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2017年5月31日 (水)

人生意気に感ず「北の挑発と戦争の危機。憲法9条と自衛隊。日本人の自殺」

 

◇一市民の感覚として戦争の危険が高まっている。北朝鮮は29日、日本における米軍基地以外も攻撃対象にすると警告した。

 

 29日、北は日本の排他的経済水域内にミサイルを落下させた。今年になり12発目の弾道ミサイル発射である。平和ぼけと言われる日本人もさすがに危機感を持ち始めている。

 

 しかし、その危機感は薄いように見える。このように頻繁に繰り返される中で、慣れっこになっていく恐れがある。北はアメリカが攻撃しないことを見透かして「ここまでは大丈夫」と「計算」してミサイルを打っている可能性がある。異常な緊張の中で、その「計算」を誤る可能性は高いのではないか。計算を誤らせる要素は核を持つことへの過信だと思う。この過信に加え、独裁者金正恩にブレーキをかける力が欠如していることが大きい。

 

 私たちはこのような狂気の隣国が振りかざした核の下で幻の平和を享受している。戦争を知る世代と知らない世代では、この危機感に大きな違いがあるのではないか。

 

 私は昭和15年生まれで、B29の爆撃の下で防空壕に逃げ込んだこと、20年8月5日の前橋大空襲の火の海の光景、戦後の飢餓線上の苦しみを体験している。あの体験とその後の人生経験から、平和は戦争反対を叫ぶだけでは実現できないと信じている。戦争反対は国を守ることと同義である。

 

◇憲法9条に関する改憲問題が盛り上がっている。その1項、2項を素直に読めば自衛隊の存在がこの憲法の規定と食い違っていることは明らかである。憲法学者の多くは自衛隊を違憲と見ている。憲法で権威づけされない状態で自衛隊員が国民の命を守るという使命感を持つことは難しい。

 

 今日の北朝鮮の脅威の下で、自衛隊の使命を災害対策第一と考える人は少なくなっているのではないか。自衛隊は壮大な装備を備えた実質的には軍隊である。私は9条を改正し、平和憲法に立脚した自衛権を行使する存在として自衛隊を明記すべきだと思う。

 

◇日本の自殺率はワースト6位とか。日本の自殺者は減少を続けているのに世界的に高率なのはなぜか。私が議員の時代は長く3万人台であった。日本の自殺者の中味も気になる。若者が多く、また女性の自殺率が特に高い。南米視察の時、貧しい国の自殺は少ないことを感じた。物の豊かさは心を貧しくし弱くするのか。(読者に感謝)

 

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2017年5月30日 (火)

人生意気に感ず「前川前次官の炎上は。ふるさと未来塾でペルー移民を」

 

◇前川会見がネットで大炎上している。「炎上」は大きな建築物が焼けることにも使う。今回は文部科学省という壮大な官僚組織が炎に包まれている様を想像する。更にイメージをかき立てるのは日本の民主主義に火炎が及ぶ光景だ。

 

「炎上」の原因は、前川前事務次官の「出会い系バー」問題である。頻繁にあったとされる「連れ出しバー」の出入りについて、「貧困女性の実態調査」と説明したことだ。

 

 今日の社会情勢で女性の貧困問題は深刻で、風俗などで働かざるを得ない女性は多いといわれる。しかし、文科省のトップが女性の貧困の実態を調査するのに適した場所であったかというと大いに疑問である。「連れ出した女性に小遣いをあげた」ことも認めている。

 

 このバーの女性は、記者の取材に「絶対にホテルに行っている」と推測している。ある人は「広義の援助交際に当たる」とも言っている。少なくとも世間からそう見られる行動を教育行政のトップがなぜ行ったか理解に苦しむ。

 

 日本の官僚は優秀で高い志を持っていると思われている。政治不信が渦巻き、民主主義の危機が叫ばれている中で、日本の民主主義を実質的に支えているのはこのような堅実な官僚組織だと思っていた。前川前次官は反骨の優れた官僚かと思われていた。今、ネットが低俗なネタで炎上している姿は、日本官僚組織、ひいては日本の民主主義が炎上する姿なのであろうか。

 

◇27日の「ふるさと未来塾」は全力尽くし、多くの参加者が熱心に耳を傾けてくれた。振り返れば、7期の県議の期間を通し、その引退後も続けている。こういうのを愚直というのか。月1回、自らの講義は一度も手を抜いたことがないと自負している。

 

 今回は「ペルー移民」。何度か取り上げているが、視点を異にしている。冒頭、私は黒くしなびたジャガイモをテーブルに並べこの原産地はどこか、また、リマ市で日本人移民が始めた商売は日本人の本領を発揮して大成功したがそれは何かとクイズを出した。ジャガイモはペルーのアンデスが原産でヨーロッパを飢えから救った。理髪業はペルーの現地人を圧迫して独占し反発を買う程であった。ペルー移民はブラジル移民より9年も早い。その契機は明治5年の奴隷船マリア・ルス号事件だった。

 

 インカの血塗られた歴史、冷酷な征服者ピサロ。鉄と馬と鉄砲で消滅させられた文明も語った。(読者に感謝)

 

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2017年5月29日 (月)

人生意気に感ず「9条の会に出る。G7で反保護主義。地方議会の危機」

 

◇芳賀の「9条の会」に出た。私はこの会を貫く思想と立場を異にする。だから招かれざる客と思いつつ前回は恐る恐る顔を出したが、真面目な人々が真剣に学ぶ姿に打たれた。今回は9条の会の全国組織の様子をビデオで観た。会の人々は、憲法9条を頑なに守ろうとしている。自衛隊の軍隊としての実態、そして「戦争を放棄し、陸海空軍の戦力は保持しない」という9条の明文。この不一致は明らかである。最高法規と現実の大きな乖離。日本が置かれた国際環境で平和を守り国民の生命と安全をどう守るか。私は昭和15年生まれで、戦中戦後の飢えと欠乏の時代を生きた。戦争は嫌だ。では「嫌だ」をどう貫くのか。もう9条の会に出ることはしない。異分子の存在は会の人々にとり迷惑かも知れないからだ。

 

◇先進7か国(G7)の首脳会議が閉幕し、その宣言で「反保護主義」が明記された。

 

 アメリカ第一を掲げるトランプ氏にとって「保護主義」は、アメリカ第一を実現する手段だから譲れぬ線だと思われていた。自国の貿易第一を世界各国から進めれば世界の協調は乱れ、結局平和が脅かされる。世界の超大国で、公平公正のリーダーたるアメリカが保護主義を強引に進めることに、世界ははらはらしてきた。トランプ氏の今回の妥協に私はひとまずほっとした。

 

 傍若無人に見えるトランプも、国内的には弾劾の危険に晒され、世界の良識の目から批判されて謙虚さを取り戻しつつある現われか。

 

◇G7は、北朝鮮と中国問題を共同声明で取り上げた。北朝鮮では表現を強め「国際的課題の中で最優先」と位置づけ、中国に関しては、強引な海洋進出につき「いかなる一方的な行動についても強く反対する」と表明した。

 

◇それにしても、北の挑発は止まない。28日、新型ミサイルの発射実験に成功したと発表した。アメリカは、これに先だち、3隻目の原子力空母ニミッツを太平洋の北西部に向けると発表した。カールビンソン、ドナルドレーガンと共に北への圧力を示すものか。

 

◇154の町村の4割超の議会議長が将来、直接民主制へ移行する可能性を認めている。議会を廃止して町村総会で予算や条例を審議する制度だ。過疎、高齢化、議員を目指す人の減少などで選挙による議会が成立しない地域が増えているのだ。「地方」は民主主義の学校と言われるが地方が消滅の危機にある。(読者に感謝)

 

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2017年5月28日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第40回

 

 

 

 トニー・オリエンツァ講師の説明によれば、テクニカルカレッジは全国に8校ありそのうち首都ポートモレスビーに2校、ラエ、ラバウルなど主要都市に1校ずつ設けられているという。 

 

