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2017年7月31日 (月)

人生意気に感ず「書の国際交流展と中国の深さ。相模原事件の本質。風速50m超えの衝撃」

 

◇29日、高崎書道会主催の国際交流展の祝賀会に出、30日シティギャラリーで展示された作品群を観た。30会記念展ということもあり、西安と台湾からも多くの書人が参加した。

 

 中国とは緊迫した国際情勢下にあるが、そのことがかえって書の歴史と書を通じた日中の文化の重みを感じさせた。

 

 陝西省西安市からは20人にも及ぶ人々が。西安はかつての長安で、漢・隋・唐の都があった。私は紹介される人々を見ながら壮大な兵馬傭を思い出していた。

 

◇30日、作品群を観ながら孔明の「出師の表」の前で足を止めた。墨痕は深く三国志の世界を語る。「先帝業を創めて未だならず、中道にて崩殂、天下三分して益州疲弊せり、これ誠に危急存亡の秋なり・・」三国志の世界は今の中国の為政者の胸のうちにもあるに違いない。三千年の治乱興亡を貫いて生きる国家と日本は一衣帯水の関係にある。北朝鮮の暴走を制するのは中国ともいえる。書の前でこんな思いを強めた。

 

◇横浜市長選の結果にほっとした。30日投開票とされ、自公推薦の林氏が当選した。自民は都議選で大敗し、仙台市長選も破れ、私はこのままズルズルかと危機感を深めていた。国内政治の不安定は現在の日本の情勢にとって最大のマイナス。これが歯止めとなって、目前の内閣改造がうまくいけば支持率が上向く契機となるかもしれない。

 

◇相模原の障害者大量殺人から1年。大きな波紋が広がっている。被告の思想に共鳴する動きもあるというから根は深く恐い。私は連載小説「死の川を越えて」の中で、「生きるに値しない命」ということを問題にしている。

 

 現代の教育に欠けている点はどのような命も生きるに値するという「人間の尊厳」を教えないことだ。教育の目的は「生きる力」である。物は余るほど豊かになったが心は貧しくなった。心のない人間は機械に等しい。ロボットの力が人間に迫っている。ロボットに勝つためには人間の心を豊かにすることだ。憲法は人間の尊重を強く掲げているのに教育の現場がこれに応えていない。だから道徳教育も表面を過ぎる風のように軽い。日本の危機だ。

 

◇台湾を襲った台風の瞬間風速は52mを超えたと報じられた。温暖化のすさまじい影響に違いない。地球の今後を象徴するようだ。北朝鮮も水害がひどいと聞く。国の狂気の犠牲となる国民が哀れ。(読者に感謝)

 

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2017年7月30日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第58回

 

 

 

 ワシントンは、この攻撃を大戦中の最も大きい成果の一つだと称賛したが、暗号を解読していたということを秘密にするため、その発表を一切禁じた。そのため、ランフィア少佐は並外れた手柄をたてながらその名をうたわれることのない陰の英雄になったという。

 

 山本五十六連合艦隊司令長官の非業の死を始め無数のニューギニアにおける将兵の死は、

実際に戦跡をめぐって考えるとき、生々しいものに感じられる。そして、意識の中で太平洋戦争を歴史の彼方に追いやろうとしていた自分に気付き反省させられるのであった。 

 

 ツルハシとスコップに対する大量のブルドーザー、日本の暗号電報を完全に解読されていたという事実、このことだけから考えても初めから無謀で勝ち目のない戦いであった。国政のトップの誤った判断の結果多くの人々が命を落としたが、私達は彼らの死をどのように受け止めたらよいのか。仮に戦争に勝利して、その後に日本の大きな発展がなされた場合なら、今日の発展の基礎には国のために尊い命を捧げた英霊の犠牲があったということが理解しやすいのであるが、実際は敗戦となって瓦礫の中あら立ち上がって築いた繁栄である。だから、これを戦死した将兵とどのように結びつけて理解するかということは難しい、そして重要な問題なのである。

 

 

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。   

 

 

 

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2017年7月29日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第57回

 

 次の記述は、マッカーサー回想記を材料にしたものである。

 

 その日は霧が深く、海は荒れて黒い雲がしきりに動いていた。傍受した電報によれば出合いの時刻は午後3時、少佐は予定の現場に到着し目を凝らすが日本軍の機影は現れない。少佐は遂に機関命令を出そうとした。その時、厚い雲の中から上空をゼロ戦に守られた輸送機2機が突然現れたのである。ランフィア飛行隊は高度を上げて頭上のゼロ戦に襲い掛かった。ゼロ戦は輸送機を守り抜こうと必死であった。上下に、左右に、追う機と逃げる機、凄まじい渦を巻く空中戦が展開された。数において圧倒的に優勢なアメリカ空軍にさすがのゼロ戦も撃ち落とされていく。輸送機のうち一機は早くも撃墜され、ランフィア機と孤立した山本機が死闘を繰り広げる。山本機の操縦士は熟練の者で、攻撃を避けるため雲にかくれ、ジグザグを描き、横転し、また向きを変えと、あらゆる手段を尽くした。遂にブーゲンビルの海岸線に達し、急降下し密林すれすれの高度を死に物狂いで飛ぶ。山本機はこのまま逃げ切れるかと思われた。ランフィア機はこの機会を逃してはならじと執拗に猛追し機内の全ての機銃が発射された。突然、山本機の後部から黒煙が噴出し、続いて真っ赤な炎が吹きあがり次の瞬間輸送機の胴体は震えて横になり大轟音とともに墜落した。密林は切り裂かれ、機の破片が煙とともに飛散した。

 

 マッカーサーは、この事件を指して「それは真珠湾の底に光る数多くの白骨から、一斉に声が響いてくるかと思われる一瞬であった」と表現している。私達の目から見れば、ニューギニアのジャングルで眠る無数の日本兵の白骨が一斉に悲しみの声を上げた瞬間であった。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。   

 

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2017年7月28日 (金)

人生意気に感ず「元首相核攻撃を語る。北朝鮮の恐怖。中国の客と教育を」

 

◇核戦争に関する報道に強い衝撃を受けた。パキスタンの元首相のムシャラフ氏がかつて核使用を実際に検討し「何日も眠れない夜が続いた」と発言した。一国のトップが核使用を迫られギリギリ悩んだとは。私の頭に先ず浮かんだのは、この立場に立ったのがもし北朝鮮の金正恩だったらということだ。

 

 パキスタンはインドと激しい対立を続けている。ムシャラフ氏は軍事クーデターによって政権を獲得した。核使用の決断が1人の独裁者の判断にかかるという正に戦慄すべき事実なのだ。国家存亡の危機にあって、独裁国に民主的な歯止め(シビリアンコントロール)はない。戦争となればあらゆる手段が使われることは歴史が示すところである。私は隣国北朝鮮の恐怖を改めて思った。

 

◇私が同時に思ったことは、核の監理がきちんと出来ない国が悪魔の技術を手にいれたとき、それが拡散していく恐怖である。

 

 ムシャラフ氏は、今回の日本の新聞インタビューでカーン博士のことを語っている。カーン博士は、パキスタンで核開発の父と呼ばれる科学者である。ムシャラフ氏は、カーン博士によって核開発の関連装置がイランと北朝鮮に流れたと語っている。過激なテロ組織が核を手に入れる可能性を否定することは出来ない。

 

◇昨夜、中国の短期留学生たちと教育懇談会を行った。メインは私の講演だった。私の頭には、日本と中国は教育に関して共通の問題を抱えているという認識があった。「教育の目的はこの難しい社会で生きるための力を身に付けることです。この難しい課題は学校だけでなく、家庭と地域社会が役割を分担しなければなりませんが、日本では家庭も地域も崩壊の危機にあります」、また「社会は豊かになりましたが心は貧しくなりました。人間は教育によって知識は増えましたが賢くなっていません。知識の量でいえばロボットに負けてしまいます」と語った。

 

 長く一人っ子政策を続けたこと、急に豊かな国になりお金万能の社会となり、中国は日本以上に教育の危機に直面しているに違いないと思った。

 

 意外だったことは、関連問題で触れた「認知症」の知識をほとんどの大人がもっていないことだった。前夜の私の紙芝居と共に中国の客は良い体験と収穫があったと語っていた。(読者に感謝)

