優先順位をつけようというもの。

 本県では、救急自動車は106台、隊員は965人、平成17年の出動数は74,939件で、前年比5.6%の増加。平成16年では、入院加療を必要としない軽症者が46.6%あった。群馬県は当面、トリアージは採用しない。医師でない者が緊急度を判断することは難しいからだ。緊急を要しない場合は利用を控えるよう啓発を進める方針だ。

 

|

2021年5月28日 (金)

人生意気に感ず「オーストラリア選手団太田市に。コロナ禍と婚姻届数。インド株の脅威」

◇オーストラリア女子選手団が間もなく(6月1日)入国する。太田市での事前キャンプである。東京五輪の足音が聞こえるようだ。外国選手団の初めての入国である。普通の場合でも関係者は大変緊張する筈。ましてやコロナが猛威を振るう中のこと、太田市関係の準備がいかに大変かが想像される。全国が注目する中、最大の課題は感染対策である。

 受入れ期間は7月17日までの47日間で人数は33人。選手団は全員ワクチン接種後に入国し期間中は毎日PCR検査を受ける。市民との接触の問題や、宿泊先の生活等に関して様々な難問が想定される。太田市の受入れは先例として重視されるだろう。事前合宿については沼田市と高崎市が受入れ予定で前橋市は合宿の中止を決めた。太田市はオーストラリア選手団の強い要望があって受け入れを決めたという。五輪・パラが予定通り開かれる上で貴重な一石となるだろう。また、太田市の行政はまたとない重要な経験をすることになろう。私は声援を送り成功を祈る次第である。高崎市や沼田市は太田市と連携を密にして学ぶべきことを学んで欲しい。

◇コロナ禍が少子化を加速させる原因になっている。国レベル・県レベル、いずれも婚姻届が減少していることは寂しい。少子化に歯止めをかけることはコロナ以前から国政及び県政に於いて最大の課題の一つだった。厚労省の調べで婚姻届の著しい減少が分かった。コロナが猛威を振るう状況は子育て環境として最悪である。医療が逼迫していることは出産への不安を増大させるに違いないから、若い夫婦は子作りを控えるのだろう。コロナの緊急事態宣言が出された期間を反映する妊娠が大幅に減少していると言われる。コロナウイルスの影響は市民生活のあらゆる面に及んでいるのだ。外的条件が内的条件たる精神面にも萎縮効果を及ぼしている。コロナに打ち勝つことの難しさと大きな意義を改めて思わざるを得ない。

◇新型コロナはどこまで変異するのか。次々に新たな変異株の感染が伝えられる。今度はインド変異株の県内感染者が確認された。インド変異株の感染力は従来株より高い。英国株より更に1.5倍であるという。県内では1人で日本全体では29人と報じられるがこの先勢いを増して拡大するのか不安である。インドの状況は酷い。感染者は米に次ぐ世界2位で、2,737万人に迫る。この勢いが日本に広がるのか。(読者に感謝)

|

2021年5月27日 (木)

人生意気に感ず「アメリカの渡航中止勧告。ワクチン国産の提言。外国資本の土地規制について」

◇米政府は米国民に向け日本への渡航中止を勧告した。日本でコロナ感染が拡大していること、日本のワクチン接種率の低さを注視してのことだ。米国内ではこれにより五輪・パラの開催を危ぶむ声が徐々に高まりつつあると報じられている。

 日本のコロナ及びワクチンの状況は正念場にある。自衛隊を巻き込んでの国を挙げての大規模接種の歯車が回り出したところであるからだ。一方で、このような時政府は9都道府県に月末までとして出ている緊急事態宣言を来月20日までまたも延長しようとしている。この6月20日は五輪開幕の1ヶ月前で五輪準備のギリギリのタイミングなのだ。日本の中枢からピリピリしたものが伝わってくる。日本にとっての最大の危機をどう乗り越えるか。結論は明らかである。国と地方自治体の連携を軸にして力を合わせる以外にない。注射の作業に「医療従事者」の力が集まりつつある。日本が蓄積してきた社会力は相当なもので、この「医療従事者」の範囲は広がりつつある。私はこの最大の危機を日本という国は乗り越え得ると信じるが、最近の不気味な天変地異が一番心配である。列島各地はこのところにわかに動き出した。正に薄氷の上、累卵の危機にある。

◇政府はコロナ戦の渦中で国産のワクチンの開発の遅れを心底反省したに違いない。科学立国日本の力をまさかの時に活かせなかったことはいかに悔いても悔い足りない。そこで政府はワクチンの迅速な開発供給を目指す提言をまとめた。アメリカなどは平時から国が新技術の開発を後押ししてきた。それが今回奏功した。提言が目指したのは最先端の研究開発拠点を設けて国が平時から投資する。ワクチンや感染症の研究に携わる大学や研究機関を束ねる中核拠点として整備する。政府は近く提言を基に新戦略を閣議決定する。コロナなど感染症の問題は今後も絶えず起きることだ。災害の度に教訓として活かすと言い続けている。今回の提言は画期的なものだ。国の安全保障にも関わるもの。国民の生命を守るための大きな成果が期待できる。

◇外国資本による土地購入が無制限に行われるとしたら大変なことに成り得る。個人にとって価値のない離島なども資本や安全保障上の重要な問題につながる恐れがある。日本中の山野などについても無関係ではない。規制法案では「注視地区」や「特別注視地区」を設けて規制をする方向だ。議論を尽くして欲しい。(読者に感謝)

 

|

2021年5月26日 (水)

人生意気に感ず「コロナとテロと自衛隊の役割。緊急時の感染者の避難場所」

◇世の中が大きく変化するとはこんなものか。そんな冷めたものも私の心の一角にある。コロナ戦と言われて久しいが自衛隊が動き出して戦いという雰囲気が濃くなってきた。ワクチンの大規模接種が進む中で自衛隊の存在が一段と私たちに近づいてきたようだ。これは、一般市民が国の安全保障を考える上で微妙な影響があるかも知れない。

 自衛隊が動き出してコロナ戦線も変わり始めた。各地の巨大会場での自衛隊関与の光景は壮観ともいえる。菅総理が視察したと言われるが彼の胸には期するものがあるに違いない。目前に迫った五輪・パラ、そして景気の動向、全てがワクチンにかかっている。自衛隊のミサイルがコロナ軍に向けて火を吹く光景が想像される。

◇当面の課題として気になることは五輪・パラと自衛隊である。菅総理は「安全安心」を強調するがそれは当然である。五輪を開くとなれば安全安心は対ウイルスだけでなくそれに劣らずテロが心配である。日本人の平和ぼけはこの点にあった。日本はテロに対して隙だらけと言われる。最近東電の柏崎原発に関して盛んにテロ対策の不備が問題にされているが、政府が大いに心配しているのは五輪に関するテロに違いない。

◇防衛省は25日、国会で五輪・パラに関わる医療従事者として自衛隊の医官や看護師の派遣を検討していると明らかにした。これらの自衛隊関係者は既に東京と大阪の大規模接種センターにも派遣されている。五輪への支援との両立を検討するらしい。緊急時の対応なのにシステムの不備に乗じ、センターに架空の予約を繰り返す悪質な行為があると言われる。防衛省は法的措置も辞さないと決意を示した。トンネルの先に見えだした小さな明かりを力を合わせて守りたいものだ。

◇コロナ禍で自宅療養する感染者が増えている。私はこういう人たちが大災害時にひとかたまりになって避難したらクラスターの惨状が発生するのではと想像していた。ところがこの度、中央防災会議はこの点を防災計画に明記したのだ。自治体が自宅療養者の住環境を調べておき一般の人と分離した避難場所を定めるという。自治体の役割は重大である。危険エリアの把握の重要性はコロナ禍の中で一変した。巨大災害は刻々と迫っている。最近の地震の多さはただ事ではない。政府の対応は遅いというべきである。(読者に感謝)

 

|

2021年5月25日 (火)

人生意気に感ず「巨大ヘビ捕獲の意味。コロナウイルスと生命の歴史を考える。地球生命は他の宇宙に」

◇巨大ヘビが捕獲されホッとした。蛇蠍(かつはさそり)の如くと嫌いなものの象徴として扱われる爬虫類である。蛇は洋の東西を問わず太古から恐怖と神秘性が共存する存在である。

