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2017年2月28日 (火)

人生意気に感ず「43人殺傷、障害者はいらない。死の川を越えて・生きるに値しない命」

 

 ◇「障害者なんていらない」、「誰も幸せにしない障害者は殺害されるべきだ」。こんな動機に基づいて19人も知的障害者を殺した事件の根は深い。社会の黒い闇に伸びているようだ。 

 

 事件は相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた。容疑者はこの施設の元職員。衆院議長公邸を訪れ、襲撃を予告する手紙を渡していた。狂気の確信犯の一面が窺える。

 

 未明に侵入し、5人の職員を結束バンドで手すりに結び付け、入所者43人を突き刺した。横浜地検は5ヶ月の鑑定留置の末、責任能力ありとして起訴した。心神喪失でも心神耗弱でもなく、善悪の判別が出来る状態だったと認めたのだ。悪いと分かっている。ならば止めるべきなのに敢えて踏み切るところに責任を問う根拠がある。これから始まる裁判をしっかり見つめなければならない。

 

◇「根が深く、社会の闇に伸びている」というのは現代社会の特色と結びついていると思えるからだ。物質の豊かさが異常に広がり、器械文明の発達は止まることを知らず、逆に人間の心は貧しくなるばかり。人間をボロキレのように考える風潮が広がっている。

 

 高齢社会が進み認知症の人が増える。判断能力が衰え、社会の生産活動に参加出来ない人間は価値のない存在なのか。高齢者施設で死期が迫ったような人を高層から投げ落とす事件が起きた。犯人は、このような人間を税金を無駄に使う「生きるに値しない命」と考えているのだろうか。現在の教育はこのような人間が育ってしまうことに対して無力と見える。道徳教育は機能していないに等しい。

 

◇上毛連載の私の小説は今日で22回目。この先で「生きるに値しない命」という章が登場する。ドイツ人宣教師カールが草津湯の沢にやってきて、母国ドイツで危険な思想が生まれていることを知らせて警告するのである。

 

 ドイツは第一次世界大戦に破れ過酷な制裁を課され国家存亡の危機に立たされていた。回復の見込みのない精神障害者などに国が金を使うことは許されない。生きるに値しない命には死を与えるべきだという考えである。ヒトラーが現われる前夜。ハンセン病の患者も同じか、国家の役割とは何かと激しい議論が闘わされる場面である。歴史は繰り返す。今日の社会がおかしな方向に向かっていると思えてならない。(読者に感謝)

 

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2017年2月27日 (月)

人生意気に感ず「VXを使用する北朝鮮。北の狂気はどこまで。日本核保有論の行方」

 

 ◇防毒マスクと防護服で身を包んだものものしい姿の人々がテレビに映し出された。クアラルンプールの空港で猛毒を検査する光景である。マレーシア警察は金正男の遺体からVXが検出されたと発表した。北朝鮮はこの期に及んでも他の国の謀略だとか言っているが北朝鮮の仕業を疑うものなどいない。 

 

 驚くべきことは、VXの毒性の凄さと、これを自国外の、しかも多くの人が集まる国際空港で使ったということだ。北朝鮮という国は人の命など、虫けらのように考えていること、目的のためには手段を選ばず、核のボタンにも手をかける国だということである。これまでも大韓航空機爆破事件、ラングーン爆破事件など数々の大事件を引き起こしてきた。

 

 世界には、「イスラム国(IS)」や、シリアなどテロを行う恐ろしい国が存在する。北朝鮮がそういう世界の裏社会と繋がっていることを想像すると身震いするようだ。

 

◇VXは、科学兵器禁止条約で製造・保有・使用が禁止されている猛毒の神経剤。かつてオウム真理教が使用して日本中を恐怖に陥れた。

 

 北朝鮮はこのような科学兵器を国内16カ所の拠点で量産しており、その保有量は世界3位と言われるから驚く他はない。専門家の指摘ではミサイルや科学兵器をシリアに輸出してきたとされる。いくら経済制裁をしても効き目がないのは、北朝鮮に協力し利益を提供する裏の世界が広がっているからではないか。

 

◇戦争になれば国家は勝つためには手段を選ばない。兵器が人道的か否かなど問わない。第一次世界大戦で毒ガスが使用され、第二次世界大戦で核兵器が広島と長崎に落とされたことはこのことを物語る。

 

 北朝鮮が核実験を繰り返し、トランプは核を増やそうとしている。生物化学兵器は論ずることも恥ずかしいようなものであるのに対し、核は堂々とした兵器とされている。これはおかしいし間違っている。

 

◇25日の「ふるさと未来塾」では、日本の核武装のことも話した。中国の驚くべき台頭と狂気の北朝鮮。アメリカは日米安保に基づいてどこまで日本を守るか。理念のないトランプは、理念より利益かもしれない。日本も核を持てと論ずる政治家がいる。憲法を改正してもそれは有り得ないことを確認せねばならない。(読者に感謝)

 

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2017年2月26日 (日)

『今、みる、地獄の戦場』  第11回

 

(三)ウエワクに向けて

 

 

 

(1) ニューギニア戦没者の碑の前で

 

10月23日、ポートモレスビーから空路ウエワクに飛ぶためバスでジャクソン空港に向かう。肌の黒い現地人がコンピューターなどハイテクを操作して空港を管理している。国内線のためか、手荷物検査はゆるやかな感じである。私の経験では、通常金属探知機等の検査を通過して搭乗口に通じる待合室に入ったら、元の所へは戻してもらえないのだが、ここでは「シガレット」とか「テレフォン」などと言えば簡単に許してもらえる。そして再度入るときはノーチェックである。のどかなものだと思った。

 

 飛行機は約1時間遅れるらしい。その間、隣りに座った現地の人が英語で話しかけてきた。ニューギニアでは1,000を超える部族があって、800以上の異なる言語が使われている。そしてそれぞれの部族はそれぞれの言語を使うことによって、部族意識の強さが保たれているという。

 

 このように多数ある部族の中でも主なものはナカナ族といい、これは英語をアレンジしたピジン語という言葉を使う。このピジン語は各部族の共通語になっているらしい。公用語は勿論英語である。ピジン語については、後に、ラエ・テクニカルカレッジを訪れたとき学生から簡単なルールを教えられたがそれはラエのところで触れることにする。

 

 隣に座った肌の黒い男は日本に興味があるらしい。しばらく日本について会話を交わした後で、突然「ハウメニー・ワイフ」と真面目な顔で言う。エッと私は一瞬驚いて男の顔をみたが、すぐに「オンリーワン」と答えた。男の説明によれば、この国では、2~3人の奥さんを持つ人は少なくない。有力な人は数人の奥さんを持つ人もいるという。これもこの国の文化の一断面を示すことかと私は興味深く耳を傾けた。

 

 

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

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2017年2月25日 (土)

 

 この日は、この後、戦争博物館、ボバナ無名戦士の墓などを訪れた。

 

 戦争博物館には、当時の日本兵、連合軍兵士の写真や赤く錆びた戦闘機の残骸などが無雑作に並んでいる。そして、その中には山本五十六元師が撃墜されたときの搭乗機の一部もあった。この戦闘機で空に散った若者の胸に去来したものは何か。あり余る物の豊かさの中で生きる現代日本の若者たちとの差、この違いを私達はどう受け止めたらよいのか。物言わぬ残骸は、崩れ落ちようとする最後の姿で私達に何かを語りかけている。

 

 ボバナ戦没者墓地にはおよそ3,000名の連合兵士が眠る。遥か彼方まで、名もない白い墓標が続きその一角に白い十字架が墓標を見下ろすように立っていた。日本軍と死闘を繰り広げた憎い敵という感情は湧かない。恨みや怒りを超えたところに真の平和は広がるのだ。静かに眠るこれらの霊も世界の平和を願っているに違いない。日本兵士の慰霊だけでなく、連合軍兵士の墓を訪れたことは意義のあることだと思った。これら無数の墓標は、連合軍にとってもいかに苦しい戦いであったかを物語る。

