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2019年4月27日 (土)

小説「死の川を越えて」第185話

 ある時、萩野花子は、生徒に求められて古里を語った。

「私の故郷は土佐の高知よ。太平洋の黒潮が凄い勢いで流れているの。時々大きなしけがあって遭難する人もいるの」

「しけって」

 誰かが訊いた。

「台風で海が荒れることよ。家よりも高い山のような波が逆巻くの」

「わあー、こえー」

 誰かが大声をあげた。

「私の兄が漁に出てしけにあって、海に放り出されて無人島に漂着したの」

「へえー、それで助かったの」

「約1か月、アホードリをつかまえて食べ、カツオブシをかじって耐えて助かったの。カツオブシはね、お母さんが心をこめて作ったもので、万一の時はこれで命をつなぐようにと兄に持たせたのよ」

 萩野花子は、命の大切さとどんな時も希望を捨てないで頑張ることの大切さを子どもたちに教えたのであった。

 正太郎たちは優しい萩野先生に意外な物語が結びついていることを知って感動したのであった。

 

※土日祝日は中村紀雄著・小説「死の川を越えて」を連載しています。

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