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2017年4月30日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第29回

 

  特にニューギニアの北岸地帯が重要であった。それは、ニューギニアは南部と北部の間に4,000メートル級の山脈が横たわり、日本に面している北岸地帯は連合軍が日本を攻撃するための基地をつくる上で大きな戦略的価値を有していたからである。だから、ニューギニア北岸は、日本が死守しなければならない重要な地点であった。 

 

 このような状況に備えるため、中国で戦っていた北関東編成の師団中の第51師団は、南下してニューブリテン島のラバウルに至り、ここからダンピール海峡を越えてラエへ渡ることになったのである。

 

 この作戦に大きな危険が伴うことは初めから明らかであった。ミッドウエーで敗れ、ガダルカナルで敗れ、制空権も制海権も奪われていたからである。しかし、大きな危険をおかしても海峡横断を敢行しなければならない程、ニューギニアの戦況は急迫していた。ニューギニア北岸を抑えて北上しようとするマッカーサー軍をどうしても阻止しなければならなかったのである。

 

 昭和18年の2月28日、司令官安達中将以下7300人の将兵は大船団を連ねて闇に乗じ悪天候をついてラバウル港を出港した。輸送船団がニューブリテン島の北を回り、ニューギニアの最東部に着くには3日かかる。

 

 ところで、日本軍のこの計画はすべて連合軍にキャッチされていた。そして、マッカーサーはいざという場合と同じような状況を想定して攻撃演習を重ね、また戦闘が開始された時、優位な立場に立つために、最も有利な攻撃ルートを研究していた。さらに、驚くべきことは天候が悪く雲が低い場合に備えて「新しい低空爆撃の技術」を特別に準備していたのである。

 

 

 

 ※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年4月29日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第28回

 

 

 追悼式や戦跡の巡拝では必ず英霊に報いることを口にするが、英霊に報いるとはどういうことなのか。線香をたいて米や酒を捧げるだけでは英霊は満足しないだろう。英霊は満足しないだろう。21世紀の視点でこの悲劇を見詰め直し、多くの人がこれからの平和のためにこれを生かすことが最も重要なことである。だから日本に帰ったら、報告書を書いてニューギニア戦のことを知らない人たちの読んでもらおう。私の中で求めていたものが、霧の中から姿を現すようにはっきりと意識の表面に現われてきたのは、この時であった。そして、ダンピール海峡の悲劇も紹介しなければと心に決めたのである。 

 1941年(昭和16年)、真珠湾攻撃にはじまる太平洋戦争は、緒戦において勝利をおさめ、日本軍は南太平洋一帯にわたる広大な地域を占領したが、ミッドウェー海戦及びガダルカナル島の戦いに破れてからは、深刻な状況に追い込まれてゆく。そういう中でも日本はニューギニアを非常に重視した。なぜなら、ニューギニアは日本の防衛線の戦略的要衝で、ここを失えば日本は太平洋における全般的な防衛網の基礎を大きく脅かされることになると考えたからである。そして、このことは、連合軍にとっては逆にニューギニアが日本陣営を攻撃するための要衝であることを意味した。

 

 

 

 ※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年4月28日 (金)

人生意気に感ず「高山村に留学生。過疎の活性化は。明日のふるさと塾はペルー。大地震近づく」

 

 ◇27日、高山村の主要なポイント30カ所を幹部と共に回った。先日開校した日本アカデミー高山校について説明を兼ねた挨拶回りである。村は山々に囲まれた盆地に広がる。彼方の尾根には残雪が輝いて見える。雪を知らない国の留学生が感動しているに違いないと思った。 

 

 朝出発する前、本校の朝礼で私は「はるばる海を越えてやってきた留学生たちの期待を裏切ってはならない」と話した。

 

 村を回る私の胸にはこのことがあった。天文台、小学校、中学校、主要な企業、商店等。小中学校に関しては、国際理解教育に向けての交流を期待した。企業には物を生産する工場やゴルフ場も含まれていた。学生がやがてアルバイトをすることになるだろう。ある蕎麦屋は、大規模に蕎麦畑を耕作し、年2回そば大会をやる。主人は是非留学生に参加して欲しいと言った。留学生にはネパール出身が多いが、一説ではヒマラヤ山麓のネパールを囲む一帯は蕎麦の原産地とか。過疎が進む山村の人々は地域振興のために、村を挙げて留学生を歓迎していた。

 

◇今月の「ふるさと塾」は明日29日。テーマは南米大陸。私の胸にある副題は未知との遭遇である。コロンブスの新大陸発見から525年。未開の大陸はオリンピックを開催するまでに発展し変貌を遂げた。新旧世界の遭遇は想像を絶する暴力と掠奪の始まりだった。馬も鉄砲も知らない人々は白人の文明力の前になす術がなかった。

 

 私の話はペルーへの行政視察に及ぶ。私達は平成8年大使公邸を訪ねたが同年末世界の目を釘付けにしたテロ事件「大使公邸占拠」が発生した。テロの背景には長いこと白人に怨みを抱く組織があった。テロ撲滅を掲げて大統領となったフジモリはこの占拠事件を解決したが現在獄中にある。現在世界にテロが広がる中で、この大事件を振り返りたいと思う。

 

◇先日留学生に災害大国日本を語り巨大地震近しと警告したばかりである。27日、地震調査委員会はこの一年間にプレートのひずみが増し地震発生の確立が上昇したことを報じた。慣れっこになっているが、最近頻繁に起き、素人の感覚でも、大地震が確実に近づいていることを感じる。政府の報告はこれを裏付けるもの。私はかつて議会で群馬の「安全神話」に盛んに警鐘を鳴らした。専門家は日本はどこでも強い揺れに見舞われると警告している。(読者に感謝)

 

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2017年4月27日 (木)

人生意気に感ず「復興相の辞任。緊迫の半島。世界を覆う民主主義の危機」

 

 ◇今村復興相が辞任した。轟々とした非難の声。東日本大震災の被害に関する発言の文脈で「東北で良かった」の部分に集中砲火が浴びせられている。この人の一連の失言や失態が結び付いて失言の意味を増幅させている感がある。 

 

この人に「被災地に寄り添う」姿勢ともう少し人徳があったなら「首都圏に近かったら更に莫大な、そして甚大な被害があったと思っている」の部分と結びつけて善意に解釈される余地がった。

 

 その前のマスコミに激怒する姿はいただけなかった。あれからは、社会的弱者に対する優しさが窺えない。マスコミと世論も敵に回してしまった。こういう人物を「復興相」という正に要のポストにつけた安倍首相の責任は大きい。憲法は「内閣総理大臣は国務大臣を任命する」、そして「任意に国務大臣を罷免できる」と定める(68条)。この点に関する総理大臣の権限は絶大である。それは任命責任の重大さを物語るもの。

 

◇安倍政権は、森友問題も含め、失態を続けている。それにも拘わらず支持率が数ポイントも上昇しているのは何を意味するか。巷で国民が発言しているように「他に頼る政党がない」ことが第一の理由であるが、私は国民の賢さも示すものと思う。正に未曽有の「内憂外患」の時なのである。マスコミも野党も枝葉にとらわれ過ぎている感がある。

 

◇25日が無事に過ぎてほっとした。世界の株が上昇したのは、この「ほっと」を正直に現している。フランスの極右ルペンが第一回の大統領選で1位にならなかったこともその要素である。しかし、世界の危機は続く。朝鮮半島の緊迫度は私達の想像を超えるものに違いない。アメリカは最大の軍事力をここに集中させ、中国も今回ばかりは本気らしい。石炭ばかりでなく、北の命脈がかかる石油まで制限しようとしている。石油をとめられて太平洋戦争に追い込まれた日本の姿を思い出す。

 