 

 マッカーサー回想記には、頑固で手に負えないことではこの島は日本軍におとらぬ敵であったこと、ぬれた塹壕や沼地に何日間も伏した兵士は体力を消耗させ、非常に神経質になり、ジャングルの耳慣れぬ物音を聞くと、日本兵が動いているんだと信じこんだ。そしてこのような反応が絶えず兵士の心をさいなみ、最後にはみじめな恐怖状態に陥って、戦闘行為に耐えられなくなったことなどが記されている。

 

 

 

 

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

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2017年2月24日 (金)

人生意気に感ず「文科省犯罪の衝撃度。クアラルンプールの怪。新たな惑星の発見」

 

◇文科省の天下りに関する不正は深刻である。文科省OBを大学に違法に斡旋した事件が次々に明るみに出ている。大学との癒着は教育への信頼を傷つけ、学問の独立を守るという大学の使命と権威を失わせる。既に違法と認定されたもの10件の他に、新たに17件の違法な斡旋事案が確認された。新たな不正の中には、大学の設置審査に関する情報を漏らすという行為も指摘されている。

 

 公務員は全体の奉仕者であり、公務は公正公平でなければならない。公務員が職務に関し賄賂を得れば収賄罪となる。天下りの癒着は実質的には賄賂による結び付き以上に不公平の結果を生む。文科省は、このような姿で道徳教育の号令をかけることが出来るのか。また大学の使命の中で学問の独立は大変重要である。国の権力に対して、毅然としなくてはならない。大学との癒着についてはこのような問題点もあるのだ。

 

 学問の発展は人間を支え、科学の発達を通して社会の発展を担う。その司令塔たる文科省の役割は極めて大きい。今回の出来事は、文科省の足下から突き上げる直下型地震に他ならない。

 

◇クアラルンプールの記者会見に凄いカメラの群れが集まった。暗殺事件にいかに世界が注目しているかが分かる。過去に航空機爆破を始め多くの国家犯罪を犯してきた北朝鮮である。その犯罪の実態と現場が白日の下に、しかも外国で晒された姿がこの記者会見のカメラの砲列であろう。更に世界が注目するわけは、トランプの出現に合わせてミサイルの発射をしたからだ。追い詰められた北朝鮮が何をしでかすか、世界の目はクアラルンプールから推しはかろうとしている。

 

 クアラルンプールは、北の国民がビザなしで入国できるため、北朝鮮にとって謀略の主要な拠点となっていると言われる。マレーシアの責任は大きいのではないか。全く知らずに北朝鮮の活動を許してきたとは信じ難い。

 

◇地上のごたごたに呆れて見上げる夜空の星がきれいだ。私の好奇心を引く、はっとするニュース。近い距離に地球に似た7個の惑星が発見された。近いといっても39光年。映画「猿の惑星」を思い出す。子どもの頃、広い宇宙に他の生命がいることをほとんどの人は信じなかった。今ではどこかに知的生命がいることを疑わない。遭遇は果たして実現するだろうか。(読者に感謝)

 

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2017年2月23日 (木)

人生意気に感ず「安楽死は是か否か。相模原の大量殺人。北朝鮮の末期は」

 

 ◇「安楽死は是か否か」。文藝春秋の三月特別号の特集を興味深く読んだ。安楽死は若い時から関心をもっていた問題だった。今、大きく議論されるようになった一つの理由は、超高齢社会の中で多くの人が認知症を抱えながら死と直面するからである。多くの識者が簡単に、賛成か反対かに答えていることに驚く。同時に尊厳死についても聞いているが、安楽死も尊厳死も他人の手を借りる場合に問題になる。手を貸す他人は殺人と紙一重に立たされる。現に殺人罪に問われた医師は少なくない。もし制度化したら、大変なことになるだろう。 

 

◇定義が定まらねば議論にならない。文藝春秋の定義は次のようだ。安楽死は「回復の見込みのない病気の患者が薬物などを服用し死を選択すること」、尊厳死は「患者の意思によって延命治療を行わない、または中止すること」。

 

 より難しい問題を伴うのは安楽死である。前記のように他人が関わらざるを得ないが、その他人は医師であるべきで、「回復の見込み」の判断、手段の妥当性の問題などがある。

 

 一度制度として許したらどんなことになるか。一人歩きし濫用されるだろう。社会の道義や倫理が乱れ、認知症が進んだ人や障害者がボロキレのように扱われる社会が進んでいる。安楽死を認めることはそのような風潮を助長しかねない。

 

◇老人福祉の施設で高齢者を投げ捨てた疑いの事件が発生した。また、相模原の施設では多くの人が殺され、容疑者の責任能力が問題となり、最近裁判所の鑑定では完全な責任能力が認められたらしい。裁判の行方を注目したい。

 

◇北朝鮮の国民は、暗殺事件をどう見ているか。国民に一切知らせないと言われるが、このように高度に機器が発達した時代に国民の目と耳をふさぐことは不可能だ。手段を選ばず国の方針で内外の人間を殺す。このような国に国家としての正当性はない。マレーシアに世界の目が集まっている。マレーシア国内での暗殺行為は主権侵害で、日本国内でなされた拉致と同様である。暗殺された兄の正男(ジョンナム)は弟の正恩よりまともに見える。人間として生きているからに違いない。正男の長男の明るく聡明そうな笑顔がメディアに登場している。暗殺劇は北の末期を速めると思う。その時何が生じるか。備えねばならない。(読者に感謝)

 

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2017年2月22日 (水)

人生意気に感ず「新型の恐怖迫る。忘れられた8年前のパニック。原発事故とテロの恐怖」

 

 ◇中国で新型インフルエンザの恐怖が近づいているようだ。1月の感染確認は192人で、うち79人が死亡。現在は「鳥から人」の段階であるが、ウィルスが変異して「人から人」に感染する新型の出現が近づいているらしい。 

 

 平成21年(2009)の新型発生のことを多くの人は忘れている。この年5月9日、我が国最初の新型感染が確認された。当時の厚労相は舛添氏。私は県会議員として盛んに警鐘を鳴らしていた。新型は突然変異によって地上に初めて姿を現すもので、人類には免疫がないから大変なことになる。過去には、1918年に全世界で4000万人、日本で39万人の死者が出た例があった。

 

 この年に発生した新型は、恐れていた東南アジアの鳥由来ではなく、メキシコの豚から発生したものであった。群馬でも感染者が出て大騒ぎになった。この時の新型は、恐れられた程強毒性ではなかった。しかし、世界でも日本でもパニックは広がった。恐怖の魔王襲来の予行演習として備えるべきものであった。

 

◇県議会の本会議が始まった。もし私が在籍すれば「新型インフルエンザ」に備えた対策について質問するだろう。誰かこの問題を取り上げる議員がいるか注目したい。

 

 中国でも、韓国でも、そして日本でも、鳥インフルエンザの殺処分が目立ってきた。このような現象が繰り返されるうちに、ウィルスに変異が生じる危険が高まるのだ。現在の恐れられる大災害は巨大地震であるが、宇宙人の襲来にも例えられる「新型」の発生をこのささやかなブログを通して警鐘を鳴らしたい。

 

◇福島第一原発事故から間もなく6年になり、除染も終わることが報じられている。しかし、原発事故は少しも終息していない。これは、一度事故が起きた場合にその害がいかに深刻かを物語る。先日、「MIRAIS(ミライズ)」という勉強会が始まって、その中で原発事故も取り上げられた。のど元過ぎれば熱さ忘れる。自分に直接でないことは他人事として冷淡で直ぐ忘れる。このような自己主義と悲しき習性が進んでいる。群馬は原発のない県と安心しているが県境の内側にないだけで、新潟柏崎から100キロもない。原発県と考えねばならない。北朝鮮のミサイルに狙われたら一たまりもない。テロと原発につき、この県議会で誰か取り上げるかを注目したい。(読者に感謝)

