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2018年9月 4日 (火)

人生意気に感ず「大逆事件の幸徳秋水を読む。狂乱の時代の死刑」

 

◇幸徳秋水を読んだ。古本市場で全集9巻を求めた。このところ、田中正造に打ち込んでいるが秋水は田中正造に深い関わりをもったである。

 

 秋水といえば大逆事件に連座して40歳で刑死した男として余りに有名である。正造は死を覚悟して、明治天皇に直訴したが、その直訴状を書いた男が秋水であった。土佐の少年時代から神童の誉れ高く、漢詩に優れ、万朝報の記者として社会主義の論陣を張った。志の高い覚悟の人生を送った社会主義者である。私がまず読みたかったのは、死刑に臨んだ秋水の最期の書簡である。次は石川半山に宛てたもので、死刑宣告後3日目に書いたもの。石川は毎日新聞の主筆で、天皇直訴を田中正造に勧めた人と言われる。死刑宣告後3日目の夜に書いた。ちなみに明治44年1月8日判決、同月24日執行だった。ぐっとくる部分をきりとると、「人間誰でも一度は死ぬんだということは問題ではないよ。顧みて40年の生涯甚だ幸福で甚だ愉快であった。そして最早親もなし子もなし財産もなし浮世の執着となるものは一つもなし常に君の厄介になった。眞に得難き友であった息のある中に感謝しておく。さらば是がお別れじゃ。今日も堺が最後のいとま乞いに来てくれて相見て浩然大笑いして別れた」

 

 革命に命をかけた男は死を前に淡々と文を書いている。次の部分は更に死刑をものともしない姿を示している。

 

 秋水は、刑の宣告から6日後の1月24日「死刑の前」と題して文章を書いていた。そしてこの日の独房の朝食に特別に塩焼きの小鯛が膳に乗っていたので、彼はその日が来たことを直ちに悟った。秋水は鯛のにおいをかいだだけで残し白湯をすすって文を書き続けた。それは死についての半生を振り返った運命観だった。第一章・死生、第二章・運命と続く筋書きだった。「病死と横死と刑死を問わず、死すべきの時一たび来らば、十分の安全と満足とを以てこれに就きと思う。今や即ちその時である。以下少しく私の運命観を語りたいと思う」。ここまで書いた時廊下に靴音がして刑の執行を告げられた。秋水は書きかけの原稿にしめくくりをつけたいと願い出たが拒絶された。刑の執行は明治49年1月24日午前8時6分だった。公判開始、判決、執行、この間の異常な速さは狂ったような国家権力の姿を物語る。この年、いわゆる特高(特別高等警察)が設置され狂乱の時代は増々加速する。およそ2年後田中正造は73歳で世を去った。(読者に感謝)

 

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