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2017年6月22日 (木)

人生意気に感ず「28連勝!春風の真剣勝負。日中友好協会と一帯一路。差別と人権・死の川を越えて」

 

◇28連勝に日本中が沸き立っている。まだあどけない柔和な中学生の胸のうち、頭の構造に神秘的なものを感じる。少年棋士藤井4段の姿である。

 

 連勝記録は何十年ぶりとかで、日本最多に並んだ。これからどこまで伸びるのか。対戦の姿は春風の中の菜の花のようだ。日本中の注目を全く意に介さないような精神の強靭さはどこから来るのか。

 

 テレビはまちの将棋教室で駒を見詰める幼い子どもたちの姿を映している。殺伐とした現代の子どもたちの世界にのどかな陽光が差しているようだ。

 

 プロの棋士たちがロボットに破れたことが話題になっている。これは人間が機械に取って代わられる時代の象徴のように言われているが、人間の心の奥深さと神秘さを信じたい。藤井4段の姿は人間の大きな可能性を示唆するもので教育の世界にも何かを投げかけているようだ。

 

◇今日は、群馬県日中友好協会の総会の日。嵐の中で船出して4年が過ぎた。この間、順調な歩みを続けることが出来たと思う。主な成果として、上海市人民対外友好協会との間で経済・文化等の交流を進めるための「友好交流備忘録」を交し、これに基づいた諸行事を行ってきたことがある。その中には上海市との間で2回にわたって行われた青少年書道交流展があり、今年は日中国交正常化45周年を記念して中国大使館の中庭に群馬の五葉松を植えるなどをした。

 

 今日は大使夫人の汪婉氏が「一帯一路と中日協力のポテンシャル」と題した講演を行う。一帯一路政策は習近平主席が繰り広げようとする壮大な構想である。日本とどのように関わるのか、大使夫人が何を語るのか注目している。汪婉氏は東大の大学院で歴史等を研究し博士の学位を取られた方で、日本の文化に関して造詣が深い。

 

◇今日22日は、「らい予防法による被害者の名誉回復および追悼の日」。県庁ではハンセン病に関するパネル展が行われている。ハンセン病は「過去の病」になったといえるが、差別と偏見が社会に下した根は消滅しない。

 

 ハンセン病については無知が偏見を生み、誤った政策が差別を助長した。根本には人権に対する無理解がある。私の新聞小説「死の川を越えて」の底流には人権がある。差別を人権の問題とみる時、それは永遠の課題なのだ。(読者に感謝)

 

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2017年6月21日 (水)

人生意気に感ず「韓国の脱原発、日本は。森友劇場に幕。北朝鮮、米学生の拷問死」

 

◇韓国大統領の脱原発宣言に注目。文在寅大統領は「脱原発は逆らうことのできない時代の流れだ」と強調した。韓国発の古里1号機原発は、設計寿命終了後10年間の継続が認められたが、この間事故が続発した。この他、24基の原子炉がある。宣言には福島第一原発事故を教訓にする意図がある。福島事故については、「日本でも起きた」、「6年を経て未だ収束しない」これは全世界が注目する事実。もう一つの世界の驚きは、「地震の巣」の上にある日本が、なぜ廃止しないのかということである。

 

 原発の安全管理は技術力と国民の監視力にかかる。国民の批判を許さない政治体制の下では管理が甘くなるのは不可避である。電力需要が増す新興国は原子力に頼ろうとしている。中国では20基が建設中である。日本が新興国に原発を輸出しようとしている事実をどう捉えるべきか。

 

◇戦後の日本は、広島長崎の原爆投下から始まった。「のど元過ぎれば熱さを忘れる」で日本人はあの地獄の「熱さ」を忘れている。原爆と原発は同根であることに思いを致すべきだ。小泉元首相の脱原発に向けた勇気ある姿勢に拍手。技術先進国にして、人間尊重の国日本は原発依存度を極力減らしていくべきである。

 

◇森友学園は、森友劇場ともいうべき展開を示して日本中の観客の目を引きつけてきた。「忖度(そんたく)」という聞き慣れない言葉が降ってわいた。民主主義と行政の在り方を考える上で良い材料を提供した事件であった。この珍事も補助金不正受給強制捜査で大団円を迎えようとしている。

 

 強制捜査を受けた籠池氏宅では、玄関先で妻が「安倍首相、もうお父さんをいじめないで」と叫ぶ姿が報じられた。

 

◇北朝鮮に拘束された後、こん睡状態で帰国した米国大学生が死亡した。「拷問死」の疑いにトランプが激怒している。国際世論、特に米国民の目は核とミサイルで世界を脅かす残忍な独裁体制の一環とみている。ここまで何も出来ないのかとナショナリズムに火がつこうとしている。危険な兆候である。

 

◇明日は群馬県日中友好協会の総会。中国の大変化は目が離せない。大使夫人が日中を語る。終末(土)は「ふるさと未来塾」。ペルーと日本移民とテロを語る。テロの恐怖が迫る時である。(読者に感謝)

 

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2017年6月20日 (火)

人生意気に感ず「110年ぶり刑法改正の意味。元後援会支部長の癌死。イージス艦のもろさ」

 

◇性犯罪を厳罰化する改正刑法が成立した。刑法の公布は1907年(明治40年)であるから110年ぶりの大改正である。性の乱れと一口で言われるが、パンドラの箱を開けたように性犯罪が巷にあふれている。110年の間に性道徳も被害者意識も大きく変化した。

 

 今回の改正の主な点は強姦罪に関するもの。罪名が変更され、刑が重くなり、親告罪が非告罪となった等である。「共謀罪」では審議時間が足りないと揉めに揉めた参院はわずかの審議時間であっという間に全会一致で成立させた。それ程に求められた改正であったことを物語る。

 

◇強姦罪を含む強制ワイセツ(広義)の罪は、個人の人格的自由を犯す犯罪である。強姦罪は「魂を切り裂く犯罪」と言われ、そのダメージの深刻さは男性には到底分からない。強姦罪の在り方は女性の尊重と不可分の問題であり、その国の文化度をあらわす。

 

 従来の規定は、被害者を女性とし、刑を3年以上の懲役としたが、改正法は罪名を「強制性交等罪」とし、刑も3年から5年に引き上げた。罪名変更は被害者に「男性」を含め「行為」も「姦淫」に限らず、「性交類似行為」も対象としたためである。