 

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2017年2月21日 (火)

人生意気に感ず「北朝鮮の暗殺劇の衝撃。金王朝の崩壊。豊洲と百条委」

 

 ◇私たちは激動の現代史のただ中にいる。後世の人がこの時点のことをどう振り返るだろうか。地球が大きな劇場と化している。そこでは息を呑む物語が展開している。観客を沸かせる登場人物は超大国の主に躍り出たトランプである。そこに、新たな筋書きが加わった。世紀の悪役、タイムマシンに乗って現代に甦った暴虐の主は、血がつながる兄までも手にかけた。この世界劇場で出番を待つ人物がいる。日本国の安倍首相である。間もなく重要な役割を演ずるのではないか。 

 

◇第二次世界大戦後の北朝鮮の政権は金日成(キムイルソン)、金正日(キムジョンイル)と受け継がれ、現在金正恩(キムジョンウン)に至っている。最近の世界の関心事は、この金正恩が兄の金正男(キムジョンナム)を暗殺したことである。儒教の国でありながら、兄までも無慈悲に殺す。恐怖政治にも限界がある。国民の信頼を失うことは間違いないと思う。伝えられるところでは、殺された兄・正男は中国が保護していたと言われる。中国の後ろ盾も失った独裁者が頼るものは唯一つ、核兵器のみであろう。心が通わない冷たい兵器を抱いて、どこまで孤独に耐えることが出来るのか。あのぶよぶよに肥えた容貌の下に、難局を乗り切る意志と能力があるとは思えない。残されたカードは、国民の目を外に向けさせることだ。狂気の独裁者は核のボタンを押すことをためらわない。完全に裸の王様になっている男を諫める者はいない。隣国の日本は大変な危機を迎えている。

 

◇都議会が面白い展開となってきた。豊洲移転問題をめぐり、百条委員会が開かれるのだ。形骸化した地方議会の象徴たる都議会に真の改革と変化は生じるのか。

 

 百条委は、虚偽の証言には厳罰が伴う。カッコマンの石原元知事の証言から何が飛び出すのか。それによって困る人が出るとか出ないとか。東京都は、地方都市というにはふさわしくない程巨大化し、優に一国の規模と力をもつ存在だ。財政的にも裕福であるために利権が集まり不正の温床が発達する。舛添前知事がおかしな金の使い方で晩節を汚したのも、極度に一極集中した金と力の故に違いない。

 

 犠牲となるのは都民の健康と命である。豊洲問題は積年の弊害を正すきっかけとなり得るか。7月の都議選がカギ。それはオリンピックと日本再生につながる問題である。(読者に感謝)

 

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2017年2月20日 (月)

人生意気に感ず「明子さんの自殺を振り返る。私の本会議質問。元気なくしぼみゆく社会」

 

◇桐生小6訴訟終結の文字が新聞一面に踊る。2010年の上村明子さんの自殺がいじめによるものか否かを争った一連の訴訟が終結した。

 

 新里町の小さなアパートの祭壇、この問題を取り上げた県議会のやりとり、これらが昨日のことのように甦る。当時県会議員だった私は、明子さんの両親に会いこの年12月2日の一般質問初日のトップでこの「自殺」を取り上げた。

 

 祭壇の前に座ると12歳の少女が私に語りかけることが伝わるようだった。授業参観の時、お母さんの容貌のことを言われ明子さんが傷つけられたことを知った。明子さんを傷つけた言葉の一つは「ウエゴリー」で、これは上村の上(ウエ)とゴリラの(ゴリ)を合わせた造語だと聞いた。

 

 私は、本会議で「明子さんの死をもって、いじめによる死を終わりにしなければならない」と訴えた。大沢知事は「いじめも自殺の要因」との見解を示し、教育長はいじめ対策として「第三者機関を設置すること」、「問題発生後の対応や予防のためのサポートチームをつくること」等を明らかにしたのだった。これらの対策は群馬では効を発揮しているのだろうか。

 

◇しかし、いじめによる自殺は続いた。明子さんの自殺の翌年、大津市の中2男子がいじめを苦に自殺し、その後もいじめによる自殺は跡を絶たない。

 

「いじめ」は子どもの世界で永遠の課題とも思える。子どもの世界は、ある意味弱肉強食である。いくらいじめを定義しても防ぎきれるものではない。私の子どもの頃は、いじめはもっと日常的でもっと激しかったが、それが死に結び付くことはなかった。子どもが弱くなったことを認めた上で対策を考えねばならない。

 

 明子さんの自殺の後に、いじめ防止対策推進法が出来たが、その後の自殺の状況はこの法律が無力であることを物語っている。いじめをなくす上で最も重要なことは、強く生きる力を養うことだが、学校は余りに無力に見える。

 

◇豊かさの中で活力を失いしぼんでいく社会はどこに向かうのか。大きなきっかけがないと流れは変わらないことを歴史は教える。府県別、県内市町村別の出生率が報じられている。地方ごとの努力と工夫が違いを生むことが分かる。地方の時代の地方の真価が問われている。(読者に感謝)

 

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2017年2月19日 (日)

『今、みる、地獄の戦場』  第9回

 

 

 

 

 大使館の前には海が広がり、又前方には小高い山が迫っていた。

それはトウアグバ・ヒルと呼ばれる丘で、私の公邸がありますと大使は指した。私たちはそこに案内され昼食をごちそうになった。白い立派な公邸にはプールがあり、きれいな水が陽光を受けてきらきらと揺れている。

そこから遥かに海が一望でき白く光る波と島々が絵のようである。

さきほどまでの熱帯の息苦しさから抜け出して別世界に来たようだ。

ハイネケンのビールが乾いた喉を通り胃の染み込んでゆく心地よさ。

昼食には、魚、刺身、なすの漬物などが出され、懐かしい日本食に我を忘れて喜ぶ。

大使の話しでは、日本食の材料を飛行機でシンガポールまで買出しに行くとか。

大使の夫人が出てきて挨拶をされたが、東南アジア出身の美人である。

大使は、腰の低い飾らぬ人柄で、夫人と共に現地に溶け込んで大役を果たされているようであった。

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

 

 

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2017年2月18日 (土)

『今、みる、地獄の戦場』  第8回

 

 

 

 

 実は私達一行は、この日の翌日、ウエワクでこの初代首相ソマレ氏と会うことになる。

 

 大使の話が一区切りした時、遺族の誰かが質問した。現地人の日本人に対する国民感情はいかんと。大使の説明によると日本人に対する感情は良いという。それは、白人は昔現地の人を豚や虫のように軽蔑したが、日本の兵隊はこれらの人と平等に付き合ったからだという。私はなるほどと思うと同時に救われた気持ちになった。

 

 実際、現地人を使うプランテーションでは、白人は労使関係の中で、食事は絶対に一緒にしないなど、私的な交際は一切せず奴隷のように扱ったという。私は日本の若い兵隊さんたちが肌の黒い人たちと接した様子を想像しながら翌日のウエワクでの慰霊式に思いを馳せていた。

 

 私は、これまでに、私が主催して歴史の話しをする「ふるさと未来塾」で奴隷の問題をいろいろな角度から時々取り上げた。私兄は、肌の色によって差別し、文明の遅れた民族を人間として扱わない白人に対する一種の憤りがあった。ひとつの物差しで他を測り、自分の価値を力によっても押し付けてゆく。人類は、この誤りを21世紀になっても改めることが出来ない。私は、この日の朝買った絵を頭に描き、また、この時も続けられているであろうアフガンの空爆を考えながら大使の話しを聞き、半世紀以上も前の日本兵の姿を想像した。

