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2020年4月30日 (木)

人生意気に感ず「暗夜の灯火。新薬の可能性。教育界の危機。UFOは本物か」

 

 

◇コロナウイルスが猖獗(しょうけつ)を極める中、一つの朗報が世界に発信されている。治療薬の承認が近い。レムデシビルである。27日の衆院本会議で、安倍首相は「間もなく承認の見込み」と述べた。暗夜の灯火である。この薬はアメリカのギリアド社がエボラ出血熱の治療薬として開発中の抗ウイルス薬。アメリカでの治験に日本の医療機関は参加してきた。アメリカやドイツで近く承認される見通しで日本も早ければ5月上旬にも承認されるという。薬の承認には通常長い時間がかかるが今回は超特急である。「特例承認」の制度を適用する。緊急事態の中で人の命を何としても守らねばならない。特例承認は当然である。

 

 政府はこのレムデシベルは重症者に使われ、軽症者には現在治験を行っているアビガンの使用を考えているらしい。

 

◇新型コロナウイルスは社会のあらゆる面に重大な影響を与えているが、中でも教育界は深刻である。今回のような感染症の蔓延時、または大規模災害時の教育は今後の重大課題である。教育は人作りを担うもので個人の人権と社会の存立発展がかかるから災害時の教育の崩壊は避けねばならず、普段から備えをしなければならない。文科省は小中高生の家庭学習の充実を検討し始めた。パソコンやタブレット端末を使ったオンライン学習システムである。

 

 コロナウイルスが去った後、社会はどのように変わるのかは非常に興味あることである。緊急事対策で始まったオンライン学習は、コロナ後も発展を続け教育を大きく変えていくに違いない。

 

◇人類が存亡の危機ともいえる状況にある中で「オヤ」、「ホー」と思わせるニュースが舞い込んだ。米国防省がUFOの撮影を公開した。

 

 私は昔、UFO少年だったことがある。生命の起源、果てしない時間と空間を乗り越えて宇宙人はやってこれるのか。物理学の常識では不可能と言われながら少年の夢はそれを乗り越えて広がった。河野防衛相はアメリカの公開を受け「万が一遭遇した時の手段をしっかり定めたい」と述べ自衛隊としての対応を検討するという。もし宇宙人が地球に来たとすれば私たちはどうなるだろうか。昔観た宇宙戦争の物語は地球人が全く太刀打ちできない宇宙人があっけない敗退する結果となる。宇宙人は全く免疫がないウイルスに全滅するのだ。今回、コロナウイルスは地球人を助けるであろうか。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月28日 (火)

人生意気に感ず「群馬の実情を知って備える時。県内の地方議会。今こそ政務調査費を活かす時」

 

 

◇安全と言われた群馬に感染爆発が迫る。ゴールデンウィークが重要ポイントである。「三密」が守られるか吹き飛ぶかが懸かるからだ。私たちはこの重要時点で何が重要なのかを確認しなくてはならない。

 

 県内で初めて感染者が確認されたのは37日。一ヶ月後の411日に状況は一変。この日に伊勢崎市「藤和の苑」で33人の集団感染が確認されたからである。クラスター(集団感染)という言葉がにわかに現実のものとして私たちの前に立ちはだかった。超高齢社会が進む本県で藤和の苑のような老人ホームは至る所にある。第二第三の藤和の苑を予想しなくてはならない。本県の感染者は26日時点で累計142人、死者は14人に至った。国は国難の時と叫んでいる。私たちは「県難の時」に立っている。最重要事は県民の健康と命を守ること。緊急事態宣言の対象県となり山本知事に大きな権限が与えられた。知事がこれを有効に使えるかに全てが懸かると言っても過言ではない。県は国の縮図である。政治の役割が今ほど重要な時はない。しかし、政治の信頼は地に落ちている。今、本県の政治家は知事と呼応して立ち上がるべきだ。地方議会の形骸化が叫ばれて久しい。ゾンビは蘇らねばならない。政治家は「三密」を隠れ蓑にして嵐が過ぎるのを指をくわえているようであってはならない。政治家には後援会組織がある。それは危機にあって重要な財産となる。その人々に対して必死で啓蒙活動をすべきだ。電話で、文書で、その他の手段で、今なにが必要かを訴え、情報を伝え、人々の実情と悩みを吸い上げるべきだ。「政務調査費」の使い方と在り方が問題となっている。この未曾有の県難にあたり、コロナウイルス対策にこれを使うことを私は訴えたい。地方は民主主義の学校と言われる。その実が今問われている。政治家は腰抜けかが問われているのだ。

 

◇「軽症者は在宅で」は一つの深刻な問題を抱える。家庭ゴミにウイルスが付着している危険である。清掃員の感染が伝えられている。私の近くのコンビニでは家庭ゴミの持ち込みを避ける大きな貼紙が目立つ。分別の必要性は新たな重要な意味を持つ。

 

◇医療がひっ迫する中で私たちは病気になれない状況となった。歯科医療は深刻だ。最も顔面に接近し口の中を治療するからだ。乱立した歯科医院は患者が激減して悲鳴を上げているらしい。私たちは皆風の中にいる。(読者に感謝)

 

 

 

 

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2020年4月27日 (月)

人生意気に感ず「危機に活かす試み。ホテルのドライブスルーと小さな本屋の挑戦」

 

 

◇新型コロナウイルスの市民生活への影響は甚大である。人体に例えるなら突然脳梗塞に襲われたようなものだ。多くの経済活動が凍結状態にある。そんな中で生き残りを懸けて必死の努力をする業者、あるいはこの状況を逆手に取って新たな需要を生み出そうとしている中小企業などの動きが感じられる。ここでは私は関わる二つの例を紹介したい。群馬ロイヤルホテルのドライブスルーによる弁当販売とフリッツ・アートセンターに於ける予約制の書店の営業である。

 

◇ロイヤルホテルの試みは予想以外の成果をあげている。500円の中華弁当や750円のハンバーグ弁当などが飛ぶように売れている。日頃、味なら負けないと自負する料理長がここぞとばかりに頑張っている。知人にプレゼントしたら「これは朔風で食べるのと変わらないね」と言った。「三密を避けてテレビを見ながら安心安全な食事ですよ」。私の言葉に知人は深く頷いていた。食材を買いにスーパーへ行っても、三密を心配しなければならない。先日現場を見に行くと車の長蛇の列。予約の電話は鳴りっぱなしだった。危機に対する市民の光景を報じるためにテレビが取材していた。

 

◇フリッツ・アートセンターは娘夫婦が敷島公園の中で経営する児童書を多く扱う書店である。夫の小見君は市民の文化に貢献したいという哲学を抱いている。店の名の「アート」にはそんな彼の思いが込められているのだろう。毎年宮沢賢治の原画展などを企画するのも同じ趣旨と思われる。

 

 コロナウイルスに対して子どもたちの心を守らねばならないという小見君の使命感の表れが窮余の一策「予約制」である。気軽に予約してほしい。電話は027-235-8989

 

 なお予約がなくても店内の状況に応じて入店は可能。予防に細かい配慮をしている。人類の危機の時の読書は子どもの心に希望の芽を根付かせると思う。コロナウイルスは教育界にも課題を突きつけている。貧しくなっていると言われる子どもの心に生きる力を培わねばならない。コロナが与えたチャンスを活かしたい。私は子どもの頃開墾の山中で母と共にランプの下で読んだ本のことが今甦っている。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月26日 (日)

小説「死の川を越えて」第296回

 黙って聞いていたこずえが口を開いた。

「ハンセン病患者にとって、新しい憲法は素晴らしい天の恵でございますね」

「だがね、どんな素晴らしい権利も棚からぼたもちを待っているようでは実現しないのです。権利は戦い取るものなのです。それは歴史が示すことです。今、最も重大なことはハンセンの患者が新憲法の人権について理解しないことです。理解しなければ戦いとることもできない。猫に小判ですよ。それでは余りにももったいない」

 水野の言葉は一つ一つがもっともで説得力があった。

 

 再会

 

 昭和21年の暮れも押し詰まったある晩、正助の家のドアを叩く者があった。

「誰でしょう」

 さやの声に促されるように正助はドアに向かう。ドアを叩く音に異様なものを感じ正助は物陰から外を透かし見た。ドアに倒れかかるような黒い人影があった。正助ははっとして身がすくむ思いでさやに視線を向けた。さやはとっさに何かを感じた。

