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2016年9月30日 (金)

人生意気に感ず「ふるさと塾を振り返る。鎌原観音堂。エウロパ。宇宙時代へ」

 

 ◇昨日の「ふるさと塾」は、アメリカの大統領選なので皆の関心は高かった。テレビ討論は3回行われる。1回だけではクリントンもトランプもその主張の全体像は分からないのかも知れない。しかし、トランプが大統領の資質に欠ける人物ということは明らかになったのではないか。世界で大衆迎合主義、人気取りの動きが強まっている。その点はクリントンのTPP反対にも現われているのではないか。オバマと同じ民主党でありながら一貫しない。人気がない彼女が人気取りに走っていると見える。世界を動かした主な大統領を紹介した。ルーズベルト、ケネディ、レーガンなど。 

 

◇11月7日から、私の小説「死の川を越えて」が上毛新聞で連載開始となることも紹介した。産経新聞(群馬版)に小説楫取素彦を連載したので、新聞連載は2回目となる。

 

 また、「ふるさと塾」で紹介したことがもう一つある。それは10月16日(日)の研修ツアーである。目的地は「八ツ場ダム」の建設現場と鎌原観音堂。日本のポンペイと言われる鎌原の遺跡を通して、不気味な静けさを保つ浅間の大爆発の凄さを肌で感じることも研修の目的である。

 

◇宇宙時代が想像を超えて進んでいる。NASAが、木星の衛星エウロパに液体の水があることを報じた。大量の水が存在することは生命の存在をうかがわせる。太陽系の一員なのだから地球と同じ位の長年月を経ていることになる。その間に生命は発生したのか。発生したとすれば、その間に進化は遂げたのか。そのことが分かる、息を呑む瞬間が近づいている。

 

 宇宙全体から見れば太陽系は針の先で突いたよりも小さい。地球もエウロパもその中の出来事である。だから広い宇宙には生命の存在する惑星は無数に存在するに違いない。今や知的生命との遭遇が現実の問題となりつつある。

 

◇人類が宇宙の大海原に向けて航海に出る時がスタートしている。アメリカの民間宇宙産業スペースXは、6年後の有人宇宙船の火星到達構想を発表した。100人以上が乗る50mの宇宙船。ロケットと合わせると全長120mを超える。40年~100年後には100万人の社会を目指すという。人類は発展に向かうのか恐ろしい滅亡に向かうのか。(読者に感謝)

 

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2016年9月29日 (木)

人生意気に感ず「解散の動き。小池都知事の演説。クリントンとトランプ」

 

 ◇衆院選を意識したらしいポスターが目立つようになってきた。風評が広がり濃くなり、虚の中から実が生まれる。選挙が実施されるに至る通常のパターンである。政治家にとって、特に国会議員にとって、選挙は生命線である。落ちたら自分の政治家としての存在基盤が失われるのである。 

 

 ところで、衆院の解散選挙は首相の胸一つである。それを前もって明示することはない。政治家の本能的臭覚によって準備に向けて走り出す。秘かにそっとが、いつしかどっとなり歩まらぬ勢いになる、あたかもそれを追認するかのように解散、総選挙となる。これは、私が長い間見てきた現実である。

 

◇解散の風評には根拠がある。それは、安倍首相の悲願とされる憲法改正である。軌道に乗せるには長期政権を実現することが前提で、そのためには選挙に大勝することが必要なのだ。12月15日に行われるプーチンとの北方領土交渉も一つの材料となっている。硬直した交渉が歴史的に発展すると囁かれている。

 

◇安倍首相の所信表明演説は堂々としていたがいつものことで、目新しい感動はなかった。

 

 ほぼ重なるようにして行われた小池都知事の所信表明は、胸を打つものがあった。混沌とした都議会に鮮烈な花が咲いたように感じられた。文章もいいが、話すのがうまい。女性知事の決意が現われていた。

 

 形骸化が叫ばれ、政務活動費の不正で醜態を晒す地方議員。地方政治に強い衝撃を与えるに違いない。本格的に都政改革のメスが入れられる。メスの切っ先に怯えているのは舛添前都知事ではないか。「せこい」という言葉が使われたが、お粗末で日本の恥というべき知事であった。

 

◇太平洋を挟んで、呼応するように二人の女性が気勢をあげている。小池百合子とヒラリー・クリントンだ。テレビ討論はクリントンが勝利したようだ。西部劇に例えるなら、女性ガンマンがならず者に痛撃を与えた姿に見える。

 

 今月の「ふるさと塾」は、会場の都合もあって今日(29日)となった。日吉町の前橋市総合福祉会館、午後6時半。テーマは大統領選挙。私は、学生時代、中屋健一さんの「米国史」のゼミに出た。ゼミの光景が懐かしく甦る。大統領選を通してアメリカの建国の歴史と民主主義の現実が分かる。大衆迎合主義が妖怪のように動き回っている。トランプがその妖怪のように見える。(読者に感謝)

 

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2016年9月28日 (水)

人生意気に感ず「国会総立ちの異様。世紀のタイトルマッチはクリントン。世界カルタ大会」

 

 ◇安倍首相の演説中、異様な光景があった。一斉に立ち上がって拍手をする自民党議員たちだ。首相の演説の自衛隊員の役割を讃え励ます場面。私は、あらかじめ予定し申し合わせてあったのかと思った。それ程整備されたような一斉起立だったのだ。 

 

 計画的でなかったことが分かり二度驚く。小泉進次郎氏も「僕もつい立った。おかしいですよね」と語る。何がおかしいか。国権の最高機関に関わる人々も群集心理に動かされるということだ。特に感動的でもないことに、雰囲気にのって行動する。軽いのではないか。国家の重大事に関しても、大勢に従ってしまうということではないのか。

 

◇クリントン対トランプの第一回テレビ討論を見た。全米で一億人超の人が見たというから驚きだ。全米が、いや全世界が一つの劇場になってしまった。早速、どっちが勝ったということが話題になって、かつてアリとかタイソンが登場したヘビー級のボクシングの試合のようだ。

 

 それは、兎も角として、CNNの調査ではクリントンが勝ったと答えた人は62%なにに対し、トランプは27%だった。テレビ決戦は3回行われ、次は10月9日と19日である。11月8日の投票に向けて大きなうねりが出来ていく。

 

◇今月のふるさと塾は、アメリカの大統領選がテーマである。アメリカの大統領選を見ればアメリカの歴史が分かる。そして、世界の歴史が分かる。リンカーンと奴隷制度、世界大恐慌とルーズベルト、原爆投下とトルーマン、核戦争の寸前までいったキューバ危機とケネディなどなど。

 

◇今、全世界で大衆迎合型の政治が顕著になっている。目先の利益、自国中心の考えが大衆を動かし、その流れを利用し人気取りを狙う政治家の台頭だ。移民の排斥はその象徴である。衆愚政治への恐れは民主主義の危機である。人間の心理は本質的には変わらないのだから、人間が作り出す歴史も同じことが起きる。歴史は繰り返すのだ。窮地に陥ればパニックになって、ヒトラーを生み出すのが人間の世界である。

 

◇昨日、各国留学生32チームのカルタ大会があり、大会実行委員長として関わった。じっと狙って「はいっ」と手を伸ばす。喜々とした動きは日本の文化を呼吸する姿。オリンピックに合わせ、グリーンドームで世界大会を行う。(読者に感謝)

 

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2016年9月27日 (火)

人生意気に感ず「草津への取材。小説・死の川を超えて。横浜の病院の怪奇。サムライ豪栄道」

 

 ◇24日(土)、白根草津へ向かった。このところこの方面が頻繁である。午後は開善学校で楫取の映画観賞である。長編小説「死の川を越えて」が11月から某紙で連載となる。その取材である。この日、先ず草津の「聖バルナバ教会」と「リーかあさま記念館」を訪ねた。イギリスの貴族の名門に繋がる家に生まれ、莫大な私財を救らい事業に投じ、これに生涯を捧げたコンウォール・リー女史を人々は「かあさま」と呼んだ。リー女史は昭和16年12月18日、84歳でこの世を去った。その10日前に太平洋戦争が勃発していた。私の小説は、死の川と呼ばれた湯川のほとりでハンセン病の人たちが自治の集落を育て助け合って生きる姿を描く。主人公の一人、万場軍兵衛は、この集落をハンセン(癩)の光が発する所と呼んだ。ここには、リー女史が登場し人々に影響を与える。若い二人の患者、正助とさやは結婚し、二人の間には正太郎が生まれた。 