 

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2017年7月27日 (木)

人生意気に感ず「少女マララを。小説“死の川を越えて”をラジオで。紙芝居の熱演」

 

◇昨日はかなりハードな一日だった。早朝、雨の中を走る。毎日の習慣であるが、この年で走れるという実感が踏みしめる足に大地から伝わってくる。

 

 8時45分から、毎週水曜日に行う「へいわ845」の講義。今回はパキスタン出身のイスラムの女性マララを語った。イスラムの過激派は女性が教育を受けることに反対。女性の教育権を訴える少女マララは15歳の時狙撃された。17歳のとき、史上最年少でノーベル平和賞を受けた。私は「女性が教育によって賢くなることが平和にとって不可欠です」と訴えた。

 

◇江蘇省、貴州省から、夏休みを利用した短期留学生が前橋市を訪れている。正午頃、市長らと出迎え、歓迎式典、レセプションを行った。小・中から大学生までの若者たち。この人たちに私は夜8時から特別の「講義」を予定していた。中国の若者なるが故に受けるに違いないと心に期しながら小道具の太鼓まで用意して出かけた。

 

◇5時から1時間、「FMぐんま」で小説『死の川を越えて』の収録を行った。上毛新聞連載の小説が注目されることは嬉しい。8月14日と8月21日の両日、午後1時から放送予定。終戦記念日をはさんで放送することにもいささか意味があると思う。ハンセン病患者への過酷な差別は、時の軍国主義の政策と大きく関わっていたからである。憲法13条(個人の尊重と幸福追求の権利)にも触れた。

 

◇いよいよ午後8時、特別の講義とは自作自演の紙芝居である。「さあ皆さん、前橋の一番熱い日の物語の始まりです」私はこう言ってドドンドンと太鼓を打った。子どもたちの目が輝いている。それを確認して紙芝居おじさんは続ける。「今年の暑さは異常です。しかし、もっともっと暑い日がありました。70年前の前橋大空襲です」ドドンドン。

 

 私は絵をめくりながら、太平洋戦争で追い詰められる日本を語った。8月5日の前橋の空襲、6日の広島・9日の長崎の原爆投下。そしてラジオから流れる天皇の声を聞く国民の姿。最後は「りんごの歌」と共に復興に立ち上がる日本の姿。

 

 この時である。一人の成人男性が手を上げてその歌を聞かせて欲しいと言う。私は頷いて大きな声で歌った。「赤いリンゴに くちびるよせて 黙って見ている青い空・・」歌い終えると大きな拍手。疲れが飛ぶ瞬間だった。(読者に感謝)

 

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2017年7月26日 (水)

人生意気に感ず「相模原殺人が問うもの。人間とは。東京五輪に向けて」

 

◇相模原障害者殺人事件から1年。19人を殺し27人に重軽傷を負わせた被害者は「意志疎通がとれない人間を安楽死させるべきだ」、「重度障害者は幸せを奪い不幸をばらまく存在」、「障害者はいなくなればいい」などと主張している。

 

 どのような思想を抱くかは自由であるとしても、それを実行に移し、これだけ多くの人を殺傷するのは正に異常。精神鑑定が行われるのは当然である。横浜地検は刑事責任能力ありと判断して殺人罪などで起訴した。

 

◇この事件は現代社会の暗い病根とつながっている。高齢者を高い階上から投げ捨てたり、汚物のように虐待する事件が後を絶たない。

 

 重度の障害者や死期の迫った高齢者を「生きるに値しない命」と見る傾向が広がっている。人間とは何か、人間の尊厳、人権、こういった本質的なものに対する無理解、無関心である。人間の本質は精神にある。それは数十億の脳細胞の働きである。そこには人類進化の過程で形成された無限の可能性が秘められている。重度の精神傷害も認知症もこの脳細胞の表面的な変化に過ぎない。その内部には変わらぬ可能性が存在する。このような人間の存在を認めることが人権尊重の基礎である。

 

 ロボットの進化が急速であるが、人間には機械が及ばない深い価値がある。重度の精神障害者等をゴミのように見る思想を打ち破らなければ人間の社会は崩壊してしまう。

 

◇東京五輪まで3年となった。この3年は私たちにとって極めて重度である。日本人が試されることになる。テロは大丈夫か。巨大地震はどうなる。様々な課題の中で確実に対決しなければならないのが気象状況である。最近の暑さは異常である。そんな中でマラソンを実施しなければならない。五輪の成功は行政だけでは実現できない。そこで重要な役割を果たすことが求められるのがボランティアである。

 

 ボランティアが社会的に大きく注目されたのは、阪神淡路大震災であった。1年間にのべ120万人ものボランティアが参加し、ボランティア元年と言われた。これだけのボランティアが参加したのは国民の心を一つにする大義があったからである。東京五輪にその大義があるか。単なる国威発揚でなく、平和とスポーツの祭典にすることがその大義である。

 

 あと3年間に求められることは、この大義のためのコンセンサスを盛り上げることだ。(読者に感謝)

 

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2017年7月25日 (火)

人生意気に感ず「ふるさと塾でテロを。ISと十字軍、文明の衝突」

 

◇今月のふるさと塾は「テロ」がテーマだった。関心が高かったためか、うだるような暑さにも拘わらず多くの人が参加した。先ず「テロ」の定義を話した。「テロとは暗殺・暴行・粛清などで政治上の反対者をたおすこと」である。

 

 民主主義の反対の概念で日本でも民主主義が未熟、又は通用しない非常時にテロが行われたとして血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件を語り、今日の日本及び世界の最大の課題たる「IS」のことに及んだ。

 

◇日本のテロとして挙げたこれらの事件は立憲政治、政党政治を否定し、軍部の暴走を許す方向で大きな影響力があった。血盟団の首領の井上日召は沼田出身の人物で、その下で牧野伸顕の暗殺を担当したのは当時東大生だった四元義隆であった。四元は目的を達することは出来なかったが懲役15年の判決を受け9年近く服役したが出獄後、歴代総理の顧問というような驚くべき役割を果たした。血盟団事件について、私は「炎の山河」の中で書いている。「ふるさと塾」ではテロが日本の歴史の中でも事実として重要な役割を果たしたことを考える参考にと取り上げた。主題は「IS」であった。

 

◇「イスラミックステート(IS)」の根は深い。根底に宗教があるからだ。自分の死を恐れない「自爆テロ」を私たちは到底理解することができない。最近「IS」の崩壊が近いことが「虚構の国」だったという表現で報じられた。しかし、テロは世界に拡散し、日本に近づいていると指摘される。テロ国家北朝鮮の存在と共に「IS」を源とする国際テロは日本の平和を脅かす最大の課題なのだ。

 

◇聖戦(ジハード)という言葉がある。熱心なイスラム教徒にとって西欧文明は十字軍以来の敵である。これと戦ってイスラム教を世界に広めることがジハードの根底にある。

 

 十字軍について、私たちはローマ法王の呼びかけで始まった聖地回復の聖戦と習った。しかし、イスラムの世界から見れば十字軍は民衆を大量殺戮し残虐の限りを尽くした侵略者だった。熱心なイスラム教徒は、これと戦って死ぬことは殉教であり死後天国に行けると信じている。だから死を恐れない。自爆テロの根源はここにある。宗教は異教徒にとって恐ろしい存在である。だから政教分離は重要なのだ。「IS」は政教一致の極致である。日本国憲法の政教分離の意義を今噛み締める時である。(読者に感謝)

 

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2017年7月24日 (月)

人生意気に感ず「資料館で私のシベリアコーナーを。スターリンへの感謝状」

 

◇22日、久しぶりにマチダ平和資料館を見た。県の関係者十数人の視察に同行し、私の出番があった。昭和天皇がマッカーサーと並んで立つ写真から始まり、最後に近い所に私が作ったシベリアコーナーがある。赤い夕陽がアムールに沈む大きな写真、部屋の壁の一面を埋める程の年表などが目に入る。年表は昭和20年8月9日のソ連軍満州侵攻から、昭和31年の鳩山首相訪ソ、日ソ国交回復に関する共同宣言、そしてこの年12月の最終の抑留者帰国に至る迄の苦心の作である。

 

 私はシベリアを訪ね、強制抑留の実態を調べ「望郷の叫び」を書いた。この書を書くために入手した貴重な資料が平和資料館には展示されている。その一つが「スターリン元師への感謝状」である。