 

 

 

 

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

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2017年2月17日 (金)

人生意気に感ず「恐怖政治の限界。隣国が崩れる時日本は。海洋国家を目指す中国」

 

 ◇北朝鮮出身の人と話した。北の事情に詳しいこの人は、恐怖政治を実行している金正恩(キム・ジョンウン)委員長自身が恐怖におののいているのだと語った。恐怖に駆られて恐怖を作り出している。これは伝えられる報道とも一致しているようだ。金正恩の饅頭のような表情の裏に残忍な悪魔の実相が隠されているとは。世界中の人がサイコアナリスト(精神分析者)になっているのかも知れない。 

 

◇新聞もテレビも金正男(キム・ジョンナム)暗殺でもちきりだ。最側近の幹部はいうに及ばず、政権を支える重要人物を次々に処刑、その数は驚くばかり。処刑を恐れて脱北する者、亡命する者も跡を絶たない。金正恩は沈みかけている船の上で誰も信じられなくなっているに違いない。親族で政権ナンバー2の張成沢(チャン・ソンテク)は数十発の銃弾を撃ち込まれ火炎放射器で跡形もなく消滅させられた。判決で埋める墓もないと示されたからに違いない。

 

 このような常軌を逸した狂気の沙汰が21世紀の白日の下で、しかも政権の名で行われることが信じられない。政権は末期に違いない。がんで言えばステージ5。癌の末期より救いがたいのは頭脳が狂っていることだ。がんの患者は人間の尊厳を保って最期を全うする人が多いが、狂気の独裁者は追い詰められて核のボタンを押すかも知れない。冷厳な事実として私たちが覚悟しなければならないのは、日本は狂気の指導者の前に立つ隣国だということ。国を守ることがどういうことかが突きつけられている。

 

 金正男(キム・ジョンナム)暗殺の容疑者が次々に逮捕されている。やがて実態が分かるだろう。

 

 今月の「ふるさと未来塾」は25日。「アジアの戦争と平和」と題して、アメリカ・中国・北朝鮮を話すつもりだ。今回の暗殺については中国も重大な関心を寄せている。報じられるところによれば、殺された金正男を中国は保護していたという。中国は、金正恩政権崩壊後に、金正男を政権に就かせることを選択肢の一つとして考えていたのかも知れない。

 

 最近の中国の動きは、列強に侵略された100年の屈辱の歴史を知らねば理解出来ない。認知症のような状態から突然甦って世界の経済大国となった中国が発展を続ける道は、通商国家、海洋国家のみと考えて東シナ海、南シナ海、そして太平洋を目指す。その前に立ちはだかるのが日本である。(読者に感謝)

 

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2017年2月16日 (木)

人生意気に感ず「金正恩暗殺と日本。追い詰められた狂気。新しい時代の生きる力」

 

 ◇事実は小説より奇なりという。金正男暗殺事件だ。映画よりもというべきか。マレーシアの国際空港で、北の工作員らしい2人の女が毒針を使って、金正恩委員長の指示で5年もかけて計画、等々。情報は乱れているが、北朝鮮指導者による国家犯罪であることは確かのようだ。 

 

 故金正日(ジョンイル)には男の子が3人いて、暗殺された金正男(ジョンナム)は長男で、現政権を率いる金正恩(ジョンウン)は三男である。正男と正恩は異母兄弟である。韓国政府は、今回の暗殺事件を「正恩政権の残虐性と反倫理性」を見せつけるものと指摘している。

 

 多くの日本人を拉致し、大韓航空機爆破事件を起こし、連日のように政敵を処刑している犯罪国家である。血がつながる肉親を殺すことは何でもないのだろう。このような狂気の指導者にとって、核のボタンを押すことは容易(たやす)いに違いない。正恩を抑止している力は唯一日米安保条約である。

 

◇殺された正男の姿は哀れに見えた。ディズニーランドが見たくて日本に不法入国して拘束された時、父の正日は激怒したという。身の危険にいつも怯えていたのだろう。自分と家族を助けて欲しいと弟の正恩に手紙を書いたとも。

 

 トランプ大統領の腹の中は何か。安倍・トランプ会談中のミサイル発射の狙いの一つは、トランプ氏の腹の中を探ることだろう。非常識の男には、オバマ氏の正論は通じない。案外、トランプ氏の非常識を恐れているのかも知れない。

 

◇教育は国を支える柱であるが、現在の日本にとって教育程重要なものはないと言っても過言でない。時代の変化に対応した生きる力が求められるからだ。文科省は、小中学校の次期学習指導要領改定案を発表した。人口知能やロボットが驚異的に発達し、人間が仕事を奪われる社会が近づいている。しかし、そういう社会こそ、人間の力が求められる。知識では機械に負ける。知識を生かして新しい人生を切り開く力こそ新しい時代の生きる力だ。

 

 国際化が進む中で英語力は生きる力の一つであるから、小学校で英語を教科にするのは良いが、国際化の中で非常に重要なことは自国の歴史や文化への理解である。国外へ出て、又国内で外国人と接し、日本を語れない若者が増えている。教育は新しい流れを作らねばならない。(読者に感謝)

 

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2017年2月15日 (水)

人生意気に感ず「中3遺言して自殺。原発がらみのいじめ。教師の萎縮。日米会見の成果」

 

 

◇愛知県の中3自殺にやり切れない思いだ。真実は不明だが、担任について「遺言」で「私の人生全てを壊された」と書かれた担任は堪ったものではない。担任教師を弁護するつもりはない。伝えられる事態から、男子が死を選ぶことに飛躍があったと思える。また、「担任のいじめ」と考えるのも早計と思える。いじめか否かの判断要素に「死」という重い結果を結びつけていないか。テレビからは、「自分ともう一人の生徒だけにプリントを配布させた」ことなどを取り上げ、担任を悪者扱いする空気が伝わってくる。客観的にはそれ程重大ではない事実の積み重ねが男子の心を深く傷つけたに違いない。「死」を止められなかった担任の責任は大きいが、「いじめ」の認定と担任の本来の責任は「死」と切り離して考えるべきではないか。

 

◇原発事故関連のいじめ問題が跡を絶たない。「放射能がうつる」、「汚い」等の心ない言動が自主避難した子どもたちを苦しめている。マスコミで報じられるのは氷山の一角だろう。今度は、横浜市の中1男子が「賠償金をもらっているだろう」と言われ、遊興費として総額約150万円を渡していた事実。市教育長は、金銭授受をいじめと認め生徒に謝罪した。

 

 この問題の根は深い。世間は福島第一原発事故を表面的、そして他人事と捉えている。教育界の役割は重大なのに、その責任を果たしていない。

 

 教師はモンスターペアレントなどを恐れ、すっかり萎縮してしまっている。「いじめ」と「原発」が重なるとなおさらだ。道徳教育は掛け声倒れになっている感がある。道徳教育は、教師の萎縮対策から始めなければならないとさえ思える。

 

◇国会で安倍首相に、トランプ大統領との会見についての質問が続いた。安倍、トランプの会見の様子は、日本国民にとって朗報だった。多くの国民は安倍首相の姿に日本人の誇りを感じたに違いない。一敗地に塗(まみ)れた70年前の日本の姿からはとても想像できない。たとえ、トランプのキャラクターに問題があるにせよ、安倍首相の姿は堂々とし笑顔は爽やかだった。閣僚たちはしっかりしているらしいから、今後日米関係はうまくいくのではないか。安倍さんが、国際会議の時毎回話しをしようと提案したら、トランプは絶対やりましょうと応えた。世界平和の為日本の役割は重くなった。(読者に感謝)

 

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2017年2月14日 (火)