 正助がドアを開ける。黒い影はよろよろと踏み入れ挙手の礼をとって言った。

「下村正太郎、ただいま帰りました」

「おおー、正太郎」

「まあ、正ちゃん」

 正助とさやは同時に叫んだ。

「本当に正ちゃんなのね。こんなにやせて」

 さやは正太郎の手を両手で握りしめて言った。さやは正太郎の足を洗った。

「まあ、この足凄いわね」

 木の根のような足が戦地の生活を語っている。

「大変だったのね」

「この足でサラワケットという山を越えたんだ」

 その晩、正太郎は両親にニューギニアを語った。サラワケットの山中で熊本県の人に会い、その人からカツオブシと重監房の話を聞いたと話した。正助とさやは不思議な人の縁に驚くばかりであった。

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月25日 (土)

小説「死の川を越えて」第295回

「ではハンセン病患者は、新しい憲法でどうなるのですか」

「そこです正助君。新憲法は、その11条で国民に基本的人権を永久の権利として保障したのです。そこでは同時に国民はすべての基本的人権の享有を妨げられないと定めています。そして14条です。正助君、よく聞きたまえ。すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分、門地により、差別されないとあります。すべての国民はと言っているのですから、この11条と14条に、我々ハンセンの患者も含まれることは明々白々ではありませんか。さて、正助君、ここで人権について一言話をさせて下さい」

 水野高明の態度がここで変わったのだ。正助は水野と一杯やった時、水野の話が講談調になり声を高揚させ、本で机をドドンと打った姿を思い出していた。水野は、ぐっと胸を張って続けた。

「私は昔、九州帝大で人権の講義をしました。その時、本物の人権とはこういうもので、帝国憲法の人権は外見的人権だと申しました。本物の人権とは、天から与えられたもの、つまり天賦の人権である。歴史的にいえばアメリカ独立革命、そしてフランス革命の嫡流ともいうべき人権です。これが本物の人権です。日本国憲法の人権がこれですぞ」

<あの時の調子になってきたな>、正助は心に壮快な力が湧くのを覚えながら水野を見詰めた。水野は語る。

「さて、人権です。この憲法が保障する人権とは人間である以上、当然に認められる権利のことです。人間を大切にする、人間の尊重を実現するための権利です。ハンセン病の患者を強制的に隔離するとか、司法の手続きを経ずに牢屋に入れるとか、断種の手術を行うとか、このようなことは人間性無視で新憲法の下では許されない、人権侵害、憲法違反であります」

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月24日 (金)

人生意気に感ず「大学生の危機。教育崩壊に繋がるか。岡江さんの死」

 

 

◇私たちの社会が崩れていく。太平洋戦争以来の国難を痛感する。私は1940年生まれで、その翌年に太平洋戦争が始まった。小学生の頃、授業中に肛門から太い回虫が蠢きだしたことが思い出される。あれから70年余が過ぎ目が眩むような豊かな社会が実現したが人の心は貧しくなりこの豊かさは砂上の楼閣に見える。しかし楼閣に支えられる私たちの生活は現実のもの。それが崩れようとしている。この危機を象徴するのが医療崩壊であるが更に今教育の危機が迫っている。

 

◇大学や専門学校の学生の少なからぬ人たちが学業継続の危機に直面している。学生がつくる調査組織(FREE)は深刻なコロナ禍を報告した。13人に1人が大学をやめることを検討しているという。緊急事態宣言が出され多くの経済活動がストップ、あるいは縮小している。これは学費を送る親の懐及びアルバイトの機会を直撃している。温室で飼育された感のある現代の若者が悲鳴を上げるのは当然である。高等教育を担う私学も存立の危機に立たされているだろう。来春の入学志願者は激減するかもしれない。形骸化が言われている大学の様相はコロナを機に一変するだろう。

 

 学生組織FREEは国の責任で全ての学生に授業料半額免除や奨学金返済の猶予などの緊急提言を出した。私たちは憲法が定める国民の教育を受ける権利及び学問の自由を噛み締めるべきである。全国の大学で動きが見られる。特別少額金や学費納入期限の延期などの検討である。勤労学生の経験を持つ私は現在の学生の苦境がよく分かる。このコロナの波は今後の教育界に大きな変革を促すに違いない。コロナウイルスが去った後の社会は大きく変化することは間違いない。その一つは雨後の竹の子のように生まれた大学の一掃である。看板倒れの学歴社会も大きく変わるだろう。

 

◇コロナウイルスは爽やかな女優の笑顔を連れ去った。岡江久美子さんだ。ウイルスの恐さを改めて見せつけられた。その恐怖は日増しに深刻となっている。それを示すものがクラスター(感染者集団)の数である。22日現在確認されたのは125カ所。群馬でも重大事態に。「安全神話」は過去のものになった。感染者の累計は138人、内11人が死亡した。太田記念病院の事態は衝撃的だ。同病院の看護師の感染だからだ。同病院は外来や新規受入れを休止。院内感染が心配だ。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月23日 (木)

人生意気に感ず「医療崩壊が近づく。難病者の恐れ。院内感染とクラスターが同時に」

 

 

◇昨日かかりつけ医の診察を受けた。私の健康を預けている医師である。この人が中学生の頃家庭教師をした縁が今に生きている。かつて大勢の受診者であふれていた待合室は私の他は一人。意識的に受診を減らしているのだ。院内感染の発生を恐れていることが窺われる。「他の病院に紹介することが非常に難しくなっています」と医師は呟いた。医療がひっ迫する現実を肌で感じた。医療崩壊がひたひたと迫っている。医療崩壊の恐怖は新型コロナウイルスの患者だけではないのだ。それ以外の患者が受診の機会を失うことは国民一般の危機に他ならない。難病を抱えた私の知人は酷く怯えている。

 

◇難病患者に危機が迫っている。様々な難病があるが私が得ている情報では臓器移植を待つ患者及び透析患者が深刻である。臓器提供者が激減している。院内感染を恐れ、病院が移植手術に慎重になっている。勿論、医師はコロナ対策で追われている事情が重大だ。私の知人で長年透析を受けている人は「風前の灯火です」と虚ろな目で嘆いた。透析患者は免疫の低下で感染しやすく重症化しやすいという。私は以前、「難病友の会」に関わっていた。深刻な人々の顔が目に浮かぶ。先天的な病気を持つ子ども、がん患者などに感染と診療制限の恐怖が襲いかかっている。皆風前の灯火なのだ。

 

◇私は先日、ある大病院の医師と話した。その人は「一番恐れていることは院内感染です」ときっぱりと言った。コロナウイルスは戦場に於ける銃弾である。医療従事者は銃弾の下で戦う兵士である。県内の大病院はコロナウイルスと戦う砦である。それは感染者ばかりでなく一般県民にとっても砦である。この医師は言った。「医療従事者とその関係者に対する差別と偏見はウイルスより恐い銃弾です」

 

◇ウイルスの渦の中でパニックにならないために感染病の歴史を知ることは重要だ。心に座標軸をもって大きな気持ちになれるからだ。感染症の大噴火は歴史的な革命期と奇妙に重なっている。ペストがそうだった。大航海時代、火縄銃と共に日本には性感染病が流行した。そして今日の世界の状況である。

 

◇大変な事態が増えている。22日、利根中央病院でクラスター(集団感染)が生じ、かつ「院内感染」に当たるという。医療崩壊が生じつつあると思う。差別と偏見がそれを助長している。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月22日 (水)

人生意気に感ず「コロナウイルスから人類への手紙。がん患者など他分野に生じる深刻な事態」

 

 

◇「コロナウイルスから人類への手紙」をインターネットで見つけた。正に同感。このウイルスのメッセージを多くの人に伝えねばならない。要点を摘出する。登場するのは三者で、「私」はウイルス、「あなた」は人類、そして地球である。

 

「どれほど危機に晒されても地球の声を聞こうとしなかった。大洪水、猛烈なハリケーン、溶ける氷山・・・。あなたは終わりのない貪欲さを続けた。そこで私は地球のこの動きを止めたのです。ついにあなたに耳を傾けさせました。私はあなたに弱さを与えました。私はあなたを目覚めさせるためにここにいます。地球の声を聞いて下さい。地球を汚さないで下さい。目的を達したら私は去ります。この瞬間を忘れないで下さい。なぜならこの次私はもっと強力になって帰ってくるかも知れないから」。