 しかしヘビに抱く感性にはかなり個人差があるようだ。今回のアミメニシキヘビは長さ3.5メートル体重13キロで飼い主にとっては可愛いペットであるらしい。私はヘビが大嫌いである。生き物を頭から丸呑みする様には思わずぞっとさせられる。今回のアミメニシキヘビも人間の幼児を呑み込むと言われるから近隣の人々は夜も眠れなかったに違いない。私はかつてアマゾン流域で一抱えもある大蛇を見たことがある。水辺で身体を洗う現地人にアナコンダが音も無く近づき丸呑みにした話も聞いた。そのヘビは射殺されたが腹を割くと中の男は既に溶け始めていたという。

 今回の大蛇騒動は空前のコロナ騒ぎの中で起きた。目に見えぬ微生物に全人類が脅かされている時の思わぬ足下の兵伏であった。それにしても今回の事件は重要な問題を私たちに突きつけることになった。それは大都会の身近な日常生活の中に巨大なヘビが存在することである。動物愛護は大切だが、私たちの安全安心と調和するものでなければならない。この事件は特定動物の管理に法の不備があることを示すものだ。大災害が刻々と近づいている。逃げ出したりして秘かに繁殖している連中は少なくないと思われる。

 今回のニシキヘビは飼育者と同じ家の屋根裏でとぐろを巻いていた。彼らの生命力は驚異的らしい。近くの主婦は「飼い主はもっと責任感を持って欲しい」と話していたが当然である。

◇コロナ禍で宇宙時代が進む。生命はどこから来てどこへ向うのか。地球で生命が誕生したには35億年前と言われる。それはウイルスのような単細胞のものであった。現在ウイルスが激しく変異するしぶとさの背景には気が遠くなるようなウイルスの歴史があるに違いない。現在地球からの物体が盛んに宇宙に出て行く時代である。先日も中国の宇宙船が火星に着陸した。この機会に地球の極微の生命体が付着していないか専門家は懸念するという。部品の組み立てには細心の注意をするが完全に無菌にすることは不可能なのだそうだ。ということは既に地球の生命体が宇宙に進出しているかもしれないのだ。だから地球外の生命が他の宇宙から隕石と共にやってきた可能性もあるという。(読者に感謝)

|

2021年5月24日 (月)

人生意気に感ず「内閣支持率急落の行方。大規模接種とウイルス。レディ・ガガさんレイプ被害を告白」

◇最近の世論調査では菅内閣の支持率が9ポイントも急落し31%になった。内閣の危機感が伝わってくるようだ。五輪の開催が近づく中ワクチン接種の対応の遅れなどが重なって最悪の事態である。菅内閣とすればワクチン接種を大幅に加速させ正面の壁を突き破ろうと考えるのも無理はない。国会議員の周辺からは秋には必至の総選挙に関する危機感が伝わってくる。

 私はおよそ28年間県会議員として国政の動きを身近に見た。その中で選挙に大敗して与党が政権を明け渡した出来事は悪夢だった。その時感じたことは野党に政権担当能力がないという決定的事実であった。今や政治の舞台は国際的なものだ。野党に政権担当能力が欠如していることが日本の民主主義が育たない大きな理由と思えてならない。菅内閣が直面する課題の重大さはかつての消費税問題の比ではない。ワクチン接種と五輪を乗り越えられねば自壊する危機にある。

◇後手後手と言われ追い詰められる中での窮余の一策がワクチンの大規模接種である。ワクチンの必要量は何とかなりそうであるがそれを支える医療従事者の確保が大変である。歯科医師は勿論、第一線を退いて家庭に居る看護師等の登場まで求められている。正に持てる力の総動員である。

 自衛隊の大規模接種センターが24日開設される。これと対応して群馬など13府県も大規模接種会場を設置する。菅首相は7月末までの高齢者接種完了を強く勧めようとしている。全国自治体の9割以上が完了の見込みだという。力を合わせれば出来るのだなあと感じる。

◇群馬県の感染状況は依然深刻である。23日の新規感染者は58人であるがその内容として心配なのはクラスターの増加である。既に確認されている各クラスター内の数が増えているのだ。その中で前橋市の心臓血管センターでは計35人となった。このような医療機関が抱える問題が県の接種計画にどのように影響するのか懸念される。

◇バイデン大統領の就任式でアメリカのエネルギーを感じさせたのは歌手レディ・ガガさんだった。あの派手で華やかな姿の陰にレイプ被害の過去があることを知って驚いた。魂を殺す犯罪の被害は19歳の時と告白している。私は最近、小学生の時のある惨劇の場に近づいた。深夜3人の男が押し入り奥さんがレイプされたのだ。半鐘が打ち鳴らされ平和な村は大騒ぎになり、その後犯人は逮捕された。強制性行罪は厳罰化の方向にある。(読者に感謝)

|

2021年5月23日 (日)

「群馬県保健文化賞表彰式」2006年4月10日(月)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

 第37回表彰式は県庁正庁の間で行なわれた。この賞は、健康福祉、社会福祉、環境衛生の向上発展に尽くした個人又は団体に与えられる。今回は、団体としては財団法人日本ダウン症協会群馬支部が、そして、二名の個人が受賞した。

 

「真に豊かな社会とは、ハンディのある人々など社会的弱者に光を当てて支えられる社会、そして健全な環境が守られる社会です。そのために行政の責任は大きい訳ですが、行政だけで実現することは不可能です。民間の温かい心と行動が不可欠です。皆様の日頃の御活躍はその意味で誠に大きな意義があります。そして皆様の受賞は、このような社会貢献の活動に参加する多くの人に大きな勇気を与えるに違いありません」私は、県議会を代表してこのように挨拶した。この会の会長は、県医師会名誉会長の家崎智氏。もう一人の来賓は、知事代理の福島金夫理事であった。

(規範が守られる健全な社会を願って。読者に感謝)

|

2021年5月22日 (土)

「野放し、自転車の交通違反。規制強化へ」2006年4月10日(月)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

 先日、私の車の前に、少年の自転車が飛び出して横切った。ヒヤッとして一瞬ぶつかったかと思った。また、車の接近を全く意に介さず道の中央に自転車を乗り出してくる高齢者をよく見かける。 自転車は、余りに手軽な交通手段であるためか、交通規則を守らない利用者が非常に多い。自転車には道交法が適用にならないと考えている人もいるようだ。自転車は、道交法の車両(軽車両)なのである。

県警が昨年一年間に違反者に出した警告は11万件を超え、そのうち半数以上が高校生だった。警察庁は、全国に通達を出して自転車の交通違反取締りを強化する。酒酔い運転、信号無視、一時不停止、無灯火等の悪質・危険な違反者は積極的に検挙する方針である。群馬県では、警告に従わなかった二人乗りの高校生が赤切符を切られた例がある(平成14年)。

 自転車盗(窃盗罪)が非常に多いことと、自転車の交通違反が多いことには、関連があるような気がする。それは両者とも、微罪だから大したことはないという意識の下で行なわれると思われる点である。しかし、この「微罪意識」が人々の規範意識一般を麻痺させることとなり犯罪増加につながっているのではないか。

今日の社会が道徳的にも乱れ、金銭万能となり欺し合いのような状態にあることの一因は、社会規範を守るという意識(規範意識)が一般に薄くなっていることにあると思う。それは微罪だから許されるという「甘え」と「黙認」が土壌になっていると思われる。自転車の交通違反を厳しく取り締まることには、このような悪しき土壌を突き崩す意味がある。

 

 

|

2021年5月21日 (金)

人生意気に感ず「不正リコールと民主主義。国内ワクチンは3種に。医療従事者の総動員」

◇愛知県知事へのリコール署名偽造は信じがたい酷いものだ。リコール運動の事務局長である元県会議員及びその家族が逮捕された。民主主義の根幹を傷つける事件に元県会議員が中心的役割を果たしたことも驚きである。集めた著名は膨大な量である。このような組織的な運動を、県会議員を2期務めた人物が中枢となって実行したことは地方議員の質を示すものだろう。私も県会議員を長くやった関係上選挙がらみで墓穴を掘った議員の例をいくつも見てきた。今回の愛知県知事のリコール運動では目標の100万に対し選管に提出したのは43万5000筆。そのうち36万2千筆に無効の疑いがあるという。従って真実の署名も多く存在したに違いない。その人たちの政治参加の意思を踏みにじったことは許せない。ある関係者はその人たちのことを思うと涙が出ると語った。リコール一般を恐れさせ正に民主主義を萎縮させるものだ。

