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2017年4月22日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第26回

 

  さすがに、この国第二の都市ということだけあって近代的な建築物が並んでいる。あれが放送局、あっちの建物はスーパーマーケットと私の隣りで説明していたマルガレータは、まちの一角を指して、私のカレッジもここにありますと私に笑顔を向けて言った。 

 

 車はやがて宿舎であるメラネシアンホテルに着く。このホテルは落ち着いた雰囲気で、品格があり部屋も綺麗だった。

 

 一時間ほど休憩して巡拝に出かける。ラエは激戦地であったため市内には戦跡が多い。

 

 私達は、日本軍が戦ったトンネルや対空砲の置かれた所など何カ所か巡拝したが、この日のメインはラエ市の一画にある熱帯植物園の中にあった。そこには、豪・米・インド軍兵の墓、ダンピール海峡で死んだ兵士を追悼する祭壇がある。

 

 

 

(2)

 

 大密林の一部をそのまま残したような熱帯植物園はラエ市内の一角にあった。車の流れが激しい通りからいきなり園内に入る。つたが巻き付いた天を突くような巨木がところどころにあり、その中の開けた草地の隅に祭壇がひっそりと置かれていた。

 

 ここから海は近い。そしてその海の遥か彼方にはラバウルで名高いニューブリテン島が横たわり、その間に三千数百名の日本兵を呑み込んだダンピール海峡がある。裁断を覆う巨木は悲劇の海戦の音を聞いたであろう。そして風に乗って伝わってくる兵士の叫びを感じ取ったかもしれない。しかし、灼熱の太陽の下、森はそよりともせず私達の営みを見守っている。

 

 

 

 ※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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