 

 この僅かの期間で世界の工場は止まり青い空が現れ地球は甦ったようだ。ウイルスの警告は天の啓示。ウイルスが去った後で人類が再び物質中心、欲望の虜に戻るなら人類は滅びてもやむを得ないと思う。

 

 私は百年以上前の田中正造の文明批判をこのメッセージに重ねた。その主旨は「真の文明は自然を壊さず人を殺さざるべし」というもの。天国で田中が文明の暴走を怒り、コロナウイルスがそれに同調する姿を想像する。

 

◇コロナウイルスの戒めを謙虚に受け止め隣人愛を思うなら愚かな差別と偏見は止めるべきだ。現在医療従事者と家族が差別と偏見に晒され医療崩壊が起きようとしている。医師がタクシー乗車を拒否され、家族が出社を止められ、子どもは保育園通園を嫌われ、世にバイ菌扱いの言動が広がる。差別と偏見に苦しめられたハンセン病患者の姿が思い出される。最近建てられた草津の「人権の碑」には「私たちは人間の空を取り戻しました」、この碑を「社会に存在する不当な人権侵害を克服するための大切な拠り所にしなくてはなりません」と訴えている。コロナの教えは工場の煙の停止だけでなく人間の心の再生を求めているのだ。

 

◇新型コロナウイルスが益々深刻な事態を生んでいる。がん患者などの手術が出来ない恐れが迫っている。医療崩壊の波及の恐ろしさを痛感する。大学病院などの主な病院が手術や外来診療の制限を迫られている。この事態は本県でも生じるに違いない。社会生活に起きる様々な異常はこれからが本番と考え備えねばならない。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月21日 (火)

人生意気に感ず「三密の意味。メルケルの言う時間稼ぎ。ドーピングの国ロシア。コロナ後の世界」

 

 

◇「三密」は今回のコロナ騒ぎが生み出した重要な新語である。密閉、密集、密接は専門家が苦悩の末に送った傑作である。簡にして要を得ている。集会などで15mの間隔を求めるのは密接を避けるため。夜の繁華街は密集で密接、高齢者施設なども密集、密接になりやすい。伊勢崎の「藤和の苑」で集団発生が生じた。密接、密集が特別の事情と結びついている所は本当に困る。その典型が刑務所や留置場だろう。警視庁は渋谷区の留置場で集団感染が発生したと明らかにした。

 

 コロナ渦は社会の様々な面に普及している。家庭内暴力(DV)が増えることが強く懸念されている。仕事に行けない夫が常に狭い部屋で妻と顔を合わせている。収入減などの不満が心にたまる。妻にあたるということはあり得ることだろう。

 

 ドイツのメルケル首相は「時間稼ぎ」を強調している。ワクチンや薬が発見されるまでの時間の重要性である。世界中のメーカーが必死になっている。日本では既存薬アビガンの名があがっている。

 

◇世界の情勢が非常に気になる。ロシアで感染者が増えているらしい。ロシア帰りの中国人の感染が報じられた。独裁の超大国は信用できない。ロシアはオリンピックで国威発揚のため国ぐるみでドーピングを行う国である。国威を傷つける感染者を隠すのは当然だろう。

 

 今後の世界の感染は発展途上国、特にアフリカや南米にかかっていると言われる。医療のシステムが整っておらず民度や文化が悪い所で、「三密」は通用しないだろう。私が今回のコロナウイルスは長引くと直感するのはこのような国際情勢と関係する。世界は益々一体度を増しているから、アフリカや南米は隣国と同じなのだ。

 

◇アメリカの大統領選が11月に迫っている。今回の世界蔓延の要因はトランプの「アメリカ第一主義」にあると言われている。親分のアメリカにならうように世界中が自国本意に走っていた。トランプは民主党に負けるのではなかろうか。民主主義の素晴らしい点は復元力にある。トランプによって分断したアメリカはコロナを乗り越えるために復元力を発揮するに違いない。コロナが去った後の世界は一変するだろう。そこに立ち現れるのは中国と生まれ変わったアメリカかも知れない。両文明の間に立って日本は存在感を発揮すべきだ。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月20日 (月)

人生意気に感ず「休業要請の業種は。三密の意味。世界の気になる情勢」

 

 

◇感染者が爆発的に増加している。世界及び日本でだ。17日の死者は15万人(世界)、1万人(日本)に達した。緊急事態宣言の対象地域が全国に広がったために、山本知事は法的根拠に基づいて100以上の業種に休業を、また県民には外出自粛をそれぞれに要請した。知事の突破力を私は知っている。上毛三山を背景にした高い県庁舎がコロナ戦線の司令塔に見える。この戦いの最前線に立つのは「医療」であるが、その関係者は今受難に立たされている。感染者に最も濃厚接触する状況の中にあるからだ。医療崩壊が迫っていることを感じる。

 

◇私は本県でも医療崩壊は迫っていると思う。なぜなら提供できる医療は限られているのに感染者が急増しつつあるからだ。知恵の出しどころである。重傷者と軽傷者を分けて対応するとか、重傷者の中でも優先順位をつけるとか、県内医療機関同士の連携を図るなどだ。準備にはある程度時間がかかるが一国も猶予はない。備えがないないまま、つまり医療基盤が不十分な地域で感染爆発が生ずればとんでもない結果が生じるに違いない。

 

 先日館林市長と県議時代の新型ウイルス問題を話し合った。同僚だった私たちは本会議場で1918年のスペインかぜを取り上げ、警鐘を鳴らしたのだ。あの警鐘が現実化しつつあることで二人の認識は一致した。当時、群馬県の状況は大変だった。終息したかと思うと息を吹き返し、結局4年間も続き、県内の死者は4500人に達した。私は再び警鐘を鳴らしたい。当時と状況は大きく異なるとはいえ、新型ウイルスを甘く見てはいけない。素人の直感であるが今回の新型ウイルスは長引くと思う。

 

◇山本知事が休業要請したもののうち私が関心を持つ業種をあげる。カラオケボックス、パチンコ店、体育館、映画館、専門学校、日本語学校、学習塾、図書館、古書店、スーパー銭湯などである。これらのうちパチンコ店は衛生環境が悪いから遅きに失した感がある。知人で依存症になっていた人には立ち直る機会だ。私が関わる日本語学校は国内屈指の規模、存続に響く程の大波である。古書店もあげられている。私が馴染みの古書店が営業できなくなったことは誠に残念であるが、コロナを怨んでも仕方ない。

 

19日、急に思い立って田中正造の資料を求め動いた。川俣事件の現場で確認することがあった。目的地は館林市雲竜寺。土曜日の毎日新聞は川俣事件の核心に迫る。道は静かだった。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月19日 (日)

小説「死の川を越えて」第294回

 

「まだ復員が続いている、祈るより他はない。決して諦めるなと約束したことを思い出すよ。あの約束を守って正太郎はきっと生きているに違いない」

 正助が言った。

 この年の最大の変革の大波は、新憲法制定に関する動きであった。社会の構造の根本を変えるという意味で正に革命、血を流さない革命であった。

 正助が尋ねた。

「水野先生、憲法って易しく言うと何ですか」

「国家、社会の土台です。国民の生命、財産もその上に乗っている。だからそれを変えることは大変なことなのです」

 この年3月、政府は憲法改正草案を発表した。この段階でアメリカの力が有無を言わせない程強く働いた。

 4月、この草案を審議するため衆議院議員の改選が行われ、新しい議会で3か月半にわたって審議したのち、修正可決され11月3日公布された。その内容は明治憲法と比較すると驚くべきものであった。

「天皇が雲の上から下りて人間になられたことと関係があるのでしょうか」

 こずえが恐る恐るという様子で言った。

 今度は万場老人が答えた。

「大いにありじゃ。天皇が神であるなら、天皇は国民より上の地位でなくてはならぬ。大日本帝国憲法ではな、万世一系の天皇これを統治す、そして天皇は神聖にして侵すべからずとあった。ところがな、今度の日本国憲法では、天皇は象徴であり、その地位は主権者である国民の総意に基づくと定めた。主権者、つまり政治の最高の地位にある者は国民であると明言し、天皇の地位は国民の総意に基づくという。天地がひっくり返ったとはこのことじゃ」