◇民主主義の危機が地球を覆っている。間もなく行われる決戦投票で、万一極右のルペンが勝てば大変なことになる。移民に仕事を奪われることを民衆は心配している。目先の利害に民衆は走る。その大衆に迎合する動きは、危険なナショナリズムの温床である。かつてドイツでは、理性を失った大衆が怪物ヒトラーを生み出した。

 

◇29日の「ふるさと塾」は南米大陸がテーマ。新大陸発見は未知との遭遇であり悲劇の始まりであった。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年4月26日 (水)

人生意気に感ず「固唾を呑む瞬間だ。核拡散の恐怖。復興の失言の意味」

 

 ◇25日は、日本ばかりでなく世界中が北朝鮮の動向に固唾をのんで注目したのではないか。原子力空母カールビンソンを中心とした物々しい軍団が北上し、北は核戦争も辞さずと意気込んでいる。「北朝鮮はなかなかやる」という声も聞こえる。日本の大都市にも及ばないような小さな国が世界一の大国と互角に火花を散らすかの如き姿を見れば、そういうのもやむを得ないとも言える。アメリカの巨大な軍事力も手を焼くのは核ゆえである。核はそれ程に威力があるということだ。 

 

 このことは何を意味するのかといえば、核を持つ国を絶対に増やしてはならないことである。特に適正に管理出来ない国に持たせてはならない。北朝鮮が実際に持っていたとしても核保有国と国際社会が認めるなら、悪い前例となって、次々に核保有国が現われることになる。核を持とうとすれば、大変なことになることを北朝鮮を例にして示さねばならない。北がもし核保有国として威力を示すようになれば、日本でも核保有の議論が本格的に台頭するかも知れない。現に自民党の一部には自衛力の一環として核を持つべしという議論がある。現在の東アジアの情勢は、そういう事態に近づいているとさえいえる。

 

 首相官邸は24日のメールマガジンで国民に「身を守るためにとるべき行動」を確認するようにと発信した。異例のことだが、私の周辺からは「しかしどうしたらよいのか」という声が聞こえる。長いこと平和ぼけ状態にあった国民には強い刺激ではあるが、未だ目を醒ますには至っていない。

 

◇日本が大変な危機にある時、国会議員の使命が重大であることは言を持たない。政権のゆるみは救いがたい程だ。失言が続いている。今度は、今村雅弘復興相が、東日本大震災をめぐり、25日朝「まだ東北だから良かった」と発言。

 

 安倍首相は、今村氏の直後の挨拶で「極めて不適切」と発言した。首相は今村氏の辞任をこの日のうちに決断した。

 

 今村氏の失言は自身が属する会派の講演でのこと。このパーティ出席のため首相が官邸を出た頃には既に報道されていた。発言の重大さを物語る。到着した首相は「総理大臣として冒頭におわびしたい」と切り出した。今村氏は頭に鉄槌を受けた思いだったろう。小学生の発言すらいじめとして大きく報じられる問題なのだ。こともあろうに復興相の被災地を逆なでする発言で政府の原発政策の本質が窺われる。(読者に感謝)

 

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2017年4月25日 (火)

人生意気に感ず「9条の会に。日本国憲法の素晴らしさ。憲法教育の意義」

 

 ◇誘われて芳賀「9条の会」に出た。左の政党のガチガチの人の集まりだと困ると思っていたら意外に温和で真面目な学習グループであった。予め電話で代表者に知らせておいたせいもあってか、話す機会を与えられた。案内のチラシによれば会の人々は憲法がアメリカの押し付けでないことを学んでいるらしい。このことを踏まえて、私は先ず日本国憲法の存在意義について話した。それはマッカーサー草案を受け入れざるを得なかった状況からすれば、アメリカの強力な影響力があったことは否定できない、重要なことは「押し付けられた」ものの中味がいかなるものであったか、そして70年以上にわたってどう機能してきたかであると話した。 

 

 またそれは、アメリカ・フランス両革命の人権宣言の嫡流たる素晴らしいもので大局的によく機能してきたと日本国憲法の歴史性に触れた。

 

 その上で、現実と離れた条文もある、その典型が9条であると論を進めた。この日は9条について議論する迄には至らなかったが、憲法の学習会であることが分かったので、時々出てみようかと思った。

 

◇憲法記念日が近づく。今年の各地の記念事業は例年とは違った緊張感に包まれるのではないか。原子力空母カールビンソンが日本海に間もなく入る。北朝鮮では核施設に慌ただしい動きが見られ、北は「核には核で対抗する」と叫び韓国や日本に対する攻撃も辞さないことを繰り返し訴えている。私達が知らない所では想像以上に緊迫した情勢が進んでいるのだろう。韓国では金正恩委員長の亡命説がまことしやかに流れているという。

 

◇9条の会でも触れたが、戦争反対を叫びつつ、国を守ることを現実の問題として考えていないのではと思われる人々がいる。日本を取り巻く国際情勢は憲法を考える上でののっぴきならならぬ教材を私達に突きつけている。

 

 選挙権年齢が18歳に引き下げられたことは高校生に政治を考える良い機会を与えることになった。今までの教育に不足していた点は中学の段階から公民で憲法を真剣に教えなかったことだ。私は県議会でこのことを度々主張してきた。憲法は政治的な法律である。しかし、憲法をしっかり教えることと教師の政治的中立義務は矛盾しない。今、中学生が憲法を身近な問題と考える絶好の機会である。(読者に感謝)

 

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2017年4月24日 (月)

人生意気に感ず「世界の危機・日本の危機。北は火薬庫。一強の緩み。極右のルペン」

 

 ◇世界中がおかしくなっている。アメリカ第一を叫んでトランプが大統領になったことはその象徴と言える。大統領選の最中からポピュリズム(大衆迎合主義)ということがトランプについて盛んに言われた。大衆は目先の利益に動かされ易い。そして大衆は表面的な面白さや意外性に喝采する。現実の政治に失望している時、これらの傾向は一層顕著に現われる。このような時、トランプという特異な人物が登場した。自国第一はある意味当然といえる。しかし、アメリカは世界の理想をリードすべき国だからアメリカ第一は世界の秩序を混乱させることになる。イギリスでEU離脱を掲げる女性首相が実現し、今フランスで極右のルペンが大統領になろうとしている。フランスは、フランス革命と人権宣言を生んだ民主主義の源流の国である。正に世界中で偏狭なナショナリズム(民族主義)が起きようとしている。こういう時にISの国際テロが世界に広がり、核を振りかざす北朝鮮に原子力空母カールビンソンが刻々と近づく。 

 

 歴史は繰り返す。異常な緊張の中で偶然の出来事が引き金となって、まさかの大戦争が起きてきた。合理的に物事を判断することが期待できぬ独裁国北朝鮮、それに対するは超巨大な軍事力を持ちプライドと対面に動かされ易いアメリカ。日本がミサイル攻撃される危機は現実的である。その日は一説によれば25日だという。私達は歴史的瞬間にいるのだ。

 

◇隣国朝鮮半島は歴史的に見ても火薬庫的である。その国民性は引火性が極めて高い。引火性の高い民族が核を持ち、原子力空母というマッチが差しこまれようとしている。

 

 日清、日ロも朝鮮半島をめぐって起きた。歴史の因果は繰り返されるのか。

 

◇国家の義務、政治家の使命は何か。国民を危機から守ることではないか。今の自民党議員を見ていると、謙虚さと緊張感がない。一強故の緩(ゆる)みである。民進党には消滅の危機さえ感じる。

 

◇フランス大統領選で極右国民戦線のルペンが破れた早朝のニュースに世界の大勢はほっとしている。EU離脱、反移民を主張。テロ対策はイスラム主義との戦争だと主張。トランプ大統領はルペン支持の方向であった。フランスのEU離脱は世界の経済に大混乱を起こす。まだ決戦投票がある。女性候補のパワーは謎だ。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年4月23日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第 27 回

 

 

