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2017年7月24日 (月)

人生意気に感ず「資料館で私のシベリアコーナーを。スターリンへの感謝状」

 

◇22日、久しぶりにマチダ平和資料館を見た。県の関係者十数人の視察に同行し、私の出番があった。昭和天皇がマッカーサーと並んで立つ写真から始まり、最後に近い所に私が作ったシベリアコーナーがある。赤い夕陽がアムールに沈む大きな写真、部屋の壁の一面を埋める程の年表などが目に入る。年表は昭和20年8月9日のソ連軍満州侵攻から、昭和31年の鳩山首相訪ソ、日ソ国交回復に関する共同宣言、そしてこの年12月の最終の抑留者帰国に至る迄の苦心の作である。

 

 私はシベリアを訪ね、強制抑留の実態を調べ「望郷の叫び」を書いた。この書を書くために入手した貴重な資料が平和資料館には展示されている。その一つが「スターリン元師への感謝状」である。

 

 私はハバロフスクの国立古文書館でそれをコピーすることが出来た。女性館長のエフドキーモヴァは「日本人に渡すのは初めてです」と言って34頁からなるコピーを持ち出し許可証と共に手渡した。岩槻泰雄の「シベリア捕虜収容所」には、この「感謝状」を日本人として持ち帰ったものは誰もいないと書かれている。

 

 中味は驚くべきもので、自虐的文章の究極といえるもの。帰国したい一心で日本人は競ってこの文書に署名した。ソ連を理想の国として最大限誉めあげ、スターリンを人類の師と仰ぎ、日本軍を極悪非道の極東の憲兵と決めつけているのだ。

 

◇感謝状の冒頭の部分を紹介する。ここで「あなた」とあるのはスターリンを指す。

 

「旧日本軍捕虜である私たちは、人類最大の天才、全世界勤労者の導きの星であるあなたに、そしてあなたを通じソビエト政府ならびにソビエト人民に、偉大なるソビエトの国が私たちに与えられた光と歓びに対し、私たちの心からの感謝とあつき感謝をこめてこの手紙を送ります。あなたの配慮のもとに、ソビエトの地におくった4か年の生活こそ、私たちにとって偉大なる民主主義の学校となったのでありました。それは私たちにとって終生忘れえぬ感銘として残るでありましょう」。資料館にはこの一部が展示されている。事実は「地獄の4年間」であった。私に同行した元捕虜のSさんは「俺だけ帰って悪かった」と声を上げて泣いた。(読者に感謝)

 

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