人生意気に感ず「市議選は時代を変えられるか。衆愚政治の再現か。中国の暴走と中国の歴史」

 

 

◇県都の市議選が終わった。社会の歴史的変動期を反映してか、候補者が多いことを含め従来と違った模様を呈した選挙戦であった。ある総決起大会で私は、“政治屋”と“政治家”の違いを訴えた。私利と利権から離れ、志と政治への情熱があるのが政治家なのだと。当選した顔ぶれを見て、本物の政治家を目指す人がどれだけいるかと改めて思う。ふわっと当選した人は未知の世界に当惑しつつ、慣例と形式の波に流されていく。民主主義、議会の役割などをしっかり学ばなければ浮草のような存在のまま、議会の形骸化の一端を担うことになる。

 

◇議員という職業は不思議なもの。会派に入って共同歩調をとれば余り勉強しなくとも無難に過ぎていく。そして、これが議員の務めだと錯覚してしまう。役人は腹の中で冷笑し、市民は議員を馬鹿にする。これが政治不信の実態であり、民主主義の危機に他ならない。新人議員には、胸を張って政務調査費を使える議員になることを望む。書斎をもって政策を考える拠点にしてほしい。学歴がなくも、今は能力が乏しくとも、決意と志があれば、努力の積み重ねにより小さな芽は必ず育つ。

 

◇安倍・トランプ両首脳の会談の成り行きを一番気にかけているのは中国に違いない。中国は強(したた)かな国である。目の前に突然姿を現した謎の物体の正体を確かめるために全霊を傾けている筈だ。

 

 私は先月の日中新春交流パーティの挨拶で「中国は歴史的に捉えなければ、正しく理解することは出来ない」と発言した。中国の歴史とは、かつて世界の中心に位置したという民族の誇り、それを欧米に踏みにじられた近代100年の屈辱、その屈辱を繰り返さぬために目指した覇権国家への動きである。中国は1949年の建国以来、周辺諸国への侵略を繰り返してきた。

しかし、過去に外国から侵略された歴史があるとしても、力によって現状を変更することは許されない。中国が辿った歴史と現状を見れば、中国は戦争を避けない国である。全体主義の国だから、アメリカ、日本のように、世論を余り気にせず国策を断行できる。中国の暴走を抑えるために日米同盟の意義は大きい。トランプのアメリカも暴走気味であることを考えると、日本の役割は増々大きくなった。今回の安倍首相が果たした成果を冷静に踏まえて未来に役立てねばならない。(読者に感謝)

 

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2017年2月13日 (月)

人生意気に感ず「日米会談は出来すぎか。北のミサイル。増々の日本の真価」

 

 ◇深夜、安倍・トランプ両首脳の共同記者会見を見た。先日のトランプ大統領の激怒する姿が生々しく比較されるせいか、いく分謙虚に見えた。期待通り、トランプ大統領は全身で歓迎を現していた。共同声明の内容は期待以上と思われた。特に注目されたのは安全保障である。尖閣諸島の防衛に関しては、同島が安全保障条約第5条の対象であることが確認された。日米両首脳のこの会見には全世界が注目している。私は、特に、中国の習近平主席と北朝鮮の金正恩氏が瞬きもせず見詰めているに違いないと思った。 

 

◇アメリカ第一を叫び、そのために保護主義を打ち出す新大統領の正体ははっきりしない。予測不能の中で、世界の目は少しでも何かを掴もうと必死である。その上に中国と北朝鮮は具体的に重大事な関心を抱いているに違いない。

 

 そんな折、重大事件が発生した。安倍・トランプ両首脳がゴルフに興じている最中、北朝鮮が日本海にミサイルを撃ち込んだのだ。日米同盟を深化させてアジアの安定、世界の安定を実現しようと確認した矢先である。正に日米同盟へのあからさまな挑発である。核保有国であることをアメリカに認めさせ、国家の存続を図ろうとするなり振り構わぬ姿である。

 

安倍首相は「断じて許されない」と決意をあらわし、トランプ大統領は、この安倍発言を100%支持すると表明した。

 

◇安倍首相の発言の中で、私は次の点に注目した。「意見の違いを恐れない。会話が閉ざされることを恐れる」。この度の安倍訪問は一応成功したといえる。「一応」というのは、今回の成果がどのように継続し発展するか不明の点が多いからだ。しかし、トランプ大統領が世界をリードするアメリカの本来の価値と理念を語れぬ本質だけに、日本の役割が相対的に上がったことは確かだと思う。安倍首相は、TPPに関する発言にも見られるように、自由、平等、公平、法の支配といった普遍的理念を随所で表明している。私は、安倍首相の立つ基盤に日本国憲法が存在する意味は大きいと思う。

 

◇世界中が大衆迎合、自国第一、狭いナショナリズムに向かいつつある。最も安定した国、日本の存在が光る。その光の中心は、自由、平等、人権などの価値である。このような日本の真価は地方の安定にかかっている。県都前橋の選挙結果はこのことに深く関わる。(読者に感謝)

 

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2017年2月12日 (日)

 

 日本大使館はポートモレスビーの海に面した近代的なビルの中にあった。厳重なガードをくぐって中に入る。特命全権大使田中達夫氏が丁寧に迎えてくれた。小寺知事と共に席につき遺族会の方々もそれぞれ位置をしめて座る。大使はニューギニアの歴史から始め、日本との関わりやこの国の現状などを話した。 

 

その話は簡にして要を得て分かりやすい。その要点は次のようなことであった。

 

「ニューギニアは、ドイツ、イギリス、オーストラリアと統治者が変わってきた。ビスマルク湾という名はドイツ支配の名残であるし、ラバウルがあるニューブリテン島の名はイギリス支配の名残である。また、現在も英連邦に属し、この国の元首はイギリスのエリザベス女王である。日本が、こんな遠くまで兵を出したのは、アメリカとオーストラリアが手を結んで作戦するのを分断させるためであった。この国は1975年に独立したが初代の首相はソマレ氏で、それまでは石器時代のような生活が行われていた。人々の生活は現在も大変貧しく、国民一人あたりの年間GNPは約890ドル(因みに日本は32,350ドル)である」

 

大使のこのような話は、これから辿るニューギニアの良きガイドに思えた。

 

 

 

 

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

 

 

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2017年2月11日 (土)

『今、みる、地獄の戦場』  第6回

 

 

 この間、私は門の外へ出て奇妙な買い物をした。私達には通訳として現地の上岡エミリーという女性がついており、私は彼女を伴って外に出た。ホテルの門の外では、路上に小さなマーケットが開かれていて民芸品や絵が売られていた。私が近づくと上半身裸で裸足の男がしきりに路上の品物をすすめる。エミリーさんの説明では、この人たちは山の人だという。山地から都会に下りてきて商売しているのであろう。路上に並べられている中の一枚の絵が私の目をとらえた。ビル群の中央に抜きん出た一際高いビルにヒコーキが突きささり真っ赤な炎を吹き上げているのだ。粗末な布に描かれているが、かなりの迫力である。明らかに、ニューヨークのテロ事件を描いている。ホテルの部屋に戻ったがどうも気になる。この地で命を落とした日本の戦没者、長く続いた平和、そして21世紀を迎えての新たな戦争の危機、ニューギニアの素朴な人達は、この事件をどのように受け止めているのだろうか、複雑な思いが胸に湧いた。私はまた外に出て、思い切ってこの絵を買った。改めてよく見ると、ビルに突き刺さったヒコーキの翼にはオセアニックと書き込まれている。オセアニアとは南太平洋のメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの総称で、オセアニックとはこのあたりの航空会社の名前か。翼のこの文字はこの事件に対する彼らの複雑な心裡の一端を表すものかも知れない。

 

 

 

 

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

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2017年2月10日 (金)

人生意気に感ず「市議選終盤に思う。豊洲の闇と慎太郎。日米首脳会談に世界の目」

 