 

 私はハバロフスクの国立古文書館でそれをコピーすることが出来た。女性館長のエフドキーモヴァは「日本人に渡すのは初めてです」と言って34頁からなるコピーを持ち出し許可証と共に手渡した。岩槻泰雄の「シベリア捕虜収容所」には、この「感謝状」を日本人として持ち帰ったものは誰もいないと書かれている。

 

 中味は驚くべきもので、自虐的文章の究極といえるもの。帰国したい一心で日本人は競ってこの文書に署名した。ソ連を理想の国として最大限誉めあげ、スターリンを人類の師と仰ぎ、日本軍を極悪非道の極東の憲兵と決めつけているのだ。

 

◇感謝状の冒頭の部分を紹介する。ここで「あなた」とあるのはスターリンを指す。

 

「旧日本軍捕虜である私たちは、人類最大の天才、全世界勤労者の導きの星であるあなたに、そしてあなたを通じソビエト政府ならびにソビエト人民に、偉大なるソビエトの国が私たちに与えられた光と歓びに対し、私たちの心からの感謝とあつき感謝をこめてこの手紙を送ります。あなたの配慮のもとに、ソビエトの地におくった4か年の生活こそ、私たちにとって偉大なる民主主義の学校となったのでありました。それは私たちにとって終生忘れえぬ感銘として残るでありましょう」。資料館にはこの一部が展示されている。事実は「地獄の4年間」であった。私に同行した元捕虜のSさんは「俺だけ帰って悪かった」と声を上げて泣いた。(読者に感謝)

 

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2017年7月23日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第56回

 

 ニューギニアの戦局は深刻の度を増していた。ダンピール海峡の壊滅的な悲劇が1943年(昭和18年)3月2日のことで山本五十六の死はこの年4月18日に起きた。

 

 このような状況の中、山本連合艦隊司令長官は、最前線の視察と将兵激励に回るために、トラック島の基地を飛び立って先ずラバウルの海軍司令部に立ち寄ったのである。

 

 ここからブーゲンビル島に向けて飛び立って間もなく事件は起きた。遥かにブイン飛行場が見え始める頃、敵機30機に襲われ、山本長官の機は密林の中に撃墜されたのである。

 

 マッカーサー回想記の中でマッカーサーは、この出来事について、誇らしげに次のように書いている。「4月18日、太平洋戦争を通じてもっとも重大な意義を持つ攻撃の一つが行われた。米空軍が日本の連合艦隊司令長官山本五十六提督の乗った飛行機を打ち落としたのだ」

 

 山本長官の行動計画は極秘であったが、連合軍は日本軍の暗号をすべて解読していたのである。回想記によれば、マッカーサーは傍受した日本の電報から山本長官が現地の激戦を自ら視察するため、ラバウルからブーゲンビルへ飛ぶ予定であること、飛行経路、空中での援護の規模、ブーゲンビル西海岸沖上空での護衛機との出合い地点などをつかんでいた。電報を疑う者もかなりいたが、マッカーサーは山本が危険を冒しても最前線に出てゆく性格であることを見抜き、もっとも優秀な飛行士の一人であるランフィア少佐に対し、彼の飛行隊を指揮して、山本機を追撃せよと命令した。誠に残念なことに、マッカーサーの判断は的中することになる。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。   

 

 

 

 

 

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2017年7月21日 (金)

人生意気に感ず「朝鮮人を殺せとは。朝鮮学校の無償化訴訟。五輪の今後。またICBMか」

 

◇「朝鮮人を皆殺しにしろ」とツイッターに書き込んだ大学生を大学は処分した。現代日本の若者の中に生じつつある危険な兆候を感じる。愛知淑徳大の学生で、大学は「違いを共に生きる」という大学の理念に反するとして処分した。

 

 北朝鮮の核開発、ICBM発射に対し国民は大きな恐怖を抱き無策な政治にいらだちを感じている。唯流れに身を任せる国民が多い中で民主主義に失望し極端に走る若者が存在するに違いない。昔は学園に学生運動があって不満のはけ口にもなっていた。今、危険なナショナリズムが生まれる恐れがある。

 

◇朝鮮学園が国を相手にした訴訟で広島地裁は朝鮮学校側に全面敗訴を言い渡した。国が朝鮮学校を「高校無償化」の適用対象から外したのは違法だという主張である。

 

 裁判長は「朝鮮学校は北朝鮮や朝鮮総連の影響下にあり、無償化の資金が授業料にあてられないことが懸念される」という国の考えを認めた。

 

 教育無償化のために国が出す資金が核とミサイル開発を続ける北朝鮮へ流れることを恐れる声も聞かれるのだ。朝鮮学校側は差別だと主張していた。学習権や憲法上の平等権の侵害をあげている。民主主義が最も進んでいる国とその正反対の国が隣国関係にあり、地下で一部の組織が繋がっている懸念があることは重大である。

 

◇東京五輪が近づく中で一番の懸念はテロだと思う。ISは壊滅に近いと言われるが、根絶やしには出来ないし、ISとアルカイダとの新たな戦略としてのテロが専門家に指摘されている。

 

 資金がかかり過ぎるための五輪離れがしきりに言われているが、テロ対策の困難さも大きな課題になっているのに違いない。五輪の原点は世界に平和を築くことである。五輪の歴史はその理念に反して国威の登場の場であった。ヒトラーのベルリン大会、国を挙げてのドーピング問題などはその現われである。今こそ、五輪の原点に戻るときである。東京五輪の役割はその意味で極めて重大である。小池知事が都議選で快進撃を示したが、その真価は目前の五輪を成功に導けるかにかかる。

 

◇北朝鮮がまたICBM発射の準備をしているらしい。アメリカが何もしないとたかをくくっていると誤算を生じるかも。トランプも追い詰められているから。(読者に感謝)

 

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2017年7月20日 (木)

人生意気に感ず「文春の前川氏の記事を読む。首相の国会出席は。稲田防衛相、蓮舫氏は」

 

◇文藝春秋7月号の前川前文科事務次官の手記を読んだ。国会の参考人証言を聞いた後であり、かつ安倍首相の国会出席が実現される前なので、興味が持たれたのだ。

 

 前川氏は、国内の動物の数は年々減っており獣医師が不足している実態がないのに獣医学部を新設すれば税金の無駄遣いになると述べる。また、前川氏は首相官邸に呼ばれて、和泉補佐官から獣医学部新設を「早くやってくれ、これは総理が自分の口から言えないから私が代わって言うんだ」と言われたことが耳にこびりついていると述べる。

 

◇安倍首相本人が出席して説明することになった。支持率急落で危機感を強めているに違いない。衆院が24日、参院が25日である。前川前次官、この問題のキーパーソンと言われる和泉補佐官も出席するというから面白いことになりそうだ。

 

◇稲田防衛相からは、国を守る気迫が伝わってこない。少女雑誌から抜け出してきたような雰囲気だ。こんな声が聞こえてくる。

 

 この防衛相がまた大きな失態を犯したと報じられた。南スーダン国連平和維持活動部隊の日報問題である。廃棄したとしながら実は陸上自衛隊はこれを保管していた。この保管の事実を非公表とする方針を稲田氏は了承していたというのだ。事実とすれば、防衛省の組織的隠蔽を認めたことになる。稲田氏は了承を否定した。

 

 防衛大臣の責任は今格段に重くなった。北朝鮮がミサイルを日本に向けて発射し続けている。中国の公船が日本の領海を犯している。自衛隊がこのような緊迫した状況下で国を守るためには国民の信頼を得ることが不可欠である。それは、トップに立つ防衛大臣の姿勢にかかっている。

 

 南スーダンの国連平和維持活動に参加した隊員は命がけで任務を遂行した筈である。稲田防衛相の一連の失態は自衛隊員を裏切るものである。こういう資質の人物を任命した安倍首相の責任は大きい。一強という安倍政権が自壊を始めたようだ。8月に予想される内閣改造でこの危機を乗り切れるか心配である。

 

◇民進党の蓮舫氏が二重国籍を解消して日本国政になっていたことを証明した。二重国籍の間に国政に参加した違法性を反省した。また、戸籍開示には人権侵害の懸念があったことや、家族に問題が及ぶこと、そして戸籍謄本公表が前例となることの悪影響等を心配したという。(読者に感謝)

