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2019年4月30日 (火)

人生意気に感ず「楫取の現代的意義。日本の奴隷解放とは」

◇27日(土)のふるさと塾は気合をいれたつもりで臨んだ。それは今回のテーマの故であり、更には10連休ムードの影響で締まらぬものにしたくなかったからである。テーマは楫取素彦を新たな視点で語ることである。私が企画・原作の映画「楫取素彦物語」がテキサス・ヒューストンの映画祭で最高賞(歴史部門)を得たことには、私が訴えたい意味があった。それは今日の問題に深く関わる。楫取が力を入れた政策の一つは「廃娼」であり、「人権」という普遍的問題だった。国際映画祭は「女奴隷の解放」という点に注目したらしい。さすがは奴隷解放を成し遂げた国なのだ。初代県令楫取は廃娼に於いて群馬が金字塔を打ち立てたと評される功績をあげた。それは「人権」の問題であることに於いて極めて今日的である。

「ふるさと塾」では映画のいくつかの場面をパワーポイントで紹介したが、その中に娼婦が楫取邸を訪ねる場面がある。門衛は「お前たちの来る所ではない。帰れ帰れ」と追い払おうとする。そこへちょうど寿子夫人が現われて「お入りなさい」と言って招き入れる。楫取は寿子夫人の強い影響を受けたと思われるが、彼の胸の奥には学者として学んできた学問の中の人間尊重の哲学があった。私は吉田松陰が黒船に乗り込もうとした行為と共に「知行合一」の実現だと説いた。

◇この日、廃娼と同じ時代背景の中で起きた「奴隷船マリア・ルス号事件」を取り上げた。この出来事は明治5年であるが、群馬の廃娼に影響を与えたと思われる。私はこの話でアレクサンドル2世に触れた。このロシア皇帝はロシアの農奴隷解放を成し遂げた人であるが、マリア・ルス号事件が国際仲裁裁判になった時日本勝利の判断を下した皇帝である。開国間もない日本が国際舞台でクリーンヒットを放った出来事であった。奴隷として売られていくところであった中国人「苦力」は救われ、裁判を断行した大江卓に中国(清朝)は大変感謝した。日本の近代史は、中国との関係では暗い問題ばかりが語られがちであるが、それだけにもっと注目されて良い事件なのだ。私は日中友好協会の会長として特にそう思う。

◇ほぼ同時代の問題としてアメリカの奴隷解放にも触れた。松陰の黒船事件は1854年、奴隷解放宣言は1863年、そしてその翌年にリンカーンは暗殺された。アレクサンドル2世が暗殺されたのは1881年であった。(読者に感謝)

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