 ◇県都前橋の市議選が終盤を迎えた。候補者不在で民主主義の危機が叫ばれる中で、今回は多くの新人が出た。時代の節目であることの現われだが、トランプ新大統領の出現、東京都の大乱など内外の激しい動きが刺激になっているかも知れない。昨日、いくつかの総決起大会に出た。つまらない弁士の言葉に喝采を送る大衆の姿は現在の民主主義の縮図かもしれない。週刊誌でスキャンダルを叩かれ地獄を味わっている人物の弁士の姿があった。他の会場ではその人物の奥さんの悲壮と見える姿が。選挙には様々な人間ドラマがあふれている。 

 

◇「豊洲の闇」が新たな注目を集めている。小池劇場の登場人物は、石原慎太郎元都知事。都議会の参考人招致に応じると言いだした。出し物のストーリーは、おどろおどろしく、かつ壮大。主人公となる元知事は大根役者か千両役者か。

 

 石原氏は「知っていることを全部話す。困る人も出るかもしれない」と言っている。困る人とは、豊洲の闇の中でうごめく人たちか。

 

 豊洲移転は石原都政の時決まった。ガス精製工場の跡地で汚染の問題があった。その対策の「盛り土」をしないことも石原都政下で決まった。決めたもう一方の力は議会であり、その中の自民党である。その自民党の中心がドン内田氏である。ドンは先日の「代理戦争」と言われた区長選で負け、落ち目の三度笠。

 

 小池知事の誕生によって状況は一変した。石原慎太郎は晩節を汚すことになるのか。「困る人」の名をあげ、そちらで大騒ぎを起こし、肝心なことは「知らない」で逃げるつもりか。決定の最高責任者の「責任者」たるゆえんは、たとえ知らなくとも記憶になくとも責任をとることではないか。身に覚えのある関係者は戦々恐々として、逃げの準備をしているのだろうか。

 

◇世界の目が安倍首相に注がれていると言っても過言ではない。暴走混迷と見えるトランプの真の姿を判断する重要な機会だからだ。安倍さんは初の日米首脳に向けて旅立った。首相は日米同盟の更なる強化を望んでいる。

 

 日米同盟の最大の課題は東・南シナ海に強引に進出を進める中国を抑えること。現在の状況は力が力を抑えるという繰り返されてきた歴史の現実を突きつけている。世界の工場と化した中国は稼いだ金で軍備を増強。その規模と威力は脅威的。米中は一触即発である。(読者に感謝)

 

 

 

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2017年2月 9日 (木)

人生意気に感ず「文科省の事件に驚く。道徳教育はどこへ。中国の訪問団と県庁で」

 

 ◇現在開会中の国会での予算委員会で文科省の天下り斡旋が厳しく追及されている。前事務次官は「万死に値する」と発言。歴代人事課長8人が次々に陳謝する光景は異様だった。問題の本質は何か。 

 

 国家公務員法が改正され、「現職職員によるあっせんや在職時の求職行為」が禁止された。法の趣旨は「官民癒着」の排除である。

 

公務員は公僕であるから公平でなければならない。だから在職中民間から賄賂を得れば収賄罪として重く罰せられる。退職後なら良いのか。退職後の癒着の典型が天下りである。国民から見ればグルになって不公平を行っていると見える。天下り先で途方もない報酬を得ているのが通常の姿とすれば許せない。

 

 今回も、ひと月2回の勤務で年収1千万という額が明らかになり、議員席で「信じられない」との声が上がった。

 

◇問題は教育の拠点、文科省の事件であることだ。最近の教育界には余りにも問題が多い。いじめ一つとってもなくなる気配はない。先生のワイセツ行為も跡を絶たない。享楽の巷から子どもたちの心を守らなければならない。道徳教育が叫ばれているが効果が上がらない。文科省は道徳教育の「本丸」ではないか。前次官が「万死に値する」と発言したのは、このあたりの反省があるのだろう。

 

 事は文科省だけの問題か。国民は他の省庁も同じで、氷山の一角ではないかと見ている。

 

◇昨日、中国大学教師視察団の県庁への表敬訪問があり、私は群馬県日中友好協会会長として対応した。中国の大学で日本語を学ぶ中国人学生が日本のホテル等で研修している。「中国大学生インターンシップ」の研修生。訪問団の目的はその視察。戸思社(ト・シシャ)団長は、「中国人の生活レベルは上がり、良いものを求めるようになったが技術はまだ遅れている。日本とは考えが違うがうまく協力できれば素晴らしい」と述べた。私が中国語で挨拶すると人々の表情が生き生きと変わり、拍手が起きた。国家体制が違い、米中日は激しく対立しているが、目の前の訪問団からはそのようなことは微塵(みじん)も感じられない。日中の民間の交流は、このように悠久の歴史を通して行われてきた。この人たちは夜、みなかみの歓迎会に出る。折しも大変な雪。雪を知らない人々は驚き温泉を楽しんだに違いない。日本の文化を知ることも視察の目的だろう。(読者に感謝)

 

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2017年2月 8日 (水)

人生意気に感ず「市議選と衆愚政治。トランプの失政で笑うのは。英議会の決断」

 

 ◇前橋市議選が中盤に入った。外野席から眺める選挙戦は誠に御粗末に見える。政治不信が変わるとは思えない。地方の時代の意味は重い。一方で地方議会の形骸化も深刻。民主主義は大衆迎合主義の風潮の中に衆愚政治に化そうとしている。小池都知事の「都民ファースト」の動きは地方を変えるインパクトになるであろうか。 

 ◇トランプ大統領の拙劣な政策遂行が世界の混乱を生み、米国の威信を失墜させている。アメリカは自由と民主主義の擁護者という世界的役割を果たすべき国。アメリカの失態は対立国を利している。最大の対立国中国はアメリカの混乱と変化に最大の関心を寄せている。じっと鳴りを潜めながら眺めている北朝鮮、そして敵失を最も喜んで眺めているのは「イスラム国」(IS)だろう。ISに格好の宣伝材料を与える。反米を叫ぶ世界の若者の中から新たなテロリストが生まれることが懸念される。トランプ氏が世界から批判の集中砲火を浴びる中、安倍首相は訪米しゴルフをする予定。トランプ大統領にうまく利用されることが最大の懸念である。

 

◇イギリス下院議長が、トランプ大統領の英議会での演説に強く反対している。イギリスは議会制民主主義を発達させた国であり、イギリス議会は「議会の母」と言われる。トランプ大統領の政治姿勢、特に難民・移民政策に強く反対する点を捉え、議会演説の栄誉にふさわしくないという理由である。

 

 メイ首相はEU離脱を進める。「イギリスファースト」のナショナリズムの施政には批判も多い。それに声援を送るのがトランプ大統領である。イギリスとアメリカは、歴史的に「特別な関係」にあるが、現代の新たな「特別の関係」を作ろうとするのか。しかし、それは本来の特別の関係に比べ、軽く一時的で、皮相に思えてならない。

 

◇先日上毛本社で連載小説「死の川を越えて」の挿絵について打合せた。ハンセン病に対する「差別と偏見」が一つのテーマであるが、全体を貫く小説のマグマが挿絵に現われることを願っているからだ。

 

 差別と偏見は人間の心に根ざす今日的かつ永遠の課題。無知がそれを生み弱い所に常に現われる。福島から逃れた転校先で「放射能がうつる」といじめられる例が跡を絶たない。教育が本来の役割を果たさぬ事に一因がある。(読者に感謝)

 

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2017年2月 7日 (火)

人生意気に感ず「マティス国防長官来日の意味。10日の日米会談。日本ファーストの時代」

 