 

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2017年7月19日 (水)

人生意気に感ず「日野原さんの死が問うもの。押し寄せる留学生と日本の将来。トランプのみじめさ」

 

◇医師の日野原さんが105歳で亡くなった。手帳には110歳過ぎまでの予定がびっしりということだった。「生活習慣病」という言葉を生み出し定着させるなど「患者参加の医療」を目指し、常に医療の最前線で時代をリードしてきた。

 

「命を与えられたことを感謝する気持ちで生きたい」と言っていた。また、「年をとることは一歩一歩の未知の世界に足を踏み入れることで、こんな楽しい冒険はない」とも。これらの言葉は、この人の哲学、そして死生観を現していた。百歳を超えた現役の生の中で放つ言葉だけに説得力があった。

 

 百歳を超えて生きられる時代になったが、未知の老境に生きることを楽しい冒険と感じることこそ人間の素晴らしさの極致に違いない。人間には誰にもこういう可能性がある。この可能性を信じて守ることが人間の尊重の実現であり、人権尊重の目指すべき点である。日野原医師の生涯はこのことを天下に示した。

 

◇今の日本には非常に危険な兆候がある。相模原の老人施設の大量殺人事件はその一例である。重度の傷害をもつ返事も出来ない老人を汚物のように切り捨てる考えである。ナチスのヒトラーを思わせるものがある。日野原さんの言葉を噛み締める時だ。

 

◇昨日、私が名誉学院長を務める日本アカデミーの7月期入学式が行われた。100人を超える留学生たちの表情は生き生きとしていた。毎年多くの国から集まるが、今回も顔ぶれが多彩で、目立ったのはカメルーン、モンゴル、ベトナム、インドネシア、ネパールなどだ。国際化時代の凝縮した姿を見る思いだった。私は次のように挨拶した。

 

「海を越えて学びに来られた皆さんの勇気と熱意に敬意を表します。日本語だけでなく日本の文化、伝統、習慣をしっかり学んで下さい。日本は礼節の国と言われますが、今それが崩れようとしています。皆さんは新しい風であり、新しい血液です。私たちも皆さんから学ぶことが多くあるのです」

 

◇トランプ大統領の支持率が30%台に落ちた。アメリカ大統領として最低の数字で、これは世界の秩序にとって深刻である。アメリカは民主主義、自由、正義を掲げて他国に影響力を示してきた。トランプの支持率の状況はこの人物の品格の低さに起因するだけに、アメリカと対抗する国にとっては絶好のチャンスに違いない。トランプを選んだ人々の胸のうちは何か。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年7月18日 (火)

人生意気に感ず「劉氏の死。人権を踏みつぶした天安門事件は。中国文明はどこへ。誰でもいい殺人の増加」

 

◇劉暁波氏の死は哀れだ。独裁という国家体制に殺されたともいえる。アメリカがトランプ以外の大統領であったなら、中国への批判はもっと激しかったに違いない。一党独裁を批判し民主化のために命を捧げた生涯だった。

 

 私は「炎の山河」の中で天安門事件について書いた。1989年(平成元年)6月4日未明、民主化を求めて集まった人々は学生を中心に200万人の規模に達した。その中に戦車と装甲車が突入したのだ。学生たちと共に抗議活動に加わっていた劉暁波氏は人民解放軍が天安門広場に突入する寸前、他の代表者と共に軍に対し、学生たちに逃げ道を残すように交渉したが、もはや効果はなかった。新聞は死者2,000人とも5,000人とも報じた。劉氏の長い闘争の始まりであった。2008年には、中国の大幅な民主化を求める「08年憲章」を発表して「国家政権転覆扇動罪」に問われ長く投獄された。非暴力で基本的人権を求める劉氏の実践は高く評価されて、2010年獄中でノーベル平和賞を受賞した。劉氏は「この受章は天安門事件で犠牲になった人々の魂に贈られた」と語り涙を流したという。

 

 末期がんと診断される最近まで収監を続けた中国当局の対応は無慈悲である。妻に語った最期の言葉は「あなたはしっかり生きなさい。幸せに暮らして」だった。

 

◇人権という人類普遍の価値を信じて一生を捧げた姿は素晴らしい。共産党による一党独裁はいかに強固な組織であってもやがて消えるが、人権とそれに捧げた崇高な生き様は永遠のものである。長い歴史の流れで見れば劉氏の存在は偉大な中国文明の一頁に光を添えるものと信じる。

 

◇劉氏の遺体は、焼いて灰を海に捨てたと報じられた。葬儀の方法として散骨ということがよく行われている。地中海にとかガンジス川にとか。それが本人の遺志に基づくなら何ら問題がないが国家の強制の要素があるとすれば事は重大である。ことに劉氏の場合、これから歴史の審判が下る。そして、墓は中国民族が誇りとする偉大な文化遺産になる可能性がある。時の政権の狭い考えで墓を残さないとすれば歴史の冒瀆ではないか。

 

◇また「誰でもよかった」殺人が。神戸市で3人が殺され、2人が傷害を負った。容疑者は26歳の男。このような事件が後を絶たない。人間は自分の中の不満を抑制する理性の力を失いつつあるのか。(読者に感謝)

 

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2017年7月17日 (月)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第55回

 

 マッカーサーは、回想記の中で次のように述べている。「ポートモレスビーを確保できれば、敵を私の選ぶ場所、つまりオーエンスタンレー山脈の障害をはさんで戦わせることができる。標高4200メートル、深い密林に覆われたこの山系はニューギニア東部是に気を貫く自然の障害物になっていた。山系を越えるには曲がりくねった道しかなく、ポートモレスビーはそびえたつ絶壁で十分に守られていた」

 

 ラバウルを占領した日本軍は、ポートモレスビーの飛行場を爆撃するが、飛行場はいくら破壊されてもすぐに元通りになってしまうので不思議であったという。日本は飛行場を作るのに、スコップとツルハシでやったが、アメリカ軍は日本軍には未知なブルドーザーを大量に駆使してあっという間に復旧させてしまうのであった。

 

 ガダルカナルそしてミッドウェーの敗戦など南太平洋における戦局が非常に深刻となってゆき、ニューギニア本島に戦力を集中してマッカーサーの反抗をどうしても阻止しなければならない状況になった。ポートモレスビーは、ニューギニア島の南側にあり、ラエ、サラモアは高い山脈オーエンスタンレーをはさんで反対側の日本に面した側に位置した日本軍の拠点である。従って、ここを奪われれば、マッカーサーの北上を許すことになる。マッカーサーもここをどうしてもとりたいと考えていた。だから、私達が訪ねたラエのあたりは両軍の決戦場であった。そこで、ここを守るためにラバウルから大軍をラエに輸送することになった。ラバウルからラエに至る間にダンピール海峡があって、あの悲劇が起きたのである。

 

 なお、後に戦局がさらに悪化する中、日本軍は徒歩でこのオーエンスタンレー山脈を越えてポートモレスビーを攻略しようとし、多数の戦死者と飢餓者を出した。マッカーサーが予想した通り、日本兵は厳しい自然をも相手に戦わねばならなかったのである。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。 

  

 

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2017年7月16日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第54回

 

 ニューギニア戦の目的は、前述したように、アメリカとオーストラリアが手を結んで日本反抗の一大拠点をつくる作戦を阻止することであった。

 

 そのためにラバウルを占領して日本の軍事拠点をつくることの重要性が叫ばれていた。また、ラバウルの重要性は別の点にもあった。それは、ラバウルが敵の手にある場合、南太平洋における我が連合艦隊最大の根拠地であるトラック島の海軍基地が脅かされるということであった。トラック島は、アメリカが誇る「空の要塞」長距離爆弾機B-17の攻撃可能圏内であったからである。そしてトラック島が奪われれば、日本が生命線とするラインが崩され日本本土が危険に曝されることになる。だから、どうしてもラバウルは日本軍が確保しなければならないとされていた。

 

 マッカーサーは、日本軍に追われてフィリピンからオーストラリアに脱出したが、必ずフィリピンに戻ると決意していた。彼の考えは、ニューギニアからダンピール海峡を突破してフィリピンを奪還し日本を攻めるというものである。マッカーサーは、そのために総司令部をオーストラリアのブリスベン(私達は最終日に訪れた)からニューギニアのポートモレスビーに移して着々と日本反抗の準備を進めていた。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。   