 

◇私は記念館を出て、森の坂道を下って六合(くに)に向かった。湯之沢集落の移転が問題になった時、正助が夜歩いた坂はこのあたりかと思いを巡らせながら、品木ダムを過ぎ、京塚の集落を抜ける。そして、国道292号に出た所に豆腐屋さんがあって、ここで私は冷奴を食べた。時間があるので、京塚の露天風呂に入ることにした。この豆腐屋さんに500円払ってカギを受け取った。露天風呂は、白砂川を眼下に見下ろす崖の上にある。背後は板塀で囲まれ、前方には東岸の絶壁がそそり立つ。小説の中で、韓国の青年が落ち、お品に助けられたのはあのあたりかと想像を巡らした。

 

◇横浜市の病院で奇怪な出来事が起きている。点滴に異物が混入し、カルテが紛失し、ナースステーションの壁に掛けられた看護師の服が切り裂かれた。職員に差し入れられた飲料水に異物が混入されていた。皆、同病院4階の出来事である。死亡した患者の胃袋から点滴の異物が検出された。この階の死亡した二人の患者は、問題の点滴を使用していたという。何かの怨みか、嫌がらせか。場所と関係者が比較的特定しているから犯人は判明するのではないか。病院の危機管理は複雑な人間の心理にも及ばねばならない。この事件は、このような人間関係こそより重要なことを示すことになるかも知れない。

 

◇豪栄動の優勝を土曜日、吾妻渓谷の車の中で知った。千秋楽も勝って全戦優勝。侍の闘魂のようなものを感じた。久々の日本人の活躍に溜飲を下げた。(読者に感謝)

 

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2016年9月26日 (月)

人生意気に感ず「福島ダム底のセシウム。群馬は。セシウムの恐さ。警察マラソンに」

 

 ◇ダムの湖底に高濃度の放射性セシウムがたまり続けていることが分かった。福島第一原発周辺の10のダムの調査結果である。環境省は、ダムにそのままにしておくのが最善策と言っている。いかにも無責任な対応ではないか。ダムが壊れたらどうするのか。ダムの湖底に放射性物質があるということで風評被害の原因になる可能性がある。専門家は、「ダムは放射性物質を厳重に保管する構造物ではない」と言っている。除去する現実的な方法がないというのなら、それ自体、原発が人類と共存することが難しいことを物語る。 

 

◇赤城の大沼の湖底も同じことが言えるのではないか。福島の場合、周辺の森林からに流入したとされる。それならば、赤城も同様ではないか。森林は除染がなされていない。放射性セシウムの半減期は30年と長い。原発のことをトイレのない高級マンションと批判する人がいる。福島のダムも赤城の大沼も「トイレ」と化しているのか。

 

◇原発事故から5年以上経って、放射能の恐さが忘れられようとしている。しかし、福島の原発周辺では、未だ帰還困難区域、居住制限区域が広がっている。私たちは原発県でないということで、無関心となっているが、それは国民として無責任であるということだ。

 

 セシウムは水に溶けやすく動きやすい。セシウム汚染の恐ろしさを世界に示したのはチェルノブイリ原発事故だった。風に乗って何千キロも運ばれ、世界規模の汚染をもたらした。そして、空気、大地、水を汚した結果、膨大な量の食品に影響を与えた。セシウムの集まりやすいミルク、チーズ、肉類、果実、きのこなどに特に高い汚染値が計測され、食品の輸入の規制や食用の禁止に及んで一時は世界的パニック状態をもたらした。

 

このチェルノブイリの再現が福島第一原発の事故であった。今回のダム底のセシウム問題もこのようなセシウムの恐さを踏まえて考えられねばならない。

 

◇県議会が始まっている。私が現職の時はよく原発事故を扱った。群馬は原発がない県ということで安全神話に胡坐をかいているが、県の境界線の内側にないというだけのことではないか。新潟県刈羽の原発とは直線で100キロ余り。実質には原発県である。

 

◇来月27日、恒例の警察マラソンに出る。県会議員チームの一員として。体重減の成果はいかに。(読者に感謝)

 

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2016年9月25日 (日)

小説「楫取素彦物語」第167回

忘れられないのはごろつき連中との対決です。県下の楼主、数百人のごろつきがよく県会に押し寄せていました。談判は、前橋の藤屋旅館で私が当たりました。二階が交渉の場でた。一階には仲間の県議が詰めて、万一のときはしかるべき対応をとる算段でた。二階の二間を使ったことりました。一度に多く上がれぬようにと一間を用意したが、大勢が押しかけてな、騒ぎは起こさぬから全員上げろという。そこで、わたしがよかろうということで襖を払って二間にした。騒ぎは起さぬと言ったものの、たちの悪い奴等だからな、約束は守らなかったのです

 ここまで話したとき、会場は水を打ったように静かになった。

 湯浅は会場を眺め、静かな笑みを浮かべて続けた。

「私の前面に坐る人々は種々嘆願する態度であったが、背中の連中は、殴れ、やっつけろ、殺せなどと物騒なことを盛んに言いよる。私は、こういう人たちに、この頃は慣れていたので、少し大声で言ったのだ。お前たちはどっちが本当の心なのか、前か、後ろかと。下にいた議員も、心配して上にのぼってきた。この様子が議会につぶさに伝わってな、私たちは結束を固めることになったのです。彼らの乱暴狼藉が廃娼を成就させたのは皮肉ことでた。彼等が乱暴しなかったならああうまくいかなかったかも知れぬ。は、は、は」

 ここで湯浅は言葉を止め愉快そうに笑い、卓上の水を一杯口に含んだ。

「しかしだ、諸君、ここが大事な点です、よく聞きなさい。我等の主張がいかに正義人道に叶っていても、知事のいかんによってはどうなったか分からないのです。それは私より諸君が一番良く知っているはずです。幸いなことに楫取氏だったから建議は採用され実現されることになりました」

 湯浅がこういって楫取に会釈すると、

「そうだ」

「その通り」

 会場のあちらこちらから声が起こり、割れるような拍手が沸いた

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

 

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2016年9月24日 (土)

小説「楫取素彦物語」第166回

 

 楫取が立って壇上に進んだ。

「私は先ず、諸君に感謝しなければなりません。貸座敷廃止に県令や県会議員が動くのは、いわば職務上の義務である。ところが諸君は理想と志だけで立ち上がった。私は、諸君の動きをみていて昔の同志の姿を思い出しました。若い血をたぎらせて新しい日本の扉を開いた若者たちの姿です。維新の業が成って、青年の声が静かになってしまったのを淋しく思ってところです。そしたら君たちが立ち上がった。維新の精神は受け継がれ、生きていると思いました。私は嬉しかった。諸君、改めてを言いたい

 わぁーと、万雷の拍手が起きた。涙を拭う若者の姿も見られた。

 それを見て楫取は続ける。

「諸君、貸座敷の廃止は、群馬だけの問題ではないのです。人間を大切にするという普遍の問題なのです。時代は、人間の平等の方向に大きく動いています。新政府が四民平等をいち早く打ち出したのはこれです。人間の平等は形だけでは意味がない。平等の目的は人間の尊重なのです。群馬は、このことを貸座敷の廃止によって実現した。群馬時代にさきがけて金字塔を打ち建てたことを私は誇りに思います。諸君を前にして私の老いた血も久しぶりに燃えています

 こう言って挨拶を終えると再び大きな拍手が起きその響きは利根の流れに合流して流れ下るようであった。

 ここで石島良三郎が湯浅治郎を紹介する。

「湯浅先生は新島襄先生のお弟子さんです。県議会の廃娼運動の中心となって活躍されました。私たち上毛青年会は、度々御指導を受けました。私たちの廃娼の建議も先生の提案に従ったものであります。心から感謝申し上げます」

 大きな拍手に迎えられて湯浅は壇上に立った。

「皆さん、私の政治生活の中で最大の出来事が公娼の廃止でした。楼主たちは、ごろつき連中をやとい血走った目をしていました。身の危険を感じたこともあったのです。理想と現実の衝突でした。どちらを重視するかで分かれました。

 理想論を主張する立場は、信念がないとなかなか難しい。野村藤太氏などは熱心な民権論者で人権にかんしても進んだ理論をもっていたのに、初めは廃娼に反対であった。

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月23日 (金)

人生意気に感ず「異常な台風の暗示は。豊洲猛毒と石原元知事。北への制裁と中国」

 