 構内に入ると車は住宅らしい建物が並ぶ一角に近づいた。あれは職員の住宅だとオリエンツァは指さした。中に入れますかと聞くと、友人だからOKよと言って車を近づける。木造二階建ての質素な建物で、二階が住まいとなっている。でっぷりした中年の女性と小さな男の子が出て来て、オリエンツァと話している。ジャパニーズが家庭のことを見たがっていると言っているのがちらほら聞こえる。奥さんの笑顔が見えた。快諾だなと思う。ご主人はカレッジの先生だが留守らしい。二階に二つの部屋とキッチン、リビングがある。ここが夫婦の部屋、ここが子どもの部屋と説明してくれる。日本では決して上等とはいえない屋内の様子であるが、女性の態度から見ると自慢の我が家なのであろう。私達の常識でいう家具というものはほとんど見当たらない。リビングの中央にポツンと置かれた粗末な木のテーブルを囲んで私達は暫し話した。英語が流暢というわけにいかない私には、ちょっとした国際会議といった緊張感もある。この家は御主人がカレッジで働き、奥さんは育児と家事をする。この国では女性の勤務は少ないらしい。子どもはプライマリースクール(小学校)に通っている。これからは教育は大切ですと奥さんは語る。また、日本にかなり興味をもっているらしく、日本の女性はどういう生活をしているか、子どもはどうだ、食べ物は、といろいろ聞かれた。そして、日本人がもっと沢山この国に来れば、この国が発展する、私もいつか日本に行きたいと語っていた。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年5月27日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第39回

 

 この日の予定されたスケジュールを終えて、私達はメラネシアンホテルに戻る。一休みした後、市内を自由行動することになった。市内を散策する人々には8人のボディガードがつく。市内の治安はその外見とは別で、私達が感じている以上に悪いのかもしれない。

 

 私達は、マルガレータにカレッジを訪ねたいので案内して欲しいと頼んでおいた。ホテルのロビーで待っていると彼女はやや年上の女性を伴って現れた。トニー・オリエンツァという、テクニカルカレッジの講師だという。二人に案内されてラエ・テクニカルカレッジに向かう車の中で三人はいろいろと会話を交わした。トニー・オリエンツァはフィリピン人である。渡された名刺には、ラエ・テクニカルカレッジ、レクチャー(講師)、部門として、ツーリズム(観光)アンド、ホスピタリティ(旅行案内)とある。

 

 話しているうちにいくつかのことが分かってきた。テクニカルカレッジを日本語に訳すと工科大学とか工業大学となりそうだが、そうすると国立の工科大学と紛らわしくなる。テクニカルは、「技術」とか「専門」と理解する方がよさそうだ。すると、マルガレータの今朝以来の行動は、カレッジで学んでいることの実習ではないか。学校で学んだことについて、今日はグッドプラクティス(良い実績)になったのかと聞くと、マルガレータは、イエス、イエス、グッドエクササイズと叫んで、講師のオリエンツァと顔を見合わせて嬉しそうににっこり笑った。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年5月26日 (金)

人生意気に感ず「日中友好理事会。中国で拘束の日本人。前川前文科次官」

 

◇昨日、群馬県日中友好協会の理事会が行われた。平成28年度事業報告、同年度決算、平成29年度事業計画(案)、同年度予算(案)等が審議された。注目すべき項目は、今年3月に上海で実施された青少年書道展、4月18日中国大使館に五葉松の記念植樹を行ったこと等である。

 

 群馬県日中友好協会は、尖閣問題に火がついた2013年(平成25年)にスタートした。嵐の中の船出であったが、この間日中友好の役割を果たすべく着実な歩みを続けてきた。上の行事は、このことを物語るものである。

 

 日中両国の関係は、世界史的な大変化の中で依然として厳しい状況にある。北朝鮮という狂気の隣国を抱え、アメリカと中国は日本の運命を決する重要な国々である。地政学的には中国は日本にとって最重要な国である。日本は賢明にしたたかに中国との関係を築いていかねばならない。

 

◇最近、中国で日本人6人が拘束された。その多くはスパイ容疑といわれる。中国で拘束中の日本人は計11人である。恐い国という印象はぬぐえない。人権の保障が徹底されない全体主義の国の恐さ。こういう国家権力の恐さを見る時、日本という国の良さを感じる。

 

 人権は人間なるが故に当然保障される。日本国憲法は人権の保障を高く掲げ、そのための法の支配を徹底している。時の政治の手段として司法権を曲げるようなことは有り得ない。憲法の原則は国家権力を制限する目的であることがよく分かる。

 

◇中国当局がスパイ行為をしたとして、外国人を拘束する事件は後を絶たない。アメリカ人女性がスパイ容疑で拘束された時は、ティラーソン国務長官が訪中時交渉し、その後女性は釈放された。カナダ人男性がやはりスパイ容疑で拘束された時もトルドー首相が釈放を要求し、男性は釈放された。日本人6人はどうなるのか。中国当局は日本人拘束を外交カードとして政治利用する可能性があると言われている。三権分立が疑われる国に対し日本政府はどのように対応するのか。心配である。

 

◇前川文科省前次官の記者会見が大きな波紋を広げている。獣医学部新設計画をめぐり、「総理の意向」などの文言を含む記録文書が確実に存在していたと強調した。政府の姿勢と真っ向から対立する。成り行きはどうなるのか。野党は鬼の首をとった様だ。政権はどう動くか。(読者に感謝)

 

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2017年5月25日 (木)

人生意気に感ず「トランプとアメリカの威信。第三次大戦。ふるさと塾はペルー移民」

 

 ◇トランプ大統領の言動を見て、国家の威信ということを考えさせられる。威信とは威厳と信頼を意味する。それはトランプがアメリカ大統領なるが故である。北朝鮮の金正恩など、そもそも威信などということは問題外である。 

 

 なぜ、アメリカの大統領について威信が気になるかといえば、アメリカ建国の原点からの歩みの成果によりアメリカは多くの矛盾を抱えながらも、民主主義の本家本流であり、人類進歩の象徴と見られているからである。

 

 選挙は民主主義を実現する重要な過程である。だからアメリカの大統領選挙は民主主義にとってこの上なく重要な国家的事業である。

 

 こともあろうに、その大統領選の中で、ロシアと通じて工作していたという情報がアメリカ議会で大きな問題になりつつある。あのニクソンを失脚させたウォーターゲート事件の再来か。ロシアゲート事件ともいわれる出来事はどこまで真相が明らかになるのか。

 

◇北朝鮮の金正恩は世界から軽蔑の目で見られているが、トランプのことを俺と同類ではないかと捉えているかも知れない。中国の習近平主席は、アメリカの民主主義も結局こんなものかと安心しているかも知れない。朝鮮半島に向かうカールビンソンもロナルドレーガンも、国家の威信に支えられて本来の力を発揮できるものだ。

 

 ローマ法王が懸念するように、世界は今非常に危険な状態にある。ポピュリズム(大衆迎合)、保護主義、ナショナリズムがアメリカを中心に世界を覆いつつあるからだ。日本の役割は非常に大きい。それは日本国憲法にかかっているといえるのである。

 

◇今月の「ふるさと未来塾」は27日(土)、テーマは「南米移民」。南米移民といえば、ブラジル移民が最初だと思う人が多いがペルー移民が約10年早い。佐倉丸がリマに着いたのは1899年。コロンブスの新大陸発見からおよそ400年が経過していた。この間、奴隷貿易が長く続いた。新大陸発見は、発見された側にとって正に悲劇の幕開け。壮大な人種差別の始まりであった。ペルーと日本の出会いは明治5年の奴隷船マリア・ルス号事件。佐倉丸の人々は奴隷制を背景とした農場で悲惨な目に。首都リマに逃げた人々は逞しく生きる。熊本からの移民藤森直一。その子謙也は大統領に立候補する。虐げられたアンデスの人々は彼を支持する。前橋市総合福祉会館。午後6時半から。(読者に感謝)

 

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2017年5月24日 (水)

人生意気に感ず「文科省幹部と出会い系バー。イギリスのテロ。共謀罪と参院の役割」

 

◇前文科省次官が在職中歌舞伎町の「出会い系バー」に頻繁に出入りしていたと報じられている。売春や援助交際の温床といわれる場である。値段の交渉をしていた女の子もいるとも。実際は法律に触れることはなかったかも知れないが、「李下に冠を正さず」で、こういう所に教育行政のトップが入ること自体大きな問題である。現在の若い人たちの性秩序の乱れには目に余るものがある。「文科省のトップだって」という見方はこの風潮に油を注ぎかねない。

 

 文科省は組織的な天下り斡旋問題で多くの幹部が処分された。「出会い系バー」出入りはこの問題の直前だったという。「斡旋」といい「出会い系バー」といい、呆れるばかりだ。文科省は、今一番重要ともいえる道徳教育の司令塔の役割を果たせるのか疑問である。

 

 教育は国家の大本であることはいうまでもないが、今、教育は危機にある。日本人の精神の危機を救うためには教育改革が不可欠で、そこで叫ばれているのが新たな道徳教育ではないか。教育の問題は、憲法改正に関しても大いに議論されるべき論点である。