 追悼の儀式は黙々と行われた。終わると皆、ホッとした気持ちで用意された食事をとる。傍らで見ていたラエ・テクニカルカレッジの女子学生たちも食事の輪に加わって、人々の明るい声は森の緑の中に流れてゆく。のどかだなと私は思った。その時、忘れていたアフガニスタンのことが頭に浮かんだ。こうしている時も、米軍の攻撃は行われていることであろう。人類が存在する限りこの地球上では戦争が繰り返されて絶えることはないのか。しかし、アフガニスタンの戦争もやがて終結し、時が経てば、昔そういうことがあったと語られるだけの存在になってしまう。それどころかほとんどの人の記憶にも留まらない出来事になってしまうのだ。そしてダンピール海峡の悲劇も単なる過去の歴史的事実となって、ほとんどの人の意識にものぼらなくなってしまうに違いない。とすれば、海に呑まれた兵士たちはまったく浮かばれないことになる。女子学生達の屈託のない笑顔を見ながら私は、日本の若者たちのことを思い浮かべた。彼らは、かつての戦争にほとんど興味を示さない。 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

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2017年4月22日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第26回

 

  さすがに、この国第二の都市ということだけあって近代的な建築物が並んでいる。あれが放送局、あっちの建物はスーパーマーケットと私の隣りで説明していたマルガレータは、まちの一角を指して、私のカレッジもここにありますと私に笑顔を向けて言った。 

 

 車はやがて宿舎であるメラネシアンホテルに着く。このホテルは落ち着いた雰囲気で、品格があり部屋も綺麗だった。

 

 一時間ほど休憩して巡拝に出かける。ラエは激戦地であったため市内には戦跡が多い。

 

 私達は、日本軍が戦ったトンネルや対空砲の置かれた所など何カ所か巡拝したが、この日のメインはラエ市の一画にある熱帯植物園の中にあった。そこには、豪・米・インド軍兵の墓、ダンピール海峡で死んだ兵士を追悼する祭壇がある。

 

 

 

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 大密林の一部をそのまま残したような熱帯植物園はラエ市内の一角にあった。車の流れが激しい通りからいきなり園内に入る。つたが巻き付いた天を突くような巨木がところどころにあり、その中の開けた草地の隅に祭壇がひっそりと置かれていた。

 

 ここから海は近い。そしてその海の遥か彼方にはラバウルで名高いニューブリテン島が横たわり、その間に三千数百名の日本兵を呑み込んだダンピール海峡がある。裁断を覆う巨木は悲劇の海戦の音を聞いたであろう。そして風に乗って伝わってくる兵士の叫びを感じ取ったかもしれない。しかし、灼熱の太陽の下、森はそよりともせず私達の営みを見守っている。

 

 

 

 ※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年4月21日 (金)

人生意気に感ず「大胆な女たち。女性犯罪は続く。暴力団の行方。白昼の大金強奪」

 

 ◇女性の時代を象徴する社会現象というべきか。犯罪でも女性の大胆な動きが目立つ昨今である。先日は3人の男を練炭を使って殺したとして死刑判決を受けた木嶋早苗の事件が世間の注目を集めたが、今大いに世間を騒がせているのは山辺節子容疑者である。スケールも国際的であることに驚く。 

 

 62歳であるが38歳と偽り、若い外国人男性を愛人に持ち、札束をバッグに入れて豪遊していたと報じられている。その金は融資の名目で違法に集めたものとされる。いずればれることは明白なのに刹那の享楽に任せる心理が到底理解できない。

 

◇暴力団組長に懲役3年の求刑が前橋地裁であった。近年暴力団構成員の数が減少を続け、県内では表立った暴力団の動きは影を潜めていると思っていた矢先なので注目した。

 

 被告は指定暴力団松葉会系組長で、就労資格のないカンボジア人女性を伊香保の温泉街で働かせたとして入管難民法違反の罪に問われた。

 

 働かされた仕事の内容は売春であり、性的搾取である。検察は「売春させられた女性は肉体、精神、経済的苦痛を受けた」と主張した。立件にあたり、スナックで客となった人たちも警察で調べられ、冷や汗をかいたに違いない。

 

◇暴力団構成員の減少に関しては暴対法の効果が大きいが、背景には社会経済情勢の激しい変化がある。暴力団は追い詰められているに違いない。新たに組に入る青少年が多いとは考えにくい。この世界には、昔の任侠道にあったようなロマンがあるとも思えない。それだけに人の命を何とも思わない残忍さが現代の暴力団には感じられる。先日も、このブログで書いたが、前橋三俣町の殺人事件の死刑囚は他の殺人事件を2件告白した。

 

 獄中の囚人が自ら手にかけた人の亡霊にうなされて告白した例を聞いたことがある。この日本列島には暴力団によって殺され埋められた死体は無数に存在するのではないか。法治国を誇る国でありながら、暴力団の存在を許すこと自体がおかしいのである。私が県議会から引退後、暴力団を正面から取り上げる議員が少なくなったような気がする。

 

◇凄い事件。白昼4億円近い現金の強奪。同日、3億円以上の現金を持って確保された出国直前の男たち。これらの関連は。計画された犯行か。事実は小説より奇なり。映画のような場面が展開か。(読者に感謝)

 

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2017年4月20日 (木)

人生意気に感ず「民間初の月面捜査。V2号のブラウン博士。核拡散の恐怖」

 

◇民間初の月面捜査国際コンテストに日本チームが挑戦する。先月の「ふるさと塾」ではテーマの宇宙に皆熱心に耳を傾けた。この瞬間にも宇宙は限りなく膨脹を続けている。地球は小さな星であり、私たちは宇宙的存在である。連日繰り返される地上の争いが馬鹿らしく見える。

 

 月までは約40万キロ。おとぎ話の世界であった月に人類が到達し帰ってくるなどと信じ難いことだった。あれから48年。1969年のアポロ11号の快挙に世界の目は釘付けとなり、私は興奮で胸を躍らせた。

 

 コンテストには、日本・インド・イスラエル・米国・多国籍の計5チームが参加。探査車を月面に着陸させた後、500m以上移動させ、高解像度の動画や画像を地球に最も早く送ったチームが優勝。賞金は約22億円と破格だ。

 

 是非優勝して欲しい。賞金よりも日本の技術力を示し、国民の心を高揚させ子どもたちの夢をかき立てる効果が凄いに違いない。

 

◇月ロケットといえば、ドイツのロケット工学者ブラウンを思い出す。第二次大戦中、ナチスの下で初めて長距離ミサイルV2号を開発。このロケットはロンドンを恐怖の底に落とし込んだ。ドイツ敗戦後博士はアメリカに渡り、アポロ計画の指導者となりアポロ11号を生み出した。日本のロケット工学の出発点は糸川博士だった。

 

 ロケット技術は戦争の手段として発展し、今や北朝鮮がミサイルを手にして世界の平和を脅かすに至っている。戦争から生まれたロケット技術を平和と夢に生かすことが人類の課題である。民間の月面コンテストはこの意味で非常に重要である。

 

◇戦争の手段として生まれた極限の力が核である。その原理はドイツ人によって発見されたが、悪魔の兵器を完成させたのはアメリカであった。それはあっという間に世界に広まってしまった。イギリス、フランス、ソ連、中国、インド、パキスタンと。そして、現在北朝鮮が核保有国たらんと主張している。ミサイルと共に核が広がる恐怖を日本は今、身近な現実のものとして感じている。危険な独裁者がこれを手にすれば、必ず使われる。何としても阻止しなければならない。人命を何とも思わないテロ国家が核を手にしたら大変なのだ。

 

◇今朝2時頃茨城で震度4が2回。慣れで驚かなないが、さすがに多い。首都直下が迫っている。五輪の前か後か最中か。関東大震災から94年だ。(読者に感謝)

 

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2017年4月19日 (水)

人生意気に感ず「中国大使館で植樹。宥座の器も。カールビンソンの動きと中国」

 