 

◇親告罪とは起訴の要件として被害者の告訴を要する罪のこと。被害者の名誉を重視する余り加害者が罰せられない結果を生じていた。女性の被害者意識の変化は著しい。最近では社会的地位のある女性が強姦の被害を自ら公表する迄に至っている。

 

◇県会議員時代の後援会支部長のYさんが亡くなった。元気な人だったので新聞で知ったときは驚いた。2人に1人が癌になり、およそ3人に1人が癌で死ぬ時代である。

 

 家族葬となっていたが、参列を申し出、弔辞もさせて頂いた。81歳のYさんは昭和10年満州で生まれた。原稿を用意出来ず、口頭でお悔みを述べたが、私の胸に敗戦による満州の動乱の地獄絵が去来した。私は4歳で終戦を迎え、赤城山で開墾生活をしたことを述べた。共通の経験が貴重な財産だったことを霊前に捧げたかった。

 

◇イージス艦がコンテナ船と衝突して大きな打撃とは。情報収集が任務とはいえ駆遂艦である。敵の攻撃に備える必要は常にあるだろう。凄まじい水が流れ込んで7人が死んだ。軍艦として油断があったのであろうか。コンテナ船の過失は。(読者に感謝)

 

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2017年6月19日 (月)

人生意気に感ず「支持率急落の行方。日本丸は。群大の危機と重粒子線治療」

 

◇安倍政権の支持率が急落。ほぼ全てのメディアの集中砲火を浴びた結果である。先月に比べ支持率は10ポイントから12ポイント減となり、36%(毎日)が最低で、44%(共同通信)、45.1%(時事通信)、49%(読売)などと報じられている。17日・18日の調査であり、問題の国会審議の直後ということを考えると内閣にとっては台風の瞬間最大風速ともいえる現象だろう。

 

 安倍内閣が本物か否か、そして日本の民主主義の真価が問われている。嵐のような状況が去って、国民が冷静に判断した時の支持率が見たい。この現象は目前の都議選に大きく影響するだろう。更に最大の関心事は。憲法改正への影響である。憲法改正は国家と国民の運命が掛かった大問題だから、政権に信頼がなければ乗り切れない。

 

 北朝鮮問題、国際テロ、近づく不気味な巨大地震、東京五輪・パラリンピック等、国民は漂流する日本丸の前途に大きな危機感を抱いている。託すことが出来る船長がいるのだろうか。

 

◇17日「MIRAIS(ミライズ)」の勉強会。月1回、時代の重要問題に取り組んでいる。ここのところは「重粒子線」である。

 

 群馬県には全国に発信して注目させる特色がないと言われている。「いや、世界に誇る重粒子線があるではないか」これがミライズのメンバーの共通認識である。2人に1人が癌に罹り、3人に1人が癌で死ぬ。世は正に癌時代なのだ。県民の巨費を投じた施設は生かされていない。17日は群大重粒子線医学センターのO教授を招いて貴重な話を聞くことが出来た。

 

 教授によれば、重粒子線装置利用者の地域別患者数は群馬県の人が突出して多く、その他は近県が多い。群馬・栃木・長野・埼玉・新潟の5県で全体の約9割を占める。これからすれば、日本国内の患者の利用者を増やす余地は極端な言い方をするなら無限である。この癌時代にである。医療ツーリズムという考えがある。群馬の観光と結びつけるなら、群馬の振興に大いに役立つだろう。中国では上海にこの施設があるが、中国人は自国のものを信用していないという。このあたり、私の日中友好協会の出番がありそうだ。とにかく、群馬は宝の山を活かしていない。産学官の連携を真剣に考えねばならない。ミライズの役割は重要だ。(読者に感謝)

 

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2017年6月18日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第46回

 

 間もなくあたりの景色は変化した。海である。灰に埋もれた死の光景の向こうに広がる光る海は命が躍動するように新鮮に見える。水平線のあたりは、海と雲が溶け合って一つになっている。その手前に上部を削ぎ取られたような山があり一条の白い煙が青い空に吸い取られるようにゆっくりと昇っている。あれがタブルブルだ。その下にラバウルがある。バスの中は一段と賑やかになった。ラバウルのまちは、期待したような賑やかな所ではなかった。観光地というイメージはない。それでもかなりの人家と行き交う人々の姿があった。大噴火によってまちの半分は失われたままだが復旧活動はせず、近くのココポという町に都市機能、州都機能を移しつつあるという。

 

 ラバウルは左右の岬に抱かれた静かな湾の奥にある。外海から湾を眺めたとき、右の岬の上に立って噴煙を上げているのがタブルブルであり、左の岬の上に立つのがブルカンだ。湾の奥に緑の山を背に、そして海岸線には背の高い椰子の木を並べて静かに広がるまち並がラバウルである。大噴火の前は、赤や黄色の屋根が緑の中に溶け込んで美しい光景だったらしい。

 

 私たちの宿舎、ホテル・ハママスは、タブルブル寄りにあって、1メートル以上もある火山灰の山がホテルの近くまで迫っていた。そして、このホテルの近くには山本元師が死の直前に立ち寄った司令部や旧日本軍の飛行場があるが、灰に埋もれた姿は、かえって激烈な戦争が最近の出来事であるかのような印象を与えていた。

 

 ホテルに着いて、すぐに礼服に着替えて、追悼式の会場に向かう。南太平洋戦没者の碑は、ホテルからさほど遠くない裏山の中腹にあった。この山のなだらかな稜線の向こうに白煙を上げたタブルブルが姿をのぞかせている。

 

 山の中の道はひどかった。火山灰で埋まった道を迂回したり、崩れて半分になった道幅のところを恐る恐る越えたりしながら進む。復旧の手がつけられない山の中は、7年前の爆発の惨状がそのまま残っているのだ。

 

 戦没者の碑は、ラバウルの市街とその前方に広がる静かな湾、そして対岸のブルカン火山を一望できる山の中腹にあった。あの湾口から日本の船団が攻め込んだのだな。私は目の下の静かな海面から水平線の方に視線を移しながら思った。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

 

 

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2017年6月17日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第45回

 