◇現在民主主義は危機にある。その一つは投票率の余りの低さである。特に地方議会について言われることだが、議会は首長の追認機関になったと言われる程形骸化が叫ばれて久しい。リコールは選挙という間接民主主義を補うもので危機にある民主主義を救うことに通じるとも言える。

 現在コロナ禍の中で民主主義の危機を特に感じる。地方は民主主義の学校といわれるがそれにつけてもリコールの正しい機能の重要さを痛感する。

◇私は今月29日に1回目のワクチン接種を受ける。全国でワクチン接種が動き出した中で、国内ワクチンの流れが加速することを強く願う。そんな折の朗報が厚労省の国内ワクチン承認である。20日、厚労省はモデルナ社製とアストラゼネカ社製のワクチンにつき「特例承認」による承認を了承した。緊急時の簡略手続きによる。これで既に行われているファイザー社製を含め計3製品になる。身近に伝わる情報では民間の診療所も含め接種の大きな歯車が回り出したようだ。一部で裏社会発と言われる陰謀論がささやかれるがそれも健全な常識の波に流されて姿を消すだろう。世界の大勢は普遍的価値に基づく民主主義の流れである。トランプ前大統領の企業の周辺にも司直の手が伸びつつあるようだ。陰謀論の元締めもやがて姿を消すに違いない。

◇大規模接種に対応する県営接種センターが動き出す。それを支えるのは医療従事者の大量な参加である。民間医療ばかりでなく歯科医師・薬剤師も参加の方向らしい。緊急時の総動員体制が求められている。(読者に感謝)

|

2021年5月20日 (木)

人生意気に感ず「トランプの置き土産とは。うつろ舟伝説と宇宙時代の好奇心。テレワークとクラスター」

◇コロナ禍の下で痛感する社会現象の一つは我々の心理現象である。人々が一様に抱えるストレスは大変である。そんな心で見上げる空は素直には受け止められない。コロナウイルスが覆っていると思うからだ。ウイルスが目に見える存在なら我々は更なる重圧に押し潰される恐怖を感じるに違いない。

 こんな時に遥か彼方の宇宙への思いを馳せると想像力は限りなく広がる。最近米政府関係者の興味ある発言があった。テレビで「UFOは実在する」と明言したのだ。いわゆるトランプ大統領の置き土産と関係する。トランプにはウイルスを軽視する無茶苦茶な男という評価がある。私も同感だが唯一拍手するのがこの置き土産である。トランプの署名によって来る6月国防総省はUFOに関する報告書を議会に提出する。かつて私はUFO少年だったので何が飛び出すのか興味津津である。

◇こんな折り、某有力紙に江戸時代の「円盤」かと思わせる記事が載った。この事件は江戸時代の1803年に茨城県の浜辺で起きたと言われる。これを本格的に研究している光情報工学の科学者が岐阜大名誉教授の田中嘉津夫氏である。この人は毎年岐阜大の市民講座で研究成果について講演している。「うつろ舟」として伝わる話によれば円盤のような乗り物が漂着し舟の中には謎の文字があった。いくつかの古文書にはベーゴマのような形の姿が描かれている。それらには共通に区画された窓がありそこには無数の四角形が規則正しく並んでいる。私の目には採光の為の精密な科学的技術の所産に見える。田中氏は「このような奇妙な物体を江戸時代の人が空想だけで描いたとはとうてい思えない」と語る。その通りに違いないと思いつつ、元UFO少年の夢と疑問はくるくると絡み合って落ち着くことがない。もし「謎の美女が中から現われた」の絵と記述がなければもっと素直に夢をふくらませたかもしれない。尚、田中氏は英語の研究書も刊行し「うつろ舟伝説」を海外に伝えることにも意欲的である。時あたかも科学の目は急速に宇宙の果てまで伸びようとしている。うつろ舟伝説は私の宇宙への好奇心を駆り立てる一助になったようだ。

◇テレワーク(在宅勤務)の推進はコロナ対策の柱である。それによって密が避けられるからだ。企業だけでなく官庁も人が集まる所だからにクラスターの温床だ。政府は出勤者数の7割削減を打ち出した。(読者に感謝)

|

2021年5月19日 (水)

人生意気に感ず「ワクチンの予約を済ませた。歯車は回り出した。トンネルの先に光りが。五輪・パラは」

◇ワクチン接種予約受付が各地で始まった。私と妻は自宅のパソコンで朝9時過ぎに2回の予約がすんなり出来た。私の場合は今月29日と来月19日である。前橋市役所でも芳賀の公民館でも早朝暗いうちから多くの人が並んだらしい。全国の縮図である。予約の難しさも伝えられていたので私はなんとなくホッとした。私のこの心も全国の高齢者の心の縮図である。コロナ対策の巨大な歯車が回り出したことを実感する。予約に列を成す多くの人々は各地から伝わるウイルスの猛威にせき立てられたのであろう。

 各地の大規模接種の計画も動き出した。限界近くまで溜まった人々のストレスはワクチン接種にはけ口を求めて流れを作りだした感がある。コロナを巡る事態は大きく変化し始めるのではないか。この新たな流れは世界の情勢と連動しているようだ。イギリスやアメリカでは自粛や規制が解放の方向で動き出したようだ。

◇巨大アミメニシキヘビは依然として捉えることが出来ない。コロナウイルスをニシキヘビに例えるならその巨大な姿をワクチンの罠に追い込む寸前まで来たのかと思う。立ちこめる暗い靄の中におぼろげに姿が見えるのはオリンピック・パラリンピックである。世論の約50%は中止を求めている。それに拘わらず私はコロナの状況が劇的に好転することを条件にオリンピック・パラリンピックが実現できたら良いと思っている。なぜなら全世界が必死になって力を合わせワクチン作戦を進めてきたからだ。ニューヨーク州ではワクチン接種でコロナ押さえ込みに光りが見えてきたと言われる。ニューヨーク市長は「トンネルの出口に光りが見える」と語っている。私は日本を含めて全世界の劇的好転は近いと信じている。そしてトンネルを抜け出して「ワァー!」と沸き立つ心で五輪・パラを実現する光景を想像する。その効果は測り知れない。この沸き立つ人々の心を強制力でなく自由な雰囲気の中で一点に集中させるのだ。このようなことはかつてなかった。人類がコロナに勝つことの正に証でになるだろう。

◇つい最近アメリカの責任ある立場の人物がテレビで「UFOは実在する」と明言した。私はかつてUFO少年だった。宇宙への夢は形を変えて私の中でふくらんでいる。米国防総省は6月、UFOに関する報告書を議会に報告する。トランプ前大統領の置き土産である。(読者に感謝)

|

2021年5月18日 (火)

人生いきに感ず「“ワクチン打つな”の陰謀論。北朝鮮の悲劇。五輪・パラは風前の灯火」

◇「ワクチンは絶対に打つな」と叫んでいる人々がいる。「裏社会」の陰謀だというのだ。ワクチンによってマイクロチップを埋め込んでいる。世界の人口を減らす手段だ。こう固く信じ込んでいる人々である。小さな子どもと共に駅に立ってこのことを訴えている親子がいると報じられた。人間はパニックになると単純に虚偽の情報を受入れてしまう。水に沈もうとして救いを求める手に渡される綱を咄嗟に信じてしまうのは人間の弱さであり人情だろう。大正12年の関東大震災の時も朝鮮人が井戸に毒を投げ込んでいるとデマが飛んだ。狂った人々はそれを信じた。結果6,000人以上の朝鮮人が虐殺された。災害の規模が大きければ大きい程デマも大規模になる。今回のワクチンにからむ陰謀論は世界的と言われる。これは個人の危機管理の問題でもある。私たちは情報が洪水のように流れる中で生きている。多過ぎてどれを選ぶか分からない。そういう時に分かり易い単純なかたちの情報に飛びついてしまう。心に座標軸を持たず流れに任せる生活を送っていることも一因だろう。