 ◇中国大使館の中庭に見事な五葉松が植えられた。18日早朝、群馬県日中友好協会の一行はバスで大使館に向かった。大使館で合流する人を含め総勢27名。程大使、福田元総理、私が根本に土を寄せる儀式を行った。傍らには、「国交正常化45周年記念、群馬日中友好協会寄贈」と書かれた標示板が立てられた。前日の予報は外れて、うだるような真夏日。特別な一画に植えられた山梅提供樹齢70年の松は降り注ぐ陽光の下で何かを語っているように見受けられた。 

 

◇パーティでは福田元総理、程大使と私が挨拶。「私は、群馬日中友好協会は嵐の中に船出しましたが、民間の交流が国家間の交流の基礎となることも学ぶことが出来ました。この五葉松が日中の絆を一層強めることを願います」と話した。

 

◇実はこの日のパーティ会場では、もう一つ貴重な物の寄贈式が行われた。現代の名工、群日中の会員針生清司さんの「宥座(ゆうざ)の器」である。孔子がこれによって中庸の徳を教えたとされる「器」は本家の中国には存在しない。針生さんが十年の歳月と心血を注いで実現された。二千数百年の時空を超えて甦った宥座の器は、欲望に押し流される現代人の心に語りかける。「過ぎたるは及ばざるが如し」と。

 

 程大使が実演した。鎖につられた銅(あかがね)の壺に大使は柄杓ですくった水を注ぐ。傾いていた壺は8分目で真っすぐの姿になり、それ以上入れると壺は口を下に向けて中の水を吐き出してしまった。どっと起こる歓声。人々はそれぞれの立場で教訓を受け取ったに違いない。大使館の入口を固める警視庁の警備は昨年より厳しく感じられた。私たちは現実の世界に戻ったことを意識しつつ大使館を後にした。

 

◇大使館に植えた五葉松は太田市の造園業山梅の提供である。会長の山田忠雄氏は群馬県日中友好協会の理事。日本庭園を構成する樹木は日本の伝統文化である。山梅は中国への樹木輸出を進めようとしている。文化と結びついたビジネスが進むことは日中両国の真の交流にとって良いことだ。群日中は今後この分野の経済交流が進むことを願っている。

 

◇空母カールビンソンは、北の状況をにらみながらまだインドネシア海域に。中国の必死の努力を尊重する姿勢に違いない。北の人民軍創建85周年が25日。この頃、日本海に到着という。(読者に感謝)

 

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2017年4月18日 (火)

人生意気に感ず「北の暴発。歴史的瞬間。どのように国を守るか。殺人監獄・重監房」

 

 

◇我々は、運命が掛かった歴史的瞬間にいる。一方には何をするか分からに非常識を売り物にしている超大国の大統領。対するは捨て身の独裁者金正恩委員長。北上するカールビンソン、対するは巨大な軍事パレード。一触即発を絵に描いたような状況である。

 

 トランプはシリアに59条のミサイルを撃ち込み、アフガニスタンに超爆弾を投下した。北朝鮮は次に自分たちが攻撃を受けることを覚悟して最大のパフォーマンスを展開しているに違いない。

 

 かつて、原子爆弾の開発に関わった科学者たちは使うことが出来ない超兵器と信じた。現実には広島、長崎に投下され地獄の惨状を作り出した。あれから70年余、核は独裁者の手に握られ、まさかの時を迎えようとしている。

 

 米朝の間に戦端が開かれ日本が攻撃された時、戦争反対を叫ぶ人たちは国を守るために、又家族を守るために何をするのであろうか。戦争を知らない人たちが大半を占めるようになった。戦争反対は誰もが願うこと。しかし、同時に戦争になった時に備えなければならぬことも歴然とした事実である。

 

◇興味ある国の調査がある。次に生まれる時どこの国に生まれたいか。

80%を超える日本人が再び日本に生まれたいと答えた。しかし、日本が攻撃された時これに対して戦うかの問いに戦うと答えた人は1割位というのだ。

 

 北朝鮮は狂気の隣国である。中国は太平洋進出を目指して尖閣を呑み込もうとしている。きれい事で平和は守れない。人類の歴史は戦争の歴史であった。それが変わることはない。今、私たちはその歴史の冷たい現実に晒されているのだ。

 

◇14日、午後7時から東京の文京シビックホールの上映会に出た。「ここから」と題する映画は、ハンセン病と闘った詩人・谺(こだま)雄二さんの生涯を描いたもの。怪異な風貌から哲学的な力がにじんでいた。

 

 谺さんは憲法の基本的人権に言及し「重監房」のことを悪魔の発想であり、殺人監獄だと訴えていた。正にその通りなのだ。憲法の基本的人権を論ずる人は多いが谺さんの言葉は差別の体験と結びついて現実の迫力が感じられた。16日の上毛。「ひろば」に私の連載「死の川を越えて」心待ちの声が載った。やがて私の小説も殺人監房に入る。(読者に感謝)

 

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2017年4月17日 (月)

人生意気に感ず「性犯罪の信じられぬ衝撃。練炭殺人犯の死刑。一触即発の危機」

 

◇二つの衝撃的事件のニュース。女児殺害及び交際男性の殺害に関する事件。いずれも世相を反映するものだが、9歳のリンさん殺害はやり切れない。全裸の遺体発見、体から採取のDNA型、保護者会長、リンさん等の見守り活動にも参加等々。ベトナム出身で日本が好きだった。日本は安心の国と思っていたに違いない。

 

 日本アカデミーに多くのベトナム人留学生が入学した。彼らは日本を礼節の国と尊敬している。リンさんの笑顔と共に彼らの姿が目に浮かんだ。

 

 被害者がベトナム人であることが犯人の動機に多少とも影響を与えたことはあるだろうか。後進国の人への無意識の差別感が潜在意識で働いたのか気になる。女児を狙う邪(よこしま)な欲望をどう制するかは現代社会が直面する深刻な課題である。

 

◇性犯罪者には未解決の特別な遺伝要素があるともいわれる。外国ではGPSの装着も義務づけ、警察が監視対象としている例が先進国でみられる。基本的人権を強く保障する日本国憲法の下では、そこまではとても不可能であるが、ギリギリの対応は必要である。私は県会議員の時、この問題を取り上げたことがある。

 

◇練炭殺人で注目を集めた木嶋被告の死刑が確定した。練炭といえば、ミツウロコ、高四寸と直ぐ浮かぶ程私には強い思い出がある。少年の頃、せんべいの製造に従事し、これらを毎日使っていたからだ。このような時代離れの手段と共に決して美人とはいえない女に、男が次々と騙されていくことに、この事件の不思議さを感じていた。金のために人の命を何とも思わぬ女の心理は現代社会がつくり出したものだろう。獄中でも結婚を繰り返したというこの怪物は、どんな姿で絞首台に登るのであろうか。

 

◇日本列島が異常な緊張に覆われている。平和ぼけと言われる日本人も、米対北朝鮮の一触即発状態に現実の危機感を募らせている。

 

 極限の緊張の渦の中にあるのは北朝鮮である。巨大な大陸間弾道ミサイルを登場させた軍事パレード、機械人形のように進軍する兵士を誇示するかのように演説が響いた。

 

「米国が挑発を仕掛けてくれば、即時にせん滅的攻撃を加え、核戦争には核攻撃で対応する」と。

 

 カールビンソンが北上し北朝鮮に近づいている。かつてのキューバ危機を思い出す。あれは、常識が通じる超大国の対立だった。(読者に感謝)

 

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2017年4月15日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第25回

 

 

 

 私たち慰霊巡拝団の目的は、市内のいくつかの戦跡の巡拝、豪・米・インド軍兵士の墓の参拝、そしてダンピール海峡に向けての追悼式などであった。 

 

 空港から市内のホテルまでは約1時間かかる。私の隣に座ったマルガレータは、私の質問に答えて、ラエについて説明する。それによれば、ラエは、パプアニューギニア第二の都市で人口は約12万5千人、市内にはスーパーマーケットや放送局があり、国内で唯一の国立工科大学もある。飛行機は、以前は市の近くにあったが津波の被害を受けて遠くに建設されたという。