 地味なローカル空港で、これがラバウル空港かと少々がっかりする。ホテルまでは約1時間、やはり凸凹が激しい道を2台のおんぼろバスに分乗して進む。まわりの景色は、ニューギニア本島とあまり変わらないが背の高い椰子の木はこちらの方が多いようだ。時々、木陰に現地の人の粗末な家が見える。その中、強い日差しを遮るように雲が出てきたと思ったら突然強い雨がたたきつけるように降ってきた。これが熱帯のスコールである。道を行く現地の人々は驚いた風もなく歩いている。間もなく雨は止んだ。雲間からさす陽光を受けて雨に打たれた緑の葉が光っている。

 

 車は、やがて人家のない山地にかかる。すると、そこには異様な光景が広がっていた。路面も両側の土手も今までの土とは違うもので覆われている。火山灰であった。そこまでの緑の森は一変して荒涼とした死の世界を思わせる風景が続く。路面には所々ナイフで抉ったような亀裂が出来ている。右手に巨大な山が現われた。一木一草もない正に死の山。そして頂上から麓に向かって、いく筋もの切り裂かれたような割れ目が走っている。

 

 火山の大爆発は1994年9月19日であった。朝6時タブルブル火山が、そして間もなくブルカン火山が爆発し、一帯は灰に埋もれ廃墟になったという。目の前の死の山はブルカンで、ラバウル港の対岸にあってラバウル市を埋めたのがタブルブルである。ガイドの話では二つの火山は海底でつながっているとのことだ。先程の空港の名がニューラバウル空港となっていたのは、灰の下になって使えなくなったラバウル空港のかわりに新しくつくったからである。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年6月16日 (金)

人生意気に感ず「テロ準備罪と刑法の原則。ロンドンのビル火災は」

 

◇久しぶりに荒れた、そして異例な国会となった。「テロ等準備罪」が成立した。参議院の審議に関し、委員会での議決を飛ばして、本会議の議決を強行したのだから国民への説明不足の批判は免れない。

 

 昨日、2人の若者が私の事務所を訪ねた時、この問題が話題になった。その1人が言った。「1人がテロなどの準備をすると計画に参加した全員が逮捕というと、冤罪の恐れが大きいですね」と。警察の法律運用次第で罪のない人が逮捕される恐れが生じるだろう。国民の中には、国会の審議状況を非難しつつもこの法律を支持する人は多いに違いない。それはテロ等の異常事態が迫る中で、通常の法律では社会と国民の安全を守れないことを知るからである。法相の答弁の拙(まず)さなどが目立った。国会は国民の安全を守る最大の砦。一強の傲りはなかったか。陣痛促進剤によって生まれた感のある法律を権力は謙虚に運用して欲しい。迫る国際テロの不気味な影に対する一つの大きな防御柵はつくられた。権力の濫用をチェックする最大の力は国民の目である。

 

◇事務所を訪ねた若者たちから「準備」を罰することはなぜ問題なのかという疑問が出た。「人権侵害の恐れですよ」と私は説明した。罪となるならないの境が明瞭でなければ、権力の誤った判断で逮捕され罪人とされる恐れがある。だから犯罪の形をはっきりさせ、それに踏み込む行為、つまり「実行行為」を罰することが大原則。準備とはそれ以前のもので、中味が定まらないから何でも準備になる恐れがある。立法の目的をしっかり見つめ、この準備に歯止めをかけなければならない。政府は全国の検察、警察にこの観点からの厳しい要請を行ったと言われる。

 

◇今回の準備罪成立で思い出すのは、暴力主義的破壊活動を行った団体の予備陰謀を広く罰するいわゆる「破防法」である。この法律は、国民の人権侵害にならぬよう最小限に適用し、拡張してはならないと特に定めている。実行行為前の段階の準備行為を罰するのは極めて例外なことで、重大犯罪から国民の安全を守る場合である。刑法では内乱罪、外患罪、殺人罪、放火罪などである。

 

◇ロンドンのビルの火災でスティーブ・マックイン主演の「タワーリングインフェルノ」を思った。日本のビルも他山の石とすべきである。(読者に感謝)

 

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2017年6月15日 (木)

人生意気に感ず「ネコの焼殺事件。障害者白書が問うもの。高齢社会の地平線。今年も10キロを」

 

◇昨日、NHKが3時のニュースでネコの死を報じていた。焼き殺されたらしい。「ネコの死をNHKが報じるとは平和ぼけの証拠だ」という声が聞こえた。

 

 NHKが報じたのは現代社会の病根がこの小さな事件に顔を出していると見たからに違いない。小さな命を焼き殺す行為は人の命の破壊に向けられる可能性がある。そう考えると不気味な大きな出来事なのだ。

 

 現代社会は矛盾に満ちている。それは人の心に恨みを生む。社会への不満は民主的なルールで解決すべきであるが、それが機能しないとき様々な事件に繋がる。ネコに火をつけた人の心の中を想像すると恐い。この文を書く私の側で愛猫トコがゴロゴロとのどを鳴らしている。

 

◇政府は13日、平成29年版障害者白書を閣議決定した。相模原殺人事件を冒頭で取り上げている点に注目する。障害者施設「やまゆり園」で元施設職員により入所者19人が殺害された事件は社会に一大衝撃を与えた。白書は元職員に障害者に対する差別意識や偏見があったと指摘している。私は抑制廃止研究会に属しているが身体不自由者の抑制が後を絶たない背景には福祉に関わる人の人権感覚の欠如があると思う。汚い、社会の役に立たないということで人間の価値を否定する行動が極端な形で現れたのが相模原事件だ。

 

 私の小説「死の川を越えて」の中でナチスの頃の「生きるに値しない命」が登場する。差別と偏見は人権に関する永遠の課題がある。

 

◇2人に1人が癌に罹り、およそ3人に1人が癌で死ぬ。認知症の波が果てしなく広がっている。徘徊して帰れない老人のことが連日報じられている。高齢者は人類にとって未知の地平線である。そこに突き進むには勇気が要るし、自分の死生観を持つことが求められる、人類はどこへ向かうのか。日本はどこへ向かうのかと思う。

 

◇6月1日、群馬マラソンの10キロコースに申し込んだ。既に10数年も続けている。マラソンの日は11月3日。私の誕生日は10月30日なので、私の脚はマラソンと共に77歳の境地に踏み込む。体力の衰えは争えず、以前は50分台で走れたが、ここ何年かは1時間をかなりオーバーするようになった。走れることが幸いなのだ。人生の放物線を意識し、その曲線上に刻んだ様々な出来事を想いながら今年も走る。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年6月14日 (水)

