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2017年10月26日 (木)

小説「死の川を越えて」 第21話

 

 万場老人はそう言って正助たちを鋭く見据えた。

 

「前に話したハンセンの光を育てることにもなる。リー先生に協力してやってくれぬか」

 

頷く若者の姿を見て、リー女史が笑顔を作って言った。

 

「皆さん、ありがとう。私の下に、服部けささんという優秀な女医さんがいます。病気で心配なことは、この人にお気軽に相談なさって下さい」

 

 これを聞いて3人の若者は、新しい安心が生まれたような空気を感じたのであった。

 

 

 

 出会い

 

 

 

 正助は、万場軍兵衛を訪ねた時、「俺たちに未来はあるのでしょうか」と尋ねた。正助は、人生の問題で深く悩んでいたのである。

 

 正助は前橋市で生まれた。少年の時、腕に斑点が出来た。「つねっても痛くねえぞ」と面白がっていたが、ある時、医師の目に留まり、大変な病だと分かった。両親は驚き、なす術を知らなかった。勿論、最も悩み苦しんだのは正助自身であった。家族と暮らすことが出来ないことを知ったからだ。八方手を尽くした中で、草津の湯が効く、そして湯之沢集落という患者同志が助け合って自由に生きる村があることを知った。そして、ハンセンの患者が同病を泊める宿を経営している所も何軒かあることも分かった。その1軒が竹内館であった。正助は決心を固め主人に直談判しこの旅館で働くことになった。正助は真剣に働いた。やがて、その真面目な性格と聡明さは主人が認めるところとなった。正助も頼りにされることが嬉しかった。そして、同病の権太や正男とも知り合いになった。

 

 しかし、この集落にどっぷりつかるにつれ、この病の実態が分かり、自分の将来はああなのかと絶望し、怯えるのであった。

 

 

 

※毎週火・木は、上毛新聞連載中の私の小説「死の川を越えて」を掲載しています。

 

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