 

 この津波とは1998年(平成10年)7月17日、パプアニューギニア北西部における地震が原因で発生したもので、死者2千名以上という未曽有の被害をもたらしたものである。

 

 気づくと私達の前に一定距離を置いて進んでゆく車は、警察の先導車であった。ニューギニアは治安が悪く、時々強盗団が出没するということである。日本人は金持ちということで標的になるのかも知れない。

 

 しかし、道中はそんな気配はなく、一見のどかな風景が過ぎてゆく。ところどころに人々がたむろし通り過ぎる私達異国の旅人に手を振っている。視界の中におよそ近代産業らしいものは入ってこない。この国の多くの国民は、自給自足の農民で暮らしているとのことである。

 

 車はやがてラエ市の中心街に入った。

 

 

 

 ※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年4月14日 (金)

人生意気に感ず「北の瀬戸際の演出。韓国大統領選のテーマ。トランプは本物か。ハンセンの映画」

 

◇北朝鮮の暴走に日本以上の脅威を感じているのは韓国である。韓国の首都ソウルは目と鼻の先。私は板門店を見、また北が韓国攻撃のために作った洞窟に実際に入ってみた。北はこれまで実際に韓国を攻撃している。こういうこれまでの経緯に加えて今回の異常事態である。更に来月9日には大統領選の投票である。

 

◇正に究極の国難に違いない。最大の争点は北朝鮮対応以外にない。候補予定者の初のテレビ討論が行われ、2強といわれる文氏と安氏は、この問題で激論を交わした。いずれもアメリカに自制を求め、中国の役割に期待を寄せている。

 

 北朝鮮が最高に高揚している様子が伝えられる。金正恩委員長が国民の前に姿を現した。少しも驚かない、やるならやってみろ、俺には核があるぞ、とアメリカにアピールしている姿である。偵察衛星の分析力は凄い。人間の動きまで分かるのだ。慌ただしい状況からアメリカは近く核実験が行われるらしいと判断している。

 

 戦争瀬戸際の駆け引きは独裁者の得意技である。裸の王様にブレーキをかける者はいない。戦端が開かれれば韓国だけで数十万人の犠牲が出るとの推計がある。国境を接する中国への影響も計り知れない。

 

 国難は日本にとっても同様である。先程成立した安保関連法案が早速問われることになる。稲田防衛大臣にこの危機を乗り切る決意が果たしてあるのだろうか。

 

◇トランプの株が急上昇している。世界最強の権力を巧みに動かしていると見えるからだ。果たして本物なのか。トヨタが1兆円規模の投資を発表。トランプの要望に応えてアメリカの雇用創出に貢献しようとしている。もし北朝鮮の危機を乗り切った時、トランプは化けるかも知れない。漫画の主人公のように見えたトランプが偉大な大統領に化けるとしたら、それを可能にする力はアメリカの民主主義に違いないのだ。私達は今、大きな歴史の転換点に、しかも歴史の渦の中心にいることを知るべきである。

 

◇今日は久しぶりに上京する。ハンセン病と闘った詩人・谺雄二の生涯を描いた映画の上映会である。岩波映像のプロデューサーが私の小説「死の川を越えて」を読んでおられる。その方と会うのも目的。重監房を描く私の胸に何かが生まれることを期待している。(読者に感謝)

 

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2017年4月13日 (木)

人生意気に感ず「暴徒する北、日本の危機。地方の役割。原発いじめと教育。留学生の時代」

 

 ◇事態は日本人の想像を遥かに超えて切迫している。南に向かっていたカールビンソンが方向転換して北朝鮮に向かっていることがそれを雄弁に物語る。安倍首相は「いかなる事態になっても、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜く」と決意を示している。「いかなる事態」には日本が攻撃される場合が含まれる。 

 

 日本に備えがあるのか。政府が躍起となっても国民を守れない。国民1人1人の自覚が大切だ。それには地方議会が政府国会と危機感を共有して取り組まねばならないのに、地方から一向にその声が上がらない。地方の議員に政治的な使命感はないのか。

 

 暴走する北朝鮮の目と鼻の先に日本の原発と人口密集の大都市があり、これらは隙だらけだ。まさかの事態があれば近づく東京五輪も吹っ飛ぶ。平和的解決だけが救いであるが、それは北朝鮮の生死を握る中国の動きにかかる。

 

◇文科省は福島原発事故避難の小中高生のいじめ調査を公表した。199件という数が実態を反映しているか疑問。表面化していないものが多くあるに違いない。その最大の遠因は学校できちんとした原発に関する教育をしてこなかった点にある。無知が差別と偏見を生むのである。教育界にある巨大な構造的背景である。

 

「おまえらのせいで原発が爆発した」とか「放射能が付くから近づくな」とか言われた例があげられている。

 

 福島の原発事故は、津波被害も含め離れた地域の人を他人事と捉えている点に問題がある。広島、長崎のことも同様だ。まるで自分たちと関係ないことと考える人が余りに多い。このことは過去の捉え方にも共通する。現在から離れると他人事となる。教育が役割を果たしていないことを物語る。歴史教育はどうなっているのか。道徳教育は行われているのか。地方議会は何をやっているのか問いたい。

 

◇日本アカデミーの入学式はグローバル時代を反映して国際色豊かだった。大勢なので10日と12日に分けて行われた。総勢約600名。私は名誉学院長として挨拶。彼らが日本の良さを理解して日本を好きになることを祈りながら。昨日は、ハイチ、パキスタン、スリランカ、インド、カメルーン、バングラディシュの若者たちが目立った。カメルーンの肌の黒い男女は堂々としていた。彼らが日本の小学校で母国を語れる機会があればと想像した。(読者に感謝)

 

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2017年4月12日 (水)

人生意気に感ず「死刑囚の逮捕。暴力団の恐怖。窮鼠は猫を噛むか。人口減と外国人留学生」

 

 ◇死刑囚が逮捕された。檻に監禁し首を絞めて殺したという。その場面を想像すると身の毛もよだつ思いだ。更に別の殺人も告白し、昨年遺体が発見された。人を殺すことを何とも思っていない人々が存在することに今更ながら驚く。死刑制度の犯罪抑止力の重さを感じざるを得ない。私は死刑制度に基本的には反対であるが、現実には暗黒街の人々に対し人を殺すことは国家として許さぬことを示している意味を否定できない。

 

◇前橋市の三俣町の殺人事件は、私が県議会にいた頃の事件で、全市の人々を震撼させた。議会では私が中心となって、暴力団を公営住宅から排除する条例変更を実現させたが、この事件は私を衝き動かす動機となった。

 

 私は暴力団を恐れないが、当時警察は万一のことを心配して私の家を毎日巡回してくれた。条例制定のいきさつ等は私の小著「議長日記」(上毛新聞)に記述されている。希望者には差し上げることが可能である。

 

◇原子力空母カールビンソンが北朝鮮に向かっている。トランプ大統領の決意を示すものだ。トランプの決意はシリア攻撃と一体となっている。張子の虎かと思われたトランプが、大統領らしい仕事をした例と言えるだろう。当否については議論が分かれるが、米国内でも、世界でも同大統領に対する評価が高まっているといえそうだ。

 

 北朝鮮は何をするか分からない狂気の犯罪国家である。窮鼠猫を噛むの例えで行動に出る可能性は否定できない。狙われるのは韓国と日本である、息をのむ瞬間が過ぎていく。

 

 国家の危機は我々1人1人の危機。敗戦によって180度価値観を転換させた日本人は国を守ることを考えない習慣を身につけてしまった。戦争の放棄を定める日本国憲法も国を守ることを否定しない。いざという時、私たちは戦わねばならない。

 