人生意気に感ず「山本一太のパーティで。三浦瑠麗の発言。トイレの菅長官。中国の躍進」

 

◇山本一太さんのパーティに出た(12日)。異色の政治家であるが、その異色ぶりを遺憾なく発揮した2時間で、歌に語りにとその凄まじいエネルギーに驚かされた。文化活動と政治の実践を結びつけている点、私のかつての生き方と通じるものを感じた。

 

 一太さんは大衆に迎合せず自分を貫く政治家である。今、ポピュリズム(大衆迎合主義)という言葉が日本ばかりでなく世界を覆っている。票が欲しい余りに大衆に動かされるのは政治家の悲しい宿命である。政治家は大衆迎合が政治不信を深める意味で自らの首を絞め、衆愚政治の原因を作っている。

 

 正に現代民主主義の危機である。政治家がポピュリズムに陥らずかつ大衆の支持を得るには孤独に耐えて絶えず研さんを積むことから得られる真の実力である。一太さんの熱唱する姿からそのことを感じた。

 

◇一太さんのトークショーの相手、三浦瑠麗さんの発言に注目すべき点があった。北朝鮮は核を放棄することは有り得ない。これに対して日本はどう対応するかに応えた部分である。彼女は、アメリカによる核の持ち込みに言及した。日本の基地に核があることは公然の秘密であると思われるが、「持ち込み」を表に出すことで、日本の安全保障を実現するという政策である。平和憲法の下で、作らず・持たず・持ち込ませずの非核三原則は国是でもあるが、これからの選択肢の一つとして、「持ち込ませず」の変化が議論されるのだろうか。

 

◇途中でトイレに立った時面白いことがあった。用をたしていると誰もいないトイレに一人の男性が現われて並んだ。官房長官菅義偉氏であった。名刺交換となり、私は楫取素彦顕彰会会長・群馬県日中友好協会会長の名刺を渡した。外には屈強なSPが目を光らせていた。彼らにとってトイレの中の名刺交換は想定外だったのだろう。菅さんは舞台に立つと「官房長官は繁忙長官です」と冗談を言い、一太さんとの特別な関係を語って去って行った。

 

◇「世界の科学技術、米中2強時代に」の報道に驚く。中国が科学研究論文の数で、コンピューター科学、数学、化学など4分野で世界のトップに立ったというのだ。それを支えるのは膨大な研究費である。毛沢東時代の中国からは考えられない躍進ぶりである。トランプで威信を落とし混迷するアメリカと対照的だ。米中2強時代の日本の在り方が問われる。(読者に感謝)

 

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2017年6月13日 (火)

人生意気に感ず「警察官の家庭問題か。豊洲と地方自治。古本屋は文化だ」

 

◇福岡県警警察官の家族殺人容疑は夫婦の不和が原因かと想像される。盗撮を始めとする警察官の志気の乱れは呆れるばかりであったが、今回の事件は別の意味で社会に衝撃を与えている。真面目で2人の子どもを優しく厳しく育てる良きパパぶりも雰囲気として伝わってくる。若い夫婦がうまくいかず離婚に至る例は余りに多い。夫婦の対立が暴力に発展することは珍しくないが殺人に至ることは稀だろう。真面目で堅く生きる職業だけにストレスがたまるに違いない。若い人たちは人間関係が苦手だ。咄嗟の激情が惨劇を生んだのか。警察は社会の砦。類似の事件が起こらぬよう警察は内部を固めて欲しい。事件の推移、真相の究明を見守りたい。

 

◇豊洲問題はなぜ解決しないのか。土壌汚染を検証する専門家会議の場面が大荒れとなり市場関係者から怒号が飛び交った。11日、専門家会議が土壌汚染に関する追加対策を決定した後に意見交換の場が設定された。「何のための意見交換か」、「強行採決だ」と不満の声が上がるのは当然だろう。生命と健康に繋がる問題だけに結論に至る過程は納得のいくものでなければならない。豊洲問題は間もなく始まる都議選にどう影響するのであろうか。

 

◇東京都は、一つの「地方」であるが、単なる地方ではない。重みからいったら一国に相当する。「地方の時代」と言われて久しいが、日本の活性化、真の発展は地方が特色を発揮することに掛かっている。都政の改革は全国の「地方」の改革の起爆剤となる可能性がある。小池都政の改革と小池勢力の戦いぶりは日本の運命に影響を与えるといっても過言ではない。

 

◇古本屋めぐりは少年時代からの私の趣味。その古本屋が少なくなった。古本屋の楽しみはゴミのように扱われる中から面白いものを発掘出来ること。先日、行きつけの山猫館で数冊を見つけた。いずれも100円から200~300円の間。店主と客の価値づけの違いに面白さがある。①法窓夜話、②巷談辞典、③湛山除名、④英語はコワーイ、⑤冤罪の恐怖、⑥日本百年写真館などだ。②は井上ひさしが四文字の漢字で世の中を切り、それを山藤章二が漫画で解説。④は昔朝日ジャーナルに国弘正雄が英会話のポイントを書きサトウサンペイが漫画を添えたもの。これらは枕下に置き眠る前に手を伸ばす。大切な時間を豊かにする材料。古書屋はまちの大切な文化だ。(読者に感謝)

 

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2017年6月12日 (月)

人生意気に感ず「近づく戦争の足音。政治塾で教育を論ず。警官、妻子を殺す」

 

◇戦争の足音が近づいている。それが1人の独裁者の精神構造とそれに基づく判断に掛かっていると思うと、一見のどかな平和もこの美しい山河も累卵の危機にあるのだ。

 

 米会議で国防総省幹部が北朝鮮のICBMの状況を証言した。北が初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を年内に実施出来るという分析である。アメリカは、北がニューヨークやシカゴを射程に入れたICBMを既に保有していると分析しているに違いない。

 

 金正恩が誇らしげに笑う顔が実験のたびに報じられる。それは、「カールビンソンもドナルドレーガンも何もできないではないか。俺たちには経済制裁も通用しないのだ」と嘲笑する姿に見える。

 