 

◇イギリスでまたテロ。人気歌手のコンサート会場。子どもを含む22人が死亡。IS(イスラミックステート)が犯行声明。自爆テロとのこと。ISはそうとう追い詰められ、内部崩壊の様相もうかがえるが、その実態はどうなっているのだろうか。マンチャスターの惨状は他人事とは思えない。ISは日本もターゲットにすると表明しているし、日本国内は隙だらけに見えるからだ。

 

 事前にいち早く情報を得ることが最大の防御である。超異常な状態が迫っていることを自覚しなければならない。日本は人権が保障された高度な法治国家であるが、異常事態への対応は通常の法体制だけでは十分ではない。

 

◇テロ等準備罪法案が衆院を通過した。審議の舞台は参院に移る。衆院優位の原則の下で、最終的には法案は成立することになるが、重要な法案であるだけに、参院の存在意義が問われることになる。従来の刑法の大原則を変えて、準備の段階で犯罪となる理由、1人の準備行為により計画に合意した全員が処罰される理由、これらを国民が理解できるように、参院では深い議論が望まれる。平和な社会をいかに守るかは本当に難しい。国会の正念場である。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年5月23日 (火)

人生意気に感ず「重粒子線は群馬の宝。がん社会今昔。テロ等準備罪」

 

◇20日、「ミライズ」の勉強会に出た。これは主に産業人が時の問題を論じ合う会で、月1回ロイヤルホテルで行っている。今月のテーマは「重粒子線」。県の担当課長が講演し、資料を提供してくれた。

 

 がんの実態を突きつけられて、今更ながら驚愕する。日本では2人に1人ががんになり、約3人に1人ががんで亡くなっている。がんは加齢により発生リスクが高まる。だから「世界一の長寿国」は「世界一のがん大国」なのだ。

 

 私は30数年前の出来事を思い出しながら話しを聞いた。私の妻は40歳でがん死した。当時のがんの受け止めは今とは比較にならぬ程恐ろしい「死病」であった。今日、がんが一般化する中で、その受け止め方が大きく変化し、人々の死生観も変わった。

 

◇群馬大学に設けられた重粒子線治療施設は、私が県会議員在職中に実現した。国の巨費が投じられたが県と市町村も多くの部分を負担している。しかし、その割に役割を十分に果たしていないのではないか、という疑問が勉強会で取り上げた動機である。

 

 重粒子線治療施設が大学病院に導入されたのは日本初である。群馬は特色の少ない県で知名度も低いと言われているが、がん大国の下、人の命に関わるこの施設こそ、群馬を売り出す目玉とすべきではないか。群馬の重粒子線治療患者数は、平成25、26年をピークにして激減している。主な原因は群大病院の手術ミスという前代未聞の不祥事である。群馬の宝ともいうべき施設が重粒子線治療とは直接関係ない不祥事によって萎縮している現実は余りに残念である。

 

◇打開策について地方政治の役割は大きい筈だが地方議会でその声が上がらない。私は群馬県日中友好協会の会長として、中国のがん情報に強い関心をもっているが、今中国ではがんが急増している。環境の悪化、高齢化などが原因である。中国人が大変な数で日本に押し寄せる時代である。群馬の重粒子線に対する潜在的需要は非常に大きいに違いない。情報提供と観光を結び付ける必要性を感じる。

 

◇テロ等準備罪の攻防が激しい。問題点は犯罪の成立要件は明確でなければならないということ。最近のテロの異常事態に対応するため準備(計画)の段階で処罰しようとする。しかし「具体的な計画」に加え「その準備行為」が求められる。テロに対し従来の法が対応できないという現実がある。(読者に感謝)

 

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2017年5月22日 (月)

人生意気に感ず「トランプの軽さよ。初の外遊。北の挑戦。第二次大戦は」

 

 ◇トランプの軽さがアメリカの威信を大きく傷つけている。先にFBI長官のコーニー氏を解任したが、アメリカのメディアによればラブロフ・ロシア外相との会談で、コーニー氏のことを「変人だった」とか「解任で捜査への重圧がやわらいだ」とか語ったという。報道が事実とすれば、アメリカの大統領の資格に欠けること甚だしい。狩りにもラブロフはアメリカと世界の覇権を争う対立国の外相である。国家の真の強さは品格を伴って初めて発揮出来るものだ。ましてやアメリカの強さはリスペクト(尊敬)の要素に支えられねば世界に影響力を発揮できない。 

 

 アメリカ国民はトランプを選んだことが巨大なブーメランとなって迫ってくることを覚悟する時がきた。ポピュリズム(大衆迎合主義)とナショナリズムは大局的には自国に大きなマイナスを及ぼすことは歴史が繰り返し教えるところである。

 

◇トランプ大統領が就任後初の外遊の途についた。サウジアラビア、イスラエル、バチカン、ベルギー、イタリアの五か国が訪問先と報じられる。トランプは、アメリカの歴代大統領の中で、最も暗殺のターゲットに晒される人物である。それが、サウジアラビア、イスラエルに向かうのだ。これらは同盟国であると同時に敵地でもある。報じられないことであるが、警備には最大の、国家を挙げての力が注がれているに違いない。

 

◇灼熱の熱さの中、火の玉のようなニュースが走った。北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。安倍首相は「国際社会に対する挑戦で、断じて許せない」と声明を発した。金正恩は、国際社会の制裁を尻目にかけ、あざ笑っているようだ。アメリカが国家的に分裂し、国民の信を得ない大統領、世界からも軽く見られる大統領、そして弾劾に晒されるかも知れない大統領をすっかり甘く見ているのではないか。

 

 カールビンソンも、ドナルドレーガンも何も出来ないと見透かしているようだ。

 

◇金正恩は危険な瀬戸際の政策に酔っているようだ。図に乗っているに違いない。世界中にポピュリズムとナショナリズムが台頭し、その渦の真ん中に金正恩がいる。第二次世界大戦前夜に似ていると見る向きがあるが、より重大なことは金正恩はヒトラーと違って核を持っていることだ。金正恩を瞬時に壊滅させる計画も秘かに進んでいることを我々は想定しなければならない。(読者に感謝)

 

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2017年5月21日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第38回

 

 

 パプアニューギニアは、1975年(昭和50年)に独立したが、それまでの教育事情は極めて悪く、1960年代後半、国民の90%が文盲であった。政府は、政府プランの中でも教育を重要課題としてかかげ、国を発展させるための人的資源開発に力を注いでいる。人材育成の教育政策の先頭を行くのが、二つの国立大学、パプアニューギニア大学とパプアニューギニア工科大学である。パプアニューギニア大学は首都ポートモレスビーに、パプアニューギニア工科大学は、ここラエ市にある。

 

 そして、パプアニューギニア工科大学は、南太平洋で唯一の工業大学で、ほとんどの学部を備える本格的なユニバーシティである。この大学の熱帯雨林保護センターでは、様々な鳥類や動物が熱帯雨林の中で生息する様を見ることができ、この大学が熱帯雨林の研究に力を注いでいることがうかがえる。今、地球環境の危機が叫ばれている。熱帯雨林は、いわば地球の心臓のようなもの。熱帯雨林が消滅すれば、人類も危機に陥る。ところで、今この熱帯雨林にも危機が忍び寄っている。その原因は、主に日本を含めた北の文明国がつくり出している。北の豊かな国の文明は、エネルギーを過度に消耗し、そのために環境を破壊し人類の危機を加速させているのだ。

 

 この国の発展は、北の文明を真似るだけのものであってはならない。アメリカを中心とする北の文明の価値観がグローバル化という名の下で世界を席巻しつつある。これに屈しないで、ニューギニアの伝統を踏まえ、その特色を生かした近代化を進めなければならない。この国の土となった英霊もそれを強く望んでいるに違いない。私達は、このような観点からこの国の発展に協力していくべきである。

 

 巨大なクロコダイルが、水辺で昼寝をむさぼっている。このワニも環境の変化によって減少しつつある。種の絶滅の危機がじわじわと近づいているのだ。ピクリともしないワニの姿は、次はお前たちの番だぞと身体全体で私達に警告しているようである。この大学の学生と会って、もっといろいろ大学のことを知りたいと思ったが、スケジュールになく不可能であった。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年5月20日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第37回

 

 

 使命感をもって生きている人は若い。県議会の副議長室を訪ねて長時間熱心に語る岩田さんの頬は紅潮し疲れた風もない。それを見て私は、ふとニューギニアの戦いがそれ程時を経ていないような錯覚を覚えるのであった。