 ◇台風10号と16号は、これからの私たちの世界を暗示する。いや、暗示の域を超えて明確な厳しい警告に違いない。瞬間最大風速70m、1時間の雨量200ミリ、こんな途方もない数字が常態化する世界である。 

 

 私たちは、何百年という長い間、高い山の森に抱かれて、あるいはそそり立つ断崖に守られて平穏に暮らしてきた。それが長い間の安定した自然の姿であった。ところが、今や地球温暖化によって、私たちを守ってきた森や断崖が私たちを脅かす敵に変わろうとしている。先日、草津に向かって車を走らせた時、切り立つ断崖の下に並ぶ家々が風前の灯のように見えた。

 

◇豊洲市場移転問題が増々大変なことになっている。盛り土をしない空間にたまった水からシアンが検出された。猛毒物質である。微量だというが、シアンに限っては微量でもあってはならない。その環境基準は「シアンが存在しないこと」、つまりゼロであることだ。それ程猛毒だということである。

 

 石原慎太郎元知事は、埋め立てをしない空間を設けることを指示したと言われる。「下から聞いたことを報告しただけ」と言い、当時の市場長は「石原知事から提案された」と反論。超ワンマンの知事が「報告」すればそれは強い「提案」の力を持つことは間違いない。石原元知事は、「豊洲新市場土壌汚染対策工事」の契約書に印鑑を押している。「知らなかった」で済まされることではない。石原氏に損害賠償を請求すべきであるとの声があがっている。当然ではないか。

 

◇安倍首相が国連で、核実験と弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮に対し「これまでとは異なる次元の脅威」と述べ厳しい制裁措置を訴えた。国連の場で、このような発言を堂々と主張することは、脅威を向けられる当事国として、効果的な対抗策、防衛策の実施だ。

 

◇北朝鮮は中国次第である。北朝鮮に対する中国の見方には、「屏風と番犬」の考え方がある。屏風とは米国を中国に寄せ付けない役割のこと。番犬については説明の必要がない。牙をむき出し吠え続けるこの上ない番犬である。

 

 更に最近の台風の被害。北朝鮮を襲った半世紀に一度の大水害。中国が圧力を加えて追い詰めると難民が押し寄せる恐れが。一方、中国は北をかばえば国際孤立を深める。ジレンマにある中国は強(したた)かに結論を出そうとしている。(読者に感謝)

 

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2016年9月22日 (木)

小説「楫取素彦物語」第165回

 

 醜業の排除、汚い利権との闘い、これらは新社会建設に燃える若者の事業にふさわしかった。世論は若者たちの清新な姿に大いなる喝采をおくった。

 上毛青年連合会は臨江閣で祝賀会を開くことになった。来賓に楫取素彦を招こうという提案があった。代表が上京し、臨江閣で行うと話すと、楫取は頬を紅潮させて言った。

「それは良い企画だ。万難を排して出席させてもらう

「ありがとうございます。上毛の青年たちがどんなに喜ぶことでしょう」

 若者は吉報をもって飛ぶように上州に帰った。役員会を重ねて計画を練る中で、湯浅治郎も招くことになった。日程を調整し日が決まった。

 秋の晴れた日である。臨江閣から利根の流れが光って見える。岩を噛む水の音は新しい時代を生きる群馬の鼓動のように聞こえる。

 石島良三郎が開会の挨拶に立った。

「廃娼が実現したことは素晴らしいことです。この大事業に上毛青年会が参加できたことは私たちにとって大きな誇りです。群馬県も若い青年です。廃娼の実現によって、群馬と私たち、つまり青年同志が心をひとつに出来たのです。利根の流れ、上毛の山々も喜んでいます。今日、廃娼運動の中心となった楫取閣下と湯浅治郎先生をお迎えして、祝いの会を開けることは私たちにとって無上の喜びであります」

 会場に割れるような喝采が起きた。

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月21日 (水)

人生意気に感ず「大衆迎合主義の危機。最悪の移民・難民問題。パラリンピックの光」

 

◇政治家は信念がないと浮草のような存在になってしまう。長い政治生活を通じて抱く私の感想である。そして、政治家の信念は、ただ力んで生まれるものではない。自分の価値観を中心に据えて絶えず学ぶことで、それは形成されていく。価値観は個人の問題であるが政治家に求められる要素としては、人権の理解が不可欠である。

 

 政治家は信念がないと大衆迎合となる。票が欲しいために、大衆に従ってしまう。それが広がって、今、民主主義は危機にある。それは信念のない政治家が一因を作っている。私は自分の信念の弱さに悩んできた。悪循環なのである。その場が良ければいいという大衆が大衆迎合の政治家を生む。

 

◇大衆迎合主義とも言うべき現象が世界に広がっている。トランプのような人物が大衆の喝采を浴びて大統領候補となった。フィリピンではドウテルテのような、野獣のような男が大統領になっている。目先が良ければいい、自分が良ければいいという動きの典型は、移民・難民の排斥である。イギリス、フランス、ドイツ、そしてアメリカまでも、そういう排外主義の極右が勢力を伸ばしている。危険なナショナリズムの萌芽というべきだ。

 

◇国連サミットが難民の受け入れにつき、各国が公平に負担や責任を分担すべきという宣言を採択した。日本の現状は、難民に対して最も固く門を閉ざしている。この宣言は、日本が今後難民政策を改めねばならぬ時代が来ることを示す。

 

 シリア内戦などを背景に、母国を離れた移民難民は2015年に計約2億4400万人に達した。この数字は第二次大戦後最悪であり、世界の情勢から更に増えるだろう。

 

◇パラリンピックが閉幕した。私は、今回のパラリンピックで障害者に対する認識を改めた。自分の中に無知と偏見があることを恥じた。義足の人、義手の人が世界の舞台で最大限の自己主張をし、輝いている。一人一人に絶望の渕から這い上がったドラマがある。この人たちの活躍は一般の障害者だけでなく、健常者にも限りない勇気を与えた。

 

 考えてみると、障害者と健常者の区別はない。誰もが何かを抱えている。年間3万人もの自殺者があるが、これは心の障害といえる。がんで苦しむ人や足腰の衰えた高齢者にも、パラリンピックは生きる勇気と希望を与えた。(読者に感謝)

 

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2016年9月20日 (火)

人生意気に感「蓮舫代表は本物か。ニューヨークの爆発。ドウテルテの蛮行」

 

◇健全な二大政党は民主主義のために不可欠である。だから、民進党の発展は日本の民主主義のために喜ばしい。蓮舫氏が党首に選ばれたことは、この人のキャリア、そして今日女性の時代という大きな世界の潮流が生まれつつあることから、画期的な事かも知れない。

 

 二重国籍を軽く考え、訊かれて二転三転させた。いかにも軽い感じの人寄せパンダの評がある。今の軽い浮かれた世相には合っているのかも知れないが、しっかりした理念がなさそうだから、いずれ馬脚をあらわすかも知れない。自らが抱える課題を乗り越えて成長できるか興味深く見守りたい。

 

◇ニューヨークの中心部で大きな爆発があり、29人が負傷した。市長は「意図的に起こされた」と発言。テロかどうかは不明だという。

 

 ISが最大の敵として狙うのが米国である。2001年の同時多発テロは世界を震撼させ、これを契機にイラク攻撃が始まり、世界中がテロの舞台になるような事態に繋がった。以来、アメリカは最大の警戒を続けてきた。特にニューヨークの警備は厳重だった。もし、テロだと判明すれば、その影響は深刻だ。いかに警戒を厳重にしても防げないということで、日本も例外ではないということが現実感をもって迫ることになる。

 

◇フィリピンのドウテルテ大統領はとんでもない人物らしい。オバマ大統領の母を「売春婦」と呼んだ。大統領就任から約二ヶ月半で、警察官が殺害した薬物犯容疑者は1,506人。裁判など司法手続きを経ずに殺すというのは21世紀の文明国では考えられない。

 

 今度はフィリピン議会のある証言で、更なる驚愕の事実が明らかになった。ドウテルテ大統領がダバオ市長の時代、1,000人以上の処刑を指示し、自らも殺害に加わったという。

 

 証言者は自警団の元団員。この男は約50人の殺害を告白したが、遺体は砕石所に遺棄、中には生きたままワニの餌にしたこともあったと証言した。

 