◇世界的な大戦は独裁者の無謀な行動によって起こされることは歴史が示すところ。北朝鮮が従来の独裁国と違う点は、核とその運搬能力を持つことである。アメリカは瞬時に北朝鮮を壊滅させ得る能力を持つと言われる。北朝鮮は軍事強化一点に全てを集中させてきた国。いざという時は全てを反撃に集中させるだろう。

 

 北朝鮮は、崩壊が間近と言われながらいつまでも音を上げない背景に、アメリカを中心とする西欧文明に対する歴史的怨念があることを指摘する見方もある。北朝鮮を秘かに助ける勢力が世界に広がっているというのだ。

 

 未曽有の国家的危機に対して国会は取り組むべき優先順位があるのではないか。

 

◇10日(土)、自民党の「政治塾」で教育に関する講演をした。県会議員時代の教育に関する発言を振り返りながら1時間半話した。題は「日本を救うカギは教育」である。

 

 私は、平成22年11月議会に於ける新里東小で起きた上村明子さんの自殺を振り返った。当時、日本各地で自殺が繰り返されていた。私は「明子さんの死を生かす唯一の道はこの連鎖を群馬で食い止めることです」と訴えた。いじめによる自殺は今日も続いている。社会的病根に教育は無力に見える。私の話には、教育とは何か、教育基本法、生きる力、道徳教育、国際理解教育、心の豊かさなどが登場した。8月12日にもう一度教育について話す予定。

 

◇福岡県警の警察官が妻を殺した疑いで逮捕された。二人の子を殺した疑いも。夫婦関係が良くなかった、昇任試験で不合格の時妻と口論になった等が報じられた。何があったのか悲しいことだ。(読者に感謝)

 

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2017年6月11日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第44回

 

私はかつて、漫画家水木しげるのラバウル戦記を楽しく読んだことがある。彼は、ラバウルで左手を失うという苦しい体験をしたが、その戦記から悲惨さは全く感じられない。戦争を突き放して見ているところがあったし、苛酷な環境でも、生活を楽しむ余裕さえおっていた。土人(彼の表現のまま)と親しく交わる様子は感動的である。そして、そこで語られるペケペケ(糞)やプスプス(セックス)の話はユーモラスで読む人の想像を駆り立てる。彼のラバウル戦記の世界は、私がかつて愛読したゲゲゲの鬼太郎の世界と通じるものがあるように感じられる。水木のラバウル戦記は、兵士の心理、異文化との交流などをとりあげるときの材料として後に触れる。そんなラバウルとはどんな所か、この目で確かめてみたいという期待があった。

 

 昨日は、一日中民族衣装で付き合ってくれたマルガレータも、今日は一変し普通の女性の姿になっていた。ユー・ビケイム・アナザー・ウーマン(あなたは別の人になったね)と言うと、イエスイエスと言ってキャッキャッとはしゃいでいる。手を振る彼女たちに別れを告げて、私達は機上の人となった。12時15分、PX308便でニューブリテン島のラバウルへ向かう。

ニューブリテン島の悲劇の海ダンピール海峡を隔ててニューギニア本島の東に東西に細長く位置する四国くらいの大きさの島である。ラバウルは、その東端のワニが口をあけたような形の湾の中にある。そしてラバウル市の人口は約25,000人、パプアニューギニア第6番目の都市で、州都でもある。途中ホスキンスに着陸し、すぐ飛び立って午後2時10分にはニューラバウル空港に着いた。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年6月10日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第43回

 

これと交渉して食料を手に入れることの可否は正に死活問題であった。この大切な交渉の手段として使われたのが、ピジン語であった。こう思うと若者が淡々と話す一つ一つの単語に、やせ衰え虚ろな目をした幽鬼のような日本兵の姿が結びつく。私は厳粛な気持ちでピジン語の話を聞いた。

 

 学生たちに礼を言って外に出ると濃い夕闇があたりをおおっていた。私は、胸に突き刺さる思いで聞いたピジン語の話を思い返していた。そして、純朴そうな、そして真剣な学生たちの表情を思い浮かべ、地上で最後の秘境といわれるニューギニアが、彼らの手によって順調に発展することを願って、ラエ・テクニカルカレッジを後にした。

 

 

 

(5)

 

 

 

1 廃虚のまちラバウル

 

 

 

 10月26日、ニューブリテン島のラバウルに向かう日である。ラバウルは楽しみにしていた所であった。ニューギニア戦というとかく悲惨なイメージがつきまとう。昼なお暗いじめじめした熱帯のジャングル、飢餓、蛆、人肉食など。しかし、ラバウルは違うのではないかという漠然とした思いがあった。ラバウルといえば、「さらばラバウルよ、また来る日まで」というラバウル小唄を思い出す。ラバウル小唄を知る人は多いが、これをニューギニア戦と結びつけて考える人は意外に少ない。

 

 そして、ニューギニア戦の中でラバウルの占める重要性について知る人は更に少ないようである。英霊達が参加した戦いの意味を知ることは、慰霊巡拝の重要な目的の一つだと私は思う。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年6月 9日 (金)

人生意気に感ず「退位特例法と象徴天皇制。悪魔の元素プルトニウムの大量被ばく」

 

◇退位特例法が今日成立となる。天皇の存在意義は限りなく大である。私たち国民はこの際日本国憲法と天皇をしっかり考えるべきである。憲法改正上も重要な論点であるからだ。

 

 特例法は「退位」を実現するもの。「譲位」でなく「退位」の文言となったのは、自らの意志で譲るのではなことを示す。憲法上、天皇は象徴であり「国政に関する権能」は有しない(4条1項)。自らの意志で位を譲ることはこの国政に関する行為に当たる可能性があるからだ。生前退位も人生の高齢化が背景にある。天皇の公務は激務であり。高齢に伴う認知症の恐れのことも考えれば、いつまでもこれに当たることは現実に無理である。

 

◇天皇制は日本が世界に誇るべく文化である。憲法一条は「天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく」と定める。

 

 日本人の心と日本という国が漂流するかのような時代である。それを繋ぎ止めているものが天皇の存在であり、平和憲法の中でそのことを明確に、そして見事に示すのがこの規定である。

 

 70年前、2発の原爆によって日本は戦いに破れポツダム宣言を受け入れ、廃墟の中で新憲法をつくった。天皇の戦争責任追及論も戦勝国の間では強かった。国民主権と共に象徴天皇制を実現できたことは大きな幸いであったのだ。