 

   

 

 

 

 

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2017年7月15日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第53回

 

 

 

 司令部の遺跡は一部移設されたという。残っているのは主に地下の部分であった。一寸先も見えない真っ暗な地下室へ小さな明かりを頼りに入る。前に進む微かな光が見えなくなると出口のない闇の中に閉じ込められたような恐怖に襲われる。手を伸ばすと冷たいコンクリートの壁があった。山本五十六も最後にこの地下室に入ったであろうか。この司令部は山本五十六が生前最後に立ち寄った所である。その時元師が使用した食事の道具等も、今は他に移設されているという。

 

 連合艦隊司令長官山本五十六はラバウルの海軍司令部に立ち寄り、ここから最前線の兵士を激励に行く予定であった。ニューブリテン島のブイン基地に向かう途中、待ち受けていたアメリカ空軍の襲撃を受け悲運の死を遂げる。それは日本軍の行く末を暗示するような出来事であった。

 

 ここで、日本海軍が何故ラバウルを非常に重視したかを整理しておきたい。そのことによってニューギニア戦の目的が幾分でも理解出来る筈だからである。さもなければ、死んだ多くの兵士達が何のために戦ったのか分かってやれないし、彼らの死を後世に生かすことも出来ないと思うのである。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年7月14日 (金)

人生意気に感ず「北朝鮮は犯罪国家。国民の錯覚。虚構の国は。組織犯罪防止条約に」

 

◇2千人を超すと言われる人々と金正恩氏の狂喜する光景は異常だ。ICBM成功に貢献した人々を祝福する姿である。異次元のおとぎの国のようだ。世界の潮流を知らない北の多くの国民が「錯覚」に陥っているとしたら隣国としてこの上ない恐怖である。何とかに刃物で、もはや北朝鮮を止められない、こういう声が聞こえてくる。こういう事態に対して日本国内は一致結束できない状態でいる。

 

◇このような状況下で、北朝鮮籍らしい船が日本の排他的経済水域内で12日、水産庁の船に銃口を向けるという事件が起きた。ICBMの成功で巨大な力を手にしたと思い込んだ北朝鮮の「錯覚」した姿だという人がいる。日本は厳重に抗議した。ICBM打ち上げと呼応するかのようにその足下でむき出しの力が日本に突きつけられていると思える。

 

◇北朝鮮は世界から「犯罪国家」、「ならず者国家」と言われてきた。それは大韓航空爆破事件、ラングーン爆弾テロ事件、日本国民拉致事件等数々の事実が示すことだ。

 

 北朝鮮の崩壊は時間の問題だと言われて久しい。これは、北朝鮮が世界から孤立していないこと、北朝鮮を秘かに支援する国が非常に多いことを意味する。北朝鮮はテロ国家である。私たちにとって最も重要なのは、国際情勢の冷厳な現実を認識した上で国を守ること、平和を守ることを真剣に考えることだ。

 

◇イラクの首相は「IS」に対して、「虚構の国は崩壊した」と勝利宣言を出した。しかし、完全な勝利には遠く、ISの新しい戦略が世界の平和を脅かし続けるに違いない。国際テロは世界に広がっている。ヨーロッパから、最近はフィリピン、インドネシアなどアジアに広がりつつある。これは日本に黒い影が迫っていることを示す。テロの防止には国際的な協力が不可欠である。このことは、「テロ等準備罪」に反対する野党も十分に認識している筈である。

 

◇日本は組織犯罪防止条約の188番目の締約国となった。「テロ等準備罪」の新設が条約締結の要件だったのである。これにより他国とテロに関する捜査情報の共有が進み迅速かつ円滑な捜査協力が可能になる。

 

◇南極の巨大な氷塊が崩れて漂いだした。重さは1兆トンで広さは愛媛県にあたるという。過去にもこれに近い塊が漂いだしたことがあった。南極の氷が大きく変化する前兆なのか。(読者に感謝)

 

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2017年7月13日 (木)

人生意気に感ず「群馬に迫る大水害。カスリン台風。へいわの講義」

 

◇倉渕村では1時間に130ミリの雨が降った。前橋の国道17号が冠水した。これは昨日の出来事である。北九州の大水害は決して他人事ではない。地震は活断層という地域に固定した要因で起こるが、大雨は天の動きである。福岡・大分で29人が亡くなり、他に不明者が多くいる。こういう事態が群馬でも起こり得ることを認識すべきだ。

 

 昭和22年のカスリン台風の大水害を忘れてはならない。私は宮城村で当時小学校1年生。その日、激しい雨で学校は午前中で終わったが通学路の二つの川にかかる橋は私の通過後に流された。逆巻く、狂ったような濁流は目蓋に焼き付いている。台風が去った後、積み重なる「流木」が川を埋めていた。今、九州で毎日のように報じられている流木の光景である。多くの死者が出て、富士見の石碑には命を落とした多くの人々の名が刻まれている。

 

◇今、地球の温暖化によってあのカスリン台風のような事態がいつでも起こり得る状況となった。

 

 私たちが恐れるべきは「群馬は大丈夫」という安全神話である。この安全神話の中に多くの外国人が入り込む時代となった。先日、私は多くの留学生に災害対策を話した。「皆さん、この利根川が海のように変化して、人もまちも流されることが起きるのです」と。彼らは私たち以上に日本は安全で「群馬は大丈夫」と信じている。

 

◇毎週水曜日、「へいわ845」と称して、約15分間平和の講義をすることになった。日本アカデミーの朝礼で8時45分に始める。

 

 昨日は平和の意味と日本における平和の原点を話した。「平和とは戦争のない平穏な状態のこと。現代日本の平和の原点は、70年前の敗戦とそれによって生まれた日本国憲法です。この憲法の原理の中心が平和です」

 

 私の講義には担当者がいて、英語と中国語に翻訳され映像化される。

 

◇今後、どのように展開していくかと質問された。「人類の歴史は戦争の歴史でした。各国が自国第一主義を考えたために戦争が起きた。その教訓から世界が協力し合う場が必要ということで国連が出来ました。来週は国際連盟と国際連合をやります」と答えた。

 

 歴史は繰り返す。国連を第一に支えるべきアメリカの大統領がアメリカ第一を叫び、世界中で危険なナショナリズムが起きつつある。(読者に感謝)

 

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2017年7月12日 (水)

人生意気に感ず「前川前次官の姿。九州で何かが起る。籠池立件。共謀罪施行」

 

◇理路整然、悠々として静かな迫力があった。前川前次官の参考人答弁を見た。人は見た目なのである。一言半句を発する表情と全体の姿にその人の人格と全てが現われる。テレビは余すところなく捉えていた。

 

 文部科学行政のトップにいた元官僚の姿を見て、日本の官僚組織の凄さを感じた。獣医学部新設を巡り、「背景に官邸の動きがあり、行政が歪められた」と語った。安倍政権が窮地に立たされている。内閣支持率が30%台に落ちた。国内外に難しい問題が山積し、正に国難のとき安倍首相はどう切り抜けるのか。日本の民主主義の真価が問われている。

 

◇国会の閉会中審査で質問に立つ国会議員が皆、福岡・大分両県の災害につきお見舞いの言葉を述べていた。九州の状態は唯事ではない。熊本の大地震に始まり、大雨特別警報と続き、今度は鹿児島で震度5強が起きた。

 

 桜島の火山の状況は専門家によれば限界に近づいていると言われる。九州に何が起ころうとしているのか。

 

◇森友問題が新しい大きな展開を示し始めた。籠池前理事長の妻は、家宅捜査に対し「安倍さんこれ以上おとうさんをいじめないで」と叫んでいた。漫画的な三文劇に見えた。司法の場で問題点が明らかになりつつある。

 

 森友学園が国と大阪府から補助金を不正受給したとされる件で、籠池前理事長は詐欺容疑等で立件される方向だ。大阪地検は籠池氏が不正を主導した疑いを強めている。志のある国士の一面を示しながら登場した籠池氏に首相も首相夫人も振り回された感がある。

 

