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2018年8月13日 (月)

人生意気に感ず「広島の記念式典と自国第一主義。子ども代表の訴え」

 

◇8月6日、今年も広島の平和公園で記念式典が行われた。市長の訴えと2人の子ども代表の言葉を私は特別な思いで聞いた。

 

 松井市長は、惨状を訴える。目も眩む一瞬の閃光。100万度を超える火の玉から発する強烈な放射能と熱線、猛烈な爆風。人が焦げる臭気の中を赤い肉をむき出しにして亡霊のようにさまよう人々、と。

 

 次に市長は今日の世界情勢に触れた。一つは現在、自国第一主義が台頭していること。もう一つは、朝鮮半島の緊張緩和である。今後対話によって平和裏に緊張緩和が進むことを願うと訴えていた。

 

 自国第一主義はトランプの出現によって慌かに緊張の事態となった。北朝鮮、中国、ロシアはもともと独裁の国で自国第一主義だから驚くに当たらない。問題はアメリカなのだ。自由と民主主義の元祖として世界を指導していたアメリカが突然アメリカファーストを露骨に叫び出したのだから大変である。広島市長は、アメリカの姿を指し、世界に偏狭なナショナリズムが広がることを恐れているに違いない。

 

 広島の原爆の元である第二次世界大戦はこの偏狭なナショナリズムによって起こされた。歴史は繰り返す。最近の世界情勢は危険なものを漂わせている。記念式典は、このことを訴える最適の舞台なのだ。

 

◇2人の子ども代表の姿は印象的で私の心を打った。6年生の新開美織さんと米広優陽君。2人は「助けて」、「うちの息子はどこ」と叫ぶ人々を挙げ「広島は赤と黒だけの世界になったのです」と訴えた。そして「苦しみ、憎しみを乗り越え、平和な未来を造ろうと広島の人々は懸命に生きてきました。私たちはそれを伝える伝承者になります」と。

 

 この子どもたちが訴える「憎しみを乗り越える」の意味は大きい。憎しみや怨みが世界中で争いの原因となっている。地獄が展開された現場から発する少年少女たちの魂の叫びは平和のメッセージとして全世界に広がったことであろう。平成の時代が終わる。平成最後の広島の平和式典のメッセージであった。今年の酷暑はかつてないものである。これは73年前の火の玉の熱さを忘れるなという天の声かもしれない。

 

 アメリカファーストを叫ぶトランプ大統領はこの平和式典をどんな思いで見ていたのだろうか。戦争の足音が遠ざかり、また近づく。(読者に感謝)

 

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