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2016年8月 6日 (土)

小説「楫取素彦物語」第149回

 最後に楫取が壇上に立つと、万雷の拍手が湧いた。

「皆さんありがとう。群馬は私の人生で最高の舞台でした。一つ一つの思い出は私の貴重な財産です。八年間、熊谷県から数えると十年、皆さんと力を合わせて群馬を築いてきました。

時代は世界の中で更に大きく変化し発展しようとしています。この群馬県は、その流れの中で大木に育つでしょう。忘れてならないことは、物の豊かさよりもずっと豊かさが大切だということです。

至誠にして動かざるは未だ有らざるなり。松陰が遺したこの言葉は、時代を超えて不滅です。素彦は群馬を去っても、素彦の心はいつまでもこの群馬の地に有ります」

鳴り止まぬ拍手と歓声の中を楫取夫妻は去っていった。

 

 

 上毛の青年立つ

 

 

 楫取群馬を去ったあと、次の知事(県令は知事とよばれることになった)佐藤与三の時、突然議会を揺るがすことが起こった

即ち、佐藤は、明治十五年布達の娼妓座敷廃止の儀は問題があるので当分の間延期すると打ち出した。命令は、明治二十一年五月二六日付で、楫取が定めた期限の五日前のことであった。

 佐藤は楫取と同じく長州萩の出身であった。

「あれだけ議会で議論を尽くしたのに何としたことか」

「議会ばかりか県民を愚弄するものだ」

 議員たちはこのように叫び激しく反発した。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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