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2018年3月26日 (月)

人生意気に感ず「浅間の無気味な沈黙。日本のポンペイ・観音堂。老人施設殺人事件」

 

◇浅間山の大規模噴火に備えたハザードマップが作られた。浅間山は激しく生きている火山であるにも拘わらず不気味な沈黙を続けている。これは何を意味するのか。大自然は測り難い。天明の大噴火(1783年)は自然の尺度ではつい最近のことである。東日本大震災を機に日本列島は活動期に入ったとも言われ、それを裏付けるように各地で地震や火山の動きが伝えられている。最近の本白根の噴火は浅間の動きと関係あるのか心配だ。

 

 群馬は全国有数の火山県であるにも拘わらず、県民の関心は低い。群馬は大丈夫という安全神話に胡座をかいているのだ。今回のハザードマップの作成は当然である。

 

◇私は嬬恋村の鎌原観音堂を何度も訪れ、伝わる「大和讃」を読む度にかつての地獄絵図に対する思いを新たにする。観音堂に至る石段のわきに「天明の生死をわけた十五段」と刻んだ石の柱が当時の惨劇を生々しく語りかけている。「歴史は現在と過去との対話」である。日本列島が活動期に入った今こそ、私たちは新たな問題意識をもってこの観音堂の史実に問いかけるべきである。

 

 熱泥流に追われて観音堂に逃れ生き残った人々は村の長老の指示で男女が組み合わせを作り、新たな人生を踏み出した。「主なき人の主となり。妻なき人の妻となり」と和讃は語る。日本のポンペイと言われるが、生き延びた人が家族を作り、村を形成して今日まで生を営む例はポンペイの比ではないし、世界に例がない。

 

 群馬はこの貴重な文化遺産をもっと活用すべきである。災害の時代の教材として学校で子どもたちに伝えるべきは勿論、私は世界遺産にふさわしい存在であると考えている。観音堂の囲炉裏を囲む老人たちの表情のシワの一つ一つが祖先の歴史を語っている。

 

◇老人ホーム転落事件で死刑判決が下った。元職員が3人の老人を投げ落としたとされた。約2カ月の間で、86歳、87歳、96歳の老人が4階と6階のベランダから投げ落とされた。裁判官は「人間性のかけらもうかがわれない冷酷な犯行」と断じた。裁判員裁判による死刑判決である。老人ホームの元職員による犯行という点に高齢社会の犯罪としての特色がある。死期が迫った高齢者を生きるに値しない命と捉えていたとしたら、人間の尊厳を理解しない、介護に携わる人々に共通する重大な問題が背景に感じられる。裁判の動向を見守りたい。(読者に感謝)

 

 

 

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