 

◇肺から大量のプルトニウムの報に驚愕。茨城県大洗の原子力機構での内部被ばく。職員の肺から2万2千ベクレルのプルトニウム239が計測された。プルトニウムは「悪魔の元素」とも呼ばれる。

 

 プルトニウムは自然界には存在せず、人工的にのみ合成される。プルトニウム239は半減期2万4100年の猛毒の放射性物質で原子力発電の副産物としてできるもの。過去最大級の内部被ばくで、発がんの元になる。管理上の問題が問われるだろう。プルトニウムやウランなどの粉末試料が入った金属製容器を点検のため開けた際、中のビニールバッグが破裂し試料が漏れたらしい。被ばくの5人は鼻と口を覆う半面マスクを着けていた。

 

「悪魔の元素」プルトニウムの安全監理は人類の生存に関わる一大問題である。6年前の福島第一原発事故の時、構内から微量が検出されたことが問題となった。恐ろしさを認識せねば。(読者に感謝)

 

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2017年6月 8日 (木)

人生意気に感ず「政治塾の講演のテーマは教育。逃亡45年の果て。宝の国日本」

 

◇今週末自民党の政治塾で教育について講演する。テーマは「日本を救うカギは教育」。7期の県議生活で教育について議会で度々発言した場面を思い出す。例えば平成22年の11月定例会上村明子さんの自殺問題を取り上げ「子どもの自殺の連鎖を群馬県で食い止めねばならない。それが明子さんの死を生かす唯一の道だと信じます」と訴えた。いじめによる自殺は今日でも絶えない。根は深く「日本を救うカギ」の感は増すばかり。

 

◇「生きる力」は豊かな心から生まれる。豊かな心は日本の歴史や伝統文化を理解しこの国に誇りを持つことから培われる。国際理解教育が叫ばれている。多くのアジアの留学生と接し、彼らの輝く瞳を見てこのことを深く感じる。子ども達の前途には余りにも厳しい大波がうねっている。それを前に、教育の無力さ、政治の無力を思う。

 

◇逃亡生活45年は長い。過激派「中核派」の大坂容疑者が逮捕された。渋谷暴動事件で警察官を殺害した容疑である。顔を隠すこともなく連行される姿は確信犯としての内面を示すものか。後に歴史の審判が変わることがあるとしても、確信犯は現体制では紛れもない犯罪である。45年の間、若き日の信念は変化しなかったのか。

 

 多くの学生運動を見てきたが盲進の末路は淋しい。しかし、現在の学生たちの無気力、大勢順応も健全な若者の姿とは思えない。社会は矛盾に満ちているのに唯流されるだけ。それはこの社会が破局に向かうことを象徴しているようにも見える。

 

 今回の逮捕は社会を守る警察力の健在を物語るもの。押収した暗号文書から大坂容疑者の病院受診計画が判明したという。警察の執念、過激派の不気味な組織力、その間の死闘を想像する。学校教育が健全な批判力を育てないと救いがたい不幸な若者を生み出すことに繋がる。

 

◇日本の極く近海に宝の山が広がっている。房総沖の海底に白金やコバルトなどの希少金属を含んだ鉱物資源帯が東京の1.5倍の広さに広がっているという。日本列島はこのような宝の山に包まれているのかも知れない。

 

 13世紀、マルコポーロが黄金の国ジパングをヨーロッパに紹介し、それが契機となってコロンブスの新大陸発見へとつながった。日本は黄金の国の可能性を秘めている。それを実現するものは人であることを忘れてはならない。(読者に感謝)

 

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2017年6月 7日 (水)

人生意気に感ず「シベリア強制抑留と私の『望郷の叫び』。JRに防犯カメラ」

 

◇「ロシアにシベリア抑留生存者」の記事を読んだ。私がこの記事に強い関心を持ったのは、かつてシベリアの抑留地跡を訪ねて「望郷の叫び」を書いたからだ。夏草の中に立つ「日本人よ、安らかに眠れ」の墓標、その前で同行の元抑留者は「俺だけ帰って悪かった」と声を上げて泣いた。北方領土と共に第二次世界大戦は未だ終わっていない。しかし、関係者は世を去りつつある。毎日新聞が報じた抑留生存者は北海道出身の89歳。「死ぬまでにもう一度この目で日本を見たい」と話している。狂おしい程の望郷の思いが凍土に消えようとしている。この思い、これ位のことを実現させることが国家として出来ない筈はない。

 

◇終戦後強制抑留された日本人は約60万人。言語に絶する飢え、寒さ、過酷な強制労働によって約6万人が死んだ。多くは初めての冬を越すことができなかった。孤独に弱い日本人は祖国に帰りたい一心でひたすら耐えた。多くの抑留者は昭和25年の前半までに帰国したが、元憲兵とか特務機関員だった人などは、特別に戦犯としてその後も抑留された。この人たちが帰されたのは鳩山一郎元首相が自らモスクワに乗り込んで昭和31年に旧ソ交渉を結んだ結果である。シベリアのサムライ達が祖国の土を踏んだのはこの年12月26日であった。

 

 私は「望郷の叫び」の中で、ハバロフスクの国立古文書館で入手した「スターリン大元師への感謝状」及び、日本人が最後に意地を見せた「ハバロフスク事件の真実」について書いた。「感謝状」には帰りたい一心で奴隷の心になった日本人のスターリンを讃える歯の浮くような文言が連ねられている。これと対比して溜飲が下がる思いで手に汗握るのがハバロフスク事件である。元陸軍少佐石田三郎を中心にしたサムライ達の抵抗運動である。背後には元参謀瀬島龍三の指導もあった。ほとんどが高学歴の人たちの知恵を集めた「無抵抗の抵抗」は旧日本軍が半端でなかったことを想像させた。この中にいた一人の人物は、私の文章を読んだ後、客観的によく描かれていると言って連絡をくれ、お会いした。(私の「望郷の叫び」は差し上げることが可能である。ご希望の方はご連絡下さい)

 

◇JR山手線は全車両に痴漢及びテロ対策として防犯カメラを設置する計画だという。特に対テロで意味。首都の治安を守るために必要である。この動きは他の交通機関にも及ぶに違いない。五輪に向けて万全を期さねば。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年6月 6日 (火)