 加計学園問題も、森友学園問題も「忖度」という今まであまり使われたことのない言葉を流行らせた。これに日本中が劇場と化した。森友問題は質の悪い茶番劇である。司法の場で「お父さん」はどう裁かれるのか。注目を続けたい。

 

◇「共謀罪法」(改正組織犯罪処罰法)が11日施行となった。大騒ぎとなっていることの本質は、刑法の原則の変更により人権侵害の恐れが生じる点である。刑法は人に罰を与えるものだから、ここからが犯罪ということが明確でなければならない。それが「実行行為」だ。それを実行前の準備段階で罰する。国際テロに備えるためにはやむを得ないが、国会に手続きが乱暴だった。今後の法の運用を国民がしっかり監視する必要がある。(読者に感謝)

 

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2017年7月11日 (火)

人生意気に感ず「九州の大雨が訴えるもの。北はなぜ崩壊しない。暑さで脱ぐ女」

 

◇「今、流されている。さようなら」。濁流に流されながらある奥さんが知人に電話したと報じられた。ケータイ時代の悲しい一コマか。

 

 九州の大災害は行き着く所を知らない。死者21人が確認されたが、他に有明海には5人の遺体があり、これも被災地の豪雨被害の可能性がある。更に行方不明20人以上、孤立状態が220人とか。生存率がぐっと下がる72時間が既に経過した。この暑さ、虫の息の状態では正にこの世の地獄に違いない。

 

◇福岡、大分の今回の洪水は、数十年に一度の特別警報下で起きた。さほど大きくない川、のどかな山村の惨事である。おそらく有史以来の出来事に違いない。

 

 美しい日本の農山村は自然との調和の中でその姿を保ってきた。地球温暖化の異常事態に従来の調和は通じなくなったのであろうか。これは全国の地方が他山の石とすべき事態である。

 

 私は、小説「死の川を越えて」の取材でよく吾妻渓谷を走る。天にそびえる絶壁の下に小さな家が斜面に貼り付くように並ぶ。これは何百年と続いた安泰の光景であろう。このような所に大雨特別警報が出たらどうなるのか。県内には至る所にこのような箇所がある。私の県議時代、このような危険ヶ所を洗い出してマップを作ったが、対策が十分とは思えない。群馬は大丈夫だという安全神話を否定してかかることを九州の豪雨災害は訴えている。

 

◇虚虚実実の駆け引きとはこのこと。米中露と北朝鮮の暗闘である。日本の運命が一番の危険に晒されている。間違えば日本にミサイルが撃ち込まれる。失うことのない狂気の独裁者はやりかねない。日本は累卵(るいらん)の危機にある。地上の国家間に格差が広がっている。豊かな先進国にねたみや怨みを持つ国は少くない。そんな国の中には、北朝鮮を支援する国も少なくないのではないか。北に対する制裁が抜け穴だらけで効果が上がらない一つの理由かもしれない。

 

◇とにかく暑い。日曜朝、町内の公園で6時半から草とりがあったが40分くらいの作業で役員は熱中症を心配して切り上げを宣言した。トコも三太も大変である。

 

 43歳の女が、パンティとブラジャーになったとして静岡中央署に「公然わいせつ」という理由で逮捕されたという。暑さに耐えられず脱いだのか。警察は警報で動いたらしいが、公然わいせつ罪に当たるのであろうか。(読者に感謝)

 

 

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2017年7月10日 (月)

人生意気に感ず「ヒアリの恐怖。遅刻魔プーチンがお詫び。共謀罪施行」

 

◇ヒアリにひやっとだ。南米産の毒アリが日本に上陸した。強い毒性で刺されると人命に関わるという。中国に定着しており、中国からの貨物輸送に紛れ込んで日本各地の港に広がっている。神戸、名古屋、大阪南、東京の各港で発見が続き、最近は女王アリも確認されている。外来の生物の多くは天敵がないため増殖の恐れが大きい。

 

 南米原産のヒアリが増えるのは温暖化と関係があるのだろうか。南米産のアリといえば既にアルゼンチンアリが日本に広がりつつあるという。アリは、私たちの日常生活の中の存在で、普通には恐怖感をもたない。働き者として、童話の世界でも親しまれてきた。アリに対する認識を改めねばならない。

 

◇ICBM成功を誇る金正恩の高笑いが聞こえてくる。アメリカは何も出来ないのかという声が聞こえる。そんな中、米韓両軍は8日、北の弾道ミサイル発射台に対する爆撃訓練を行った。米軍の戦略爆撃機は北朝鮮との軍事境界線付近まで飛行して北朝鮮を強く威嚇した。これはトランプの金正恩に対する強いメッセージである。北がどう反発するかが注目される。

 

◇北朝鮮の問題は中国とロシアの対応にかかっている。それだけに、トランプとプーチンの首脳会談で何が話されたかに注目が集まる。ドイツ、フランクフルトにおける会談は、30分という予定が2時間を超え関係者をはらはらさせたらしい。分刻みで次の会議が組まれているからだ。

 

◇この大幅な予定超過の影響を受けたのが安倍首相らしい。プーチンは予定より1時間半も遅れて安倍首相の前に姿を現した。プーチンの遅刻癖は世界的に有名である。遅刻魔なのだ。先日の日本での首脳会議でも大変遅れて、その非礼が批判された。今回はトランプとの会談が長引いた結果らしい。しかし、今回は意外なことが起きた。

 

 プーチンは「最初にお詫びしたい。許して欲しい」と語ったという。この姿は何を物語るのか。北方領土問題の話に何か変化があったのであろうか。いずれにしろ「時は金なり」という日本の諺を教えてやりたい。

 

◇テロ等準備罪を含む改正法が明日施行される。今月の「ふるさと塾」(22日)のテーマは「テロ」。ISが崩壊してもテロの恐怖は続くだろう。一人一殺の血盟団事件、二二六事件にも触れる。(読者に感謝)

 

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2017年7月 9日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第52回

 

 

 

 私は水木のラバウル戦記を読んで、こんなのどかな世界が地球にいつまでも存続して欲しいと思った。ラバウルも近代化の波に呑み込まれてしまうとしたら残念である。グローバル化の波は世界の果てまで押し寄せている。エネルギーを多量に消費して生活をますます近代化させているのが実態である。その行きつく先は日本兵が味わったよりも悲惨な地獄であるかも知れない。

 

 グローバル化は、世界を一つの文明の尺度によって秩序をつけるものであってはならない。異文化、異文明の存在を認めて対等に付き合うことの重要性を私達は学ばなければならない。

 

 50数年前のニューギニアの戦いと21世紀の初めに行われたアフガニスタンへの攻撃を比べながら、私はこの感を強くした。

 

 

 

(3)連合艦隊司令長官 山本五十六元師の死

 

 

 

 この日の戦跡巡りで特に印象に残ったのは、旧海軍司令部跡である。ハママスホテルの近くの半ば灰に埋もれた厚いコンクリートの残骸がそれであった。そして、その先には旧日本軍のラバウル飛行場跡が荒涼とした見渡す限りの灰の中に広がっている。司令部と飛行場を結ぶ線の一方はラバウル湾で他の一方にはタブルブル火山が見える。記録によれば、当時もこの火山はしきりに噴煙を上げていた。人界の熱い戦いに火山がしきりに何か訴えているような光景である。

 

 司令部の残骸に立って飛行場を眺めると、轟音をあげて絶えず離着陸する戦闘機や引きつった表情で慌ただしく走り回る将兵の姿が目に浮かぶようである。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年7月 8日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第51回

 

土人部落では、犬、ニワトリ、豚が同居しており、柵もないのに動物たちは逃げない。時々、ニワトリや豚がジャングルに入っていっても、また家に帰ってくるから不思議だという。自然と家畜と人間が真に共生している姿であろう。

 

 土人部落では赤ん坊が裸で土の上を這っていて、土がついた手をなめても親は気にしない。赤ん坊がペケペケ(糞)をした。そしたらどこからともなく豚が出てきてペケペケを綺麗に食べた上、赤ん坊の尻までなめてくれる。現在は、現地人の住まいに便所があるが、当時は小さな穴を掘って埋めていたという。なんでもない平地にペケペケ地帯があり、うっかり踏み入れると大変だったという。またプスプス(性交)は家の中で行われずすべてジャングルで行われたが、これを目撃した日本兵は皆無だったとか。

 

