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2017年10月15日 (日)

シベリア強制抑留『望郷の叫び』第5話

 

 

 

ロシアの広大な地域に点在する収容所へ、日本人の多くはハバロフスクを通って送られ、帰国する時もここを通ってナホトカに送られた。このことは、ハバロフスクが全長約9,440キロメートル、世界最長のシベリア鉄道の拠点でもあるからだ。ハバロフスク市はハバロフスク州の首府であるが、この州は日本の2倍以上の面積がある。このことからもロシアがいかに広大な国であるかが分かるというものだ。

 

 気温は、夏と冬で寒暖の差があまりにも激しい。夏の平均は22度というが、時には40度にもなるという。私たちが訪れた時も日本と変わらぬ暑さで35度くらいではなかったか。アムール川には、水着の美女たちが群れていた。冬の気温は、平均で零下22度というが、零下43度という記録があるという。日本人抑留者が苦しんだ酷寒については、零下30度ということがよく出てくる。シベリアも地球温暖化の影響があって、冬の平均気温は昔より上がっているのではなかろうか。

 

 ロシアは他民族国家といわれるが、このハバロフスク州にも約100の民族が住むという。その中心はロシア人である。

 

 ロシア人に対して抱く日本人のイメージはよくない。しかし、車中の人となって身近に話すパタポア女史やドミトリーの感じは大変良い。ロシア人に対する私たちの偏見があるとすれば、その点も考えてみたいものだと思う。また、ロシア人の日本人に対する感情はどうなのか。これも、大きな関心事であった。

 

「日本のこと、日本人のこと、どう思いますか」

 

 私は、ドミトリーに聞いてみた。すると、ドミトリーは、待っていたかのように、にっこり笑って語りだした。

 

「素晴らしい国で、とても好きです。シベリアの人たち、特にハバロフスクの市民や、日本海に面したウラジオストクの市民はですね、日本にすごく親しい感じがしてるんですよ。なぜかというとですね、外見ると分かるとおり、ハバロフスクで走っている車の90パーセントは日本の中古車です。質、いいですね。そして、誰に聞いても、オーッ、日本が一番、日本の商品が一番と言いますね。また、日本人ね、すごくマナーもっている。すごく約束守る人で働き者であるということですね。こういうこと、ロシア人の頭に入っていますね。なぜかというとですね、怠け者とか、約束守らない人であれば、日本ですね、こんなにも経済的にも文化的にも発展できないと思うのですよ」

 

 パタポアさんもうなずいて同意を表している。

※土日祝日は、中村紀雄著「シベリア強制抑留『望郷の叫び』」を連載します。

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