 この陰謀論も現代のコロナ禍が教える教訓の一つである。次なる大災害が確実に近づいている今、浮き立つ足を止めて冷静に情報を掴む心の準備をする時だ。

◇コロナ禍は社会的に弱い人を容赦なく打ち据えている。国家レベルでは誤った政治制度の国に冷酷に襲いかかっている。その典型が北朝鮮だろう。極端に経済が疲弊している中で大規模な軍事パレードが世界中の目を奪う。巨大なミサイルが行進する陰でどれ程多くの国民が犠牲になっていることだろう。そんな国にコロナは情け容赦がない筈だ。世界と協調しない軍事独裁国にはワクチンの助けも回らないだろう。時々漏れてくる情報は飢えと感染で地獄を想像させる状況である。金総書記の肥満体の陰で骨と皮だらけの無数の国民がうごめいている。最近はウサギの飼育を食用に盛んに勧めていると言われる。

◇開催死期まであと60数日。開催国日本は刻々と決断を迫られている。菅首相は「安全安心の大会の実現は可能と考えている」と語る。この安全安心はワクチンの「供給」にかかる。そしてこの供給は医療従事者を五輪・パラに回せるかにかかる。大阪の惨状と医療のひっ迫を考えると容易なことではない。この状況が劇的に変化することはあり得るか。コロナ禍の歴史的事業が菅さんの胸に懸かっている。

|

2021年5月17日 (月)

人生意気に感ず「コロナが大阪で突出する意味。全国への波及は必死。書道協会総会に出る。田中正造の文明論」

◇コロナの状況は刻々変化しているが現在一番に指摘されることは大阪府の死者急増だ。そこに日本全体が抱える問題が集中しているようだ。死者急増の原因は感染者の急拡大とほとんどが変異株という実態である。現場からは若い層の死者が増えている。医療のひっ迫が危機的、救える命が救えなくなっている等の悲鳴がしきりである。大阪の状況は全国に波及するに違いない。他山の石とすべきである。

◇様々な情報が錯綜する中で確実に言えることは客観的な事実の把握と役割を担う多くの部門の連携の必要性である。国と地方、各種医療機関等々の連携である。今こそ、我が国の持てる力を集中すべきなのにまだまだそこに至っていないもどかしさを感じる。

 大阪府で感染者が急増している背景の一つは大阪特有の文化があるのではないか。反権力的雰囲気、物事を深刻に捉えず現世を楽しむ等々である。私はかつて「パンパカパーン」のノックが知事に当選した時、そのようなことを感じた。今回のコロナの嵐の受け止め方にも地域の文化や伝統などの特色が現われているようだ。このことは世界と対比した場合の日本の文化と国民性についても言えることである。

◇昨日はコロナ禍の下、久しぶりに大きな会議に出席した。県書道協会の総会である。役員が総掛かりで感染対策に万全を期していた。事業計画で、重要な事業が二つあった。県書道展及び教育書道展の実施である。コロナ対策の徹底を期してやることになった。それまでにコロナが下火になることを願うばかりだ。

 コロナは下火になったとしても根絶とはいかないだろう。長期戦を覚悟しなければならない。対コロナ戦で書道文化の役割は大きい。重要なのは伝統の精神文化だからである。この総会で小倉釣雲さんが体調不良で引退され丸橋鳴峰氏が新会長に就いた。小倉さんは足尾の出身である。控室で昔、足尾の奥の渡良瀬川の水が赤かったことを話しておられた。

◇この日(16日)、私の連載「よみがえる田中正造・死の川に抗して」は38回で荒畑寒村の最終回を描いた。いよいよ佳境である。次回からは幸徳秋水に入る。「東洋のルソー」といわれた中江兆民との師弟の絆は固い。田中正造との最大の関わりは天皇への直訴文を書いたことだ。秋水は直訴の約6年後大逆事件で刑死した。書道の総会で田中の文明観「真の文明は人を殺さず」を思い出していた。(読者に感謝)

 

|

2021年5月16日 (日)

「入れ墨彫り師の女児虐待死事件の意味」2006年4月6日(木)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

 自分の子を冷蔵庫に投げつけるなどして死に至らせた渋川市在住の男に前橋地裁は先月30日懲役10年を言い渡した。この事件は実子に虐待を加えた残虐性が注目されたが、実は、別に、裁判の進め方に関する重要な問題点が結びついていた。それを知ることは、私たちにとって重要なことなので、「日記」で取り上げることにした。

 重要な点とは、この訴訟の手続きに関し、県内で最初に「公判前整理手続き」が実施されたことである。そして、この手続きは、間もなく始まる裁判員制度とも密接に関連している。

「公判前整理手続き」の狙いは裁判の迅速化である。裁判は長くかかるというのが常識となっている。しかし、訴訟の長期化は裁判所の門を閉じるに等しいと言われてきた。国民の権利利益を的確に守るためには適切で迅速な裁判が求められるのである。

 そこで、裁判員制度導入に備える意味もあって平成16年、この手続きが定められた。それは、裁判官が必要と認めるときに、第一回公判期日前に行なわれる、事件の争点と証拠を整理するための手続きである。これによって、公判を集中して進めることが出来る。

 入れ墨彫り師の事件では、襟をつかんで振り回した、冷蔵庫に投げつけたの2点につき、この手続きによる公判準備が行なわれ、手続き開始から約40日間で判決が下された。

「裁判員制度との関連とは」

 裁判員制度とは、くじで選ばれた一般の市民が裁判官と共に重要な刑事裁判に参加する制度である。裁判に国民の健全な社会常識を反映させることが目的である。最近、前橋地裁の垣根に「裁判員制度」と書かれた旗がひたと風に揺れているのか目に付く。制度の実施は近いのである。平成21年5月までの間に施行される。

 裁判員は民間人であり、通常、職業をもっており、忙しい人々であるから、だらだらと長い裁判に参加することは出来ない。だから、裁判員が参加する事件については、公判前整理手続きによって争点と証拠を整理して集中的に後半を進める必要がある。この手続きが平成16年に定められた背景には、前記のように、裁判員制度の導入に備えるという事情があった。

 私たちが、ある日突然、裁判員に選ばれる可能性がある。従って、この制度のことは、今から知識をたくわえ関心を高めておく必要がある。また、私たちは、いつ事件に巻き込まれるか分からないことを考えると「裁判の迅速化」は、決して他人事ではない。入れ墨彫り師事件を、これらを考える教材としたいと考えて取り上げた。

(社会の一員として裁判への理解を深めることを願って。読者に感謝)

 

|

2021年5月15日 (土)

「呼吸器外し ー 安楽死、尊厳死、殺人罪」 2006年4月2日(日)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 7人が呼吸器を外されて亡くなった出来事は他人事ではない。事例の重さは比較にならないが私の母が89歳で亡くなったときも延命治療を続けるかをめぐり医師、家族の間で問題になった。

「死期が迫り回復の見込みはない、苦しんでいる」このような状況でも生きている人間だから故意に死期を早めれば殺人である。しかし、耐えられない苦痛から逃れたい本人、そこから抜け出させたい家族、そして、法律と人情の間に立って苦しむ医師。極限の状況に立たされた人々は、あまりに重い課題をつきつけられて戸惑うばかりだ。

 厚生労働省の終末期医療に関する調査では、延命治療をやめた方がよいと答えた人は、一般で74%、医師では82%である。しかし、司法の原則論は、本人の承諾がなければ殺人罪、本人の承諾があれば承諾殺人罪、本人の要請に基づいた場合は嘱託殺人罪である。

 外国では、安楽死と認めて解決する制度を設けているところもある。日本では、法律がない。法律がないところを人情、道義、人間の尊厳などに迫られて決断を下さねばならぬところに問題がある。

 刑法の殺人罪の定めを抜きに考えることは出来ない。人の命は限りなく重いもの。それを奪えば殺人罪の責任を負うという定めは国の秩序の一番の基本である。射水市民病院の医師は、名医といわれ信頼も厚く、今回の件で家族から非難の声が聞かれないというが、この医師に手続き上欠けるところが無かったかが問われることになる。