◇人口減少社会が続く。2065年に8,808万人になるなどの推計が出た。将来増々外国人の存在が大きくなる。長い歴史の上で私たちは島国の中で日本人だけで生きてきた。これからは外国人との共生は避けられない。日本の文化をはじめ、あらゆるものが影響を受ける。

 

 今日、日本アカデミーで外国人留学生の入学式が行われる。カルチャーショックを栄養にして日本を理解し、国際社会で生きる力を身につけて欲しいと挨拶するつもりである。(読者に感謝)

 

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2017年4月11日 (火)

人生意気に感ず「歴史は繰り返す。朝鮮戦争の悪夢。中国大使館で植樹」

 

 ◇歴史は繰り返す。太平洋戦の敗戦から72年、朝鮮戦争勃発から67年を経て再び朝鮮半島が危機にある。朝鮮半島の危機は日本の危機に外ならない。かつての朝鮮戦争で中国軍は毛沢東の下で怒涛のように半島に攻め入り国連軍と一進一退を繰り返した。国境を接する中国は半島の情勢につき国運に関わる程の関心を寄せていることは現在も変わらない。朝鮮戦争は日本に復興特需をもたらしたが、今回トランプの米国が北朝鮮を攻撃すれば、平和の国日本は北のミサイル攻撃に晒される危機にある。追い詰められた裸の王様の独裁者は核を振りかざし、何をするか分からない。中国の影響力は計り知れない程大きい。 

 

 百年の屈辱から立ち上がった中国が真に世界の大国を目指すならアジアの平和に大きな役割を果たさねばならない。強(したた)かで賢明な中国は、北朝鮮問題に於ける中国の役割を十分承知して、有効なカードを切ることを狙っているに違いない。

 

◇北朝鮮のシリア攻撃の前と後の反応が注目される。5日に「いま一度警告しておく、我が軍の攻撃手段は米本土まで射程に収め常時発射待機状態にある」と警告した北朝鮮は8日には「力には力で対処しなければならない。核戦力を強化してきた我々の選択は正しかった。核を中心とする軍事力は正義の宝剣だ」と述べた。国際テロ国家が正義を口にすること自体が驚くべきことである。

 

◇日中の民間交流の意義をこういう時だけに強く感じる。先日の上海に於ける日中青少年書道展は中国の歓待の中で大きな成果をあげたが、その成果を子ども達の心に根づかせるために感想文を書いてもらうことになった。彼らの胸に中国の出来事がどのように映ったのか、それを彼らがどのように表現するか楽しみである。

 

◇4月18日、中国大使館の庭に群馬の松の木を植えることになった。過日、中国大使館を日中友好協会の行事として訪ねた際に、私が提案して実現することになった。当日は、程大使夫妻及び福田元総理夫妻も植樹に参加する予定。程大使は間もなく退任と聞く。

 

 この日、現代の名工、館林の針生清司氏の宥座の器・贈呈も行われる。孔子が中庸の徳を説くために使った器は、針生氏が10年の歳月をかけて実現させたもの。満杯に水を入れるとこぼれてしまう。物欲に酔う現代人への教訓である。(読者に感謝)

 

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2017年4月10日 (月)

人生意気に感ず「米中会談とシリア攻撃。北の対応次第で戦争に。安倍さんの発言」

 

 ◇習近平主席がトランプ首相とフロリダの別荘で会う時、安倍首相と同じような構図になるのかと気に掛かっていた。世界に報じられた安倍・トランプの蜜月ぶりも唯の演技だったと思えてしまうからだ。実際は違ったようだ。習氏は渋面でトランプ氏の独演の様子が目立った。 

 

 背景ではとんでもない出来事が進んでいた。ミサイル59発がシリアを攻撃したことである。

 

 米中首脳の夕食会とほぼ同時刻。衝撃波は習氏の胸中も激しく揺すったに違いない。シリア攻撃は北朝鮮への武力行使も辞さないというトランプの決意を示すからだ。

 

◇予想通り、北朝鮮は激しく反発した。例によって講談調の女性が、ドンとテーブルを叩く雰囲気で「我が国は驚かない」と強い口調で語っていた。

 

 トランプ大統領は、北朝鮮対策につき「全ての選択肢はテーブルの上にある」と強調している。それを裏付けるように空母カールビンソンを中心とする艦隊が北朝鮮を目指していると報じられた。

 

 非常識の大統領がシリアに下した決断は、北朝鮮に対しても何をするか分からないという異常な緊張を作り出している。正に世界戦争の危機。森友・籠池問題が吹き飛んでしまったかの感が生じた。

 

 アメリカが北朝鮮を攻撃するというまさかの事態が生じた時、北が黙ってやられているとは考えられない。米本土攻撃は非現実的だから、可能性としては先ず、日本の米軍基地に対する攻撃である。その時、米軍の反撃のエスカレートは必至だから、日本は一大パニックに陥るに違いない。何としてもそれを避けなければならない。

 

◇外交は最大の防衛策ということを差し迫った事態の中で強く感じる。安倍首相の発言の中に、北朝鮮への米国への攻撃を回避したいという悲痛な意図が窺えるのだ。次の点である。

 

 シリア攻撃を支持するメッセージの中で、首相は「今回の米国の行動はこれ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解しています」と述べ、北朝鮮関連で次のように訴えた。

 

「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増しています。その中で国際秩序の維持と同盟国の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを日本は高く評価します」と。中国の対応が注目される。米・中・日の首脳に世界の目が注がれる。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年4月 9日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第24回

 

 ポートモレスビーの日本大使館で、田中特命全権大使が「日本が、こんな遠くまで兵を出したのは、アメリカとオーストラリアが手を結んで作戦するのを分断させるためであった」と語ったことは前述したが、アメリカとオーストラリアの目的は、この地に対日反抗の大拠点をつくることであり、日本のニューギニア作戦の目的は、これを阻止しようとするものであった。そしてこの目的のための日本軍の最初の行動は昭和17年3月、このラエの占領から始まったのである。ついでながら、マッカーサー将軍は、対日反抗の拠点づくりのため、連合軍の総司部をオーストラリアのビルスベン(慰霊巡拝の最後の日に訪問)からニューギニアのポートモレスビーに移しニューギニア戦に全力を注いだ。結果は、日本軍がニューギニアで大敗したため、連合軍はその目的の通り、ここから島づたいに、フィリピンを陥れ、日本を攻撃するに至る。(マッカーサー将軍はこれをカエル飛び作戦と称した)

 

 私達慰霊巡拝の目的は、市内のいくつかの戦跡の巡拝、豪・米・インド軍兵士の墓の参拝、そしてダンピール海峡に向けての追悼式などであった。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

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2017年4月 8日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第23回

 

 

 ヘッドライトの光の中に時々教会の建物が現れる・一時間ほどの走行中に、またあったと感じられるほどに尖った白い建物が現れては消えた。それは現地人の余りに粗末な建物と比べアンバランスな感じを与える光景であった。また、このことはこの未開の地にも西欧文明の中核たるキリスト教が広く根付いていることを示すものである。事実、この国の国民の大半はキリスト教徒である。もっとも、奥地の山村では伝統的な祖先崇拝や原始宗教がまだ残っているという。

 

 六時、PX125便でウエワクを離陸、途中乗り継ぎのため小さなローカル空港マダンに降りる。ここからPX308便に乗りかえて午前八時、ラエに着いた。

 

 空港について、おやと驚くことがあった。現地の男が「ようこそラエへ」と書かれた大きな幕を持ち、その前に二人の若い女性が立っている。日本語で書かれた歓迎の言葉と共に彼女たちの姿が私の注目をひいた。腰にまとった赤い民族衣装、健康そうな上半身の黒い肌、そして下は裸足である。白い歯を見せて笑った顔は知的で美しい。間もなく、これらの人々が私達を案内するガイド役であることを知って驚き感激に変わった。

 