 真偽は不明だが、麻薬犯に人権はないと考えているのではないか。こういう国が万一核を持ったらどうなるだろう。フィリピンは現在南沙諸島の領有権をめぐり中国と争っている。中国と今後どう対応するのか気になる。人権感覚の乏しい人が権力を握ると大変だ。(読者に感謝)

 

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2016年9月19日 (月)

小説「楫取素彦物語」第164回

 翌明治二十四年一月一日、内務大臣西郷は群馬県議会に解散命令を下した。

 解散後の選挙は、落選二名でその他は全員再選となった。選挙後の臨時会も無事終了したが、佐藤知事は娼妓貸座敷存置の方針を改めず、世論と議会に対応することが出来なかった。その後、佐藤知事は休職を命ぜられ、四月に依願免官となった。後任の中村元雄知事は廃娼延期を取り消し、明二十六年十二月三十一日限りで公娼を全廃する旨布達した。

 これで全て決着かと思われたが存娼派の動きは止まなかった。執念深い蛇のように生命を回復するかのように見えた。

 明治三十一年勅任した草刈親明知事は突然存娼令を公布た。

 貸座敷を求める根は深かったのだ。支持者の中には高名な民権論者の中江兆民や板垣退助もたことは驚くべきことまた、この問題には大きな利権が結びついていた。

 草刈知事の動きに県下の世論は沸騰し知事を非難する動きは急なった。今回は、新聞各紙が世論に訴えて知事を攻撃した点にそれ迄とは違った特色があった。特に毎日新聞は、社長島田三郎自ら筆を執って取り上げ、「群馬の魔風」と題した特別の記事を連載した。

 群馬のこの動きは全国から注目された。内務省は係官を派遣して調査させ、その結果草刈知事を罷免した。佐藤与三に次いで二人目の知事の罷免であった。

 

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月18日 (日)

小説「楫取素彦物語」第163回

 

「先ず、議会を解散させることだろう」

「え、そんなことが出来るのですか。しかもどのようにして

 渡辺が尋ねた。

「府県会規則には、会議中、議会が国の安寧を害し或は法律規則を犯すと認めるとき、内務卿は議会の解散を命ずると定めている

「議会が知事の辞職勧告を出したことを、越権と見ているのだ。解散すれば選挙になる。群馬の世論の動向では、廃娼を叫ぶ議員が再選するのは間違いない。その後の臨時会を無事に済ませば議会に落ち度はなくなる。その上でなお、世論を無視し混乱を収拾出来ない場合、もはや知事を交替させることに妨げはない。これが筋道であり、けじめである

 理路整然と語る楫取の顔を二人の若者は驚く表情で見た。

君たちが西郷邸に押しかけ、白根次官に会ったことは西郷殿を感心させたらしい。実は、今、県会の議員たちもしきりに上京し政治家に働きかけているが、西郷殿は政治家の裏工作は好まんお人なのだ。君たちの純な行動に心を打たれたと申しておった。そういうわけだから、君たちは静かに事態を見守り、県会を支えるがよかろう」

 石島たちは、自分たちの行動が政府に影響を与えたことを知り驚き、かつ感動した。上毛青年会の若者たちは報告を受けて湧いた。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

 

 

 

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2016年9月17日 (土)

小説「楫取素彦物語」第162回

 

 青年たちは切切と訴え陳情書を提出した。次官は問題は単純ではない、陳情書はひとまず預ると述べた。陳情書は、このような趣旨を踏まえて、廃娼を進めるために、佐藤知事を罷免してくれというものだった。

 石島の報告を受けて、青年会は作戦会議を開いた。その席上、ある幹部が突然、膝を打って発言した。

「楫取前県令を忘れていないか。そもそも、この人の布達を現知事が無視していることが問題の中心ではないか。今、貴族院議員をされておられる筈だ。この御方を頼るべきではないか」

「おお、よいことに気付いたな。楫取公が前橋を去る時、あの大群衆が集まった時、私も感激して壇上に駆け上り感謝の言葉を述べたのが昨日のことのようだ」

 石島が目を輝かして言った。

「早速、実行すべし」

ということで、石島と渡辺はまた上京することになった。

 貴族院議員楫取素彦は上毛青年会の若者を懐かしそうに迎えた。

「石島君のことは覚えておる。群馬を去るあの日、君は、が教育県に貢献したことを大声で述べておった。若者の演説として私は感激したのでよく覚えています

 二人が上京の目的を話すと楫取は二人の若者を見据えて静かに語り始めた。

「群馬の廃娼のことはいつも注目していた。正義は君たちにある。しかし、政府が争いの一方の当事者たる県会に軍配を上げて知事を交替させることは出来ないのが筋だ。仮にも天皇が任命した知事だからな。実は、先日、政府内では西郷内務相、白根次官に会った。この問題での意見を聞きたいというのだ。次官は君たちが陳情に来たことも話してた」

 意外な話の展開に二人の若者は息を呑んで楫取を見詰めた。

「内務省は、筋道を立て、けじめをつけて、群馬県会や君等の立場を認める心づもりでいる

「筋道とは、けじめとは何ですか」

 石島が小さく叫んだ。

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月16日 (金)

人生意気に感ず「蓮舫と民進党の行方。豊洲盛り土と石原元知事。オリンピックと地震」

  

◇蓮舫氏が圧倒的な強さを見せた。そして、民進党の代表が決まった。二重国籍の問題は、国会でこれから深く鋭く問われるだろう。蓮舫氏は過去に、国会議員として、大臣として、台湾国籍を持って行動した。一般市民の場合とは根本的に異なる。国政のリーダーは日本国民でなければならない。国益が衝突する外国籍を持っていたら日本の舵取りを誤る。少なくともそういう不信感を国民に与える。民進党の幹部の中に事態を深く憂慮する声があるのは当然のことなのだ。

 

◇蓮舫氏を選んだ民進党の人々の気持ちは分かる気がする。時代の流れは女性中心に動こうとしている。ドイツ、イギリス、韓国と女性が政治のトップに立ち、日本では女性都知事が誕生し、アメリカでも初の女性大統領実現の可能性が高い。これらの国々は民主主義の価値に基づいている。民主主義の基本は男女平等にあるが、女性の政界進出度はまだまだである。それが故に女性リーダーを望む声は時代の流れでもある。人気の美人党首を載いた民進党は軌道に乗ることが出来るのか。

 

◇小池都知事が過熱気味である。余りに大きな壁と難題が立ちはだかっているからだ。その最大のものが市場移転問題である。そもそも、ベンゼン、シアンなど危険物質の真上に調理台を作るような発想が間違っていたのではないか。オリンピックを考えるなら、日本人の胃袋だけでなく、世界の人々の胃袋の安全がかかっている。

 

 盛り土がなされなかった地下空間にたまった水は何を語るか。分析結果が間もなく出る。この問題に石原元知事が大きく関わっていた可能性が報じられ始めた。専門家会議が埋め立てを決定した直後に、石原氏は、埋めないでコンクリートの箱を埋め込む案を提示したという。ワンマン知事の意見が官僚に大きな影響を与えた可能性が指摘されている。豊洲市場の食の安全に対する不安は政治不信と結びついて増々ふくらんでいる。オリンピックは刻々と近づく。日本は「おもてなし」を世界に示そうとしているが、おもてなしを支える最大の柱は「安全」である。直下型地震、テロに加えて食の安全が持ち上がった。

 

◇最近地震がやたらと多い。「オオカミが来る」は慣れっこになったが、いよいよという感じである。東京は正に累卵の上に置かれている。「オリンピックは無理だ」の声も聞こえる。(読者に感謝)

 

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2016年9月15日 (木)

人生意気に感ず「リー女史の記念館で思う。知事も議会も無視された。蓮舫の国籍」

 

 ◇14日(水)、早朝7時に家を出て、妹と白根開善学校及び草津を目指した。妹は助手の役である。開善学校は、映画「楫取素彦物語」の放映及び「100キロ強歩」等についての打ち合わせが目的。強歩はこの学校の存在を象徴する伝統の行事である。かつて私は、70キロを歩き、夜の与喜屋林道でダウンしたことがある。今回は無理をしないで20キロを歩こうと思う。 

 

 今回、100キロ強歩を主なテーマにした映画を作る企画があり、その打ち合わせのため櫻井監督も同席した。花敷温泉、尻焼温泉と断崖に張り付くような細い道を辿ると雑木林で猪の親子に出会った。母親の後をついて、2・3匹のウリ坊が草の中に逃げ込む姿が見えた。今年は、山の木の実が不作なのだそうだ。

 