 裁判所が例外的に安楽死として治療中止を認める条件とは、①末期で死が避けられない、②激しい肉体的苦痛、③方法を尽くし他に手段がない、④患者本人が安楽死を望む意思がある。この4つである。問題は④である。厳密に考えれば、この条件をみたすことは極めて難しい。家族の同意で決めることは、人の命は家族といえど左右できないことを考えれば、やはり適当でない。事前に本人の同意を得ておくことも、医師の行為(殺人罪)を判断する上で意味がない。医師の「行為」の時の患者の意思が問題になるのだから。

 尊厳死という考えがある。人間の尊厳を尊重する立場から、人は人間に値する死を選ぶ権利がある、医師はそれを尊重し、妨げてはならない。この考えでは、本人の意思が尊重されるが、それをどのように判断するのか難しい。

 問題の医師は、過去にも7人の呼吸器を外したというが、このような重大な問題意識があったのであろうか。

 誰もが避けることが出来ない死。従って、誰の前途にも立ちはだかる恐れがある問題である。事件の行方を注目すべきである。

(全ての高齢者が生を全うできることを願って。読者に感謝)

 

| | コメント (0)

2021年5月14日 (金)

人生意気に感ず「注目される群馬の状況・安全県は危機県に。首相に求められるイマジネーション」

◇群馬県のコロナ状況は全国的にも注目されるようになった。安全群馬は今や容易ならざる状態である。危険県群馬というべき状況か。12日の県内の新規感染者は104人で、これは5月8日の113人に次ぐ過去2番目の多さである。我々が危機意識を高めるべきは104人という数字の多さのみではない。新たな変異株に襲われているという点である。正に絶え間なく変化する世界の大波の只中に居るのである。

 山本知事は12日の臨時会見で次の2点で危機感を表明した。先ずは変異株について「感染拡大は過去最悪のペースだ。県内の感染は全て変異株だと思って欲しい」。次に医療体制について「医療供給体制は(このままでは)機能不全に陥る危機的状況にある」と。県内ではクラスターも各地で発生している。クラスターの潜在的な可能性は想像以上に多いに違いない。これらを踏まえて山本知事は国に「まん延防止要請」を求めた。

◇改めて全国の状況はどうか。国は6都府県の緊急事態宣言を31日まで延長する。これは出口が見えない状況にいることを意味する。この緊急事態宣言に準じるものが「まん防」、つまり「まん延防止重点措置」である。この要請をした自治体は群馬・岡山・香川の各県である。菅さんは記者団に語った。「ゴールデンウイークが終った今、大変心苦しい。一番大切な時期なので御協力をお願い申し上げます」と。

 政府は2つの柱、つまり緊急事態宣言とまん延防止重点措置でコロナの封じ込めを図る。今一番重要なことは「慣れ」と「疲れ」と「諦め」で惰性に流されようとしている国民の心を目覚めさせることだ。菅さんのメッセージにはイマジネーションが欠けると思う。この人の良いところは堅実性であるが危機にあっては冷静な事実と共に大衆の心に響く文学的表現も必要ではないか。

◇世界の死者は331万人を大きく超えた。上位3つの国に注目すべきだ。その死者は米国58万人・インド25万人・ブラジル42万人である。これらの国のこれらの数字は複雑にして深刻な政治的社会的問題が凝縮されている。

◇息が詰まるコロナ禍の中で一躍スターの座に躍り出たのがアミメニシキヘビ君である。「蛇蝎の如く」という。私も最も嫌いなものが蛇である。聖書の昔から日本では神話の時代から何故か神秘の存在である。生け捕りは成るか。神通力で何かを訴えようとしているのか。息を呑む瞬間が続く。(読者に感謝)

|

2021年5月13日 (木)

人生意気に感ず「人口爆発から人口減に転じる中国。人権尊重の高齢者福祉。ストレス社会」

◇私は群馬県日本中国友好協会の会長として中国の歴史及び現状に強い関心を抱いている。世界地図を開けば目に飛び込むのは中国大陸に近接した日本の位置である。これは日本の歴史や文化が中国と切り離せないことを物語る。開国し欧米に急接近した明治以降の日本の動きには目を見張るものがある。特に敗戦後のそれは決定的ともいえる。それでも脈々と流れる歴史の底流には中国との絆がある。これを踏まえて世界の中の日中関係を考えねばならない。その際重要なことは日本国憲法の存在である。押しつけられたものとして軽視することは間違っている。アメリカに押しつけられた一面は歴史的事実であるにしてもその中味は世界史の潮流に基づくものであり人類の普遍的価値が柱になっている。現在の中国の行き過ぎを指摘する場合の大義名分はこの憲法である。日本の生きる道はアメリカとの同盟を堅持しつつ中国に対して言うべきことを言うという基本を貫くことである。そしてその場合の座標軸は日本国憲法である。

◇最近の中国が抱える大きな問題の一つに人口問題がある。高齢化と少子化が同時に顕著に進み始めたのである。昔、私の子どもの頃は「支那に四億の民がある」と歌われた。ところが現在はどうか。中国政府は11日中国の総人口が14億1178万人と発表した。この変化は人口爆発とも言うべき現象である。しかしその中味は深刻である。日本の後を追うように高齢化が超スピードで進んでいるのだ。政府は一人っ子政策は改めたが若い人たちは2人目を生まない傾向だという。個人の自由な生活を楽しむために結婚や子育てを負担に感じる傾向が進んでいるに違いない。

 私は中国に行ってよく感じることがある。それは高齢者福祉政策の未発達ということである。華やかな経済発展の影で認知症を支える制度が非常に不十分であると言われる。社会主義は本来福祉に最も力を入れるべきではないかと思う。これは人権の問題でもある。高齢者の人権尊重の姿は認知症対策を初めとした高齢者福祉であるといえるだろう。この点中国の知人は日本に学ぶべき点が多くあると言っている。

◇現代社会は弱者にとって生きづらい。それは自由と豊かさに反比例している一面がある。そこにコロナの襲来である。三密はストレスを加速させる。それは経済活動も制約する。若い女性のストレスは非常に深刻となっている。ストレスに耐える力は強く健全な精神であるがそれを育てる教育の力は弱い。そんな時に次なる大災害が迫る。日本は破滅に向うのか。(読者に感謝)

 

|

2021年5月12日 (水)

人生意気に感ず「10年前の新型を舐めたつけ。今こそコロナを真に恐れて国家百年の大計をたてる時」

◇昨日の記述、2009(平成21)年の新型インフルエンザについての記述の続きである。ブログの取り上げ回数が非常に多いのは私の関心の高さを示すものだ。弱毒性と言われているが人生で初めて出会った新型である。どう変化するか、内外の対策はどうかと私の胸には並々ならぬ好奇心が渦巻いていた。現在の新型コロナの動きと対比する思いでブログの主な点を拾いあげてみたい。

 平成21年5月1日午前1時半、テレビをつけると厚労相の桝添さんが緊急の記者会見をしている。大きな目玉を一層大きくむいて次のように述べた。「日本にも新型感染の疑いある患者が発生した。カナダから帰国した横浜の高校生である。知事と市長に電話がつながらない。極めて遺憾だ」

 メキシコでは既に176人の死者が出てその勢いは世界に広がっていた。WHOが新型発生を宣言したのは4月28日。この時点での警戒度は「4」であった。我が国最初の感染確認は5月9日であった。それは桝添さんが深夜の記者会見で問題にした事例で、ノースウエスト航空25便の乗客である。この便に本県の2人が搭乗していた。群馬県はWHOの新型発生宣言を受けて対策本部を立ち上げた。様々な情報が飛び交う。その中で私が強く懸念したのは現在のウイルスが変異を起こして強毒性になる恐れがあるとの指摘である。私の頭に1918年に始まったスペインかぜの惨状が甦った。

 国内の感染者は急速に広がりつつあった。本県にも危機が刻々と迫っていることが感じられた。県教委は公立高校等に適切な判断と対策を求めた。私は地元の小中校の校長に呼びかけ県の担当者を招いて対策会議を開いた。