 土人はガーデン(畑)の所在を日本兵に決して教えないが、水木は教えてもらって芋などをよく分けてもらったという。

 

 このような土人部落が水木は好きだった。日本に帰りたくないと思ったこともあるという。土人のイカリアンや少年トペトロと親しくなった。日本に帰国することになった時、部落の人は彼に帰るなといった。十年したらここに来ると言うと、それでは皆死んでしまうから3年にしろという。それでは7年したら必ず来る。こんな約束がなされた。年月はあっという間に過ぎ、23年ぶりに感動の再会を果たした。トペトロ少年はすっかりおっさんになっていたという。その後「トペトロが亡くなったからすぐ来い」という手紙が来た。水木が着く2、3日前にトペトロの息子は夢を見た。夢の中にポコポコをもったトペトロが現れて、近くパウロが来るから充分にもてなすようにと言ったという。ポコポコとは踊りに使う人形のことで、パウロとはもちろん聖書の中の聖人の名であるが、水木が何かの折、聖書を説明したことがあり、それから土人は彼のことをパウロと呼ぶようになったという。

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年7月 7日 (金)

人生意気に感ず「東日本大震災の再来か。大災害の序曲。北を支える国々。豊田議員の刑事責任」

 

◇逆巻く黒い濁流、押し流された鉄橋等、九州の大雨の惨状は東日本大震災の津波を思い出させる。日本は災害の国であることを痛感する。日本は自然が美しい国である。日本人は古来自然と共に自然を愛し、自然を畏怖して暮らしてきた。現代人が反省すべき点は自然を見下し、自然を征服したと思い上っていることである。自然を畏怖することは、これを愛することと不可分なのだ。

 

 東日本大震災以来、眠っていた大自然が動き出した。各地で頻発する地震は近づく巨大地震の足音に違いない。このような状況に合わせて温暖化による異常気象が始まった。福岡、大分の大災害はこれから日本列島で起こることの序曲と捉えるべきだ。大自然を前にして原発などはひとたまりもない。

 

◇ICBMの成功に大きな腹を揺すって笑う金正恩。その背景には貧困に喘ぐ国民の姿が想像できる。異常気象は北朝鮮をも襲い農業に深刻な打撃を与えていることが時々報じられている。金正恩の高笑いと天空に打ち上げられるロケットの軌跡を国民はどういう思いで受け止めているのか。

 

◇ICBM発射に対して国連は緊急会議を開き制裁を協議している。金正恩の高笑いは「そんなものは効果がない」と馬鹿にしている姿に見える。北朝鮮が膨大な金を注いでミサイルの発射を続けられるのは、アメリカ主導の経済制裁が抜け穴だらけであることを物語る。北朝鮮は世界で孤立していない。北朝鮮は約160か国と国交をもつ。その多くはアジアからアフリカに広がる小さな国々で、中にはアメリカを中心とした西欧文明の歴史に反感をもつ国も大いに違いない。金正恩はそれを熟知し、それが彼の自信と慢心を支えているのではないか。

 

◇暴行、暴言の豊田衆議院議員に関する被害届が警察で受理された。週刊誌やテレビなどで報じられたことが事実かどうか司法手続きにのせてしっかりと審議して欲しい。最高学府を出て選挙に当選し、表と裏の顔をさらけ出した。現代日本の諸悪が凝縮されている。厳格に裁けなければ「忖度」という声が巷で起きるだろう。社会的制裁を受けたからなどという理由で起訴猶予にすることを庶民感情は望まない。「このバカ―」を獄中で怒鳴る姿を見たいと私の周辺から声が上がっている。大量生産された新都議にその声を聞かせたいというのだ。(読者に感謝)

 

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2017年7月 6日 (木)

人生意気に感ず「金正恩の贈り物。試される首相の冷静な指導力。特別警報の意味」

 

◇金正恩は5日、ICBMの発射成功を7月4日のアメリカ独立記念日の「贈り物」と語った。この表現は、アメリカに対する最大の侮辱に違いない。アメリカが誇る建国の偉業に対してアメリカの存立を脅かす凶器を突きつけて、「それ、贈り物を受け取れ」と言ったのだから。北朝鮮国民の狂喜する姿が同時に報じられた。この挑戦と侮辱に対し、アメリカ国民がどう反応するか非常に興味が持たれる。アメリカの対応次第では核戦争に発展する。その時には日本と韓国は真っ先に標的にされると考えなければならない。私達は、世界戦争の瀬戸際に立たされている。

 

◇これまでも、ケネディ大統領の時にキューバ危機があった。あの時は日本から遠く離れていたことと対峙した米ソ両国が理性を有していたために危機が回避された。北朝鮮は理性と合理的判断が期待できない国であることが最大の問題なのである。

 

 一方、アメリカとて、トランプの怪しげな正体がいよいよ白日の下に晒されつつある。議会で窮地に立たされ与論の支持率は最低を示している。そんなトランプを金正恩は何も出来ないと高をくくっているのではないか。

 

 解決はロシア、中国を抜きにしては考えられない。難しい国際情勢の下で日本はどう動くべきか。冷静な情勢分析に基づく外交力こそ、今求められる最大の安全保障策である。

 

 先日の都議選の時、聴衆の「帰れ」の怒号に対し感情を剥きだしにした安倍首相を新聞は「未熟」と批判した。本当に未熟なのか首相の真の力が問われる時がきた。

 

◇逆巻く赤い濁流は映画のシーンではない。福岡県・大分県で大雨特別警報が出された。テレビは、身を守るため最善を尽くしてと訴えている。特別警報は数十年に一度の災害が差し迫った時に出される。1時間に145ミリ、数時間に500ミリ等と報じられた所がある。これだけの雨が立錐の余地なく降り、それが低い所に集まるのだから川が洪水で膨れ上がるのは当然だ。「数十年に一度」が、珍しくなくなった。「異常」が「通常」になり、「数十年に一度」が「毎年」になる事態となっている。これも温暖化に伴う異変だと思う。南極の氷は溶け、海面は上昇する。地球の暴走はもはや止まらないのではないか。

 地球は一つ。気象も一つで国境はない。人類が一つにならねば道は開けない。自国第一などと言っている時ではない。(読者に感謝)

 

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2017年7月 5日 (水)

人生意気に感ず「都議選は首都直下地震。地方議会は都に学べ。中国語講座。人形の首を切る子ども」

 

◇都議選の結果は首都直下型地震に見舞われたようだ。首都官邸がこのように揺すられることは現実の首都直下でもないかも知れない。

 

 都議選最後の日、安倍首相に対して浴びせられた「帰れ」コールは衝撃的だった。おごる平家は久しからず。今までうまくいき過ぎた感のある一強安倍政権は歴史に学び、真に反省すべきである。

 

◇折しも、こんな時に北朝鮮はまたも日本の排他的経済水域に弾道ミサイルを撃ち込んだ。この暴挙は、日本は大変な国難の時にあるのだからしっかりせいと教える効果がある。安全保障の課題に対応出来る力は現状では自民党以外にはない。その自民党も謙虚に反省して国民の信用を得なければこの国難を乗り越えることは出来ない。都議選の結果は、安倍政権にこのことを突きつけているのだ。

 

◇昨日、久しぶりに県庁に行き、自民党控室を訪ねた。都議選の激震は地方議会も激しく揺すっていることを感じた。都議会は劇的に変化することが期待される。

 

 私たちは、都議会も地方議会の一つであることを認識して、地方議会の今後の変化を監視すべきである。地方の時代と言われて久しく、地方議会の形骸化が叫ばれ続けている。

 

 今日の日本がかかえる様々な重要課題は地方の力にかかっている。民主主義を支えるものは地方の自主性なのだ。地方議員はしっかりしなければ都議会の今後の変化を受け止めることは出来ない。

 

◇県庁訪問の目的は中国語教室であった。日中友好協会は、昭和庁舎で講座を行ってきたがこの度受講生が急激に増えた。かつて10人以下だったのに、昨日はほぼ満席。節目の第一回ということで、友好協会の会長として挨拶した。

 

「言葉は心を開くカギです。中国語を学ぶことにより、中国により近づくことが出来、中国の歴史に近づくことができます」と話した。講師の黄さんは、福建省出身で日中友好協会の事務局員である。

 