 彼女たちは、それぞれマルガレータ、ジャクリーンといい、ラエ・テクニカルカレッジの学生であった。他の数名の学生たちと共に、私達を案内することになっていたのである。

 

 ラエはかつて、ウエワク、サラモアと共にニューギニア島北岸における日本軍の重要拠点であり、激戦地であった。

 

 

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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2017年4月 7日 (金)

人生意気に感ず「シリアで化学兵器。命のおにぎり。道徳教育と教育勅語」

 

 ◇シリアで化学兵器と報じられている。呼吸困難、失神、けいれん、口から泡を吹く人、道路に横たわった大人にしがみつく子ども。 

 

 むごい光景で言葉に出来ないという。少なくとも100人が死亡、猛毒サリンが使われた可能性が高い。シリアの首都はダマスカス。そして北部の激戦地にはアレッポがある。

 

 私が関わる日本アカデミーの留学生には、ダマスカス及びシリアの若者がいる。ダマスカスの女性は、私のふるさと未来塾で日本の素晴らしさと自分の将来の夢を語った。内戦の祖国、毒ガスの地獄を憂う若者たちの心境は私たちの想像を遥かに超えるものだろう。

 

 ダマスカスの女性は、原爆の惨状から立ち上がって素晴らしい国を築いた日本人の心を「決してあきらめない」と称賛したのだ。その日本人の心が今怪しくなっている。道徳教育の重要性を痛切に思う。

 

◇「命のおにぎり」が来年度の小6の教科書に載る。記録的な大雪の中、福島県の国道で多くの車が立ち往生したのは3年前の出来事。

 

 近くに原発事故避難者の仮設住宅があった。車列の中には、空腹で意識を失いかけていた糖尿病患者がいた。仮説住宅の人々は、富山県から贈られた支援米でおにぎりを作り、雪をかき分けて車の人々に配った。住宅の人々には自らの窮状を助けられた思いがあった。立ち往生する人々に届けられたのは、おにぎりにこめられた温かい思いだった。助け合う心と心は記録的な雪をも溶かす感激であったに違いない。

 

 東北大雪災では多くの命が失われた。埋もれた美談は数多くあるだろう。それを日本人共有の財産にすることが一番の課題である。

 

 日本人の心が今崩壊しつつある。津波により多くの人が流されたように、日本人の心が流されつつある。道徳教育は長いこと掛け声に終わってきた感がある。教育勅語などを持ち出すことは時代錯誤である。事実に語らせることが第一に重要である。

 

◇私の手帳に教育勅語が貼り付けてある。「朕おもうに、皇祖皇宗、国をはじむることこう遠に徳をたつること深こうなり・・・」。格調の高い美文。しかし、天皇神格観に基づき、国家主義の支柱であった。国会で無効決議がなされた現憲法と相いれない。部分的には夫婦相和し兄弟仲良くと道徳の目標となり得るが、木をみて森を見ずとなる。(読者に感謝)

 

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2017年4月 6日 (木)

人生意気に感ず「未婚社会は日本の危機。東電改革と福島への責任。戦争が近づく」

 

 ◇未婚社会が進む。私たちの世代には信じ難いことだ。生涯未婚率は男性のほぼ4人に1人。異常事態である。草食系などという言葉がはやった。多くの人は結婚したいと思っているのに出来ない。今日の事態は個人の不幸であり、国家社会の危機に外ならない。それは少子化に直結し、活力のない社会に繋がる。 

 

 先に待ち構えるのは外国人との共生社会か。日本の伝統の文化も大きな時代の波に洗われ変化していく。未婚社会に歯止めをかけるために国や行政の役割は大きい。

 

◇私が県会議員だった時も、少子化対策は県政の最大の課題の一つで、婚活支援がいろいろ議論され、提案された。行政が動くことに対して女性団体から「セクハラ」とか「価値観の押し付け」という批判が出される。そういう声に押されてすぐ政策を変更する程事態は甘くない。そういう声に配慮しながらやるべきことをやるのが行政の使命ではないか。

 

◇原発の行方はどうなるのか心配でならない。あれだけの事故を起こし、まだ終息に至らない。原発は本当に不可欠なのか。原発と原爆は同根である。広島と長崎の悲劇を経験しながら余りに安易に原発を進めてきた。

 

 6年前の事故は、原子力政策を反省し見直すべき最大の機会であることは間違いない。教訓に生かし、同じことを繰り返さない。これに異論をとなえる人はいない筈だ。

 

 東電の改革が進められようとしている。経営改革に向けて会外取締役によるチームを作るという。改革の主眼は「加害者としての責任を果たすため資金のめどをつける」ことにあるらしい。あくまで日本にとって原発は必要という立場だ。川村次期会長は「福島への責任を果たす」と強調している。

 

◇「福島への責任」とは何か。私は賠償だけの問題ではないと思う。企業の倫理で賠償だけの問題と捉えるなら同じ過ちを繰り返すことになる。美しい福島を未来に向けて守ることこそ、福島への責任ではないか。

 

◇観光の大波が押し寄せている。美しい日本、安全な国日本に世界の目が注がれ、間もなく東京五輪を迎える。世界の目が東北に向けられる。真に復興した姿を世界に示さねばならない。

 

◇北がまたミサイルを発射。正恩を誰も止められない。戦争の危機が近づいている。今日から始まる習とトランプの会議を見守りたい。(読者に感謝)

 

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2017年4月 5日 (水)

人生意気に感ず「ロシアの地下鉄テロ。テロ等準備罪。五輪に備え、地方の役割」

 

◇ロシア・サンクトペテルブルグの地下鉄爆発の死者は14人に達した。容疑者はイスラム過激派と関連があり、自爆テロだと言われる。この都市は、ピョートル大帝がロシアの首都として建設した都市。ロシア革命の中心地でかつてのレニングラード。プーチン大統領の出身地で、ちょうど同大統領が滞在していた。建物の上に狙撃兵が配置されるほどの最高の警戒の中でテロは発生した。来年夏のサッカーワールドカップの開催地である。

 

 都市のテロは防ぎきれないことを示した。日本も危ない。世界一安全な国といわれる日本では、国民にテロに対する危機意識がない。オウムによる地下鉄サリン事件は記憶に生々しい。国際テロに狙われたらひとたまりもない。東京五輪が近づき、原発がある。発想を変えて安全の国の人命を守らねばならない。

 

◇テロ等準備罪は喫緊の課題である。民進党など野党は反対し廃案を目指している。反対の理由は、人権尊重の観点から犯罪か否かを明確化する刑法の原則に反するのではということ。法案は、犯罪を計画段階で処罰する趣旨を含むからだ。今国会の成立を目指し6日にも実質審議が始まる。

 

 菅官房長官は「東京五輪・パラリンピックに向け、テロを含む組織犯罪を未然に防止するため万全の態勢を整える」と決意を語っている。国会で激しく、そして十分に審議し、法案の運用の歯止めを明確にして成立させるべきだ。

 

◇テロの問題は原発とも関わり、地方がしっかり受け止めなければならない筈なのに、地方議会はほとんど発言しない。国会の問題だと割り切っているとしたら問題意識がなさすぎる。地方の保守勢力が積極的にこの種の問題に発言しなければ日本は変わらない。

 

◇全世界から日本の良さが注目され、観光客が押し寄せる潮流の中で、2020年の東京五輪・パラリンピックが開かれる。テロ組織とすれば絶好のチャンス。更に巨大地震が重なったら、日本は立ち上がれない程の打撃を受ける。正に日本の力が試されている。

 

 政府は五輪の大会期間中の「警備基本戦略」を策定した。24時間態勢で取り組むためにセキュリティーセンターを設置する。成功させるためには都を初め地方が国と連携することが必要である。群馬の地方議会からこの問題に関して声が聞こえてこないのは淋しい。(読者に感謝)

 

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2017年4月 4日 (火)

人生意気に感ず「少女殺害犯を追い詰める包囲網。小池知事、ハンセン病施設を。差別と人間の本性」

 