 国内の感染者は増えていった。この年6月に入って遂にWHOは新型の警戒度が最高の「6」になったと宣言。世界的大流行、パンデミックである。7月に入り県内の感染例が確認されるようになった。パンデミックだというのに人々はほとんど恐怖感を持たない。日本全体の感染者は平成21年7月7日の時点で1,852人。世界全体では感染者94,512人、死者は429人であった。8月に入り世界の死者は2,000人を超え日本の死者も3人になった。結局新型の恐怖は恐れていたこともなく終息に向った。ほとんどの国民は新型を甘く見ることになった。政府も根本的なワクチン対策などに打ち込まず時の流れに身を任せた。このことが今日の惨状を招く最大の理由であった。あれから10年経ち令和3年5月9日の世界の惨状は感染者1億6千万人、死者は327万人を超えた。(読者に感謝)

|

2021年5月11日 (火)

人生意気に感ず「一つの光明はワクチンだが。泥縄の民主主義と憲法。2009年の新型から学ぶこと」

◇昨日1日の感染者が過去最多の自治体をあげたが全国の状況も酷い。8日の午後9時半現在で7,200人で東京と大阪はいずれも千人を超えた。日本はこれから雪だるまのように転げ落ちていくのだろうか。途方もなく多い高齢者の存在等を考えると不気味な不安に駆られる。天の一角に明るい光明を感じるのはワクチンの動向である。接種の受付が始まったところは予約の申し込みが殺到し混乱しているらしい。

 現在国内で使われているワクチンは米製薬大手ファイザー社製のもので2回の接種が必要である。接種が実際に行われる中で様々な課題が出されているらしい。一つは医療従事者への接種がなかなか間に合わないと言われる。医師の中には2回の接種が終らないまま接種に当たっている者もいる。この人たちは感染の危機に晒されている訳である。次は高齢者の問題である。世は超高齢社会、そして認知症社会である。高齢者施設によっては入所者の大半が認知症患者の所があると言われる。そしてワクチン接種には本人の同意が必要である。認知症の人には同意能力がない人が多い。その場合親族等の承諾で済ませることになるが、大変な数の高齢者に対応するのは容易ではないことだろう。

◇菅政権のコロナ対策は後手後手に回り厳しい批判に晒されている。こんな状態に対して民主主義は危機に弱いという声があがるのは無理のないことだ。民主主義は結論に至る過程を重視する。泥縄という言葉がある。泥棒を見てから縄をなうことを意味する。これを民主主義に当てはめれば危機に直面して法律を制定するということだ。普段から縄を用意しておかねばならない。緊急事態に対応する法制度である。これはコロナに限らない。そこで憲法に緊急時の備えを規定せよという議論が出るのも当然だ。これはじっくりと国会で議論しなければならない。

◇私は今回のコロナ騒動の中で2009年に発生した新型インフルエンザのことを痛切に思っている。県議会にいた頃、来る来ると言われて恐れられていたのが新型の鳥インフルエンザであった。それは東南アジアの鳥から発生すると懸念されていた。既に鳥から人に感染する段階にあった。新型はヒトからヒトに感染するもので時間の問題と言われていたのだ。ところが2009年、何とメキシコの豚から発生したのだ。東南アジアがメキシコに、鳥が豚に変わったがウイルスとはそんなものであるに違いない。幸に弱毒性であったためか我が国は十分な教訓にしなかった。そのつけを今味わっていると言える。

(続く)

|

2021年5月10日 (月)

人生意気に感ず「感染拡大どこ迄続く。慣れと恐怖の狭間で。自衛隊員や警察官は優先すべきでは」

◇県内感染者が遂に113人に達した。大型連休によって感染の急拡大が続いているようだ。私の回りの人々の反応はまちまちである。「もう止まらない」と諦めの感情を抱く人、「どうなるか不安でしょうがない。身の回りに高齢者がいるのに」などなどだ。この感染拡大状況は大型連休の終盤から1週間程度は続くと見るのが大方の専門家の立場である。つまり今月半ば頃までは歯止めがかからない恐れがあるのだ。県内感染者の累計は6,616人、うち死者は106人となった。ウイルスは変異を重ねている。従来のより感染力が強い変異株が主流になりつつある。県内におけるこの変異株感染の確認は計189人というが水面下では大きく広がっている可能性があると思う。

◇県内各地に於けるクラスターの発生が報じられている。いくら自粛要請しても企業、役所、施設等の集団生活は社会を機能させる上で、やむを得ない。集団の中に感染力の強い変異株が接近する。こうした状況の中でクラスターの発生を防ぐのは難しいことだ。

 警察官の世界でクラスターが発生した。館林署である。県警は陽性者を含め同署員ら計83人を自宅待機とした。警察官は社会の秩序を維持する要である。治安維持に大きな穴が生じてはならない。警察官の自宅待機は一般市民の心理に不安の影を落とすに違いない。

 ワクチン接種の優先順位の一位は医療従事者でこれには異論はない。しかし、社会を防衛するという点から言えば自衛隊や警察官も優先順位の上位に位置づけるべきではないかと私自身は考える

 

◇1日あたりの新規感染者が最多となった自治体は15道県に及ぶ。危機感を自覚するためにこれらの道県を表示すると以下の通りである。

 愛知県575人(648人)

 福岡県519人(369人)

 北海道403人(890人)

 岡山県189人(57人)

 広島県182人(111人)

 群馬県113人(106人)

 熊本県111人(83人)

 そして、大分県93人(28人)、石川県80人(84人)、香川県78人(23人)、佐賀県76人(14人)、滋賀県74人(67人)、長崎県65人(44人)、新潟県50人(25人)と続く。

 これは1日の感染者で(  )内は死者の累計である。なお、国内の1日あたりの数は、感染者7,247人・死者86人であった。そして重症者は113人である。(読者に感謝)

|

2021年5月 9日 (日)

「女子大生の死。車社会、慣れの恐さ」 2006年3月24日 (金)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

今年2月の前橋市内の交通事故で死んだ女子大生のことは新聞でも大きく報じられた。交通事故による死者は、昨年は全国で6871人、群馬県では152人であった。

 私たちは常に車社会で生き車から離れた生活は考えられない。車はあまりにも日常的なのである。それ故に車の運転に伴なう危険性に慣れ麻痺している。その上に社会一般の全てに対する倫理感や規範意識の低下がある。最近の交通規則違反に対する罰則の強化は止むを得ない。車は一歩間違えば走る凶器となる。私たちはこのことを謙虚に受け止めるべきだ。

「走る凶器」に対する刑罰として新設されたのが「危険運転致死傷罪」である。飲酒運転で3人の高校生を死亡させた男に対し、今年1月、この刑を適用して、懲役20年という判決が下された。

 この刑罰とこの判決を車社会に生きる者に対する警告として、私たちは受け止めるべきである。

 平成13年に設けられた危険運転致死傷罪(刑法208条の2)の要点を説明する。

  • ルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で4輪以上の車を走

行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処す。(有期懲役の最高は20年となっている-刑法12条)

  • 又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行

中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で4輪以上の車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤信号を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で4輪以上の車を運転し、よって人を死傷させた者も同様とする。

 判決が下された事件は、昨年5月、宮城県の国道で起きた。仙台育英高のウォークラリーの列に車が突っ込み、生徒ら18人が死傷した。(3人は死亡)。被告は、生ビール1杯と焼酎の水割り約10杯飲んで運転し、赤信号を3回無視したほか合図なしの車線変更も2、3回繰り返した。裁判長は「身勝手かつ安易な考えから危険運転行為に及び他に類を見ない大惨事を起こした」と述べ懲役20年を言い渡したのである。

 群馬県でも、危険運転致死傷罪の適用は、平成16年に4件、平成17年に4件ある。そして、平成16年の代行車運転手を死亡させた事件では、懲役6年の刑が言い渡された。

 交通事故については、加害者にも被害者にもなりたくない。小さな違反、はやる心を抑えることが大切だと我が身を振り返って思う。

(安心安全な車社会の実現を願って。読者に感謝)

 

|

2021年5月 8日 (土)

「犯罪は減少、しかし、気になる少年犯罪」2006年3月11日 (土)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

本県の治安については、この二月議会でも取り上げられた。おそらく犯罪防止推進条例の効果もあって、前年と比べ犯罪認知件数は約17%も減少した。しかし、少年犯罪には不気味な動きが見られる。