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月18日 (土)

小説「死の川を越えて」第293回

「改めて人間であることを宣言するとは、天皇は血が通った心を持った人間ではなかったということですか」

 万場老人が答えた。

「うむ、天皇の祖先は神であり、天皇自身も神の子孫、つまり現御神(あきつみかみ)とし、日本国民は他の民族に優越せる民族であって、世界を支配すべき運命を有するという架空の考えをこの宣言は否定したのじゃ」

 正助が言った。

「俺は昨年のラジオで天皇の終戦を告げる声を聞いた。あのこえには国民を思う心が現われていた。あれは、血が通った人間の声に間違いない。だとすれば、天皇はもともと人間なのに俺たちは神だと思い込まされてきたことになる。これは、国が国民を騙してきたことではないですか」

 水野高明が大きく頷いて身を乗り出すようにして言った。

「その通りですよ、正助君。一億国民を神話によって騙した壮大な詐欺行為であったことになる。戦争は聖なる戦いで、私たちハンセンの患者は聖なるものを汚す国辱と扱ってきたのも、辿れば天皇が神だという一点に突き当たる」

「先生、以前先生の部屋で酒を酌み交わしながら議論したことを思い出します」

「いや、私もいま同じことを考えておりました。天皇の人間宣言は、日本国民を縛ってきた魔法を解く呪文の言葉でもあった」

「ハンセンの患者も呪文が解けて変わるのでしょうか」

 正助の言葉を受け止めて水野は言った。

「全てこれからの国の動きにかかっています。しかし、受け身ではいけませんぞ。魔法が解けただけでは何も変わらないのだ」

 それまで黙って聞いていたさやがきっと顔を上げて言った。

「正太郎が戦場へ出かけたのも騙されたと言っては言い過ぎですか。あの子はどこかで生きているでしょうか」

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月17日 (金)

人生意気に感ず「全国の緊急事態宣言。この時期に国会議員が風俗に。欧米で減少の微かな兆し」

 

 

◇コロナウイルス戦争で歴史に刻まれる事態が生じた。緊急事態宣言の対象地が全国に広がったのだ。宣言は16日夜に行われた。この日の夕方早くも号外が出た。報道では、大方の国民は受け容れ、遅きに失したという声も聞かれる。

 

 私は毎日、世界の感染状況を伝える新聞の一覧を切り抜いている。酷いのはヨーロッパとアメリカである。先進国の中で日本の被害数は極端に少ない。しかし、巨大都市東京は大爆発、大炎上の寸前と言える。ニューヨークと同様な道を辿ることが強く懸念されている。47日の7都府県対象の宣言は必要なものであったが不徹底だった。狭い日本列島は一体化している。7都府県は他の自治体と密接に結びついているから「三密」の呼びかけも徹底できない。全国民が一体となって力を合わせなければヨーロッパやアメリカの後を追うことになる。感染は燎原の火のように全国に広がりつつある。これを止めることが今回の全国対象の緊急事態宣言の目的である。

 

 今最も求められることは何か。国民一人一人の自覚であり、それを促す政治の力である。日本は進んだ民主主義国で民度も高い。大きな災害を乗り越えた歴史がある。その全てが試される時を迎えている。

 

◇「第三次世界大戦だ」という声も聞かれる。日本全体が一つになるべき時、政治の信頼は極めて重要である。このような時、こともあろうに国会議員が歌舞伎町の風俗店で遊んだことが報じられている。49日夜のことで、立憲民主党の高井議員である。47日の緊急事態宣言の2日後である。都では小池知事が悲壮感に駆られた様子で外出自粛を呼びかけていた。歌舞伎町と言えば日本最大の歓楽街で、コロナウイルスに関して最も要注意の場所である。当の風俗店で働く女性は「私を抱いた国会議員」と話しているらしい。国民の中には国会議員は皆あんなものと受け取る人も多いに違いない。事の重大さから言えばかつて週刊誌で報じられた本県の謀議員以上の醜態である。

 

◇今回の宣言は56日までだ。大型連休で多くの人が移動するのを阻止するためである。全国の知事が強権を発動出来る。地域の特性を踏まえつつ、政府と連携すべきだ。地方の時代の正念場。欧州では徐々に静まる兆しが出てきた。トランプもピークは過ぎたと表明した。日本が終息に迎うことは世界に希望を与える。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月16日 (木)

人生意気に感ず「群馬に真の危機が迫る。アメリカの醜態と中国の躍進。健康シルクロードの行方は」

 

 

◇安全と言われた本県で深刻な状態が加速している。社会と個人のために「正しく恐れる」ことは非常に重要である。そのためには正しい情報が欠かせない。「敵を知り己を知らば百戦危うからず」。この孫子の兵法は時を超えてコロナ戦にも当てはまる。

 

 県内感染者が百人を超えた。公式に判明している感染者を遥かに超えて感染者の大群があるらしい。厚労省などの全国調査の結果は衝撃である。「375度以上4日以上の発熱者」は県内に332人と報じられた。(331日と41日の全国調査)。この数字は公になることを恐れじっと耐えている人がいかに多いかを物語る。これら発熱者は職業によっても異なると言われる。対人サービス、外回り営業などが最も高割合なのだ。今後、県内の公的感染者は急増するに違いない。対策は個人が「三密」を避けマスク、手洗いを徹底する以外にない。緊急事態宣言には強制力がないから個人の自覚にかかっている。これらの対策は薬が発見されるまでの「時間稼ぎ」でという重要な意味がある。ノーベル賞受賞者数が示すように日本の科学力は世界に誇るべきものだ。これを世界人類のために役立てねばならない。コロナに国境は通じないから世界は今こそ一つになるべきなのにそれが出来ないでいる。その理由は何かを私は訴えたい。

 

◇これまで、世界の衛生に関しリーダーの役割を果たしてきたアメリカが惨めな醜態を晒している。その元凶の一つは「アメリカ第一主義」である。偏狭なナショナリズムは人権と民主主義に反するもの。アメリカが世界のリーダーとして認められるのは「人間は平等」という建国の精神故である。コロナウイルスの問題を「政局」にしてはならない。これは日本国内ばかりでなく世界にあてはまるものだ。現在のニューヨークの惨状は地獄のようだ。トランプを支えたものは空然の好景気だった。今や1929年の世界恐慌以来の不況に襲われている。これは目前の大統領選に大きく響くだろう。

 

◇中国がマスク外交を展開している。コロナの発生源として拡大を抑えられなかった原因は中国にある。押さえ込みに目処を付けた中国は「健康シルクロード」を掲げ、汚名の返上と共に覇権を広げる絶好の機会と捉えている。群馬日中友好協会にも良質のマスクが送られてきた。それは今後も続く予定。コロナが去った後、世界の状況がどうなるか私の最大関心事である。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月15日 (水)

人生意気に感ず「独首相メルケルの言葉。本県の危機が迫る。「三密」の徹底を」

 

 

◇ドイツのメルケル首相は全国民に呼びかけた。それには危機に立つ宰相の姿勢として大いに学ぶべきものがある。ドイツの首相ということに私は特別のものを感じる。首相は「第二次世界大戦以来我が国に於いてこれほどまでに一致団結を要する挑戦はなかった」と訴える。安倍首相も戦後最大の危機を叫んでいる。日独両国は第二次世界大戦で廃墟となり共に奇跡の復興を果たした。生まれ変わった姿も共通している。三国同盟を結んだことが示すように両国は全体主義で自由や人権を認めない侵略国家だった。メルケルは次のように言う。「私たちはオープンな民主主義国家ですから私たちが下した政治的決定は透明性を持ち詳しく説明されなければなりません」。民主主義国家という言葉が私の胸に重く響く。

 

 メルケルが国民の理解を求める核心は次のことである。「コロナウイルスの治療薬もワクチンもまだ発見されていません。発見されるまでの間に出来ることが一つだけあります。それは感染拡大の速度を遅らせ、時間稼ぎをすることです」。この「時間稼ぎ」という表現は非常に分かりやすい。では時間稼ぎのための手段は何か。それは自由の制限であることを具体例を挙げて説明する。イベント・見本市・コンサート・学校・保育施設などの中止、旅行や公園で遊ぶことなどである。

 

 メルケルは自由の制限に関して更に言う。

 