 ◇少女の遺体が母国ベトナムへ運ばれて行った。父は死ぬ程辛いと言っている。私は多くのベトナムの留学生と接しているが、彼らは日本を礼節の国、最も安全で美しい国と尊敬している。ベトナム戦争で傷ついた国は逞しく立ち上がって復興を果たし、大変な親日国である。少女を犠牲にした卑劣な事件はいかにも残念。リンさんに、その家族に、ベトナムの人々に申し訳ないと思う。 

 

◇少女をターゲットにした犯罪が絶えない、私が県会議員の時、群馬と栃木にまたがっていくつもの幼女殺害、あるいは連れ去り等の事件が起きた。いずれも未解決である。抵抗出来ない弱い力を守るために根本的な対策が必要である。また、最大の犯罪対策は犯人を必ず逮捕さることである。最近は最新のメカが威力を発揮している。防犯カメラ、ドライブレコーダーなどで今回の犯人に対する包囲網は水面下で狭まっているのではなかろうか。

 

 今回、女児の背後から近づく不審な人物がドライブレコーダーに映っていた、土地の状況を良く知った男かも知れない。現代社会はどす黒い欲望が渦巻くジャングルである。牙をむく野獣は必ず捕えなければならない。息詰まる捜査活動の成り行きを冷静に見つめたい。

 

◇小池都知事がハンセン病施設を訪れた。人権無視の司法の在り方につき。先に最高裁が謝罪し、最近は最高検が謝罪した。差別と偏見による人権侵害の象徴が過去のハンセン病対策であった。無知と誤解が差別と偏見を生む。

 

 小池知事が訪れたのは多磨全生園。知事は「いまだに残るハンセン病への差別や偏見をどのようになくすかが今なすべきこと」と述べた。「いまだに残る」とは正に事実。差別は人間の心に潜む本性である。

 

 かつて白人は肌の色によって人間を差別した。白が頂点で、褐色、黄色とランク付けし黒は人間とみなさなかった。数百年も続いた悲惨極まりない奴隷貿易はアフリカの黒人を動物と同じように見なした結果である。私はかつてフランスの貴婦人がベトナム人に豆を投げる姿をニュース映像で見た。ディエンビエンフーの戦はベトナム人が意地を示したもの。私は今、上毛新聞に「死の川を越えて」を書いている。10回毎に原稿を渡すが、今「重監房」に入った。私を駆り立てる動機は差別と偏見に対する憤りで、私を支えるものは憲法の人権思想である。(読者に感謝)

 

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2017年4月 3日 (月)

人生意気に感ず「女性大統領の天国と地獄。雪崩事故と人命尊重の原点」

 

 ◇天国と地獄とは正にこのこと。韓国の女性元大統領朴槿恵(パククネ)が逮捕され留置所に。韓国メディアは逮捕後、10分程度涙を流したと報じた。特別扱いは独房の広さが普通の2倍ということだけ。初の女性大統領から一挙に罪人に落ちた。女の涙に弱い私は個人的には同情を禁じ得ない。韓国の民主主義の特殊性が現われている。 

 

◇韓国では歴代の大統領の多くが悲劇の結末で終わっている。強大な権限を不当に行使した結果である。朴槿恵の父朴正煕(パクチョンヒ)は極端に強権を行使して人権を弾圧した為、結局暗殺された。全斗煥(チョンドファン)は反乱、内乱罪で大統領在職中に逮捕され無期懲役、盧泰愚(ノテウ)も大統領在職中に逮捕。これは政治献金を不正に得た罪である。今回の朴氏は有罪なら懲役10年以上になる可能性。なぜかくも悲劇が繰り返されるのか、対岸の私たちには不思議である。

 

 制度的に適切にコントロールされない強大な権力。甘い汁に群がる人々、権力を握った時の人間の弱さなどが原因であろう。このような韓国と北の独裁政権が、同一民族で朝鮮半島支配の正当性を争っている。韓国は三権分立が生きていて、例え大統領でも逮捕される点で民主主義が生きている。国民を飢えさせて核開発に狂奔している北朝鮮に正当性を主張する大義はない。

 

 時あたかも、米韓の両軍は、北朝鮮に上陸するための史上最大と言われる軍事演習を行っている。孤独の独裁者金正恩(キムジョンウン)の心境に興味が湧く。

 

 自らが命じて殺させたと言われる金正男(キムジョンナム)の遺体が遂に北朝鮮に返される。正恩は兄の遺体をどう扱うのか。儒教の国である。

 

◇雪崩による8人の犠牲は「想定外」では済まされない状況に増々なってきた。林野庁は」雪崩危険地域に当たると判断していた。これは、防災対策に活用されるため栃木県の地域防災計画にも記されていた。高体連はこの国有林の入林届をしなかった。森林管理部では届出があれば注意喚起出来たと話している。

 

 次々に事故対策の不備が明らかになってきた。雪崩の危険性を調べるための「弱層テスト」を実施していなかった。以前は訓練前に必ず実施していたという。実施していれば雪崩を予測出来た可能性が高い。自然の脅威を忘れ、人命の大切さを軽視した結果である。関係者は責任の重大さに怯え生きた心地もないだろう。(読者に感謝)

 

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2017年4月 2日 (日)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第22回

 

 

 

 

(4)恨みも深しダンピール海峡

 

 1、ラエに向けて

 

 

 

 10月25日午前3時起床。慌ただしく朝食を取り、4時30分ウエワク空港へ向けて出発した。2台のマイクロバスは暗やみの中を右に左に激しく蛇行しながらガタゴトと走る。舗装されているとは名ばかりで、道路はいたるところに大きな穴凹があり、車はそれを避けながら、かなりの速度で進んでいる。この国の道路事情は大変悪く、舗装率は8.9%というから、この悪路も舗装されているだけましなのかも知れない。道路の整備が悪いことは、国内各地間の人や物の交流にとっての障害であり、この国の産業や経済が遅れている大きな原因の一つに違いない。

 

 ヘッドライトの光の中に時々教会の建物が現れる・一時間ほどの走行中に、またあったと感じられるほどに尖った白い建物が現れては消えた。それは現地人の余りに粗末な建物と比べアンバランスな感じを与える光景であった。また、このことはこの未開の地にも西欧文明の中核たるキリスト教が広く根付いていることを示すものである。事実、この国の国民の大半はキリスト教徒である。もっとも、奥地の山村では伝統的な祖先崇拝や原始宗教がまだ残っているという。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

 

 

 

 

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2017年4月 1日 (土)

今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅― 第 21 回

 

 

 

 

 ふと気づくと現地の子ども達数人が集まっている。子ども達は先程から裸足で山の中を走り回っていた。差し出されたいくつもの小さな手の平に、遺族会の人が飴を配っている。

 

 一人の少年が私に大きなシャコ貝の貝殻を差し出した。私がサンキュー・ベリーマッチと言って手を伸ばすと、少年はニコッと笑いながら恥ずかしそうに、そして貴重な宝を手渡すのを惜しむように、その貝殻を私の手の平にそっと置いた。私が何かプレゼントするものはないかと腰のバッグを探す間もなく、少年はカモシカのように走り去った。私はバッグから赤いマジックを取り出して、貝殻の白いなめらかな面に「素敵なプレゼント、ミッションヒルの少年からもらう、ニューギニア 10月24日」と書いた。

 

 かつての戦場を自分の庭のように走り回る少年立を英霊は木陰から目を細めて眺めているに違いない。そして戦争のむなしさと真の平和とは何かを私達に教えようとしているのではなかろうか。

 

 私は、少年が消えた木立の方角を見詰めながら少年の幸せとこの国の平和を願った。今、私は書斎でこの文を書きながら、目の前の貝殻を眺めあの少年を思い出している。

 

 

 

※土日祝日は、中村のりお著「今、みる地獄の戦場 -ニューギニア慰霊巡拝の旅―」を連載しています。

 

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