 昨年一年間に摘発された犯罪少年のうち、再犯者の割合が27、4%で、過去10年間で最も高くなっている。このうち、凶悪犯、粗暴犯では再犯率が5割に上る。また、非行の低年齢化も指摘されている。つまり、14歳未満の触法少年の摘発数も昨年は、過去10年間で最多となっている。そして、県警少年課は、少年犯罪は繰り返すうちに凶暴化、凶悪化する傾向があるとしている。

 非行に慣れ抵抗感が薄れて非行をエスカレートさせるのではなかろうか。だからこそ、犯罪の入口とされる万引きなどをしっかりと取り締まり、厳しく指導することが重要である。

 子どもたちには、遊び感覚で、あまり罪の意識もなく万引きをする傾向がある。万引きは窃盗という犯罪であることをきちんと教育の場でも教える必要がある。微罪として大目にみて許すことが、子どもたちをより重大な罪に進ませることになる。規範意識の欠如は、今日の社会の特徴であり、子どもはその影響を強く受けている。

 なお、犯罪少年とは14歳以上の少年で犯罪の要件を充たす行為をした者、触法少年とは、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年のこと。(刑法は14歳に満たざる行為は罰せずとしている)

「高齢者の犯罪が急増している」

 警察庁の統計によると65歳以上の犯罪が増え続け、昨年はじめて、全検挙者中に占める割合が1割を超えた。孤独感や病気そして生活難、ストレスなどが背景にあると考えられる。犯罪の種類では窃盗と殺人が多い。特に殺人罪の増加は深刻である。配偶者が被害者になる例が多いという。法務省は、来年度から高齢者犯罪の研究を始める。

 高齢化と共に核家族化が進み、更に格差社会の中で高齢者をかこむ経済環境が厳しくなっている。従って高齢者の犯罪は今後も増えることが予想される。このことは本県に於いても同様である。高齢者の犯罪が増える社会は健全な社会とはいえない。淋しい社会であり、病める社会である。高齢者を犯罪に走らせない対策、そして、高齢者が安心して暮せる社会を作らねばならない。

(犯罪のない地域社会の実現を願って。読者に感謝)

|

2021年5月 7日 (金)

人生意気に感ず「赤木ファイル開示の衝撃。ワクチン接種開始と副反応。老老介護かと苦笑い」

◇いわゆる赤木ファイル開示の動きは衝撃的である。自殺した赤木さんに関することで週刊誌等で騒がれていた。森友学園への国有地売却を巡る文書改ざん問題である。国は裁判所の求めでその存在を認めた。赤木さんは妻に「大変なことをさせられた」とファイルの存在をほのめかしていたと言われる。妻は「事実を公の場で話したかった夫の遺志を継ぎたい」との思いで裁判を起こし文書開示を求めてきた。妻の執念が感じられる。妻とすれば最愛の夫は国に殺されたという思いに違いない。それにしても律儀な官僚がいるものだ。政治不信が渦巻く中でほっとさせられる。

 赤木さんは自己点検のために国家公務員倫理カードを常に所持しその文字はすり切れていたと言われる。この点検カードには「疑惑や不信を招くような行為をしていませんか」があった。改ざんへの加担はこのカードに真っ向から反することだ。まさかと半信半疑だった人はやはりと思うに違いない。政治・行政に対する不信を更に高めるだろう。財務省の組織ぐるみの犯罪の可能性があるからだ。森友問題は安倍元首相が関わっていた可能性があるから安倍さんの威信も大いに傷つくに違いない。

◇いよいよ高齢者のワクチン接種が始まる。前橋市では5月20日から予約受付が始まり5月26日から接種が行われる。今年度中に65歳以上になる人は3,600万人と言われる。各地の予約申し込みは殺到するらしいが不安もつきまとう。ファイザー製ワクチンの添付文書では次のような副反応が書かれている。注射部位の痛み84.3%、疲労感62.9%、頭痛55.1%、筋肉痛37.9%等だ。痛みは接種後1~2日で治ることが多いから翌々日までは無理せず過ごすことが望ましいと言われる。稀に「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー反応が起きることもある。それは接種後すぐに生じることがほとんどで接種会場に備えられる注射薬で対処が可能だそうだ。私は躊躇なく打つ考えである。

◇最近我が家では私の家事が増えた。お勝手の手伝いや道の駅での買い物などだ。実は妻が先日転んで歩くのが不自由になった。大したことはなく回復は間違いないが「老老介護の始まりか」と苦笑いしている。お勝手のことは慣れているので苦にならない。買い物も非常に勉強になる。主婦のこと消費者の現実が分かる。私も主夫。男女共同参画社会に繋がる面も感じる(読者に感謝)

|

2021年5月 6日 (木)

人生意気に感ず「県の警戒度は4に。全国知事は五輪・パラをどうみているか。インドの感染者は200万人」

◇コロナの事態は遂に最悪に近づいている感じである。県は4日から警戒度を最も深刻な4に引き上げることを決めた。私が深刻に感じるのは全国的な非常事態を国民がどう受け止めているかということである。昨日(4日)所用で上武道路から渋川に向けた国道17号を走った。大変な渋滞状態で県外ナンバーも多い。

 群馬県は首都圏と直結している。これはコロナの状況もつながっていることを意味する。首都圏を貫く発達した交通網はコロナの流れを作り出しているのかもしれない。

◇4日の県内感染者は62人であった。感染者の累計は6,298人で死者は104人に達した。この数字がいかに凄いかは過去のそれと比較すると分かる。次は昨年ある時期の数字である。群馬県の数字は644人(累計感染者)、15人(1日の感染者)、19人(死者)。この先どこまで増えるのかを思うと空恐ろしいものを感じる。

◇県内で感染者が60人を超えるのは今日(5日)で7日連続となる。問題は感染状況の内容である。感染力が強い変異株「N501Y」が増えているらしい。クラスターも深刻だ。利根沼田保健所管内の飲食店で客15人の感染がクラスターと判断された。高崎の歯科医院のクラスターは5日計18人となった。世界を席巻しつつあるらしい強力変異株とクラスターの増加の関係も気に掛かることである。

◇世界の感染状況は加速しているようだ。ワクチンの普及が進んでいることとどう関わっているのか。世界の感染者は1億5千万人を大きく超え、死者は321万人以上に達した。感染者及び死者の上位3国は相変わらず米国・インド・ブラジルである。これらは社会や政治の構造と深く関わっているに違いない。なかでもインドの惨状は想像を超えているようだ。感染者及び死者の累計はそれぞれ200万人・22万人を超えた。

◇国内外の感染状況が加速する中で五輪・パラリンピックの開催を危ぶむ声があがり始めた。毎日新聞社が全国の知事にアンケートを行った。その結果は9県の知事が「感染状況次第で中止、延期にすべきだ」と回答した。その他では多くの知事が「わからない」と明確な回答を避けたと言われる。五輪・パラリンピックは刻々と迫る。これからのワクチンの状況等で感染状況が変化すれば判断を保留している知事の判断も変化するだろう。

◇全県警戒度4の下で今月の「ふるさと塾」は残念ながら中止になる。会場が使えなくなるからだ。(読者に感謝)

|

2021年5月 5日 (水)

「東大生の光クラブ事件」 2006年1月25日(水)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

 今日の社会は、時代の大きな転換点にあって、それは、明治維新、終戦後の状況にも匹敵するといえる。若者の突出した動きは、それぞれの時代背景の中で生れる。この度のライブドア社長の堀江氏の事件もまた然りである。

 堀江氏が小さい時から優秀で東大在学中に事業を起こしたことがしきりと語られるにつけ、戦後の混乱期に東大生の実業家が起こした光クラブ事件が思い出される。

 山崎晃嗣は一高から東大に進むが、学徒として出陣、終戦後法学部に復学し、仲間と光クラブという金融業を起こす。それは、出資者から集めた金を法外の利息で貸し付けるものであるが世間の注目を集めてすごい勢いで急成長し銀座に進出するまでになった。しかしヤミ金融として逮捕されたために事業は破綻し、彼は青酸カリを飲んで自殺した。これは昭和24年の出来事で、山崎晃嗣は27歳であった。