 

(4)大学を訪ねる

 

 熱帯植物園の祭壇で追悼式を済ませた後、私達は戦跡をいくつか巡り、そして大学を訪ねた。この日は後に、自由行動の中で女子学生マルガレータ等と共にラエ・テクニカルカレッジに行くことになるが、まず団員と共に訪ねたのはパプアニューギニア工科大学の熱帯雨林保護センターである。広大な熱帯雨林を抱えているこの国にとって、熱帯雨林の保護は重要な課題であり、したがって大学の主要テーマでもある。

 

 前日、ウエワクでペータートロト小学校を訪問した時、知的に輝く子ども達の瞳を見て、この国の教育機関、出来れば大学を是非見たいと思っていた。

 

 大学は、その国の文化や新しい動きを象徴する。文化の特色や、その国は目指す方向などを大学の雰囲気から感じ取ることが出来る。世界の最貧国の部類に入るとされるニューギニアの発展は、大学を先頭とするこの国の教育にかかっている。このことは、明治政府が教育に力を入れ、その結果日本の近代化の基礎づくりに成功した例からもいえることである。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年5月19日 (金)

人生意気に感ず「太平洋司令官ハリス氏の決意とそのキャリア。トランプとウォーターゲート」

 

◇アメリカ太平洋軍司令官ハリス氏の17日の講演に注目した。「北海道と同じように尖閣を守る。誰も米国の決意を疑うべきでない」「金正恩は世界の目の前で失敗を恐れない。失敗を重ねる毎に脅威は増している」「感情的な男の手に核とミサイル技術を委ねれば大参事のレシピになる」。

 

 このような具体的な発言と共に私たちにほっとしたものが伝わるのは、ハリス司令官のキャリアである。ハリスは横須賀生まれで、母は日本人である。日系人では初めての太平洋軍司令官。日本語を交えたジョークが得意だというが、その親日振りには母の影響が強いに違いないと私は楽しい想像を巡らしている。

 

 ハリス氏は講演の後、自衛隊高官と共に日本最西端の沖縄・与那国駐屯地を視察した。極めて異例なことだという。軽率で民主主義を危うくしかねないトランプ氏の下に堅実なるこのような司令官が太平洋を守る姿にほっとさせられる。

 

◇トランプ大統領の軽率さを嘆くのは、アメリカが民主主義の本家であり、トランプ氏はその権力を動かす人物であるが故に、その言動は世界にも、私たちの日本にも重大な影響を与えるからである。

 

 最近のトランプ氏の言動はニクソン元大統領失脚の原因となったウォーターゲート事件と比べられながら動きつつある。アメリカの民主主義が本物か否かが試されつつある。

 

 トランプ氏は自身の疑惑を調査していたコミ―FBI長官を解任した。米会議は、トランプがコミ―氏と交わした録音テープの提出を求めている。解任は民主主義の根幹たる三権分立、司法権の侵害に関わる。

 

 ニクソンが関わったウォーターゲート事件は、ニクソン側が対立する民主党本部に盗聴器を仕掛けた事件。ニクソンは司法長官等をクビにし、トカゲの尻尾を切って逃げ切ろうとしたが、ニクソンの関与を証拠づける録音テープが議会に提出され、結局ニクソンは任期途中で辞任することになった。ニクソンは第37代共和党大統領で、内政では黒人解放運動や反戦運動を弾圧し、外交ではベトナムからの撤退、ソ連、中国との関係改善を進めた。その政治姿勢にはトランプと共通性が感じられる。

 

◇自民党は年内にも党の改憲案をまとめる方針だ。自衛隊の明記、教育無償化、大災害時の緊急事態などが中心に。地方議会もしっかり対応すべきだ。(読者に感謝)

 

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2017年5月18日 (木)

人生意気に感ず「暗雲を払う明るいニュース。サイバー攻撃の現実。トランプの軽さ」

 

 ◇暗雲を払って明るい陽光が広がったようだ。眞子様の婚約のニュース。このニュースが人々の心を明るくしている理由の一つは、相手の青年のキャラクターにあるだろう。25歳の小室圭さんは民間のどこにでもいる若者で、この点だけでも身近さを感じるが、大学時代の同級生で恋が自然に芽生えたらしいこと、真面目、誠実らしい雰囲気も安心感を与える。どこか風貌も似ているように見受けられる。健全なカップルの誕生は、非婚、晩婚、離婚という世の風潮に一石を投ずるのではないか。 

 

◇眞子様は天皇・皇后直系の孫で、女系皇族の内親王。結婚すれば皇籍を離れる。同様の例は平成17年に結婚した内親王黒田清子さんに見られる。こちらは天皇・皇后両陛下の長女である。眞子様小室さんの前途には、全く違う環境で育った二人が心身を一つにして家庭を築いていくという困難もあるだろうが、若い勇気とエネルギーがそれを容易に乗り越えていくだろう。

 

◇世界各地で大規模なサイバー攻撃が起き、その手口から北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」の仕業かと疑われている。このラザルスは北朝鮮の意を受けて昨年2月、バングラディシュ中央銀行に攻撃を仕掛け、約92億円を盗んだとみられている。

 

 今回のサイバー攻撃では150か国の30万台以上が影響を受けたといわれる。前代未聞の新たなテロ行為である。現実と仮想がひとくるみになって世界が動いている感じだ。私たち市民を巻き込んでこの世界はどこへ向かっているのであろう。

 

◇トランプ大統領の軽さと危うさを示す出来事が相次いでいる。今度はロシアに高度な情報を漏らした疑いだ。ロシア外相等にIS(イスラム国)に関する「すごい情報」を漏らしたとされる。私たちの身近なレベルでも情報源を明かさないのが大原則だ。同盟国から得た情報を軽々しく伝えたとすれば、同盟関係を危うくし、対ISの作戦を危うくする。与党共和党の中からも大統領の資質を疑う声が出ているのは当然だ。トランプは直前にFBI長官を突然解任した。長官はロシアとトランプ陣営の不透明な関係を捜査していたのでその捜査妨害と批判されている。民主主義の根幹に関わること。民主主義の本家の威信を限りなく傷つけている。笑うのは誰か。(読者に感謝)

 

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2017年5月17日 (水)

人生意気に感ず「中曽根元首相の白寿と憲法。北の脅威。眞子様の婚約」

 

 ◇中曽根元首相が今月99歳の誕生日を迎える。都内のホテルで15日、白寿を祝う会が開かれた。驚くことは認知症の時代に、この年でかくしゃくとして憲法の理想と理念を語る姿である。ウルマンの詩を思い出す。「年を重ねただけでは人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る。歳月は皮膚のしわを増やすが情熱を失うときに精神はしぼむ」 

 

 日本国憲法に流れる本質も脈々として若いのである。日本国憲法は押し付けられた借り物で長い年月のうちに年をとったかの如くよく言われる。

 

 しかし、それはこの憲法の本質を見ない議論である。日本国憲法の本質は第3章の「国民の権利及び義務」にある。これは人権宣言に当たり、アメリカ革命、及びフランス革命の人権宣言の嫡流に属するものだ。この人類普遍の原理は輝くような人類の理想を示すもので、年をとらない。憲法改正は必要であるがこの本質を正視して議論されねばならならない。

 

◇最近改憲論議がにわかに盛んになり、その議論の焦点は9条に当てられている。9条を読めば、それが現実に合致していないことは誰でも分かる。9条を学者的に解釈すれば、自衛隊は違憲ということになる。

 

 あるメディアの世論調査では、9条に自衛隊を明記する改憲案に55%が賛成を示した。この世論を支えているのは、最近の国際情勢である。9条が現実に合致しなくても、集団的自衛権が法律で認められたから9条の改憲は必要ないという議論がある。しかし、憲法改正は国の基本姿勢を正すという点に大きな意味がある。9条を中心として改憲案を国会で徹底して議論すべきである。この国民的作業によって、日本国憲法を真に誇りうる自主憲法に甦らせることが出来る。

 

◇北朝鮮が発射したミサイルの実態が次第に明らかになってきた。中長距離の新型弾道ミサイルであることは確からしい。北の勢いは止まらない。既に核を持ち、今その運搬手段を手にいれようとしている。アメリカもこの既成事実を認めざるを得ないのではないかと世界中がはらはらしている。

 

 日本はかつてない内憂外患の状況に立たされている。世界中で大衆迎合の大波が起きている。日本の大衆の目は確かか。

 