◇草津は、救らい事業に生涯を捧げたコンウォール・リー女史の資料が目的であった。私は今、ハンセン病(癩)をテーマにした小説を書いているが、この小説の中にリー女史が登場する。ハンセン病の歴史を語るとき、リー女史は欠かせない。私は、草津聖バルバナ教会と並んで立つ、記念館で牧師を含めた3人の人と話すことが出来た。

 

 この記念館は非常に分かりずらい所にあった。林に通じる細い道の入口に「リーかあさま記念館」と書いた小さな看板があった。リー女史は「かあさま」と言われて住民から慕われていた。リー女史の真の姿を肌で感じたかった。イギリスの名門の貴族の出。膨大な私財を救癩に投じて84歳で世を去った。「私が草津について本を書くとしたら『喜びの地』という題にするつもりです」と語ったという。死は昭和16年12月18日。太平洋戦争の勃発はその10日前であった。人間の尊厳のために闘った人生だった。人間の尊厳を掲げた日本国憲法の公布は昭和21年だった。

 

◇盛り土をしないという決定を知事にも議会にも知らせなかった。この職員の独断振りは知事も議会も無視した官僚のみによって都政が行われていることを意味する。議会の形骸化は想定内で驚かないが、知事迄もかと呆れる。石原も舛添も形だけの華やかな存在だった。舛添の辞職に至る醜態は知事の形骸をも物語るものだった。

 

◇民進党の蓮舫氏の二重国籍問題は、同党の屋台骨の危機を意味する。民進の幹部すら党の存亡にかかわると言っている。日本国民による政治という根幹の問題だ。民進はどうなるのか。(読者に感謝)

 

 

 

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2016年9月14日 (水)

人生意気に感ず「朝鮮半島の核と地震。飢えた国民。豊州盛り土の怪」

 

 

◇朝鮮半島で過去最大規模の大地震と聞いて、私は瞬間的に北の核実験との関連を考えた。持論根拠のない素人の直感であるが、同じようにとらえた人は決して少なくあるまい。報道によれば12日午後韓国南部でM5・8の地震があり長崎県対馬も揺れた。

 

 核実験を繰り返す北の暴虐に対する天罰か。日本の東北を襲った台風10号は、北朝鮮に目を覆うような壊滅的打撃を与えたようだ。死者、不明者は数百人に及び、家を失い、田畑を流された被害は測り知れない。国際的に孤立を深め国民は飢えている。日本やアメリカは、最高度の制裁を与えると表明している。アメリカが韓国に爆撃機B1を出す決定をしたことは、制裁の決意の強さを思わせる。太った金正恩を飢えた国民はどこまで許すのか。

 

◇気象庁は、9日、北朝鮮からの地震波を分析し、「自然地震ではない可能性がある」と発表した。マグニチュードは5・3と推定した。震源は0キロと極く浅い。核実験による地震波であることは間違いないだろう。伝えられるところによれば、次の実験も近いと推測されている。日本列島の地震状況が切迫していることは明らかだ。このような中で北の暴挙は私たちの不安を駆り立てている。

 

◇今、豊州の盛り土問題程大きなスキャンダルはない。議会のチェック機能、世界の胃袋が関わる食の安全、行政不信の極致である。そして、膨大な予算と時間の問題。これらにどう決着をつけるのか。問題は始まったばかり。オリンピックを控え、「急がば回れ」の諺を思い出す。サムライの国日本で腹を切るのは誰か。

 

 土壌汚染対策として実施された筈の盛り土が行われなかった。意図的に隠した疑いは濃厚である。石原、猪瀬、舛添の各知事は、知らなかったでは済まされないトップの責任がある。共産党だけが脚光を浴びているが、共産党が出来ることを最大会派の自民がなぜ出来ない。内部告発を進める法律や条例があるのになぜ機能しなかったか。

 

◇危険な工場があったところで、ベンゼンやシアンなどの危険が満ちている。食の安全は命に関わるからお金に変えられない。4年後のオリンピック、パラリンピックを貫く価値の中心はおもてなしであるが、おもてなしの最大の要素は「安全」である。テロや地震を第一に考えてきたが、今回の事件で食の安全が切実な問題として加わることになった。小池知事はどうやり遂げるのか。(読者に感謝)

 

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2016年9月13日 (火)

人生意気に感ず「富山市議の政務活動費。小池知事の活躍。小泉さんと原発」

 

 

◇富山市議の政務活動費の状況は正に末期的だ。次々に疑惑の議員が増えている。自民会派の議員に集中している。7月時点で28人の会派市議のうち不正受給疑惑が9人とか。市政報告会の費用の水増し請求など。新聞は「とどまるところを知らない」と報じている。

 

 地方議会の形骸化、議員の質の悪さが叫ばれて久しい。政務活動費の問題は全国の地方議員が抱える深刻な問題である。市政報告会が盛んに言われるが、きちんとした報告書などの資料を作成する議員は少ないのが実情だ。富山市議の場合、報道によれば、市政報告会の費用として、一人の茶菓子代500円としているが、市政報告の費用としてこれが認められるというのもおかしい。

 

◇小池都知事が獅子奮迅の勢いである。超巨大組織には積年の弊が積もり積もっているに違いない。都政は地方政治の象徴である。舛添前知事は、富山市議なみのモラルの低さを暴露され、都知事だってあんな程度という見方が広がった。その後の小池知事だけに注目度は大きい。「知事報酬半額」の衝撃は都議を直撃し、その政務活動費に及ぶことは避けられない。

 

◇小泉元首相は「うそを信じた自分を恥じた」と強調。7日の外国特派員協会での記者会見。専門家の「安全」「安い」「クリーン」は全部うそだと分かったというのだ。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」という思いから原発ゼロの活動を始めたという。これは過ちに気付いたらすぐにも改めよという中学生にも分かる教えである。

 

 元首相は「飛行機や自動車と違い、ひとたび事故を起こせば桁外れに大きな被害をもたらす」「安倍さんは汚染水はコントロール下にあると発言したが未だにコントロール出来ていない」「トイレのないマンションで、廃棄物の捨て場所が決まっていない」「安全対策でどんどん金がかかる。安いというのはうそ」等々。私は今年、息子と福島原発後の状況を見てきたが、広がる無人の荒野は小泉さんの言っていることが正しいと雄弁に語っているようである。

 

◇東日本大震災で、現在死者は1万5894人。避難生活での犠牲者は3472人で、このうち原発事故があった福島県が2038人と59%を占める。避難生活者は14万4千人。原発事故の避難者は8万8千人でまだふるさとへ戻れないのだ。(読者に感謝)

 

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2016年9月12日 (月)

人生意気に感ず「北の核実験の脅威。高畑氏の不起訴は何を」

 

 ◇10日、各紙の一面に北の核実験の記事が躍った。北朝鮮の意図は全く分からない。世界中の轟々たる非難は馬耳東風なのか。冷静な戦略なのか。追い詰められたあがきなのか。飢えた国民はどう受け止めているのか。中国の無法に対して世界が何も出来ないことを見て、国連の非難決議をなめているのか。 

 

 日本は隣国だが、日本以上に危機を感じているのは韓国である。同じ民族だからと言って決して安心出来ることはない。私は板門店の緊張を体験し、瞬時に大量の兵士を送り込める秘密のトンネルの凄さを見た。北が原爆を進めるなら韓国も、という意見が現実に存在する。そして、日本にも防衛のために9条の下でも原爆は可能という考えが頭をもたげつつある。戦後71年、平和ぼけしたと言われる日本に、現実の戦争の危機が迫る。「戦争は嫌」、そんなことは当たり前であって、どうやって嫌な戦争を抑止するかだ。

 

◇高畑裕太「さん」に紙面が変わった。強姦致傷は、無期懲役または5年以上の懲役とマスコミは一斉に大きく報じた。強姦は親告罪だが、致傷となれば非親告罪なのだ。示談が成立したから不起訴とは納得できない。

 

 強姦罪は微妙な犯罪である。魂を切り裂く犯罪であるが和姦との境は非常に難しい。だから被害者は微にのり細にわたり尋ねられる。きちんとした調書を作らないと公判で覆されるからだ。

 

 今回はどうだったのか。警察や検察はそれ程甘くない。私見だが、強姦致傷で公判を維持する実態がなかったのではないか。高畑氏の弁護人の説明を読んだが、断定を避け微妙な表現で終始している。曰く、「強姦致傷罪は告訴がなくとも起訴できる重大犯罪であり、お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません」、「高畑さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く逮捕時報道にあるような電話で部屋に歯ブラシを持って来てと呼びつけていきなり引きずり込んだなどという事実はなかったと考えております」等。