人生意気に感ず「住む世界の分裂。迫るテロの脅威。痴漢保健とは」

 

◇世界の分裂が広がりつつある。先月末イタリア南部で開かれたG7(先進7か国会議)でトランプ大統領は世界の指導者たちを失望させた。この会議の直後、ドイツのメルケル首相は「ほかの国を全面的にあてに出来る時代は終わりつつある。欧州人は自分たちの運命を自分たちの手で切り開いていかねばならない」と述べた。ここで、「ほかの国」がアメリカを指すことは明らかである。フランスのマクロン大統領はこのメルケルとの結束を強める姿勢を明らかにしている。

 

 メルケルの上の発言の直後、今月2日トランプはパリ協定離脱を表明した。メルケルもマクロンもアメリカを当てに出来ない、行動を共に出来ないという感を深めているに違いない。このような西側陣営の分裂を秘かに喜んでいるのは、中国・ロシア・北朝鮮、そしてIS(イスラム国)ではなかろうか。

 

◇ISが追い詰められていると報じられる。しかし、世界各地でIS関連と見られる自爆テロは増加の一途をたどっている。ロンドンで、パリで、そして東南アジアの国々で。日本にもじわじわと迫っていると感じざるを得ない。日本は安全などと、もはやどうして言えようか。地下鉄サリン事件を思い出す。あの事件は日本の社会がテロに対していかに無防備であるかを示した。今度は、この無防備な社会に外国のテロ勢力が迫っているのだ。

 

◇日本の世相を端的に示す現象の一つが満員電車の痴漢である。「痴漢です」と指摘され、線路に飛び出して逃げる事案が相次いでいる。ひとたび疑われた時、それに反証をあげて立ち向かうことは至難の技だ。

 

 この事態に対応する痴漢冤罪保険というものが現われ、申込みが急増しているというのだから驚きである。痴漢に間違われた時、スマホのヘルプを押すと弁護士に通じるという特典付き保険である。実際、痴漢に間違われた男がヘルプコールを利用し、逮捕されずに済んだ例があるという。本物の痴漢が悪用する恐れがあるだろう。保健会社は事件発生後48時間の弁護士相談料等を負担するが、悪用とわかった場合、全額の返金を求めるのだという。ゴールデンウィーク前後で申込者が約10倍に急増したとか。肌をあらわにした女性とおしくらまんじゅうの事態を想像すると他人事ではない。保険料は月額590円だそうだ。(読者に感謝)

 

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2017年6月 5日 (月)

人生意気に感ず「史上最低の大統領か。恥を知れの声。世界の危機か。9条の講演」

 

◇「恥を知れ、トランプ」。アメリカ市民の声が私たちの胸を突く。パリ協定離脱決定に対する良識の怒りである。今度のことで、トランプは史上最低の大統領と確信した人は全世界に限りなく多いに違いない。地球の温暖化は、地球環境の破壊を修復不可能なところに近づけている。それをギリギリ回避しようとするのがパリ協定である。パリ協定の推進は一国だけの問題ではなく全地球の課題である。

 

 トランプは「アメリカ第一」を掲げて当選し、パリ協定離脱はその公約実現であると主張する。アメリカ第一の目的はアメリカを再び偉大な国にすることだとも主張していた。アメリカの偉大さは、人類の自由・平等・公平、そしてその基礎となる地球的問題等につき指導的役割を果たすことにある。だから、世界を無視して目先の利益を追求してアメリカ第一を実現することは矛盾である。トランプの投げたブーメランは、今凄い勢いでアメリカに迫りつつある。

 

 今回のトランプの決定に対し、麻生副総理は「アメリカはそんな程度の国なんだ」と怒りをあらわした。正しくは「トランプはそんな程度の男」というべきだ。米メディアによれば、アメリカの少なくとも10州の知事と83の市長がパリ協定支持を表明したと報じている。アメリカ市民の健全な力を信じたい。

 

◇トランプの情けない保護主義はアメリカの威信を傷つけ、即アメリカの対立国を利する結果を実現しつつある。中国、ロシア、そして北朝鮮である。温暖化がもたらす想像を絶する悲劇的状況を無視して、パリ協定はでっち上げと叫ぶトランプ氏の姿は世界の嘲笑の的となっている狂気の独裁者金正恩と変わらないという声すら聞こえてくる。

 

 恐れることは追い詰められたトランプが国内外の批判の目をそらすために危険なカードを切ることだ。国内的にはロシアゲートと言われる疑惑に増々追い立てられている。起死回生の策としてトランプの頭にあるのは北朝鮮に対する攻撃であろう。日本は極めて重要かつ危ない立場に立たされている。トランプの無謀な賭けに巻き込まれて運命を共にすることは避けねばならない。

 

◇2日、ある産業人の集まりで行った憲法9条改正の可否に関する講演は、意外な好評を得た。違憲と言われる状態で自衛隊員は命をかけて国を守れるかということにも触れた。(読者に感謝)

 

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2017年6月 4日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第42回

 

もう一つ、この学生たちとの会話の中で収穫があった。話が昔の日本兵のことに及んで、私が日本兵はピジン語という言葉で現地の人と交流し大変に助けられたことを話すと、山地の部族と繋がりがあるという学生が、昔一族の者が飢餓寸前の日本兵はピジン語で交渉に来て食べ物を与えた話を聞いていると言いだし、ピジン語について語ってくれたのである。

 

 無数の部族には、それぞれの言葉があるがその部族間の共通語がピジン語である。そしてピジン語とは英語から転化したもので、華僑など中国人が通商のために始めたものだという。

 

 若者は、ピジン語の例を紹介してくれた。私はミー、あなたはユー、複数になるとプラをつけて、ミープラ(私たち)、ユープラ(あなたたち)。話すはTALKから転化したトクあるいはトクトク、水や川はWATERをもじったワラ、女はすべてメリーで男はボーイ、食べるはカイカイ、たくさんはプランティ、少しはリキリキといった具合である。

 

 ニューギニアの戦場は、言葉では表現できないほど過酷な状況であった。とくに食べ物の入手は困難で、兵士たちは常に極限の状態に追い詰められていた。このような中で、現地人は救いの神である。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017年6月 3日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第41回

 

 

 

