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2018年4月12日 (木)

人生意気に感ず「田中正造の勇気とは。田中の現代的意味」

 

◇田中正造がなぜ時代を越えて人々の心を打つのかを考えた。それは公害という普遍的な社会問題とそれに苦しむ国民を無視した政府への怒りに命をかけた点が第一であるが、更に田中をつき動かし支えた無私と勇気が多くの人々の心を捉えたことが重要である。しかし、単なる無私と勇気だけではない。田中の訴えるものには深い哲学と高い大義があった。「鉱毒は国を亡ぼす」、そして「亡国に至るを知らざればこれすなわち亡国」と主張した。鉱毒が国を亡ぼすことを理解しないことが、国を亡ぼすことになると訴えたことは偉大な啓蒙活動である。政府は鉱毒が国を亡ぼすことの深い意味を理解せず、鉱毒問題を治水対策に切り替えてしまった。

 

 時は日露戦争に入る直前だった。辛うじて勝ったが、国民の生存を深く考えないでおごりのあった国は結局日本を亡国に導いてしまった。田中は偉大な予言者であったといえる。

 

 田中正造は明治最大の義人と言われたが、明治という枠を超えた義人であり、しかも単なる義人ではなかった。

 

 田中は「戦ひは悪事なり」と日露戦争の最中に主張したのだから凄い。「戦では勝ち誇りたる瑞西をたずねても見よや やまと民族」とうたった。瑞西は永世中立国スイスのことである。

 

 難しい理論を展開する社会主義者ではない。飾らない行動の人であるから反戦の主張にも説得力があった。直訴状を書いた人は、大逆事件で死刑になった幸徳秋水である。田中は国家権力に対抗しながらも73歳の人生を全うした。時の政権が厳しく罰することをしなかった背景には国民の熱狂的な支持があったからではないか。アクビ事件で40日の刑に服した時、内村鑑三が新約聖書を差し入れた。

 

◇田中正造の現代的意味は公害の原点を示したことをはじめとして色々あるが、政治家のあるべき姿を示した点が大きいと思われる。現在、政治に対する信頼は地に落ちた感がある。鉱毒問題は利根川の洪水と共に群馬と深い関わりをもつ。川俣事件は前橋地裁で争われた、田中の鉱毒反対運動の拠点、雲竜寺は館林市にある。群馬県は田中正造をもっと正面から取り上げるべきである。道徳教育が本格化する。その成否は人物を通して子どもの心に熱いものを届けられるかにある。子どもの心の危機が日本の危機を招いている。(読者に感謝)

 

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