「私たちはこの自由を苦労して勝ち取った。民主主義国家に於いてこのような制限は絶対に必要な場合にのみ正当化されます」。

 

 この「苦労して勝ち取った自由」につき、私は直ぐにベルリンの壁を思った。多くの人々が壁を越えようとして命を落とした。今、私の目の前にベルリンの壁の一片がある。平成3年の視察の際、現地で入手した物だ。当時私は生々しい弾痕を見て衝撃を受けた。メルケルは最後に極めて日常的なことを訴える。握手をしない、丁寧に頻繁に手を洗う、人と少なくも1.5mの距離を置く、お年寄りとのコンタクトを避けることなどである。安倍首相もこのような心あるメッセージを国民に発信すべきである。

 

◇県内でコロナ渦が不気味に広がっている。感染の累計は96人に達し、そのうち4人が死亡した。厚労省の調査では37.5度以上の発熱が4日以上の人が332人。私は氷山の一角だと思う。「三密」を徹底したい。危機打開は私達の手に。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月14日 (火)

人生意気に感ず「パニックが広がる。誤解と偏見が。感染症の歴史を。猖獗(しょうけつ)のニューヨーク」

 

 

◇現在コロナウイルスと闘う上で免疫力などの人間の力が注目されている。高齢者や基礎疾患のある人はこういう力が弱いために重症化し死に至る率も高いというのは理解しやすい。

 

 この関連で興味ある現象はコロナウイルスに対し女性の方が強いらしいことである。感染者全体に占める死者の割合は男性の場合7割強と言われる。女性は本来生命を産む存在であることから生命力に於いて優れていると言われる。これと関係があるのだろうか。極限状態で生き延びるものも多くは女性である。昭和60年の日航機事故の時何人かは奇跡的に助かったが全て女性であった。

 

◇世の中がパニックに陥り始めた。パニックとは端的に言えば心の動揺である。それは得体の知れない未知の物に対する不安である。つまり、正しく事実を確認できぬことと相まって誤解や偏見が生じ、いじめも生まれる。

 

 私はハンセン病に取り組み患者たちを極限にまで追い詰めた要因が差別と偏見であることを知った。昨年11月、草津の栗生楽泉園に人権の碑が建てられた。私は建設委員長として関わった。碑に刻まれた言葉「私たちは人間の空を取り戻しました!」に怨念と命の喜びが躍動している。

 

 先日ハンセン病国賠訴訟で中心的役割を果たした人と前橋市で会った。この人はハンセン病患者を苦しめた差別と偏見の問題が現在ウイルスに関して頭をもたげようとしていると語った。人は未知なる物を恐れ、その発生源を見つけ出し排除しようとする。人間にとって永遠の課題である。無知がそれを助長する。人権の座標軸を心に持つことが一つの救いとなるといえる。

 

◇コロナウイルスの場合、その歴史を知ることが無知から抜け出すためにも重要である。人類の歴史は感染症との戦いだった。中でもコレラ、ペストは有名で、ペストは黒死病と恐れられ、中世西ヨーロッパの農村人口を激減させた。近代に入り約200年前にはコレラが世界的に大流行し日本でも多くの死者が出た。そして100年前にはスペインかぜである。今回の新型コロナウイルスは長引く可能性がある。私たちは「正しく恐れ」、「正しく耐えて戦う」覚悟が必要だ。アメリカがパンデミックの中心となった。最も感染者が多いのは東部ニューヨーク州だ。東京都がニューヨークと同様な経過を辿ると懸念されている。同じにはならないと信じる。(読者に感謝)

 

 

 

 

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2020年4月13日 (月)

人生意気に感ず「伊勢崎でクラスター発生か。民主主義が試練に。民本人の民度を示せ。スペインかぜに学べ」

 

 

◇とうとう恐れていた事態が本県にも訪れた。しかし、これは未だ序の口だろう。安全神話は消し飛んだ。県内の感染者は11日現在、計79人に。11日だけで感染の確認は35人。そのうち33人は有料老人ホーム「藤和の苑」の関係者。クラスターの発生に違いない。「伊勢崎で大変なことが起きているぞ」同市の友人の声には危機感があふれていた。

 

◇安倍首相は11日、繁華街への外出自粛要請を全国に拡大する方針を表明した。繁華街の接客を伴う飲食店がクラスター(感染者集団)の温床と判断した結果である。安倍首相の対応姿勢に対しては「手ぬるい」、「後手で遅すぎる」等の声がしきりである。この声の背景に中国情勢の推移を感じる。

 

 中国は一党独裁の国だから危機に際し一気に思い切った強行策がとれる。一番の発生源である武漢で都市封鎖を行ったために拡大を食い止めいち早く沈静化させたことを世界に発信し誇りにしている。そして、欧米は現在最悪の状況である。民主主義の元祖たるフランスやアメリカが地獄と化している。これらと中国を比べた場合に多くの人々はどう思うだろうか。民主主義は無力で中国のような独裁で全体主義が優れていると考える人は少ないはずだ。しかし、全体主義(独裁主義)と民主主義の優劣は短いスパンで考えるべきではない。民主主義は長い歴史の試練を経て生きている。

 

 第二次世界大戦は全体主義と民主主義の間の戦いであった。現在、コロナウイルスという予期せぬ敵を相手に民主主義は正念場に立たされている。私たちは動揺することなく現在を戦いぬくべきである。

 

◇私は昭和15年生まれで間もなく80歳を迎える。戦中戦後の極度のハングリーの中を生きた。赤城の麓の小学生時代、授業中に肛門から長い回虫がにじり出たことや前の席の女の子の髪に白いシラミが動いていた光景などが今でも鮮明である。物の豊かさの中で現代の日本人は心の豊かさを失った感がある。コロナウイルスの勢いが先進国の中で比較的に弱いのは日本人の民度と国民性に一因があると思う。「腐っても鯛」という。未だ日本人の優れた点は健在なのだ。危機に本質が現れる。コロナ感染者、特に医療関係に対する偏見には心を痛める。県議時代、スペインかぜの再来に警鐘を鳴らした。あの時4年間も断続的に長引き県内で4,500人以上の死者が出た。今回も長引くと思われる。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月12日 (日)

小説「死の川を越えて」第292回

 ここでは、万難を乗り越えて恒久の平和を築いていくという天皇の決意が述べられている。

「うーむ。天皇の声も大変じゃが、中味はそれ以上に大変じゃ」

 万場老人がポツリと言った。

「もし、民主主義の世の中が本当に来るとすれば、私たちの出番なのだ」

 水野は興奮気味に言った。

 天皇の肉声による終戦の召書は、当然のことながら日本中に反響を起こした。その凄まじさは、広島・長崎の比ではなかった。多くの国民が皇居前に伏して泣きながら不忠を詫びた。朝日新聞の記者の記事には次のような文言がある。「私は天皇陛下と叫び、おゆるし、とまで言ってその後の言葉を続けることができなかった」

 ムッソリーニが敗戦の責任を非難されて民衆に銃殺されたことと対比すると日本という国の特色、国民の天皇に対する思いというものがよく現われている。

 この年の11月の群馬県議会の状況は敗戦後初の県会に於ける行政の姿勢を現すものであり、戦後の地方社会の原点を示すものである。

 知事は開会の辞の中で次のように述べた。

「私たちはひたすら刻苦精励し耐え難きを堪え、忍び難きを忍んで忠実に共同宣言を履行し、道義の高き文化的平和国家を建設し、国家の運命を将来に開拓しなけばならない」

 次いで登壇した議長は次のような決意を示した。

「今後、日本民族の上に山積する苦難窮之は想像以上に深刻であろう。それは恐らく戦時中に数倍、数十倍であろうがいかなる事態に立ち至っても我等国民は平和日本再建のためにあらゆる苦難を突破し、いばらの途を切り拓き民族永遠の発展を企画せねばならない」

 明けて昭和21年になると革命ともいう社会変革の大波が怒涛のように日本国民の上に押し寄せた。先ず、昭和21年1月1日、天皇によりなんと「人間宣言」がなされた。このことが知らされた時、人々は不思議そうな顔をした。こずえは言った。

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月11日 (土)