 

 報道によれば500万円から1000万円程の金で示談したという。被害者としての意志を貫くなら一円たりとも受け取るべきではない。金をもらう所に志の低さを疑われても仕方ない点がある。今回の事件は残念である。(読者に感謝)

 

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2016年9月11日 (日)

小説「楫取素彦物語」第161回

二人は執拗に交渉したが、知事病気を理由に会うことは叶わなかった

 二人は内事課長に会って言った。

「何故、貸座敷を復活させようとするのか。群馬がようやく誇りを打ち建てようと一歩踏み出したのに、なぜそれを否定するのか」

 二人は激しく詰め寄ったが責任のない小役人では要領を得ない。若者は、県行政の不誠実に腹を立てるばかりであった。

 そこで、青年会は再び会議を開いた。

「天皇に任命されたから辞任できないというなら、天皇に訴えようではないか」

これに対して石島が発言した。

「天皇に訴えることは出来ない。天皇の政府に訴えるという意味だろう。それなら賛成だ。担当は西郷内務大臣だ」

「おお、あの西郷隆盛の弟の西郷従道さんか。面白いではないか。あの西郷さんと同じ熱い血が流れているに違いない。きっと俺たちのことを分かってくれるぞ。上毛の青年の心意気を天下示すことが出来る」

 このような意見が飛び交って、そうだそうだということになり、また、渡辺金次郎と石島良三郎の二人が上京することになった。

 二人は上京し、西郷邸を訪ね面会を求めた。

石島が緊張した表情で言った。

「御在宅とうかがってお訪ねしました。群馬県の青年会です。天下の大事があって陳情にまいりました

 執事は渋い顔をして言った。

「直接訪ねられても困る。大臣は非常に忙しく、予定もあるのだ」

「私事ではなく、上毛青年会の決議で参上したからには会ってもらわねば引きさがれません」

 金次郎はこう言って決意のほどを示した。

「今は取り込み中でまずい。内務次官に連絡しておく。もし次官が会わないときは大臣が会うであろう」

 そこで石島は白根内務次官に会って群馬県の廃娼運動の経過と現状を次のように訴えた。

「当時の楫取県令は明治十五年の県会で、六年間の猶予を与えて二十一年6月限りで廃止する命令を出しましたが、佐藤知事はその期限に至って当分延期の旨を達せられたのです。そして今年三月、何としたことか、上毛の十の貸座敷のうち、安中、新町、妙義町の三ヵ所だけを廃止し、他の七所はそのまま存置する旨を発令したのです

 石島がここまで話すと、渡辺が続けた。

その理由はとても承服できません。現在前橋では、楫取先県令の記念碑を設けようとしており、すでに二、三千円の金も集まったと聞きます。廃娼論は、今、上毛の世論であります。それは世の中を動かしたのです。初めがよかったことは終わりもよくしたいものです。これは上毛のためであり、日本道義のためであります」

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月10日 (土)

小説「楫取素彦物語」第160回

 

 佐藤知事は体を起こし坐り直して言った。

「私は不肖ながら憲法の明文によって天皇陛下の大権を以って勅任された。だから諸君の希望に応じて私一人の決意で退くことは出来ません。」

「では、辞職勧告文をお受け取り下さい」

「いや、新たなことが書かれているならともかく、今承ったことなら書面を見て考える必要もないから受け取る必要はない」

 猪谷議員は思った。

同じ長州でも、楫取前知事と随分違うわい

 面会の状況を報告すると、議会で知事を非難する声は一層強まった。

 納まらないのは青年会も同様だった。いやこちらは純粋で血気盛んな若者のことゆえ、憤激ぶりは甚だしかった。

「俺たちの建議案が議会で採択されたのに、あの感激は何だったのか」

「議会の議決だけでは実現できないことを思い知らされたが、知事は議会と県を全く無視している」

「そうだ、ここで俺たちが立ち上がらなければ、ここまであれだけ頑張ったのは空威張りだったと笑われる」

 こういう声が青年たちの間で俄かに燃え上がった。

「長州出身の知事は上州の若者を長州の若者と比べて舐めているのではないか」

と言い出す者までいた。

 そこで、上毛青年会は会議を開き、先ず代表が知事に会って抗議し、真意を聞こうということになり、渡辺金次郎と石島良三郎が代表に選ばれた。

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月 9日 (金)

人生意気に感ず「パラリンピックの言葉。アジアの会議と中国、日本。県立女子大のワイセツ。ひきこもり」

 

◇パラリンピックが始まった。開会の挨拶は胸に迫るものがあった。オリンピックと比べ一般の関心が薄いのは、障害者への無理解と偏見があるからだと思う。

 

 パラ開会挨拶の重要な言葉を拾うと、「(この大会は)人間の限界がないことを示すだろう」、「スポーツと人間の能力の本当の意味を知ることになる」と始める。そして、障害をもつ選手に、「皆さんは障害を可能性としてとらえ」、「希望は必ず恐怖を乗り越えることを伝えて下さい」、「私たちが同じ人間だということを示して下さい」と訴え、また、特に難民選手に呼びかけた。

 

「シリア、イラクからのお二人の方」、「パラリンピックに於いて、最も勇気を与えて下さる方々」、「ルールに則り正々堂々と、楽しみながら競技をして下さい」。

 

 この言葉は、国際紛争の中から参加した選手にメッセージを送っているのだ。

 

◇東アジアサミット(EAS)では、世界の首脳が中国の国際ルール無視に批判の姿勢を示した。安倍首相の態度は日本国民を代表するものとして光っていた。

 

 南シナ海で埋め立てを進める中国は何を考えているのか。この紛争に直接関わるのがフィリピンだが、その大統領は肝心な舞台で精彩を欠き、その上醜態を晒した。オバマ大統領の母を「売春婦」とののしるなど暴言を浴びせ、オバマと視線も合わせられない状況を自ら作ったからだ。フィリピンが失う国益の大きさは測り知れない。選挙でおかしなリーダーを選ぶと大変なことになる好例である。

 

 アメリカ大統領選は大丈夫か。

 

◇先日(6日)の県立女子大の評議員会は、わいせつ行為をした講師の懲戒が議題だった。講師の自宅で指導するなかで、キスされたり身体を触られるなどの行為があった。

 

 私はこの席で、最近の教員の乱れは目に余る、この際大学内の秩序をきちんとすべきだと発言した。

 

 ケータイのニュースで、教員のスカート内盗撮が報じられない日がない程だ。警察官も含め、日本人の心を支える領域が大きく崩壊しようとしている。

 

◇引きこもり54万人に愕然とする。日本の若者が内向きで、海外にも出ないことが懸念される今日だが、海外どころか家から出ない。魂を失ったような若者には同情するが、彼らを作った原因は何か。私は元気なアジアの留学生に接するたびに日本の地盤沈下を痛感する。(読者に感謝)

 

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2016年9月 8日 (木)

人生意気に感ず「異常気象は遂に群馬に。ドウテルテの狂気。米大統領選は」

 

 ◇1時間に100ミリを超えるような猛烈な豪雨が昨日、沼田、渋川、そして赤城山の周辺などに降った。そういう時代に突入したのかという感を受けた。インタビューを受ける老人が、決まって、こんなことは経験したことがないと語る。「群馬県は大丈夫」という安全神話は通用しなくなったのだ。台風13号が接近している。今日8日にも関東に上陸する。最近の異常気象時代の台風として見ると、無気味さを感じる。地球的視点、そして長期的視点で捉えないと真の対策は立てられない。 

 

◇昨日、20時10分、前橋市災害対策本部から避難勧告が発令された。急傾斜面に住む人々への勧告である。具体的には富士見町赤城山、粕川町中之条など。この情報を得た時、私は昭和22年のキャサリン台風を思い出した。大災害をもたらした台風であったが、赤城山麓の被害が特に大きかった。前橋の避難勧告地域とほぼ重なると思えるのだ。

 

◇最近の異常気象は地球規模であるから、その全体の状況がつかめないと真の対策はとれない。ここで、米カリフォルニア大学が注目すべき研究を発表した。それによれば、日本などに上陸する台風の風速が、過去37年間で15%増大したという。海面温度の上層が原因で、これは今後も続き、台風の激しさが増大するだろうと警告する。

 