◇秋篠宮ご夫妻の長女眞子様が大学時代の同級生だった男性と婚約するらしい。民間の普通の好青年と自然に話が進んだらしい。健全な結婚が乱れた社会に良い波紋を広げることを期待したい。(読者に感謝)

 

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2017年5月16日 (火)

人生意気に感ず「新たな弾道ミサイルの恐怖。ヒトラーの再来か。日本国憲法は」

 

 ◇14日早朝の北のミサイル発射は新たな脅威を世界に、そして日本に与えた。当初のニュースは2千キロ以上の上空に達し、30分間飛翔し発射地点から800キロの所に落下と報じた。素人の単純な受け止めで、この放物線を水平方向に伸ばしたら大変な飛距離に違いないと思った。 

 

 これはその通りで、その後のアメリカの専門機関の分析によれば、4500キロの飛距離で売国領グアムが射程に入るとういう。また、別の分析によれば、かつてのソ連の大陸間弾道ミサイル・射程1万キロに匹敵するともいわれる。この時期にこの発射の意味する大きさは測り知れない。この弾道ミサイルに核を搭載した威力を想定しなければならない。

 

 世界最強の戦力である原子力空母カールビンソンを配備しても結局何もできないではないかという声が聞こえる。この事態の進む中で、アメリカはトランプ、金正恩の対談を非公式に模索している。金正恩とすれば最大の戦果を得て勝ち誇った気分かもしれない。アメリカを中心とした国際社会は対応を誤ると大変なことになる。

 

◇歴史は繰り返す、かつて、ヒトラーの無謀な冒険政策にイギリスなどは譲歩を続けために第二次世界となった。ヒトラーは核を先に手に入れようともがいたがアメリカに先を越された。現代のヒトラーともいうべき金正恩はその核を既に持ち、運搬手段も手にしようとしている。その振りかざした核の下に私達は置かれている。

 

 習近平の中国の存在感が増している。北朝鮮の命運を中国が握っているからだ。北への制裁に本腰を入れ始めた中国が石油の供給を止めれば、北は命綱を絶たれる。かつての日本はアメリカに石油を絶たれたために開戦に踏み切った。北朝鮮は核という切り札を巧妙に使って軽業師のような芸当をやっている。恐怖の独裁者にブレーキはない。したたかな中国はこの独裁者を世界戦力のカードに使おうとしている。かつての米ソ対立の時代にかわって米中対立の時代が到来しようとしている。

 

 この世界史的構図の中に日本は置かれている。日本国憲法も、憲法9条もこの構図の中で考えなければならない。日本は正に正念場なのだ。地方議員の役割は極めて大きいのにその意識は低い。どぶ板議員にも世界を見る意識が求められている。その欠如が政治不信の根本にある。(読者に感謝)

 

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2017年5月15日 (月)

人生意気に感ず「死の川を越えて、連載を励ます集い。北の新型ミサイルの脅威」

 

 ◇上毛の「死の川を越えて」の連載を励ます集いが13日、ロイヤルホテルで行われた。熱心な読者が発起人になって実現の運びとなった。有り難い限りだ。初めは小規模のものを計画していたらしいが、予想外に大きくなって参加者は150名となった。県立女子大の濱口学長、上毛新聞の北村社長、楽泉園の入所者自治会の藤田三四郎会長、聖バルナバ教会の松浦牧師等がそれぞれの立場で御挨拶された。 

 

 私は執筆の動機を語ったが同時に紙面構成の裏話も紹介した。それは2点あった。一つは新聞の一回分は文字、行数が決まっていてそこに収めるために担当者とやりとりをすること、また担当者に用語のチェックを受けること、二つ目は挿絵である。挿絵については事前に私の希望する情景を説明する作業があった。

 

 2人の担当者に出てもらって「この三人で10回分ずつ相談を行います」と話した。

 

 挿絵はカラーで毎回素晴らしい作品が載る。評判がいいのである。「カラーと文章は半々だ」と評価する人がいる位である。40枚の挿絵のうち10枚をスクリーンに映して解説した。連載の途中で読者から励ましの集いを開いてもらうことは望外の喜びである。

 

「後半は、地獄の牢獄ともいうべき重監房の場面も登場し、日本は太平洋戦争に向かいます。ハンセン病の人々は戦争遂行の妨げと見なされ国の隔離政策が進みます。皆さんに支えられて謙虚に取り組んでまいります」と結んだ。今朝は第41回で、反骨の闘将木檜泰山が登場し、湯の川集落に国の補助をと訴える。泰山は木檜三四郎という実在の人物がモデルである。吾妻出身で県会議員から帝国議会に転出した人物である。原町には古い屋敷があり、曾孫にあたる女性が住んでおられ、過日取材で訪れお会いした。90歳にはとても思えぬかくしゃくとした美しい姿に驚いた。

 

◇14日朝、北朝鮮・弾道ミサイル打ち上げのニュースに驚かされた。2千キロ以上の上空に伸び800キロ離れた日本海に落下。防衛大臣はミサイル技術を更に進化させた新型の可能性があると語った。

 

 核戦争の危機は去ったかと思っていた矢先の出来事である。アメリカが武力攻撃に踏み切れないことを見透かしたかのような暴挙である。見方によっては実に喧嘩上手であるが、これ以上北を甘やかせて図に乗らせることは出来ない。(読者に感謝)

 

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2017年5月14日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第36回

 

 岩田さんは拾った命だという。何度も捨てたと思った命である。偶然に拾ったという感想を抱くのは自然なことだ。しかし、岩田さんは拾った命を実に大切にしている。亡き戦友のために、そして戦争の悲惨さを訴えるために。その姿はある使命感を持って行動しているように見える。岩田さんは、実際はその使命のために天から授かった命と考えているに違いない。

 

 ダンピールでも銃弾の雨の中で、弾が岩田さんを避けるように当たらなかった。その後も何度もこれが最期と思うことがあったが不思議に切り抜けることができた。天は、この戦いの惨状を生き残って人々に伝えよと、岩田さんに命じたに違いない。

 

 岩田さんは、毎年小学校でニューギニアの話をする。多くの子ども達が感想文を書いている。その中で皆、戦争の恐ろしさがよく分かった、平和の大切さが分かったと素直に表現している。そして、岩田さんが戦友のことを話すとき涙を流したことを敏感に受け止めて感動している文章がいくつも見受けられた。現代っ子も人間の真実を受け止めるホットな心を持っているのだ。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017年5月13日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第35回

 

 岩田さんは、薬の瓶を入れた雑のうを背に歩きながら迷っていた。重病兵は放っておいても一両日の命である。玉砕命令が出た以上自分も明日のない命だ。赤紙で召集され、重傷の身となって、足手まといだから毒殺とは。いろいろな思いが去来して定まらない。その時、また銃爆撃があり、爆風に吹き飛ばされるようにして地べたに這いつくばった。これで死ぬと覚悟した。爆音の中で重病兵の姿が浮かんだ。そして彼らもこの爆撃にさらされた同じ運命の仲間、という考えがひらめいた。岩田さんは薬瓶を夢中で地中に埋めていた。 

 

 戦いが終わりラエ野戦病院の重病兵は捕虜となり、その後日本に帰された人々がかなりいた。岩田さんは、毒殺命令を実行しなかったために何十名かの人々が日本に生還したと確信している。昭和21年6月頃、群馬県西部のある元兵士が岩田さんを訪ね、ラエでは本当にお世話になったとお礼を言った。この人はラエの野戦病院で意識不明の重症のまま捕虜となり、その後オーストラリアから送還された人である。更に話を聞けば、あの時の負傷兵の一人であることがわかったという。戦後50数年、この平和な時代に私は自由に豊かに生きている。あの命令を実行していれば私の現在の人生はあり得なかったと、岩田さんは澄んだ目で私を正視して言った。岩田さんの言葉を私はすぐに心で受け止めることが出来た。豊かにとは、心豊かにですね。たずねると、岩田さんは大きく頷いた。自分の決断は誤っていなかった、そのために多くの命を救うことが出来た、岩田さんは地獄の戦場から生還して、このことを確信したに違いない。逆に命令を実行していたら、暗く重いものを引きずって隠れるように生きねばならなかった。自由で豊かに生きているという岩田さんの言葉の意味を私は直ちに、このように理解した。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年5月12日 (金)

人生意気に感ず「核戦争の危機。キューバと北。中国の存在と狙い。文氏の当選」

 