 当時の人々は敗戦によって心の支えを失っていた。戦前の価値観は崩れ去り、従来の思想や道徳に拘束されずに行動する若者たちはアプレゲールと呼ばれた。山崎は、アプレゲールの典型的存在だった。廃墟から立ち上がる人々の目標は唯一豊かさであり金であった。ここには食うための「金銭万能」があり、それはまた、山崎の行動の社会的背景であった。ただ、「光クラブ」の記述を読むと暗く冷たいイメージを強く受ける。そして、この出来事は、一つの犯罪として終わり、社会の流れに一石を投ずることにはならなかった。

 堀江氏の事件は、従来の価値観にとらわれない若者の行動である点は似ているが、暗いイメージはあまりない。図に乗って踊る軽くて陽気な若者の突出した行動という感じを受ける。しかし、彼の行動は日本の産業界に大きな一石を投じたことになりそうだ。現在の若者は、彼の行動全体から貴重な教訓を引き出すべきである。堀江氏は、今ごろ冷たい獄舎で何を思っているのだろうか。ほんの少し前の状況と比べると、正に天国と地獄の違いである。働くことを嫌う若者も濡れ手に粟を望む若者も、この現実をよく見詰めるべきだ。ホリエモンの事件は、この時代の転換点における見事な教材なのである。

 光クラブ事件とライブドア事件を見ると、戦後60年、日本の社会は金銭万能主義が変わっていない感じをうける。そして、豊かさの中の金銭万能は人間の心を根底から変えてゆく。今回の事件は、この流れを改める契機としても生かすべきである。

|

2021年5月 4日 (火)

「地婦連の新年会、生活衛生業者の大会」 2006年1月23日

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

地婦連とは地域婦人団体連合会のこと。従来の婦人会の連合体である。婦の字の帚はほうきを意味するので、婦は女をほうきに縛るということで差別につながると言われ出した。そこで、婦人会館も女性会館に名称を変え、新年会はこの女性会館で行なわれた。「人口減少社会では女性の社会進出が一段と必要になります。男女平等、男女共同参画社会を一層進め、女性が安心して活躍できる社会を実現することが少子化対策にもつながります」(挨拶の骨子)

 生活衛生業者とは食肉業組合、社会飲食業組合、麺類組合、理容組合、ホテル業組合等県民の日常生活に密着した事業を営む人たちである。

 ここでは次のようなことを話した。「大きな変化の時代です。変化に対応するために改革を進めねばなりませんが、同時に社会の安定が必要です。皆さんのお仕事は県民の日常生活の安全と安心に結びついており、社会の安定を作る柱です。頑張って下さい」

 

 

|

2021年5月 3日 (月)

堀江社長の逮捕 2006年1月24日(火)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

 ライブドアの堀江社長が逮捕された。昨日、虚構の世界の「銭ゲバ」とホリエモンの類似性を書きながら予想したことではあるが、現実の世界のこの出来事の衝撃は大きい。輝く頂点に立った人物が一気に闇に落ちたのだ。あこがれていた全国の若者のショックは大きいに違いない。堀江氏の逮捕は何を意味するのか。

 堀江という人物は新しい時代を象徴するいわゆる新人類である。恐らく、これまで大きな挫折もなく走り続けて夢のような一攫千金をつかんだのだろう。それがいきなり地獄に突き落とされた。拘置所では素っ裸にされて肛門まで調べられるという。堀江氏は、その屈辱にどう耐えるのだろうか。

 彼は以前、強気で語っていた。「挑戦して失敗してもゼロになるだけでマイナスになることはないから恐れることはない」と。堀江氏は財産上のプラマイだけを考えていたに違いないが、今、冷たい拘置所で想像もしなかったマイナスを味わっているに違いない。人生経験の乏しい彼には大きな誤算があったとしか思えない。まだ結果はどうなるのか分からないが、谷底に落ち人生最大の試練に直面していることは間違いない。私は、この現代青年がどう耐えるかに大きな興味を抱く。彼が困難を乗り越えて再起へ向けて踏み出した時世間は彼の真価を認め始めるだろう。それは「虚」から「実」への歩みである。そして、彼が今までのように虚業の世界で躍進を続けること以上に全国の若者に勇気と希望を与えるに違いない。また、それは、日本のニュービジネスのためにもなる。堀江氏の再起を期待したい。

 

|

2021年5月 2日 (日)

「警察年頭視閲式で挨拶」2006年1月7日(土)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

 会場は元総社町の警察学校。このあたりは懐かしいところである。隣りの元南小学校は、昔、元総社中学校があったところ。私はこの中学校で学んだのだ。このあたりは理研の一角で、校庭には炭ガラがごろごろあった。校庭の隅の水たまりにはザリガニがいて、カエルをエサにして釣って遊んだ。隣の警察学校へも垣根を越えて入りいたずらをした。辺り一面は田んぼであったが、高前バイパスが出来て状況は一変した。

 視閲式は校庭で行なわれた。この冬一番の寒気の中で胸張って整列した警察官の姿は頼もしく思えた。

「真に豊かな社会を築く上で最も大切なことが良好な治安です。警察官の役割は非常に重要です。今日の犯罪情況に対応するには警察と民間の協力が不可欠です。警察官は強い警察官であると同時に県民の信頼を得ることが求められています。皆さんが、崇高な使命を果たせるように県議会も頑張ります」(私の挨拶の骨子)

 議長日記を読んだ元抑留者から便りがあった。 1月3日の日記で、私は拙著の「シベリアのサムライたち」に触れ、彼らの行動を支えたものは、日本の精神文化である武士道の「恥を知る」心であろうと書いたら、日記を読んだN氏から手紙を頂いた。N氏はかつてハバロフスク事件の渦中におられ、私が「シベリアのサムライたち」と考えている1人である。

 N氏は、「自分のためにも御国のためにもならない強制労働で作らされる建物なのに下手な仕事をしたくないという気持ちで仕事をした」と述べておられる。シベリアのサムライたちは、命をかけた闘争だけでなく、建物の建築にも武士道精神を発揮したのだと思う。

 N氏が紹介してくれたタシケントの話だが、日本人抑留者が建てた建物は大地震のときびくともしなかったという。今世間を騒がせている偽装建築を考えるとき、たずさわった人の、「恥を知る」と「恥知らず」の違いを強く感じる。

貴重な資料を下さったN氏に感謝します。

|

2021年5月 1日 (土)

「警察官の卵の退職者急増」  2005年12月19日(月)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

年末は例年防犯で緊張する時期である。先日も年末特別警戒に当たる人たちを激励したところだ。今日ほど、警察官の役割が大きい時代はなかったのではないか。犯罪が多発し、しかも信じられないような凶悪事件が次々に起こる。このような状況に対応するには警察官の増員が必要だというので、私は過日県議会の「警察官の増員に関する意見書」をもって上京し、国家公安委員長及び警察庁長官に強く要望してきた。

 このような折、「警察官の卵・退職者急増」の記事が新聞で報じられた。警察学校での初任教養期間中の退職者は過去10年間で73人。このところ急増し、昨年度は1年間で17人、今年度はこれまでに既に16人が退職した。 大切な時だけに、私のまわりではいろいろな意見が聞かれる。その中には、「今の若者は意気地がない」「辛抱が出来ない」というのもある。

私は、今年10月、初任科生の入校式に出たときの光景を思い出す。名前を呼ばれた若者は、皆、驚く程きびきびと反応していた。精一杯に絞り出すような「ハイ」という声、立ち上がる時両手でももを叩く「パン」という音、緊張したまなざし。そこには、桃源郷のような世界からやってきたとは想像もつかぬ変身した現代の若者の姿があった。 今、あの姿を思い出すと、退職者が多いことを嘆くより、まず、試練に耐えて残った人たちの勇気と忍耐に温かい声援を送りたい。

 人権が重んじられる民主国家に於いて、今、強い警察力が求められている。危険をおかしながら人々の安全を守る警察官の職務は大変だが崇高である。今、犯罪防止のために市民との連携が求められているが、優しい心を持った現代の若者は、市民と心の連携をつくるには適していると思う。また、高い志を持って警察官を目指した若者をつなぎ止める工夫ももっと必要なのではないか。

 

|

« 2021年4月 | トップページ | 2021年6月 »