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2017年6月11日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第44回

 

私はかつて、漫画家水木しげるのラバウル戦記を楽しく読んだことがある。彼は、ラバウルで左手を失うという苦しい体験をしたが、その戦記から悲惨さは全く感じられない。戦争を突き放して見ているところがあったし、苛酷な環境でも、生活を楽しむ余裕さえおっていた。土人(彼の表現のまま)と親しく交わる様子は感動的である。そして、そこで語られるペケペケ(糞)やプスプス(セックス)の話はユーモラスで読む人の想像を駆り立てる。彼のラバウル戦記の世界は、私がかつて愛読したゲゲゲの鬼太郎の世界と通じるものがあるように感じられる。水木のラバウル戦記は、兵士の心理、異文化との交流などをとりあげるときの材料として後に触れる。そんなラバウルとはどんな所か、この目で確かめてみたいという期待があった。

 

 昨日は、一日中民族衣装で付き合ってくれたマルガレータも、今日は一変し普通の女性の姿になっていた。ユー・ビケイム・アナザー・ウーマン(あなたは別の人になったね)と言うと、イエスイエスと言ってキャッキャッとはしゃいでいる。手を振る彼女たちに別れを告げて、私達は機上の人となった。12時15分、PX308便でニューブリテン島のラバウルへ向かう。

ニューブリテン島の悲劇の海ダンピール海峡を隔ててニューギニア本島の東に東西に細長く位置する四国くらいの大きさの島である。ラバウルは、その東端のワニが口をあけたような形の湾の中にある。そしてラバウル市の人口は約25,000人、パプアニューギニア第6番目の都市で、州都でもある。途中ホスキンスに着陸し、すぐ飛び立って午後2時10分にはニューラバウル空港に着いた。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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