小説「死の川を越えて」第291回

「おお・・」

「まさか」

「天皇陛下が自ら放送なんて、本当か」

 人々は全く予期せぬことなのでそれぞれが一斉に驚きの声を発した。

「わしは生きている内に天皇陛下の声を聞けるなんて夢にも思わなかった。信じ難いことじゃ」

 万場老人はそう言いながらラジオの前で姿勢を正した。

「朕、深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置をもって時局を収拾せんと欲し、ここに忠良なるなんじ臣民に告ぐ」

 正に天皇の声であった。天皇の声は聞いたことはなかったが、その抑揚と響きは尋常ではないものを感じさせ、天皇の声と言われたこともあって、これこそ天皇の声と思わせるものがあった。非常の措置をもって時局を収拾するとは何のことか。万場老人は混乱する頭で日本の未来を描こうとした。非常の措置で時局を収拾とは、戦争を止めることだと水野は直感した。水野は新型爆弾について天皇がどう発言するのか知りたかった。天皇の声のそのことに関する部分は、心なしか水野の胸に悲しそうに響いた。

「敵は新たに残虐なる爆弾を使用し・・・惨害の及ぶところ、眞に測り知れない。しかもなお、交戦を継続すれば、ついに我が民族の滅亡を招くのみならず、人類の文明をも破却すべし」

 これがポツダム宣言を受諾した理由であった。天皇は、犠牲となった多くの国民のことを思うと「五内為(ごだいため)に裂く」、つまりはらわたが裂ける思いだと心中を現し、次のように続けた。

「今後、帝国の受くべき苦難は固より尋常にあらず、なんじ臣民の衷情も朕よくこれを知る。然れども、朕は、時運のおもむく所、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、以て萬世の為に太平を開かんと欲す」

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月10日 (金)

人生意気に感ず「格差を直撃するコロナ。緊急事態の対象地域は拡大する。黒人に多い比率」

 

 

◇貧困の時代と比べたら一見目も眩む豊かな社会が続いた。終戦直後の極度に貧しい時代に少年時代を過ごした私にはこの豊かさは蜃気楼か砂上の楼閣に思えることがあった。

 

 コロナウイルスの来襲はこの状況を一変させた。経済が一気に落ち込む様は経済大国が金縛りにあったようだ。路頭に迷う人々があぶり出されている。家がなくネットカフェで暮らす人が東京では1日当たり4000人もいるという。緊急事態宣言の結果、ネットカフェが営業しなくなれば、これらの人は路頭に迷いかねない。また、ある情報源から私は性風俗で働くシングルマザーの状況を耳にした。

 

 このビジネスは人倫に反する面があることは否定できないし、背景には暴力団の影もちらつく。そこでこれらのビジネスには国の救いの手が及ばないということが報じられた。人道主義、人権の見地からは救うべきだという世論に押され検討されることになったらしい。新型コロナ現象ともいうべきか物の豊かさのために浮き足立った現代人の心がショックを受けている。緊張感を取り戻し、忘れていたハングリー精神を思い出す機会になっているのではないか。

 

◇緊急事態宣言の対象地域は状況に応じて広げるべきだ。現在は、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県だが、各地の状況はウイルス蔓延の波が押し寄せる中で、愛知県と京都府での変化が報じられている。これら地域の側から対象地域に加えて欲しいとの要請が出されている。これらの地域の状況が要件を満たすなら対象地域に加えるべきだと思う。知事からの要請に応じることは一方的な強権の発動と比べ民主主義的である。愛知県は、県独自の緊急事態宣言を出すとも言っているが首相の宣言となれば重みが違う。それは市民の心理に与える影響の大きさを意味するのだ。躊躇すべきではない。

 

◇世界の感染者は増加の一途である。9日現在、全世界で150万人に迫り、イタリアでは1万7千人を超え、日本国内も5千人を超える状況である。最も感染者が多いのはアメリカで43万人を超えた。注目すべきは黒人の比率が非常に高いことである。普段の健康状態の悪さ、在宅勤務が難しい職種が多いなどが指摘されている。ニューヨーク州知事は「貧しい人ほど代償を払わされている」と強調する。これは世界の貧しい国々の縮図といえるのではないか。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 9日 (木)

人生意気に感ず「緊急事態宣言の意味。国難の時の宰相。知行合一を示す時」

 

 

◇安倍首相は7日、7都府県を対象に緊急事態を宣言した。背景には緊迫の状況が迫っていた。都内の感染者は急速に拡大し宣言を求める声は日に日に高まっていた。医療の責任者等は首相に会って「医療面は危機的状況」、「このままでは感染者は倍々ゲームになる」等と迫ったと言われる。これらを踏まえて首相は記者会見に臨んだ。「現在のペースが続けば2週間後には1万人、一ヶ月後には8万人を超える」と指摘し、「医療現場を守るためあらゆる手段を尽くす」と決意を示し、また「地方への移動は巌に控えて欲しい。地方には重症化リスクが高い高齢者がたくさんいる」と述べた。更に首相は「戦後最大の危機を国民の皆様と共に乗り越えていく決意」と強調した。正に国難の時。何度も繰り返すようだが、日本は最大の試練の場に立たされている。

 

 このような時、リーダーには冷静さと強い指導力が求められる。首相の胸には東日本大震災の状況がよみがえっているに違いない。当時の管直人首相には命がけの姿勢が見られたが勇み足と非難される面があった。

 

◇私権の制限に及ぶ強権の発動には慎重さが求められる。首相が事前に国会に説明したことは当然である。日本の現状は民主主議が試されている場面である。独裁国では今回のようなことはトップの一声で、時間をかけずに実行されたかも知れない。しかし、効率の良さが国を誤らせることは歴史の示すところだ。

 

 民主主義の下では、特措法改正による緊急事態宣言を可能にするために国会の議論が必要であった。振り返って安倍政権のここに至る手際は良かったと思う。

 

◇重要な点は「都市封鎖」(ロックダウン)は行われないことである。都市封鎖となれば東京都の社会経済機能は失われる。道路が封鎖されることはないし、電力・ガスなどのインフラやテレビ・新聞などのメディアも継続される。綱渡りとの感もあるが国と都との協力、そして何よりも都民の自覚で私は乗り切れると信じている。阪神大震災、東日本大震災の時、略奪が起きず、整然としていた日本国民を外国のメディアが驚嘆の目で報じていたことを思い出す。

 

◇県内で女児ら3人の感染が確認され県内感染者は29人に。山本知事は県内でも外出自粛を要請した。私は適切だと思う。知事には雑音を気にせず断行して欲しい。知行合一の体現である。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 8日 (水)

人生意気に感ず「朝日新聞『ひと』欄の報道。緊急事態宣言出る。山本知事の先手」

 

 

◇7日、朝日新聞「ひと」欄で私のことが予定通り紹介された。反自民党を貫く天下の朝日である。それが元自民党群馬県議をタイトルにつけた記事を出したことで反響があった。差別と人権、せんべい屋、定時制と東大、知的障害のある息子、このような事実が的確に表現されて、削り込んだような文章である。文の中で、初代群馬県令楫取素彦と公娼廃止、草津を舞台に描いたハンセン病をテーマにした私の「死の川を越えて」、全国紙群馬版に於ける足尾鉱毒事件連載についても触れている。

 

◇7日、安倍首相は緊急事態宣言を出した。この事態はコロナウイルス世界大戦の中に位置づけられる歴史的出来事である。欧州とアメリカでは手が付けられないような状況が進行中である。その中で日本の状況は奇跡的に被害が少ない。しかし、巨大都市東京の実態はニューヨークが辿った姿に似ている。嵐の前の静けさなのか。世界の注目が集まる。そんな中の緊急事態宣言である。小池都知事はこれを待って準備していた。

 

 私が最も注目するのは「医療崩壊」に関することである。医療施設もマンパワーも危機的だ。だとすれば民間の施設も当然活用しなければならない。そのためには有無を言わせない強権の発動も必要だ。ホテルを軽症者の医療施設に使うという。ホテル以外の民間企業も最大限戦列に参加すべきである。対ウイルス戦に於ける産学官の連携である。

 

 春うらら菜の花桜咲き乱れ。昨日、車で郊外に出た。春のまっただ中の光景を見て、私は例年にない特別のものを感じた。この春の向こうに夏が近づいている。暖かくなるとウイルスの活動は弱くなるのだ。皮肉なことであるが、夏の異常高温は対ウイルス戦に於ける最大の援軍かも知れない。古来、戦いは「地の利、人の和、天の時」で決まると言われてきた。この中で人の和は最大の要素であるが、ウイルスが高温に弱いことを考えると、今回、天の時は重要である。これを活かすものは人知であり、日本の社会力である。