 外に出ると構内には夕闇が迫っていた。木造の公舎が幾つかみえる。その一角に明かりがともるかなり大きな建物があった。食堂です、生徒がいっぱいいますよ、行きますか、とオリエンツァが私の顔をのぞき込む。ぜひ、と私は答える。

 

 中に入ると細長いテーブルが沢山並び食事中の者やグループになってにぎやかに話しているものなど、日本の学生食堂の風景とあまり違わない。一つのグループに向かってオリエンツァが私を紹介する。この国の人は皆愛想がよい。日本人に対してなのか、誰にでもなのか。私は違和感なく空いている席に腰掛け若者達の仲間に入った。

 

 ジャパニーズだと自己紹介すると、正面のヒゲ面の若者が、ジャパニーズ・エコノミー・ダウン・リアリー?(日本の経済は落ちているというのは本当か)というようなことを聞いてきた。シュア。バット。オールライト(確かに。しかし大丈夫だ)と答えると、他の若者も皆安心したように笑った。対日感情は非常にいいと確信した。学生たちは皆、日本に興味をもっているらしい。日本を目標にして国を発展させたいとか、日本に行きたい、日本と文化の交流をしたいとか、いろいろな発言があった。実はこの会話の中で、私は日本に帰ったら、日本の書物を贈るという約束をしたが、帰国後県の各課の協力を得て、昨年12月26日、ダンボール1箱を発送し約束を果たした。あのヒゲの若者たちが今頃、群馬を紹介する本を見ているかもしれない。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年6月 2日 (金)

人生意気に感ず「文春の特集を読む。日本海の波高し。憲法9条は」

 

◇週刊文春の特集「出会い系バー相手女性」を興味深く読んだ。26歳の女性の語ることが嘘とは思えない内容。「3年間で30~40回は会ったと思います」と語り、(2人の間に本当に肉体関係はなかったのかという問いに)「あり得ないですよ。手を繋いだことすらない。私が紹介した友だちとも絶対ないです」と述べる。キャバ嬢になろうかと相談したら前川氏に怒られて百貨店で働くことに。そしたら喜んで「授業参観」と言って店に来てくれたとも。私の感想はこういう変わった高級官僚もいるんだなという驚き。肉体関係はなかったとしても出会い系バーで知った女性と、3年で30~40回も会うとは「貧困女性の実地調査」では通らない。前川氏は次官退官後、夜間中学の先生をボランティアで行っているという。この問題が「一強の安倍」を崩すようなことはないと思うが、どう終束するのか大いに興味がもたれる。

 

◇原子力空母群が日本海に集結する様は、実際に見たら圧倒される迫力に違いない。現在2隻だが、3隻になる可能性も。「動く海上軍事基地」は、いずれも1隻あたり5500人前後の乗員で攻撃能力は1隻あたり、オランダ・ベルギーなどの空軍力に匹敵する。米軍は攻撃すべき北朝鮮国内の1200カ所もの拠点を特定し、これらを2隻の空母で数時間でつぶすことができるという。海上自衛隊との共同訓練も実施される筈だ。Z旗が掲げられ「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」と決意を示したあの日本海海戦を思い出す人もいるだろう。日本の艦船の規模は空母と比べたら物の数ではないが、一体となって行動する姿は強大な軍事力の一環である。憲法9条2項は「陸海空軍は保持しない。国の交戦権は認めない」と明記する。今、憲法改正が特に9条を巡って盛んである。憲法と現実との大きな乖離はこのままでよいのか。

 

◇今日、ある企業人の集まりで憲法9条について講演する。題は「憲法改正の原点」。原爆2発を投下され、ポツダム宣言を受諾した。マッカーサーから改正案を示され、幣原首相は青くなったと言われる。しかし、それを基本とした政府の改正草案が進められ日本国憲法となった。「与えられた憲法」ということは歴史的事実。しかし、その中味が日本のために適切か否かが重要なのだ。内容は素晴らしいものであった。激しい国際環境の下で考えねばならない。(読者に感謝)

 

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2017年6月 1日 (木)

人生意気に感ず「令状なしのGPS捜査。犯罪との戦い。テロ防止罪。上海の客」

 

◇令状なしのGPS捜査に関する東京地裁の判決に注目した。かつて、県議会には犯罪を犯す奴に人権はないと主張して譲らない名物県議がいた。憲法を頂点とする日本の刑事訴訟法は、犯罪人の人権を尊重することを基本としている。

 

 今回の事件は裁判所の令状なしに衛星利用測位装置(GPS)を取り付けて捜査した。それによって得られた証拠を認めなかった。

 

 地裁は「警察官らに司法捜査を軽視する態度が見て取れる。令状主義の精神を無視した」と指摘。日本の民主主義、人権尊重は犯罪捜査でも健在であることを示した。「天網恢恢疎にして漏らさず」という諺がある。法の網は決して悪人を逃さない。それを支えるのは科学力である。しかし、悪人の人権も尊重しなければならない。ここに科学捜査の難しさがある。日本が世界に誇る警察力はこのような難しさの中で貫かれている。

 

◇犯罪は巧妙化するばかり。日本の治安の良さは世界に誇るものである。それは、科学を利用した高度な捜査力によって維持されている。東京地裁は、警察官に対し捜査の原点を忘れるなと警告を発した意味がある。第一線の捜査による証拠が正当なものか否かにより冤罪が生まれる。これを防ぐことは最大の課題である。

 

◇社会は国際化の中で複雑に変化し、犯罪状況も次々に変化し、既成の法体制での対応を困難にしている。犯罪構成要件は明確でなければならないが、巧妙かつ極めて危険なテロ等から社会を守るためにはぎりぎり新たな対応が求められる。これが犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ法案である。一般市民の人権を守れるのかを巡り国会で攻防が行われている。この法案の主目的はテロ防止にある。国際テロの黒い影は確実に迫っている。国会で問題になっている犯罪関連は即地方議会の問題でもある。地方議員にはこのことに関する問題意識が薄い。

 

◇上海の行政視察の一行と日中友好協会幹部が交流した。「政治協商会議」の一行の目的は日本の遺跡保護の状況を調査し、計画中の「古文化遺跡陳列館」に役立てようとするもの。私は「日中は歴史の古い国である。古い文化財を尊重することは社会の安定にとって重要だ」と挨拶した。上野三碑、特に多胡碑に関心を示していた。(読者に感謝)

 

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