◇ISの崩壊が迫る中でその狂気の残酷さが報じられている。住民を盾にし、住民を残虐に殺している。古来、住民から離脱した戦いに勝つことは出来ない。崩壊は彼らの心が腐って崩れていることを示すものだ。逃れた子どもが泥人形を作り、首を切断したことが報じられた。蛮行は子どもの心をずたずたに切り裂いたのだ。(読者に感謝)

 

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2017年7月 4日 (火)

人生意気に感ず「東電幹部の公判は。国会事故調は人災と。原爆と同根」

 

◇東電元幹部を被告とする刑事事件の公判が始まった。想像を超えた歴史的大事故は6年を経てもまだ終結しない。原爆事故は天災が一因であることは明らかであるが、同時に「人災」でもあったのではないか。刑事事件としてはこの点が問われる。私は「ふるさと塾」で東日本大震災の一環として、福島第一原発事故を度々取り上げた。そのために、国会事故調や独立検証委員会の報告書を読んだ。

 

 特に国会の事故調査委員会報告書は、明確に「自然災害ではなく人災」と結論づけた。そこには、委員の強い憤りすら感じられた。

 

◇その憤りとは何か。次の点に見てとれる。「福島第一原発の敷地の高さを超える津波が来た場合に全電源喪失に至ること、その場合、海水ポンプが機能喪失し炉心損傷に至る危険があることを東電は認識していた」、「今回の事故は何回も対策を打つ機会があったにもかかわらず、経営陣等はそれを意図的に先送りし、安全対策がとられないまま3・11を迎えたために発生した」、「これらの点に鑑みれば今回の事故は自然災害ではなくあきらかに人災である」

 

◇今回の公判は、強制起訴によるものである。この制度は司法の民主化を目指した司法制度改革の一環として導入された。民間人による検察審査会が、検察官の再度の不起訴処分に対し、起訴すべきものと議決した場合に自動的に、つまり強制的に起訴される。

 

 この公判で原告側は次のように指摘した。「原発事業者には高度の注意義務がある。政府研究機関の予測に基づき東電は20年に最大15.7mの津波発生の恐れがあると試算、3人もそれを把握していた。地震予測や試算を軽視し対策の必要性を認識していなかったとすれば明らかに注意義務違反である」

 

◇3人の被告の風貌は一見してエリート、そして官僚風である。東北の庶民とはかけ離れたものを感じさせる。巨大な権力と手を組んで安全神話に胡座をかいてきた姿だという声が私のまわりからも聞こえてくる。

 

 今回の訴訟は今後の原子力政策に測り知れない影響を与えるだろう。強制起訴から始まったことは国民の関心がいかに高いかを物語る。人類史上初めて原爆の洗礼を受けながら、原爆と同根というべき原発に対し、恐れと謙虚さを忘れた壮大な流れを前に国民は固唾をのんで訴訟の行方を見詰めている。(読者に感謝)

 

 

 

 

 

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2017年7月 3日 (月)

人生意気に感ず「都民ファーストの大勝。ISの崩壊は。小説の舞台を。連勝ストップ」

 

◇小池知事の都民ファーストが記録的大勝を果たし、自民は歴史的大敗を喫した。自民党の敗戦を決定的なものにした要因は「三重苦」と言われるものであるが、特に防衛大臣の失言と、「このバカ―」で一躍お笑いタレントのように報じられた豊田議員の存在が大きい。現職の国会議員が都議選で失態を演じてこの結果を招いたことは、今後の国政に大きな影響を及ぼすに違いない。

 

 都民ファーストは49人が当選したが、無所属当選者6人を追加公認して55議席を得た。一方自民党は過去最低の23議席に落ち込んだ。民進も2議席減らして5議席とは、自民党を攻める立場にあったことからして惨めである。安倍首相がこの混乱からどう抜け出すか見ものである。

 

◇イスラム国(IS)が壊滅状態にある。無惨な廃墟と化した瓦礫の山を見て、多くの人を殺し人類の宝である文化遺産を破壊した大義は何かと改めて思う。ラッカにはまだ数千人のIS戦闘員が残っていると言われる。こういう残党が世界に散って今後もテロを繰り返すのか。ISが崩壊したからといって世界のテロ組織が消滅するとは思えない。モグラたたきのような状態が続くのか。新戦略に基づく各地のテロが激化するという見方もある。五輪、パラリンピックが近づく。小池パワーは国と連携して東京のテロに向き合って欲しい。

 

◇2日(日曜日)、私は午前7時前に吾妻に向かった。白根開善学校の創立39年式典に出て、小説「死の川を越えて」の取材でいくつかの現場を巡った。

 

 私の小説はやがて「重監房」に入り、リー女史の死を描く。この日、重監房資料館、藤田三四郎さん、バルナバ教会を訪ねた。教会はミサが終わった後で、松浦牧師夫妻に会うことが出来た。教会の創立者でイギリス人宣教師のリー女史は、昭和16年12月18日にこの世を去った。太平洋戦争勃発の10日後であった。イギリスは敵国であったため、戦争が始まると国はリー女史を厳しく監視したと牧師は語っていた。楽泉園にはカトリック教会も存在した。カトリックの総本山はイタリアのローマである。イタリアは同盟国なので国は寛大であったそうだ。

 

◇14歳の天才棋士藤井4段が遂に負けた。29連勝を支えた精神力は驚異的。負けたことで勝負を振り返る機会を得たことだろう。本物になれるかはここから決まるのだろう。

 

(読者に感謝)

 

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2017年7月 2日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第50回

 

「さらばラバウルよ」といって、日本へ帰れた兵士は幸せであった。水木しげるのラバウル戦記には、爆弾で足音を失った若い兵士が淋しそうに俯いている絵が描かれている。おとなしい兵長で新婚2・3か月で兵隊にとられたせいか、花嫁の話ばかりしており、毎日実に細かいところまで、驚くほどリアルに聞かされたという。地の果てにいて生きて帰れないと思うとき兵士の恋人や肉親に対する情は抑えがたいものであったに違いない。

 

 トーマは展望台のある美しい所である。あの緑の中に水木が親しくつきあった部落があるのだろうかと私は回りの景色を眺めながら彼の戦記を思い出していた。水木のように、現地の人と親しく交われた人は少ないのかも知れないが、その様は、血生臭い戦争の話の中で私達をほっとさせるものがある。戦記の中からいくつかのことを紹介したい。

 

 水木は、現地の人を土人と表現するがそれは軽蔑でなく、自然の中で土に生きる人という意味である。土人は文明人と違って時間をたくさんもっている。それは、一日、2~3時間畑に行くだけで、そのほかはいつも話したり踊ったりしているからだ。月夜には月を眺めながら話している。実に優雅な生活で自然のままの生活だ。こういう土人の生活が人間本来の生活だと彼は語る。私達もバスで移動中、真昼間木陰で多くの人が腰を下ろして話している光景をあちこちで見た。 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年7月 1日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第49回

 

 洞窟の近くには何軒かの粗末な民家があった。その中の一つの小屋の前に女性が立っている。承諾を得て中に入れてもらった。昼だというのに中は暗い。土間の片隅に一段と高い所がある。本当に2坪もない狭い一角であるが、そこで食べたり寝たりするのであろう。回りのすき間から外の光が差し込んでいる。鼻を突く臭気が立ち込めていた。

 

 文化や習慣は比較の問題ではない。だから日本の住居と比べてとやかく言うのは間違いだと思う。彼らにとっては、まわりの緑や青い空そして目の前の海も住居なのだ。

 

 日本軍がいたころの現地人の生活はもっと素朴であったろう。そして、そこに自然に近づくことが出来たのは白人ではなく日本人であったと思う。当時の日本兵は、現代の私達よりは格段に彼らを理解する心をもっていたに違いない。水木しげるが親しくつきあった部落は、午後訪れるトーマという所であった。

 

 午後は、ココポにある戦争博物館。ヴナカナウ飛行場跡、ラバウル湾が一望できるトンネル山展望所、トーマ展望台、旧日本軍のラバウル飛行場跡、そして軍司令部跡などを見た。トンネル山から見下ろす光景は絵のようである。湾を囲む岬の上では、この日もタブルブルが青い空に煙をゆっくりと上げていた。この景色を見ていると「さらばラバウルよ、またくる日まで」というラバウル小唄も納得出来る思いがする。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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