 ◇「核で反撃する」と息巻いた北朝鮮に一時は、まさかと思いつつも核戦争の危機を感じた。「何とかに刃物」という。気違いとは精神状態が普通でないことだ。精神状態が普通でないとは、その人の行動が予測できないことを意味する。金正恩とトランプは正に予測できない人物といえる。トランプには、まだ健全な議会と側近がいてブレーキの役割が期待できる。しかしトランプは、北朝鮮次第では核のボタンを押しかねない。金正恩に至っては、ブレーキをかけようとする側近は直ちに処刑されるのだから本当に始末が悪い。私達日本の運命は気まぐれなこの独裁者の指先にかかっている。 

 

◇核戦争の危機は一応去ったようだ。一時の緊張は1962年のキューバ危機を思わせた。キューバに核ミサイルが持ち込まれようとしていた。ケネディは全面核戦争も辞さない覚悟でソ連の船団を封鎖した。全世界が凍りついた瞬間だった。フルシチョフは屈服し、ソ連の船団は方向転換した。この時、ケネディと弟のロバートケネディは、大統領の執務室で真っ青になって、時の経過に耐えていたといわれる。あの当時のキューバに当たるのが北朝鮮である。キューバの独裁者カストロは先頃この世を去った。彼は人道主義者でもあった点が救いであった。金正恩には人道主義のかけらも感じられない。

 

◇金正恩を抑えられるのは中国のみであることが分かった。手を焼いたトランプは、中国を頼りにしている。中国がアメリカの期待に応えて大きな役割を果たせば、アメリカは世界戦略上中国をより評価せざるを得ない。

 

 かつて、米ソが世界の超大国として世界に君臨したように米中の時代が到来するかもしれない。したたかな中国はそれを狙って太平洋への進出を進めている。南沙諸島の埋め立てはその一歩に違いない。日本は賢明な選択をとらないと陰の薄い存在になってしまう。最近の安倍首相には一時のような精彩が感じられない。かといって、安倍さんにかわる存在は見当たらない。ここに日本の危機の深さがある。

 

◇韓国は地政学的に日本にとって最も重要な隣国である。今回の脅威によってこのことが一層明らかになった。この韓国に反日色の強い文大統領が誕生した。反日感情を煽って当選した。大衆迎合主義の大統領を恐れる。(読者に感謝)

 

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2017年5月11日 (木)

人生意気に感ず「狂乱の韓国といかに連携するか。9条の改正は迫る」

 

 ◇文氏が韓国大統領に当選した。「親北」といわれる文氏の当選は日本の安全保障にとって重大な意味がある。なぜか、世界的な政治の嵐が重なって吹き荒れる。核を振り上げる北朝鮮の挑発、トランプ大統領の出現、マクロン仏大統領の出現、そして今回の韓国大統領。これらの嵐の中で、今回の文氏の当選は日本にとって最も直接的である。私達は激しく燃え盛る歴史の炎の中にある。 

 

◇北朝鮮は世界の発火点である。追い詰められて失うもののない北朝鮮は日本の米軍基地攻撃を明言した。日本政府はこれに対してミサイル攻撃があった場合の避難方法を国民に示した。これ程緊迫した例はほとんどない。

 

 その北朝鮮との間にある直接の隣国が韓国なのだ。日本は韓国との間に深刻な歴史的問題を抱え、好き嫌いの感情問題もある。しかし、より重要なことは、韓国は民主主義という共通の価値、理念に立つ国であること。

 

 日本は韓国と共に、北朝鮮、ロシア、中国という社会主義陣営の最前線に立つ。だから日・米・韓が連携を深めることは、日本の安全保障にとって喫緊の課題である。

 

◇文氏の一族は北朝鮮の出身といわれる。親北の政治姿勢にはこういう背景がある。文氏の当選を金正恩は喜んでいるだろう。文大統領は当選後、アメリカより先に北朝鮮を訪ねるかも知れない。複雑な高次方程式をいかに説くか。外交は最大の防衛策ということを噛み締めなければならない。

 

◇このような政治的嵐の中に立たされているのが憲法9条である。日本国憲法の本質を正しく理解し、その中に9条を位置づけて解釈し改憲を論じなければならない。

 

 安倍首相は、参院予算委で9条改憲案の検討を優先させる意向を表明した。1項、2項をそのままにした上で、自衛隊を明記する考えである。1項、2項は戦争の放棄と戦力の不保持を定める。この規定が自衛隊の制約として作用すると説明する。この案には、整合性の店で無理もあるので、国会で大いに議論されることになる。国民は傍観者であってはならない。安倍一強長期政権の下で憲法改正が実現される可能性は大きくなっている。

 

◇昨日、憲法9条をめぐる問題につき講演を頼まれた。ふるさと塾では度々取り上げてきたが、講演依頼は珍しい。6月2日、ある企業家の団体で行う。先月は地元の9条の会に出た。(読者に感謝)

 

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2017年5月10日 (水)

人生意気に感ず「マクロンの勝利。25歳年上の妻。フランス革命の国。金とトランプの会見は」

 

 ◇マクロン勝利のニュースが世界を駆けた。私もほっとした。大衆迎合、ナショナリズムなど、民主主義を危うくする要素が世界中で頭をもたげている時、フランスの動きには特別の意味があると思っていた。あのフランス革命の地であるからだ。 

 

 7日、フランス大統領選でマクロン氏は、極右のルペン氏を下した。およそ1千万票の大差。39歳の新星の出現にフランスのケネディだの声も上がる。妻は25歳年上の高校時代の恩師というのも驚きである。この男女差が逆でも驚きなのに。64歳の妻は今後老境に分け入る。39歳の夫は夫婦の愛を全うできるか大いに興味がもたれる。精神の結びつきが本物かが問われる。週刊誌はハイエナのような牙を秘かに準備しているのではないか。

 

◇出会いはマクロンの高校時代、ブリジッドさんは恩師で、演劇の詩や脚本を指導するなかで恋が芽生えたという。17歳の少年はどうしてもあなたと結婚すると宣言した。恩師は離婚して応じた。純粋な少年の燃えるような一途さは正に詩や演劇の世界を思わせる。

 

 フランスには熱い血がたぎる歴史がある。1789年のフランス革命では多くの血が流され、王や王妃まで断頭台の露と消えた。その血の中から生まれた人権宣言は、その後世界を覆い民主主義の基盤となった。日本国憲法の人権宣言(第3章・国民の権利及義務)はフランス革命の中で生まれたこの人権宣言の嫡流である。

 

◇この熱き国で、もし極右が勝利すればどうなるか。隣国ドイツのかつてのヒトラーを想像する人も多かったに違いない。

 

 今歴史が面白い。アメリカのトランプ、イギリスのメイ首相、そして今回のマクロン大統領。それぞれ大きな深い流れをもつ歴史の一角が頭をもたげた瞬間である。

 

◇安倍首相は9日、参院予算居委で9条改正について「いかに苦しくともまとめ上げる決意だ」と表明。共産党が「自衛隊は何の制約もなく海外で武力行使出来るようになる」と追及したのに対し、首相は「戦争放棄を定めた1項・2項を残すのだから当然憲法上の制約は受ける」と答えた。国会で9条の議論が進む。

 

◇まさかの展開ではないか。トランプと金正恩の会見に向けた議論が秘かに行われているという。あの正恩がワシントンを訪れトランプと握手する姿が万一実現すれば、正恩の勝利を意味するかも。(読者に感謝)

 

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2017年5月 9日 (火)

人生意気に感ず「日本国憲法を軽視した悲劇。憲法の本質」

 

 ◇今日ほど、憲法を学ぶことの重要性が強調されるべき時はない。私は長いこと県議会にいたが、憲法尊重を発言することは、共産党など野党の特権であるかの如き感があった。 

 

 これは戦後日本の一大悲劇であると言っても過言ではない。その最大の要因は、憲法はアメリカに押し付けられたものであり、真に私達の憲法ではないという日本国憲法の受け止め方にあった。

 

 この風潮の故に教育界も憲法教育に熱が入らなかったという感があった。憲法を熱心に教えることが政治教育に繋がることを恐れたのではないか。そのつけが今現われているといえる。

 

◇日本国憲法の本質は、人類の人権の歴史と深いつながりを持つ。第3章「国民の権利及び義務」は、いわゆる人権宣言に当たり、これはアメリカ・フランス両革命の嫡流といわれる。

 

 押し付けられたとしても、押し付けられた本質は珠玉の価値を持つものである。それを全て押し付けられたとして非難するのは味噌と糞を一緒にするものである。

 