 

◇7都府県対象の緊急事態宣言を受け、山本知事は本県内でも不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。知事は「対象県の隣接県だから先手先手の対策が必要」と説明。群馬県の地理的状況を考えると、知事の決断は妥当だと思う。対象都府県の隣接県が全て同様な措置をとれば効果的だと思う。かつての大阪城の外堀を想像する。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 7日 (火)

人生意気に感ず「医療崩壊迫り緊急事態宣言に。世界の感染は120万を超えた」

 

 

◇新型コロナウイルスの惨状は地球的規模になってきた。ここで「医療崩壊」という事態は最も深刻なことの一つと言わねばならない。なぜならこれは、「病」から命を守る手段である医療がその役割を果たせないことだからである。

 

 日本でも東京都などの大都市で、また世界ではイタリアなどの国で、またニューヨークなどの大都市でこの医療崩壊が近づき、あるいは既に渦中にある。ニューヨークの市長が救いを求めて悲鳴をあげ、マスコミはニューヨークの惨状を「地獄絵」と報じている。小池都知事が非常事態に対し都民に「新たな状況に入った。それぞれが身を守る努力を」と訴える様は、事実上の緊急事態宣言の感を与える。都の医師会は「医療崩壊の入り口にある」と述べている。首相は遂に宣言の決意を固めたようで7日にも発せられるらしい。

 

◇今日の困難を乗り越えるために他と助け合うことが非常に重要であることは当然である。しかし同時に「自分の身は自分で守る」ことが重要であることを訴えたい。全国どこでも感染状態となり医療機関も頼れない事態を覚悟すべきだからである。

 

◇首相は今日明日にも緊急事態宣言を行うと言われる。対象地域は首都圏に加え大阪府や兵庫県も候補にあがっている。この宣言の要件は①国民の生命健康に著しく重大な被害を与える恐れ、②全国的で急速な蔓延により国民の生活、経済に甚大な影響を及ぼす恐れである。

 

 首相はこの要件を満たすと判断した模様だ。この宣言後、対象自治体の知事の権限は強化される。つまり、知事は学校や映画館などの使用制限や停止を要請指示できる。これまでもこれらにつき要請してきたが法的根拠をもつことになる。緊急事態宣言と一体となって、市民に対する心理的影響は極めて大きいだろう、また、臨時の医療施設を設ける際に土地や建物を所有者の同意なしに使用したり医薬品を強制収用したりといった措置も可能になる。これは憲法が保障する私権の制限にかかわるが公共の福祉に基づく制限である。

 

◇感染者の爆発的な増加により病床数が追いつかない恐れが高く「医療崩壊」に一歩踏み入れた状態だった。「宣言」により病床確保が容易になる。ホテルを転用したりプレハブ小屋を応急に準備したりなど、臨時の医療施設を強権的につくれるからだ。

 

◇米国も酷い。トランプは「たくさんの人たちが亡くなるだろう」と述べた。世界の感染者は120万人を超え死者は6万も超えた。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 6日 (月)

人生意気に感ず「朝日新聞『人』の欄に。田中正造の小冊子を希望者に。田中正造旧宅に向かう」

 

 

◇朝日新聞の「ひと」の欄で明日火曜日、私が紹介される予定である。「人権の碑」建設などに動いたことで過日取材を受けていた。どのような記事になるかは分からない部分もあるが、ハンセン病の患者たちが差別と偏見に立ち向かって生きた物語「死の川を越えて」についても触れられるかも知れない。これは上毛新聞で一年余りに亘り連載された小説である。草津の山中を流れる湯川の辺(ほとり)が物語の出発点となり、同じく草津町の栗生楽泉園もその主な舞台の一つとなっている。

 

 朝日の取材は昨年末であった。その後長くかかったのは、私が前橋市長選の中心にいたことと関係があったようだ。つい先日、本社からの電話で、火曜日(7日)の予定と知らされた。この欄で敢えて触れるのは「人権」で一石を投じたいという年来の私の思いと関わるからだ。

 

◇現在毎日新聞群馬版で「よみがえる田中正造」を連載中である。既に掲載された分を小冊子にした。私の事務所の手作りで、表紙の絵は岡田啓介氏が描いた。希望者には無料で差し上げているので連絡して欲しい。冊子制作の目的はその巻頭の「はじめに」で示した。次の一文である。

 

「田中正造は渡良瀬川の鉱毒問題に生涯を懸けました。帝国議会の議員を辞し、死を覚悟して決行した明治天皇直訴は社会に異常な衝撃を与えたのでした。公害運動の元祖と呼ばれます。田中は死の前年、日記に記しました。『真の文明は山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さざるべし』。今日、環境破壊が進み地球の滅亡が叫ばれていますが、田中のこの言葉は極めて今日的意味をもっています。この言葉を噛み締める時、田中は偉大な予言者であったと思われます。

 

 今日なお文明の暴走は止まりません。にもかかわらず政治の信頼は地に落ち、田中のような指導者は現れません。今こそ、田中を甦らせる時です。これが毎日新聞連載の動機です。少しでも多くの人の胸に届くことを願うばかりです。令和2年4月1日 中村紀雄」

 

◇次回連載は4月11日(土)。重要な部分の一つ、川俣事件の核心に迫る。天皇直訴の序曲とも言うべき場面である。今日は川俣事件の資料調査で栃木県佐野市の田中正造旧宅に向かう。尚、5月9日予定の館林市田中正造記念館主催の私の講演は中止となった。コロナ新型ウイルスの被害である。田中はこの事態を天国でどう見ているだろうか。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 5日 (日)

小説「死の川を越えて」第290回

 運命の8月を迎えた。連日のように各地の都市がB29による空襲を受けていた。そして、8月5日の夜、群馬県の県都前橋の大空襲となった。22時30分、92機のB29が前橋の空を覆い尽くすように飛来し、焼夷弾を雨のように落とし、前橋市街の大半を焼き、死者は535人に達した。火の海と化した前橋の惨状は、翌日には万場老人たちの耳にも達した。万場老人たちは、B29による火の海の炎に追い立てられるような恐怖を感じた。

 8月6日午前8時16分、広島市は人類初の原爆に見舞われた。8月8日の朝刊は、敵は広島に「新型爆弾を使用」、詳細は目下調停中としつつも、「人道を無視する残虐な新爆弾」と表現し、「このような非人道なる残忍性を敢えてした敵は最早再び正義人道を口にすることはできない筈である」と報じた。敢えて慎重控え目に報じようとしていることが窺えるが、その恐るべき実態は間もなく津々浦々に届くことになった。

 8月14日ポツダム宣言受諾が報じられ、また15日正午に重大な放送があるから国民は聞くようにとの通達が県から市町村に流れる。万場老人たちは新型爆弾の被害を知って、新国民放送局が時間がないと言って必死に日本人に訴えようとしていたことがはっきりとわかった。

 今度は行政が通達で重大放送を聞くようにと指示している。一体何であろうか。事態の推移から、日本国の運命が報じられることは想像できた。万場老人の下に集まった人々は胸の秒針を一秒一秒刻む気持ちで正午を待った。

 正午の時報が鳴ると直ぐにアナウンスが流れた。

「かしこくも、本日正午、天皇自らご放送あそばされます。国民は一人残らず謹んで拝しますように」

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月 4日 (土)

小説「死の川を越えて」第289回

「本当に最後の機会となりました。しかし、私が伝えたいことはもう一つ別にあります。それは、民主主義の復活ということです。あるいは、新の民主主義の創立というべきかも知れません。つまり、言論、宗教、思想の自由を含む基本的人権の尊重の確立が絶対的な力で日本に命令されたのです。そういう新しい社会が確実に訪れるのです。そういう事態を軍部は理解せず、まだ本土決戦を考えでいます。本当に時間がありません」

 放送が終わった時、水野は興奮して叫んだ。

「どうです、聞きましたか。基本的人権の尊重の確立と言っているではありませんか。戦争に負けることなど口にすれば国賊です。しかし、唯負けるだけではないのですぞ。負けて天賦人権が実現するとは夢のようです。天賦人権とは天から与えられた人権という意味です。人間には、人間として生まれた以上当然に尊重されるべき人権がある。それが、今放送にあった言論、宗教、思想の自由、そして平等が認められる等です。私は今、思わず興奮してしまいましたが、これを特高や憲兵に知れたら間違いなく逮捕されます」