 ◇マティス氏来たり去る。トランプ政権の閣僚中第一に手ごたえを感じる国防長官である。韓国を先に訪れたが、アメリカの意図は日本を最初に訪ねる計画であった。国会開会中のため日程が合わず韓国の後になった。この点は惜しいことだが、成果は十分に評価できるものであった。 

 

 世界の平和のために、日米同盟が必要であることを再確認した意義は大きい。マティス国防長官は安倍首相との会談で、安全保障面で、アメリカは「100%」日本を支持すると表明した。この表明には尖閣を守る決意も含まれる。尖閣の防衛が安保条約の対象であることを明言したことは、中国が最も関心を寄せていたことに違いない。トランプ大統領が対日貿易赤字について日本を非難していた時である。日米同盟が揺らいでいると誤解される恐れがあった。

 

 マティス国防長官は「米国や同盟国への攻撃は撃退する」と決意を表明した。これは北朝鮮や中国に対するメッセージである。

 

 北朝鮮の軍事最優先の現実、中国の尖閣諸島や南シナ海の人工島に見せる露骨な強硬姿勢は力のバランスの重要性を物語る。アメリカの力が少しでも引けば、これらの国の脅威が大きくなることは明らかだ。国際平和は甘い楽観主義では守れない。

 

 10日に行われる安倍首相とトランプ大統領の会談は今後の日本と世界情勢にとって極めて重要であるが、今回のマティス国防長官の訪日の成果は一つの方向性を示したといえる。日米は太平洋戦争で死力を尽くして戦った間柄である。アメリカは日本が生半可な国でないことは十分承知の筈。このことは日米同盟を支える歴史的背景の一つである。昨日の敵は今日の友の真の意味なのだ。安倍首相訪米の成功を祈る。

 

◇文字通り激動の世界で、日本の存在感が増している。政治、文化、国民性等、様々な点から見て日本は安定した国で世界平和の発展の上でも増々重要な役割を果たしていると思う。多くの観光客が世界から押し寄せているのは、その現われである。間もなくやってくる東京五輪はこの流れを加速させる。世界の人々は、東京だけでなく日本のあらゆる地方を見て日本の真の姿を知るだろう。東京都の政治的安定はそれを実現する鍵。おもてなし、安全性は日本の良さを支える。地方の時代の真価が試される。人間の尊重は日本の力を貫くキーワードである。(読者に感謝)

 

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2017年2月 6日 (月)

人生意気に感ず「前橋市議選の火蓋。東京都区長選。小池派の圧勝」

 

 ◇昨日(5日)、前橋市議選の火蓋が身を切るような寒風の中で切られた。いくつかの出陣式に出た。選挙からは手を引いた私であるが、かつての支援者の輪は健在で、頼まれれば断れない。 

 

 今回の前橋市議選には、一つの特色がみられる。13人もの新人、新たに選挙権を得た18歳19歳の有権者約8,000人の動向である。

 

 最近の著しい状況は政治不信と政治離れである。自治体の中には、立候補者が少なくて選挙にならず条例で議員の定数を減らして選挙を実現する所も現れていた。正に民主主義の危機。アメリカの大統領選の動きは、過去1年以上に渡り、全世界の耳目を集めた。東京都議会の動きも小池知事の誕生をめぐり、東京五輪問題も絡んで日本中が巨大な劇場と化していた。それらは人々の政治的関心を大いに高めたといえるが、今回の市議選にどのような影響を与えるであろうか。

 

◇出陣式に集まる人々は相変わらずほとんどが高齢者である。トランプ氏の政治姿勢は大衆迎合の象徴のように見られた。地方選挙は大衆迎合そのもののように見える。よく「どぶ板選挙」と言われる。どぶ板を踏むように、身近な問題を訴えることは重要なこと。しかし、地方の政治家もそれだけでは済まない。志を持ち、理念を持たなければ社会の進歩発展に貢献出来ない。政治不信が極度に高まり、地方議会が形骸化したと言われる原因の一つは議員の質の低下にある。前橋市議選でどのような新人が当選するかは前橋の未来に関わること。大いに注目したい。

 

◇東京都の区長選は、小池都知事と自民党都連との代理選挙と言われ、大いに注目を集めた。小池知事の支援を受けた現職が、自民党推薦の与謝野氏を大差で破った。投票率は前回を11.4ポイントも上回り53.67%。千代田区は、都議会のドンと言われる内田氏の地元でもある。夏の都議会選挙に大きな影響を与えるに違いない。

 

 小池知事は夏の都議選で自身の支持勢力の過半数獲得をめざし「都民ファースト」の会から40人以上の候補の擁立を目指している。今回の区長選の結果は強い追い風になるに違いない。アメリカファーストの嵐と対比して爽やかなものを感じる風である。これは地方政治の改革につながることが期待される。「地方の時代」の勢いは、東京五輪と結びついて大きなうねりになることが期待される。(読者に感謝)

 

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2017年2月 5日 (日)

『今、みる、地獄の戦場』  第5回

 

 

 

  パプアニューギニアの人口は約500万人で、首都ポートモレスビーには29万人の人が住む。ポートモレスビーは、連合軍最大の根拠地であった。ニューギニア屈指の良港と飛行場を備え、日本軍を攻撃する軍艦も爆撃機もここを基地として行動していた。だから、日本軍としては、ここを陥れることが重要な戦略目的であった。そして、連合軍にとっては、ここはオーストラリア防衛の要であり、ここを日本軍に抑えられたときは日本軍のオーストラリア上陸を許すことになると恐れる程の重要な拠点であった。 

 ポートモレスビーは快晴だった。とにかく、熱い。早朝だというのに、じとっとした熱さが肌にまとわりつく。

 

 空港には、パプア・ニューギニア日本大使館の総領事皆川一夫氏が出迎えに来ていた。この日は日本大使館を訪れる予定であるが、まず一行はホテルに向かう。マイクロバスから眺める風景はどれも珍しい。熱帯の植物もそうであるが、行き交う肌の黒い人々、裸足の人も多いし、地べたに腰をおろしたむろしている人々もいる。やがて気付いたことは日本の中古車が非常に多く走っていること、信号機はまったく見つからない。そういう中を雑然と人と車が動いているようだが、一定の秩序が出来ているのだろう。私達一行は宿舎のホリディインホテルに着いた。日本のホテルと違って、回りは厳重な柵に守られ、出入りには、守衛がいかめしい門扉を開閉している。治安がよくないということは聞いていた。ホテルでしばし休憩して、大使館に向かう予定である。

 

 

 

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

 

 

 

 

 

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2017年2月 4日 (土)

『今、みる、地獄の戦場』  第4回

(1) 首都・ポートモレスビーへ 

 ケアンズ空港は私達にとって乗り継ぎのための空港である。外は土砂降りの雨であるが、かなり蒸し暑い。南緯17度位にあるのだから当然の熱さだろうと思う。

 ケアンズから目指すはほぼ真北にある、ニューギニアの首都ポートモレスビーである。ポートモレスビーは南緯7度位。つまり、日本から真っ直ぐ南下してポートモレスビーを飛び越してケアンズに来て、また北上してポートモレスビーを目指す。ポートモレスビーまでは約1時間半のフライトである。

 機上は晴れていた。窓からは熱帯の射るような太陽が差し込む。まもなくニューギニアの上空に差しかかった。眼下には陽光に光る青い海と赤い肌をさらした山々が広がっている。私の目がとらえた初めてのニューギニアは、想像していた緑のジャングルではなかった。

 ニューギニアといっても、私達が目指すのはパプア・ニューギニア(PNG)である。それは、世界第二の大きな島・ニューギニア島の東半分の他、ニューブリテン島、ニューアイランド島、ブーゲンビル島、マヌス島、その他大小数千の島々から成り立っていて面積は日本の約1,25倍である。ニューギニア島中央部に背骨のように4000メートルを超える山脈が走り、ニューブリテン島やブーゲンビル島には多くの火山がある。気候は乾期と雨期があり、通常12月から4月にかけて雨期が続く。私が初めて目にした赤い山肌は、現在、乾期であることを物語っている。