 第11条は、この憲法が国民に保障する基本的人権は侵すことの出来ない永久の権利として現在、及び将来の国民に与えられると定める。これは基本的人権が憲法によってはじめて認められたものではなく、憲法以前に人間性から論理必然的に生まれたものであることを意味する。だから、いくら改正手続きを踏んでも改正できないものである。「永久の権利」とは端的にこのことを意味する。

 

 このような日本国憲法の本質を踏まえて改正を議論しなければならない。9条は、改正を論ずる上で何の妨げもない。問題は改正の中味である。ここで重要なことは、基本的人権は平和主義を前提とすることである。だから平和主義を無視するような9条の改正は不可能と言わねばならない。北朝鮮がいくら核を多く保有し、しかも核を適切に管理出来ない危険な国であるとしても、日本が核をもつことは、日本国憲法の本質たる平和主義と相いれない。現在の国内外の憲法状況の中で、日本の核武装を論ずる影が見え隠れする。

 

◇憲法はこれから国会で議論されるが、憲法制定権は主催者たり国民のものである。だから改正については国民の理解、国民の義論が最も重要なのだ。国民的議論ということを中曽根元首相が、3日、強調したのはこの意味である。(読者に感謝)

 

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2017年5月 8日 (月)

人生意気に感ず「憲法9条と安倍首相。9条と狂乱の国際情勢」

 

◇安倍首相は、2020年に新憲法施行と明言した。改正の中心は言うまでもなく9条である。首相の9条に関する発言の要旨は、9条1項・2項はそのまま残し、自衛隊の存在を明記するというもの。これは改憲であると同時に加憲ともいえる形である。 

 

 1・2項をそのままにして、自衛隊を加えるとするのは、1・2項の従来の通説的解釈を一層定着させることを意味するだろう。つまり、自民党などの考えは1項の「永久に放棄する」のは侵略戦争のことであり、2項の「前項の目的を達するため」は、侵略戦争の目的を指すことになる。つまり「陸海空軍は保持しない」は侵略戦争のための陸海空軍を持たぬということを意味する。

 

 新しく付け加える自衛隊は、1項・2項が認める自衛のための戦力ということだ。1項・2項の従来の無理な解釈を改憲によって定着させることになる。このような中途半端な改憲でいいのかという疑問がわく。

 

◇平成24年の自民党の憲法改正草案では、2項を全面的に改め「前項の規定は自衛権の発動を妨げるものではない」とした。この方が9条の無理な解釈を回避するものとしてすっきりする。ただ、改正草案は9条の2として、国防軍を認める規定を設けた。この国防軍という響きは、戦争を放棄(改正草案もこの点は変わらない)した平和憲法のイメージと相いれないとして反対が強かった。

 

◇憲法施行から70年、この間に具体的に9条の改正が首相から示されたことはなかった。およそ不可能に近かった発議要件、つまり衆参のそれぞれの総議員の3分の2以上というハードルも超えた。改憲派からすれば千載一遇のチャンスなのだ。

 

 さらに重要なことは、9条改正の必要性を問う社会状況、国際状況の盛り上がりである。戦後70年、日本は他力本願の偶然ともいうべき好運に恵まれて平和を謳歌してきた。この間、国民は平和を空気の如く当たり前と受け止め平和惚けに陥ってきた。

 

 現在、国際社会の歯車は狂ったように動き出した。国際テロの新たな展開、中国の海洋国家を目指す激しい変化、そして何よりも北朝鮮の恐怖である。これらの諸情勢は、一国民の命を守ることの必要性を雄弁に突きつけている。国を守ることは平和を守ることでなければならない。そのための9条である。(読者に感謝)

 

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2017年5月 7日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第34回

  

 

  この時ほど、ボートの近づくのが待ち遠しかったことはない、と岩田さんはしみじみと振り返った。 

 

 このダンピール海峡では、岩田さんの部隊では、175名中121名が戦死(漂流中水死を含む)し、54名が漂流中救助された。しかしそのほとんどは銃撃による負傷者で、ラエに上陸できた者は岩田さんを含めわずかに11名であった。

 

 衛生兵であった岩田さんは、ラエ上陸後、野戦病院で働く。戦況は刻一刻、のっぴきならないものになっていき、病院の中も生き地獄だったという。衛生材料もとぼしい。包帯をした傷口は化膿し、尾っぽのついた大きな蛆が真っ赤な肉の中を食い尽くすようにうようよ泳いでいる。マラリアの高熱で発狂した人が大声でわめいている。苦痛に耐えられず自決する者も増えてきた。弾薬節約のため手榴弾で自決する場合は数名がひとかたまりになって決行しろと通達が出る始末。ついに野戦病院が爆撃を受けるほど戦は激しくなり、ガス壊疽(えそ)の負傷者が続出するようになる。この病気は放っておけば数時間で死亡するという恐ろしいものである。麻酔薬も十分にない状態で、数名で押さえつけて軍医が大腿部切断などの手術を行う。

 

 ついに玉砕命令が下るまでになった。岩田さんは、そこである衝撃的なことをこともなげに語った。そして、「あれ」を実行していれば、私の現在の人生はなかったのだと言う。「あれ」とは何か。私は身を乗り出して岩田さんの口元を見守る。

 

 敵の攻撃は、ますます激しくなり、もう何日も寝ていない。そんなある日、岩田さんは守備隊本部に呼び出され、「お前の部隊には重傷者が何名いるか」と聞かれた。約200名と答えると上官は、「お前はこの薬を知っているだろう、これを動けない兵士にマラリアの薬だと言って2錠ずつ飲ませてくれ」と言う。毒殺である。目の前が真っ暗になる。どうして自分のこの手で200名もの戦友を殺さなければならないのか。何故こんな非業なことを命令するのか。玉砕命令には、「病兵に至るまで立ち上がり斬り死の覚悟をせよ、生きて捕虜となる者一人もあるべからず。この一点一兵に至るまで徹底すべし」とあった。この命令を貫くため、つまり捕虜にさせないために重病兵を殺してしまうというものであった。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

 

 

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2017年5月 6日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第33回

 

 

 

  突然、ジュンジュンとすぐそばで水しぶきが上がった。敵戦闘機の銃撃である。浮かんでいるだけで精一杯の無抵抗の兵士に情容赦なく滅茶苦茶に銃弾を浴びせ、反転しては繰り返す。海面を埋める程に浮いていた頭が今は回りに2、3名しか見えない。まだ生きている。生きているのが不思議だった。静かになった上空にまた爆音が近づいた。見上げると3機が漂流兵をめがけて突っ込んでくる。一人も残さないぞとばかりに狙いうちをしている。ぐーんと高度を下げてきた。波頭の陰から見上げると機上の敵兵と視線があった。ジュンジュンジュンジュンと銃弾が耳元をかすめて波に突き刺さる。 

 漂流を始めて3時間程過ぎた。身体は冷えて歯の根はガチガチ。体力も限界だった。多くの仲間が力尽きて沈んでいった。最後の力を振り絞って、日本はあの方向かと遠くに顔を向けると、水平線の上に立つ雲の中に肉親の顔が現れ、頑張れと励ましている。その時であった。その雲の下から黒い小さな船影が現れ近づいて来る。救援で動いている日本の軍艦であった。ボートが下されて近づいてくる。残っているわずかな力を集中させ波間から手を上げる。地獄に仏とは正にこのことだと思った。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017年5月 5日 (金)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第32回

 

 

 

 必死で這い出して手を伸ばすと生暖かい物が手に触れた。戦友の死体である。硝煙が鼻を突き呼吸が出来ない。早く脱出しなければ死ぬ。そう思って上甲板に出ようと夢中でハッチまで這うが、爆風で飛んだか階段がない。ぶら下がった縄梯子は下から火がついて燃えている。既に船底まで火がまわり、狂ったように燃え上がる火の勢いは強まるばかり。まるで噴火口のようだ。必死で見まわすと、右手方向に微に外の明りらしい光がある。炎と硝煙の中を這っては転び転んでは這いながら光の方角に進むと、そこは船の横腹で直径2メートル位の穴があいている。そこに爆弾の直撃を受けたのだ。その周辺には何十人という人が折り重なって死んでいる。死体の向こうに海面が見える。早く脱出しなければ船が沈む。益々激しさを増す炎をくぐって海に飛び込んだ。10メートル位夢中で泳いで振り向くと船は火で包まれ、巨大な火柱がマストよりも高く上がり、甲板には多数の将兵の動く姿があった。間もなく船首が海面に沈むと、船尾のスクリューが凄まじい水しぶきを上げて持ち上がり船は逆立ちとなり大きな渦を巻いて黒い海中に没していった。夢中で泳ぐ背ろから渦に巻き込まれる兵士の悲鳴が聞こえた。旭盛丸の最後であった。 