 水野は汗をぬぐいながら言った。

「一つの光明に違いないが、基本的人権の尊重ということも廃墟から立ち上がらなければ実現しないと思う。住む家がなく、食う物がなくては人権と言っても絵に描いた餅じゃ闘いとらねばならぬ。同じことは我々ハンセン病の患者にも言えること。戦争に破れた瞬間に新しい闘いが始まることじゃ。しかし、それは希望のある闘いじゃ。我々は、これからの大混乱の中で、先の光明を信じて新しい闘いを目指さねばならぬ」

 万場老人の絞り出すような一語一語に、皆深く頷くのであった。

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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2020年4月 3日 (金)

人生意気に感ず「感染者は100万人に。院内感染の恐怖。まったなしの緊急事態宣言」

 

 

◇世界中で大変なことが起きている。アメリカではニューヨークを中心に異常事態が拡大している。アメリカの死者は最大で150万~220万人に達すると分析されている。トランプ大統領は語った。「これは驚くべき数字だ。全ての米国民が目の前のつらい日々に備える必要がある。これは生きるか死ぬかの問題だ」

 

 日本も異常事態にあると見るべきだ。特に大都市を抱える東京・大阪・神奈川・愛知・兵庫で医療体制が切迫。今日にも抜本的な対策が求められている。日本医師会は「緊急時代宣言」を一刻も早くと強調している。この地域で非常の措置をとらねば欧米と同じことが起きるに違いない。私のまわりから安倍首相は何をしているのかという苛立ちの声が聞こえる。

 

 欧米でも日本でも新薬が切実に求められている。既存の薬で注目されているのが「アビガン」である。これはインフルエンザ治療薬であるが、新型コロナウイルス治療薬として効果が確認されている。薬は人々の心に限りない安心感を与える。黒い雲で覆われた天の一角に出来た青い空のようである。

 

 大都市で感染者が拡大している。一日、新たに262人が確認された。都内では1日で66人である。このうち40歳代までが約7割を占める。若者は活動範囲が広いからだろう。また、新年度を迎え、人の集まりが増える時期と重なっている。若者は高齢者と比べ強気であり、「へっちゃらだ」という気持ちもあるだろう。若者の胸に危機感を生じさせるには首相の強いメッセージの発信が不可欠だ。

 

WHOは数日内に感染者は100万人を死者は5万人を超えるとの認識を示した。3月26日に感染者は50万人を超え、それから約1週間で倍増した。この先を予想することは空恐ろしい。感染の中心が中国から欧州とアメリカに移った。死者は4月2日現在イタリアが13,255人、アメリカが5,137人となった。日本国内の感染者もほぼ全国に広がった。4月2日現在感染者ゼロは岩手・鳥取・島根の3県のみとなった。この3県で感染者が出るのも時間の問題だろう。

 

◇各地の病院で院内感染が広がり始めた。都内の永寿総合病院が先日大きく報じられたが、今度は北九州の新小文字病院で医療スタッフの集団感染が判明。地域の医療崩壊につながる。まさかの事態に群馬県も備えねばならない。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 2日 (木)

人生意気に感ず「爆発する世界の感染者。7月23日の五輪開幕。八ッ場の完成と私の人生」

 

 

◇世界の感染者数が80万人超と発表された。地球の状況は沸騰の坩堝(るつぼ)のようだ。しかし世界には感染者数を把握できない国や意図的に正確な数を表明しない国が多数あるに違いない。仮に正しい感染者数が分かるとすればそれは何百万人に達するのではないか。空恐ろしい事態が進行していると見なくてはならない。数字をつかめない国や地域で新型コロナウイルスは変異を重ねながら猛烈に動き、ある日途方もない数の死者をもたらす可能性がある。アフリカ大陸、中南米、インド、東南アジアなどが不気味である。

 

◇人類とコロナウイルスの大戦で唯一の活路は世界が手を結び英知を結集すること以外にない。その一つのきっかけは「7月23日」というポイントである。東京五輪の開催日がこの日に決まった。この日が現実のものとなるか否かは世界各国の協力がいかに進むかにかかっている。先進国はワクチンの開発などで全力を傾注すべきだ。地球的レベルでの産学官の連携を進めるべきだ。その中で日本の役割は極めて大きい。巨大都市東京都の動向はこのような世界情勢を動かす一つの重要なカギである。

 

◇東京都の注目点は「緊急事態宣言」である。法の筋書きは安倍首相が宣言を出し、それを踏まえて小池知事が具体的に非常の措置を打ち出す。息を呑む瞬間である。直ちに出さなければ手遅れになるという苛立ちの声が聞こえる。一方で経済の大混乱、大停滞を恐れて政権中枢では綱引きが行われている。経済よりも人命だと訴えたいが、経済と人命が密接に結びついているのも事実である。

 

◇八ッ場ダムが68年ぶりに完成した。この年月と共に私には格別の思いがある。ダム計画の発端は1947年(昭和22)のカスリン台風で、私は小学校1年生だった。旧宮城村の通学路にかかる二つの橋が流された。後に県会議員となって私は八ッ場ダム推進議連の会長として現場に足を運び、議会を含めた賛否の議論の渦の中にいた。天明の浅間焼けのことがいつも頭にあった。下流の一都五県の運命がかかっている。68年の歳月の中で状況は大きく変化し地球規模の大災害の時代に入った。下流地域の治水と利水が格段に重要となった。八ッ場ダムは試練の場に立たされている。台風19号ではあっという間に満水に達した。東京のゼロメートル地帯に密集する人々の運命にもかかわるダムである。(読者に感謝)

 

 

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2020年4月 1日 (水)

人生意気に感ず「志村けんの死とコロナウイルス。自国第一主義とコロナウイルス。植松の死刑確定」

 

 

◇志村けんさんが29日、あっという間にこの世を去った。70歳の喜劇王の死は新型コロナの犠牲者として歴史に残るだろう。都内の病院で闘病中だった。都内は爆発的に感染者が増加中で特措法の非常事態宣言が出されるべき事態となっている。志村さんの死はコロナの海に漂流し波間に消えた姿を想像させる。

 

 ドリフターズは私もよく見て笑った。ドリフトは漂流するで、ドリフターズは漂流者である。私たちは羅針盤を持たない船で大海をさまよっているようなもの。志村けんさんの姿はそんな時世の中で多くの人々の共感を得たのだろう。「変なおじさん」、「ばか殿」の笑いの陰に淋しさを感じさせるものがあった。虚空を掴むようにして海に消える志村けんさんの顔は仮面をとった人間志村の優しい姿に見える。

 

◇新型コロナウイルスが全世界に広がる。この事態は期せずして世界の課題をあぶり出している。人類が窮地を脱する唯一の道は主義主張を超え、怨みを抑えて協力し合うことである。しかし、世界の現実はそれを妨げる障壁に満ちている。その第一が「自国第一主義」である。アメリカのような超大国がこれを掲げれば余裕がなくギリギリで生きている国々は御墨付きを得たように自分勝手に振る舞うようになる。世界が益々一体化する中で、貧困や争いがコロナウイルス拡大を助けている。西欧とアメリカで爆発的に広がりつつある。この波がアフリカや中南米に広がるのは間違いない。今、燎原の火のように広がりつつある。豊かな大国は自国の状況をしずめる努力と共にこれら行進国を助けなければならない。さもなければ、後進地域の大流行が先進国に押し寄せる事態になる。

 

 安倍首相は日本の政治家としては珍しい程世界の舞台で存在感を発揮してきた。その実績を活かす時がきた。彼の実態が本物だったか否かが問われている。アメリカ、フランス、ドイツなど世界の指導者との良好な関係を最大限活かさねばならない。

 

◇相模原大量殺傷事件の植松被告の死刑が31日午前0時に確定となった。弁護人の控訴を被告本人が取り下げたからだ。責任能力の有無の程度が問われた。植松は意思疎通不可の重度の障害者は人間ではない、社会に不要だとの主張を貫いた。確信犯というべきなのか。控訴取り下げで彼への謎は私の胸の中で深まった。死刑執行までを私は見守りたい。(読者に感謝)

 

 

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