人生意気に感ず「ふるさと塾の情景。感染症の歴史を語る。安倍長期政権は何だったのか」
◇29日の「ふるさと塾」はしっかり準備して臨んだ。マスクをして長時間大きな声を出すのは大変だったが塾の雰囲気が疲れを忘れさせた。40人を超える塾生が全く私語もなく耳を傾けてくれた。テーマは「感染症の歴史」で、新型コロナウイルスの現状から入って歴史上の主な感染症のパンデミックについて、映像を使って話した。一つ一つの時間には長短はあるが、コレラ、ハンセン病、ペスト、梅毒、エボラ出血熱などに及んだ。梅毒はコロンブスの新大陸発見との関連で語った。発見された側にとっては正に開闢以来、空前絶後の悲劇の幕開け。新大陸の人々にとっての敵は侵略者スペイン人と共に旧世界の感染症だった。免疫力が全くない人々はなす術もなく屍を重ねた。梅毒は新大陸の逆襲として話した。コロンブスたちは梅毒と共にヨーロッパに戻った。今度は免疫力のない旧世界の人々の間にあっという間に蔓延したのだ。ハンセン病は十字軍の遠征によりイスラム世界からヨーロッパに持ち込まれ広まったと言われる。言うまでもなく古代からの感染症でこの病程差別と偏見により人権が踏みにじられた例はない。私は拙著「死の川を越えて」に触れながら日本の隔離政策に触れた。コレラとペストは猖獗(しょうけつ)を極めた。コレラは幕末の日本に長崎から入り江戸に飛び火して多くの死者が出た。人々は「たたり」だと考えオオカミの毛皮でお祓いをした。そのためオオカミが激減して絶滅につながったという。
◇最近のエボラ出血熱に関しては、アフリカの未開の地の社会環境が対策を妨げていることを話した。人々は敵が謀略で毒をまいていると信じ医療施設を襲ったり暴動を起こしたりする。無知が偏見を生み風評被害を起こすのは、どこでも根底において共通しているのではないかと私は語った。この「ふるさと塾」には時々楽しいことがある。この日は塾生のMさんが茄子やイチジクを50個も小さな袋に入れ皆にプレゼントしてくれた。Mさんは秋には柿を差し入れる。塾生たちはMさんの心を受け止め嬉しそうであった。Mさんは幼少時満州の開拓から引き揚げた人で、現在も満州の悲劇を語り継ぐ運動に打ち込んでいる。
◇安倍後継のことで世の中は沸き立っている。彼の評価は大きく分かれているが、戦後の宰相で最長期間勤めた事実は重い。それを正しく評価するのは時の経過の役割だろう。国会議員の資質が低下している中、後継選びは難しい。(読者に感謝)
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