 地球温暖化の行き着くところは何か。海面は上昇し、南極北極の氷は溶け始め、気温は人間が住める限界に近づきつつある。こういう中で、人類はひと塊になって滅亡に向かっているように思えてならない。

 

◇フィリピンのドウテルテ大統領の暴言には呆れるばかりだ。オバマ大統領に「お前の母親は売春婦だ」、「何様のつもりだ」等、記者会見で発言したのだ。当然、米比関係は悪化。喜んでいるのは中国に違いない。南シナ海での中国の横暴に対して、手を組んで対抗すべき戦略が崩れ去っていく。こういう人物がなぜ大統領に選ばれるのか不思議である。フィリピンの社会情勢は深刻だ。しかし、薬物犯罪対策で片端から警察官が犯人を射殺するなど、現代社会では信じられない。法秩序などないに等しい。人々が狂ってくればおかしな人物がリーダーに選ばれる。米大統領選は大丈夫か。

 

◇今月のふるさと塾(29日)は、アメリカの大統領選を取り上げる。同時にアメリカ史だ。理想と矛盾の超大国はオバマの後どこへ。(読者に感謝)

 

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2016年9月 7日 (水)

人生意気に感ず「遅刻なしの留学生たちに感激。杭州のG20。ラブホテル。パラリンピック」

 

◇9月5日(月)、日本アカデミーの合同授業は、気にかけていたがうまくいった。月1回の「実践人間学・人間塾」。数か国の留学生百数十人が聴講する。前回、反省すべき点があった。だらだらと遅刻する、私語も多い。激怒した私は「国へ帰れ」とまで言った。自分の未熟さに自己嫌悪に陥っていた。「怒らない」、「笑顔」を心がけて臨んだ授業だった。驚いたことに遅刻者はゼロだった。未熟ながらも、私の熱いものが国境を超えて通じたと思うと感動した。

 

◇講義の中でアジアのオリンピックに触れた。ホワイトボードに開催年を書き、その都市を答えさせた。1964年、1988年、2008年、2020年、答えはそれぞれ、東京、ソウル、北京。そして最後は次回の東京である。

 

 次回の東京五輪について心配なことは、もっと熱くなる、巨大地震の恐れ、テロの危険であること。その中でおもてなしの祭典にしたいと話した。

 

◇杭州のG20に出た安倍首相の記者会見を見た。このG20に合わせて北朝鮮のミサイル発射があり、習近平との会議が行われた。プーチン、オバマ、メルケルなどの姿が見えた。南シナ海は波高し。国際的なかけひきは、昔の三国志の世界を連想させた。安倍さんの姿は毅然として堂々たるもので安心して見ていられた。

 

◇NHKが午後6時台のニュースで、ラブホテルを正面から取り上げていることに驚いた。観光バスが横付けになり、中国人の団体客が入っていく。ヨーロッパの女性がスマホで動画を発信してはしゃいでいる。アクセス数が10万単位とか。「恋人たちの素敵な場所」、「ラブホは日本の素晴らしい文化なのね」といった調子である。

 

 日本の文化には違いないが、崩れゆく倫理や性道徳の現実とも繋がる舞台でもある。彼らはこういう裏面を知らない。

 

 観光客が押し寄せる背景には、旅館不足という深刻な事情がある。国は外国人旅行客の増加と旅館不足につき、ラブホの活用を後押ししようとしている。一般客用に改装するために金融の便まで図る方針である。4年後の東京五輪は日本の文化にどんな変化を生ずるのか。

 

◇パラリンピックが始まる。多くの選手は、地獄に落ちて必死で這い上った人々だ。表のオリンピックとは違った涙のドラマ。人間の極限の姿を示す舞台に理解と注目を示すべきだ(読者に感謝)

 

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2016年9月 6日 (火)

人生意気に感ず「北方四島は。シベリアを振り返る。パラリンピックよ」

 

 ◇ロシアとの関係がにわかに注目され出した。北方四島、シベリアでの経済協力などに関して大きな動きがありそうだ。安倍首相は2日、ウラジオストクでプーチンと会談した。12月15日にはプーチンが来日し、首相の地元山口県長門市で会談する。北方四島は本当に動くのか。 

 

 ロシアは恐い国、信頼も出来ない国というイメージが定着している。それは、北の果ての寒い国ということがベースになって、シベリア強制抑留などが思い出されるからだ。最近の国を挙げてのドーピングの事実は、目的のためには手段を選ばぬ国というイメージを強くさせた。

 

◇ウラジオストクで定期的に日露の首相が会談するという。ウラジオストクとは東を治めるという意。シベリア鉄道の終点で、日本海に面した経済上、軍事上ロシアにとって非常に重要な都市である。現在、ロシアの経済は行き詰っており、シベリアの経済発展には国運を賭けた重要性がある。それは、日本の協力にかかっているといえる。プーチンは国際的にはともかく、ロシア国内では熱狂的な人気を持つ。プーチンと安倍、両者は馬が合いそうだ。もとより、冷徹な戦略が合わなければ話にならぬことであるが。

 

 私は、平成16年(2004)、シベリアの中心都市ハバロフスクを訪ねた。個人レベルで見る限り、対日感情が極めて良いのに驚いた。若い人は、第二次世界大戦のこと、その中で起きたシベリア強制抑留の出来事など、ほとんど知らない。政治は国に任せきりという全体主義国家の、これが実態かと思った。経済的に無限の可能性を秘めているシベリア。その発展は、日本の経済力、科学技術にかかっている。シベリアが太平洋に向けて発展しようとするとき、目の前に立ちはだかるのが日本列島なのだ。それは、中国とて同じ。日本は、アジアと世界のキーポイントを握っているのだ。私は平和憲法を堅持しながら自国を守るに足る力を持たねばならないと考える。

 

 日本は世界史的に見て、非情に重要な立場、そして非常に困難な状況に置かれている。甘い理想だけで国際社会を乗り切れないことは歴史が教えているところである。

 

◇間もなく始まるパラリンピックは、障害者の窮極の可能性を示すものとして、正に人類の真の祭典である。オリンピックは、マスコミがはしゃぎ過ぎた。パラリンピックにふさわしい報道をしてほしい。(読者に感謝)

 

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2016年9月 5日 (月)

人生意気に感ず「ハンセン楽泉園。熱い命は息づく。145歳なんて」

 

 ◇9月2日(金)、早朝家を出て、草津へ向かった。栗生楽泉園の取材が目的。今、小説「癩の嵐」を書いている。楽泉園には日本の癩の歴史が凝縮されて残っている。それは、草津温泉湯之沢部落の歴史と深く関わっている。私の小説は、死の川と言われた湯川のほとりに存在した癩の人々の集落が一つの舞台になっている。軍国主義の靴音が日増しに高くなる中で、ハンセン病(癩)を閉じ込めようという空気が高まっていた。聖戦に向かうとき、国辱として社会から排除する空気もあった。 

 

 一族から癩が出ると世間の目から隠すのが常だった。患者は人の目を逃れ、人間としての価値を認められないで人生を終る。そういう世の風潮の中で、湯川の流れに沿って出来た湯之沢部落は違っていた。人々は助け合い、自治の組織を作って、人間らしく生きようとした。イギリスの宣教師、コンウォール・リー女史は、イギリスの貴族の出で、巨万の私財を投げ打って、この部落で救癩事業に当たった。

 

 この湯之沢部落も時代の流れに抗し切れず、解散に追い込まれる時が来た。その受け皿は、国策によって設けられた栗生楽泉園であった。ここには全国から多くの患者が収容されたが、湯之沢部落の人たちは「下地区」と呼ばれた地域で生活した。この地域は「自由地区」とも呼ばれ、癩の収容所としては全く特別の存在であった。しかし、この地域だけを見ては癩収容の実態は分からない。広大な楽泉園の一画に恐怖の癩対策を象徴する「重監房施設」があった。かつてのものは取り壊され、今は復元されたものが記念館として残っている。

 

 私は、福祉課長に案内されて「下地区」、かつて「自由地区」と呼ばれた地域を見た。今はわずか4軒、3世帯が残っているのみ。この地区の住人T老人に会って話すことが出来た。92歳で驚く程明るく元気だった。昔、満州の牡丹江にいたことがあると語った。家の前に軽トラがあり、聞いたら運転するのだそうだ。暗い過去をどう乗り越えてきたのか。今回、私は通りすがりの客である。次回、お茶を飲みながら話そうと言ってくれた。楽しみだ。

 