土日祝日は、中村紀雄著「今見る 地獄の戦場」を連載します。

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2017年2月 3日 (金)

人生意気に感ず「国防長官の異名、マッド・ドッグ。米中戦は。少年法改正の動き」

 

 ◇「2人で最高の同盟をつくろう」、「いち早くマッド・ドッグを日本に送ることには非常に意味がある」、トランプ大統領は電話会談で安倍首相にこう言った。そのマッド・ドッグ(狂犬)が今日来日する。米国のマティス国防長官である。マッド・ドッグの異名はいかにも暴走トランプの先陣を切る男の感を受ける。ところが、意外にも多くの人から尊敬を受ける確かな人物らしい。マッド・ドッグは「一度も負けたことがない」という意とか。外務省幹部は「この人を悪く言う人は一人もいない」と語る。 

 

 拷問で「水責め」に賛成するトランプ氏にマティス氏は次のように答えたという。「有効とは思いません。たばこ1箱とビール2本あれば拷問より良い結果が得られます」。

 

 この言葉が示すように人間的にも確かで「戦う修道士」という別の異名もあるという。

 

◇マッド・ドッグの表面的な異名はむしろトランプ氏にふさわしく思える。マティス氏が伝えられるような立派な国防長官であるなら、トランプ大統領の暴走を抑制する効果を期待できるかもしれない。

 

 このような国防長官をいち早く日本に派遣したことには重要な意味があるに違いない。それは日米同盟を重視しているということだ。

 

 また、10日に予定されている日米首脳会談への布石である。昨日の国会では、この会談に臨む安倍首相の対応が問われていた。

 

◇トランプ大統領の外交政策で顕著なことは中国を抑えることである。尖閣諸島や南シナ海の人工島をめぐり、戦端が開かれることが懸念されている。「米中戦争」などというおどろおどろしい表現が現実味をもってきた。沖縄近海で連日のように繰り返されている中国の領空・領海侵犯を見れば、米中の衝突は決して絵空事ではない。また、決して他人事ではない。長い平和ぼけから私たちは目を醒ます時なのだ。

 

◇凶悪な少年犯罪が跡を絶たない。そんな社会状況の中で少年法の改正は長年の課題。法務省は少年法適用年齢の引き下げの検討を始めた。20歳未満を18歳未満にする。すると18歳、19歳は通常の刑事裁判を受けることになる。少年法の目的は罰することより、保護と更生にある。選挙権年齢が18歳以上になったこととも関係する。「大人」の自覚と共に犯罪に走る少年には抑止の効果があると思う。(読者に感謝)

 

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2017年2月 2日 (木)

人生意気に感ず「大病院のミス続く。トランプ、馬鹿に権力。首相の訪米」

 

 ◇大病院の医療ミスが続発している。慈恵医大病院では肺がんの疑いが検査で発見されず患者は1年間も放置されていた。東大病院では看護師のミスで男児の薬を誤投与し、男児は死亡した。これらは氷山の一角の感がする。群大病院のミスは身近で記憶に新しい。 

 

 医療技術の進歩には目覚ましいものがある。それに伴ってシステムも変化する。このような変化に人が追い付いていくのが大変な面もあるに違いない。いくら機械と技術が進歩してもそれを動かすのは人間である。「医は仁」という原点に立ち返る時である。人命を尊重する心が崩壊しつつある昨今の状況が医学界にも影響していると思える。私は県会議員の時、県立病院のヒヤリハットを取り上げ、その多さに驚いた記憶がある。

 

◇「何とかに刃物」と言われる。トランプ大統領の状況は「何とかに権力」と見える。更に合わせて「馬鹿に権力」という言葉も伝わってくる。アメリカの混乱はその極に達している感がある。混乱の最たるものは、イスラム圏からの入国を禁じる大統領令の施行である。

 

 人権の問題であるが、それ以上に宗教の問題であることが事態を深刻化させている。イスラム過激派は、アメリカを中心とする西欧諸国との対立を宗教戦争と捉え、ジハード(聖戦)などと主張している。トランプの暴挙は追い詰められたIS「イスラム国」に息を吹き返すチャンスを与えるかもしれない。

 

「アメリカナンバーワン」を唱えるトランプの姿が漫画的に映る。こんな状況の中で安倍首相は10日、会談する。国会でも、会談に臨む抱負が問われていた。トランプに一片の良識があれば、世界に波及させている混乱を収集させるために同盟国日本の協力を必要としている筈である。安倍さんの訪米は時宜を得ているのではないか。

 

 日本は世界で一番安定している国といわれているが、その意味がアメリカの混乱によって一層はっきりしてきたと思える。太平洋を東西で囲む両国という関係に加え、日本は伝統的にアジアの一員で、東南アジアの国々から信頼されていることが重要である。日本がアジアの諸国から信頼される一つの大きな根拠は日本国憲法である。アジアの若者が日本の近代史と日本国憲法に関心を強めている。私は安倍首相の成功を期待する。内閣支持率の向上は、国民の多くが同じ思いを抱くからだろう。(読者に感謝)

 

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2017年2月 1日 (水)

人生意気に感ず「トランプとイスラム。移民の国の誇り。日本国憲法」

 

 ◇トランプの無茶苦茶がでかいに衝撃を与えている。移民排斥の強行策である。とくにシリア、イランなどイスラム圏の人々に対する対応である。トランプ大統領は人数が少数であるから問題ないと世論に抗弁しているが、人数の問題ではない。人類全体に関わる理念の問題である。 

 

 オバマ前大統領が反対を表明した。移民排斥に対するデモに理解を示す内容である。退職した大統領が現職大統領を公式に批判することは極めて異例だと言われる。司法(裁判所)までが反対の動きを示し始めた。ニューヨークの連邦地裁は、大統領令の効力を一部停止する判断を下した。

 

 私は、トランプ大統領のイスラム圏の人々に対する対応は、イスラム教への偏見を広げ、ジハード(聖戦)を叫ぶ勢力を利することになると思う。IS(イスラム国)撲滅の目的を掲げているが逆効果を生むのではないか。

 

◇「移民の国の誇りを傷つける」という言葉が聞こえる。この叫びは本質的なものである。1620年、絶対王政の宗教的圧迫を逃れた清教徒102人が北米プリマスに上陸したが、これがアメリカ建設の第一歩であった。これらの人々の行動は宗教の自由を求めるものであり、現行の難民に通じるものがある。アメリカの建国の理念は、このような歴史を振り返れば、極めて今日的であり、全人類に通じる普遍性をもつものであることがわかる。

 

 他の国が主張するのと違って、アメリカが掲げる保護主義、大衆迎合主義(ポピュリズム)、ナショナリズムの重大性は格段に深刻なのだ。

 

◇30日の「ふるさと未来塾」は難しいテーマにも拘わらず大勢が参加して盛り上がった。トランプ大統領就任とその主張を大きく一面に掲げる全国紙を映像に写しながら、私は保護主義、ポピュリズム、ナショナリズムなどを語った。メキシコの壁、ベルリンの壁、ヒトラーの「我が闘争」がバカ売れであること等。イギリスのEU離脱、フランスに於ける極右の台頭などにも触れた。「歴史は繰り返す」。これは、歴史は人類の物語であり、人類の本質は変わらないことを物語る。現在世界は危険な状況に近づいていることを感じる。

 

◇この日の「ふるさと未来塾」及び同日の留学生の講義では、日本国憲法の意義にも触れた。混乱の世界で日本の果たす役割は大。それは人間の尊重と平和主義を基盤とする日本国憲法に立つが故である。留学生は関心を示していた。(読者に感謝)

 

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