 まわりの海上は兵士の頭でいっぱいである。大声で何か判らぬことをわめいている者もおれば、助けてくれと絶叫している者もいる。旭盛丸を呑み込んだ海面は、もうそのことは忘れてしまったかのように黒く静かにうねっていた。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年5月 4日 (木)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第31回

 

 

(3)ダンピールの生還者、岩田亀作さんのこと

 

 

 

 ニューギニア訪問記を書いているとき、ダンピール海峡の生還者、岩田亀作さんの訪問を受けた。前橋市の住人岩田さんは、大正8年1月6日生まれで、この1月に満83歳を迎えられた。耳が少し遠くなったというが、かくしゃくとしていて、車を運転し、その物腰からは若さを感じる。端正な顔立ちと笑ったときの優しい表情からは、地獄の戦場から生還した猛者の面影は感じさせない。

 

 

 

岩田さんはダンピール海峡のことを淡々と話してくれた。ラバウル港を深夜11時頃出た時は、岩田さんの乗った旭盛丸は、油を流したような暗黒の海面を静かに進んでいた。旭盛丸は549トン、7隻の輸送船の先頭を進む。ついに、恐れていたことが現実となった。3月2日の朝、低い空を覆うようにして敵機が襲来。またたく間に、あたりは一変し修羅の戦場と化した。日本艦船の激しい防御砲火の隙間を縫って3機の編隊がスコールの雲の切れ間の光の中から高度をぐんぐん下げて突っ込んでくるのが見えた。岩田さんは甲板にいたが咄嗟に危険を感じて船倉に飛び込んだ。その瞬間、轟音と共に大きな火の玉が迫った。それだけは記憶しているが、気絶してあとは分からない。喉に焼き火箸を差し込まれるような苦しさで気が付くと船内は真っ暗で、怒鳴る声、絶叫、走る炎、正に阿鼻叫喚であった。材木らしいものの下敷きになって動けない。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年5月 3日 (水)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第30回

  3月2日、ついに運命の日が来た。モヤと雨と厚い雲をついての戦闘が開始された。日本兵の目には、敵機の襲来は水平線から突如湧き上がった黒雲が、みるみる広がって上空を覆うように見えた。連合軍の攻撃は、爆弾を低高度から海面に投下して水面反跳力を利用して日本艦船の脇腹に命中させるもので、これが新しい低空爆撃の技術であった。 日本の艦船はなす術もなく、輸送船は全滅した。海面は日本兵の頭で埋め尽くされ、その上を敵機は容赦なく機銃掃射を浴びせた。この海で3,664名の日本兵が死んだ。その中には群馬県出身者も多く含まれていたのである。

 この戦いは、日本軍にとって大きな痛手であった。ニューギニア東部の日本軍は、その後の連合軍の攻撃に備えるための増援部隊と補給物資の大部分を失ったのである。

 連合軍の喜びは大きかったらしい。マッカーサーは、日本軍に壊滅的打撃を与え、しかも連合軍の艦船は一隻も関係しなかった特異な海戦だったと振り返った。そして、報告書に次のように書いている。

「われわれが得た勝利は、敵にとって大きな波紋といえるほど徹底的なものであった。われわれの決定的な成功が敵の戦略、戦術両面の計画に極めて重大な影響を与えることは疑いない」

 そして、ルーズベルト米大統領や英国のウインストンチャーチル首相からは、最大の祝意を表すメッセージがおくられた。日本兵の苦しみを考えるとき、太平洋戦争の意義は別にして、半世紀以上経った歴史的事実ではあるが、私は何とも悔しいという正直な感情を否定する事が出来ない。

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

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2017年5月 2日 (火)

人生意気に感ず「憲法記念日。改正の論点。9条の存在意義。中国の銀行は」

 ◇今年の憲法記念日は憲法に関する議論が大いに活発になされるだろう。昨日、私はある小グループで憲法改正について持論を話した。

 

 改正反対の護憲論者の多くは「押し付けられたものでない」ことを盛んに主張する。しかし、拒否できない情報下でマッカーサー草案を受け入れて改正草案がつくられたことは歴史的事実である。重要なことは草案の中味である。それは人類が獲得した素晴らしいもので、70年の間定着しよく日本国の基礎となって支えた。

 

 第3章の「国民の権利及び義務」は、日本国憲法における人権宣言であり、アメリカ・フランス両革命の人権宣言の嫡流に属するものである。この点の理解を抜きにして世界に誇る憲法であることを主張しても空論のおそれがある。

 

◇このような日本国憲法の基本構造を踏まえた上で、改正の是非を論じなければならない。現実にそぐわない条文もあるし、70年の間に現実との乖離が大きくなったものもある。現実との距離が大きい典型が9条である。

 

 9条については、乖離があっても戦争の歯止めになっている点に意義があるとして改正に反対する意見が強い。

 

 しかし、国の最高法規が現実と一致しないのは異常である、その上で、最近の国際情勢が重なって、9条の改正が一気に大問題になった。問題は、どのように改正するかである。

 

◇緊迫した情勢の中で、北朝鮮は遂にミサイルを発射した。隣国日本が標的とされる危険は現実的になった。これは国防が現実的となったことを意味する。かつて、非武装中立論が盛んであった。中国の海洋進出の現実の動き、北朝鮮の脅威を考えるとき、それは絵空事である。長い人類の歴史がそれを許さないことを教えている。外国に侵略された場合に美しい国日本を命懸けで守ることは、私達国民1人1人の現実の課題である。長いこと、このことが語られないまま時が過ぎてきた。このような全ての課題の基礎が憲法である。憲法記念日を意義あるものにしたい。

 

◇北への次の段階の制裁として北と取引する中国企業を対象にするとか。その中に中国の銀行が含まれる。海外取引をする中国の銀行の規制は中国経済に大きく影響する。中国はこれを避けるためどう行動するか。全てが目を離せない。(読者に感謝)

 

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2017年5月 1日 (月)

人生意気に感ず「北は虎の尾を踏むか。9条に関する世論調査。ルペンの動向」

 

 ◇「天気晴朗なれど波高し」。かつて日ロ戦争の時、ロシア艦隊を迎ええ打つ日本海の状況である。この日本海に米国最強の空母カールビンソンが近づいている。その他の艦隊も集結し、トランプの米国は振り上げた拳をどうしたものか迷っている。それを見透かすように北朝鮮の挑発行動が続く。ギリギリの寸止めともいうべき弾道ミサイルの発射が行われた。失敗と言われる朝鮮内陸部の落下は、アメリカに攻撃されないための計算ではないか。いずれにせよこのような状況が続けば現実の衝突の可能性は増々高まる。 

 

◇アメリカのある研究機関の公表によれば、北は13~30個の核兵器を保有しているとのこと。金正恩の完全独裁の下で、核のボタンを押すか否かはこの独裁者の思うがままである。アメリカが本格的に攻撃を開始すれば核による反撃はかなりの可能性をもって考えられる。

 

 対するアメリカは、民主主義の国であるから、議会と国民世論が大きくものを言う。金正恩はこの点も計算のうちに違いないのだ。後世、振り返って「あの時」と語られる時を私達は迎えている。

 

◇先日、地元の「9条の会」に出た。9条は日本の宝と考える人々も、理想論では日本を守れないことをこの緊迫の情勢の中で改めて感じているに違いない。

 

 29日、9条に関する世論調査の結果が発表された。戦後、日本が海外で武力行使をしなかった理由として9条があったからとする回答が75%に上った。これまでは、確かに9条の成果でここまでやってこれた。問題は今後なのだ。それを突きつける課題が現在北をめぐって起きている。現実との乖離(かいり)が甚だしい条文をそのままでおくのか、改正して現実に合うものにするのかという問題である。同調査では、改正の賛否はほぼ拮抗(きっこう)。そして、改憲を「必要」、「どちらかといえば必要」とする立場は計60%。改憲は必要ないとする立場は「どうちらかといえば」を含めて37%だった。世論の大きな変化を感じる。問題は安倍政権の下でどのように改めるかにあるだろう。

 

◇フランスの極右ルペンから目が離せない。決戦投票は7日。女性党首ルペンはフランス第一を掲げEU離脱を主張する。世論調査では対立候補のマクロンがリード。万一ルペン勝利なら世界の民主主義は一段と危うくなる。(読者に感謝)

 

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