◇まさか。ジャワ島で145歳の男性が発見され、政府発行の証明書もあるとか。インドネシアのテレビが報じた。望みは死ぬことだとか。眉つばものと思うが、人間は何歳まで生きられるのか、長く生きて幸せ感はどうなるのか、そんな点が気になる。いずれ分かるだろう。(読者に感謝)

 

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2016年9月 4日 (日)

小説「楫取素彦物語」第159回

「議会と佐藤知事との争い」

 

 

 佐藤知事は、楫取前県令の布達を無視した。そればかりか、青年たちの建議に基づく県会の再度の廃娼の決議も無視、各地で娼妓貸座敷を断行しようとした。そこで、議会と知事は激しく対立し、議会は、知事の辞職勧告を決議するに至った。前代未聞のことであ。この時の議長は天野宗忠である。

 案文の内容は次のようなものである。

「廃娼は県下の世論となり、県会は明治十五年建議し、当時の県令楫取氏はこれを容れ、明治二十一年限りで県下の娼妓貸座敷を全廃すると布令した。大いに期待していたところ、閣下は突然当分の延期の令を出した。我が県会の貴重な権利は閣下によって無視されたのである。ここに至っては、私たちはあなたの治下に甘んずることは出来ない。そこで、県会の決議をもって辞職を勧告する。あなたはこれを受け入れて速やかに勇退されることを望む。これ全県民の福利となり、あなたのためであると信ずる」

 この案は議会で可決された。

 議会は知事を追及しようとするが知事は病気を理由に出てこない。そこで猪谷秀磨議員が屋敷を訪ね面会した。知事は床に伏していた。

 猪谷議員は姿勢を正し、意を決したように口を開いた。

「閣下、今日は、重大なことを伝えるために参りました。あなたの政府は終始県下の実情に反し、県民の精神にも逆らっているので、議会を円滑に行うことが出来ません。議会はあなたの辞職勧告を議決しました。どうか六十万県民のために知事の職を辞してください」

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月 3日 (土)

小説「楫取素彦物語」第158回

 この時、黙って聞いていた年輩格の者が言った

「議員のとこへ行く時、注意することがあるぞ。相手は偉い先生だ、低姿勢で臨むのだ、教えてもらう、お願いする態度が必要だ。存娼派は、今、追い詰められているから、特にな」

 この男の注意は功を奏した。低姿勢で臨むと、ある県議は、

「お前たちの説は大いに採るところがあるからいずれ議場の問題にして議するであろう」

と言って寛大ところを示した。また、ある県議は、

「貸座敷は実際必要と思うがお前たちの熱心さを見捨てておくことはできない、甚だ少ないが運動費を献ずる」

と言って紙に包んで幾ばくかの金を出した。

 若者たちは、遂に建議書を議会に提出した。そして、それが審議される日が来た。各地の青年会の会員が傍聴した。300人が限度のところ400人近くが参加し、文字通り立錐の余地もなく入り、固唾を呑んで建議書の行方を見守った。建議書は朗読された。さあ、どうなるか。賛否を問う瞬間である。29対17。賛成多数で採択されたのだ。若者たちは喜びのあまり思わず万歳を叫び手を打った。中に入れない人たちは議事堂の前でおでとう、おでとうといって抱き合って喜んだ。青年たちの理想に燃えた協力が見事に結実した瞬間だった。青年たちは、これで全てが決まったかのような喜びようであった。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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2016年9月 2日 (金)

人生意気に感ず「台風10号の警鐘。キャサリン。教員の盗撮と心の崩壊現象」

 

 ◇台風10号は、台風の常識を覆すものだった。群馬への直撃は避けられたが、それは、台風の囲む気圧の関係によるものだから、多分に偶然の要素が働いたのだろう。だから、群馬を襲う可能性も十分あったと言わねばならない。やはり群馬は大丈夫だった、と大方の人は安全神話に胡坐をかいている。それがいかに根拠のないことかを、10号は見せつけたのだ。 

 

 昭和22年のキャサリン台風を振り返った。9月14日、関東地方に大風水害をもたらした。特に赤城山を中心に被害が大きかった。私は赤城の奥に開墾で入っており、小学校1年生だった。宮城村鼻毛石の学校までの間、川が二つあった。登校時、濁流は恐いように逆巻いていた。学校は早く終わり、下校時の川は溢れんばかりで私は橋に打ち当たる水しぶきをくぐるように走り抜けた。その日のうちに二つの橋は流されてしまった。

 

 この台風の被害は、死者592人行方不明107人、床上浸水3万1千戸。正に未曽有の惨状だった。総雨量は前橋で387.4ミリ。この雨が吾妻の方面で降ったら、大きなダムがないから大変ということで、八ツ場ダムの構想が始まった。私は県議の時、八ツ場ダム推進議連の会長だった。台風10号は、何でもありの超異常気象への警鐘である。私たちにとっては、「群馬は大丈夫」という安全神話への警鐘である。

 

◇連日の余りに多い盗撮事件。しかも教員や警察に多い。もう世間は驚かなくなっている。このことは何を意味するのか。30日、大阪市の中学教諭がプールの更衣室で隠しカメラで女子を盗撮したことが報じられているが、スマホを使ってエスカレーターでスカートの中を撮ったなど、私のケータイに情報が入るのは連日である。その姿を想像すると苦笑してしまうが、リスクを考えたら実行に移さないのが普通だろう。教壇には立てない、家庭は崩壊する、学校では先生一般の信頼は地に落ちてしまった。こういう事をする聖職者は例外なのか、それとも一般的に変化してしまったことの現われか。恐らく、「聖職」という言葉は死語になった。

 

 超便利な機器が洪水のように押し寄せ、人間の心まで押し流そうとしている。この流れに道徳教育も無力である。永久凍土が溶け出した。人間の心も溶け出したのだ。天の警鐘は高らかに鳴っているが、受け止める心がない。(読者に感謝)

 

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2016年9月 1日 (木)

人生意気に感ず「北の副首相銃殺の狂気。東京五輪対策。共謀罪の必要性」

 

 ◇北朝鮮は、こともあろうに副首相を処刑し、金正恩の2人の側近を強制労働処分にしたと、31日、韓国メディアは報じた。金勇進副首相については、最高人民会議での姿勢の悪さを理由に秘密警察が取り調べを行い、反党反革命分子との烙印を押され、7月に銃殺されたという。表に現われていない深刻な背景があるに違いないが、それにしても恐怖政治ぶりは異常だ。 

 金正恩は政権を得てわずか4年の間に100人近い幹部を処刑あるいは粛清した。最近は国外にいる高級外交官の亡命が跡を絶たない。アメリカは金正恩を予測不可能な独裁者と見ている。世界の民主主義の流れなど全く無視した軍事優先、「不敗の軍事強国」を誇っている。

 

 父親金正日の元専属料理人藤本健二氏の話がよく伝わってくる。最近訪朝した藤本氏に、金正恩は「米国が無理難題を突き付けるからムカッとしてミサイルを発射している」と話したという。額面通りには受け取れないが、恐怖政治の下で、真の忠臣は考えられないから感情混じりで重大な決断を下すことは十分あり得る。「予測できない」とは、このあたりを指すものだ。最近の側近の処刑、及び外交官の亡命は、国際孤立を深める中でいよいよ追い詰められていることを物語る。「拉致問題」の解決も遠のいてしまった。こういう狂国への対応としても、ロシア、中国、韓国などと安定した協力体制を築き毅然とした忍耐を貫くことが求められる。そして、私たち国民の国を守るという意識が最も重要である。

 

◇2020年の東京五輪に向けた対策が具体的に動き出した。4年後に、暑さは更に酷くなる。巨大地震も足音が聞こえるようだ。これらは自然現象だから粛々と対策を進めればよい。より心配なのはテロである。「IS」にとって最大の敵はアメリカであるが、日本はその同盟国である。現に「IS」は日本も標的だと宣言している。パリで発生した同時多発テロのようなことが日本で起きたら、それは悪夢である。無防備に近い日本の取り得る対策として重要なのは情報である。

 

◇世界と連携してテロと対応するために「国際組織犯罪防止条約」の締結が急務となっている。G7で、日本だけが未締結である。批准の条件として共謀罪を設けることが求められているが実現しないのは、人権侵害への危惧が理由である。しかし、テロを未然に防ぐためには要件を厳格にした共謀罪を設け条約に加わり世界と連携しなければならない。9月の臨時国会に注目する。(読者に感謝)

 

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