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2017年6月16日 (金)

人生意気に感ず「テロ準備罪と刑法の原則。ロンドンのビル火災は」

 

◇久しぶりに荒れた、そして異例な国会となった。「テロ等準備罪」が成立した。参議院の審議に関し、委員会での議決を飛ばして、本会議の議決を強行したのだから国民への説明不足の批判は免れない。

 

 昨日、2人の若者が私の事務所を訪ねた時、この問題が話題になった。その1人が言った。「1人がテロなどの準備をすると計画に参加した全員が逮捕というと、冤罪の恐れが大きいですね」と。警察の法律運用次第で罪のない人が逮捕される恐れが生じるだろう。国民の中には、国会の審議状況を非難しつつもこの法律を支持する人は多いに違いない。それはテロ等の異常事態が迫る中で、通常の法律では社会と国民の安全を守れないことを知るからである。法相の答弁の拙(まず)さなどが目立った。国会は国民の安全を守る最大の砦。一強の傲りはなかったか。陣痛促進剤によって生まれた感のある法律を権力は謙虚に運用して欲しい。迫る国際テロの不気味な影に対する一つの大きな防御柵はつくられた。権力の濫用をチェックする最大の力は国民の目である。

 

◇事務所を訪ねた若者たちから「準備」を罰することはなぜ問題なのかという疑問が出た。「人権侵害の恐れですよ」と私は説明した。罪となるならないの境が明瞭でなければ、権力の誤った判断で逮捕され罪人とされる恐れがある。だから犯罪の形をはっきりさせ、それに踏み込む行為、つまり「実行行為」を罰することが大原則。準備とはそれ以前のもので、中味が定まらないから何でも準備になる恐れがある。立法の目的をしっかり見つめ、この準備に歯止めをかけなければならない。政府は全国の検察、警察にこの観点からの厳しい要請を行ったと言われる。

 

◇今回の準備罪成立で思い出すのは、暴力主義的破壊活動を行った団体の予備陰謀を広く罰するいわゆる「破防法」である。この法律は、国民の人権侵害にならぬよう最小限に適用し、拡張してはならないと特に定めている。実行行為前の段階の準備行為を罰するのは極めて例外なことで、重大犯罪から国民の安全を守る場合である。刑法では内乱罪、外患罪、殺人罪、放火罪などである。

 

◇ロンドンのビルの火災でスティーブ・マックイン主演の「タワーリングインフェルノ」を思った。日本のビルも他山の石とすべきである。(読者に感謝)

 

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