« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »

2016年8月31日 (水)

人生意気に感ず「アフリカの発展は何を。刑務所の介護施設化。10号の衝撃。喫煙のリスク」

 

 ◇アフリカが目の前に近づいた感じだ。私は少年時代、山川惣治の少年王者に夢中になった。探検隊、人食い人種、怪人アメンホテップ、魔人ウーラ、ゴリラに育てられた少年王者牧村慎吾、いとこの美少女すい子などなど、コンゴを中心に描かれる世界は暗黒の世界でかつ夢と憧れの舞台であった。アフリカ発展会議の宣言と、その内容を見ると、この数十年の間にアフリカが一変したことがわかる。 

 

 人類発祥の地アフリカ、未開の暗黒大陸、長く続いた奴隷貿易に象徴される差別の大地。そこに住む人々の幸せを祈らぬ筈はない。しかし、近代化は必ずしも幸せに繋がらない。遠く離れた所から見ると淋しくも感じる。日本の四国程もある国立公園の野生の動物たちはそのままであって欲しい。あの緑の大陸が自動車であふれる姿を想像したくない。

 

◇刑務所にも高齢化の波が押し寄せている。政府は高齢化率の高い全国の刑務所に介護の専門員を置くという。現在は刑務官がおむつ替えなども行っている。認知症の受刑者も増加。この生きるのが難しい社会である。出所しても社会に適応出来ず、刑務所に戻る人は多い。高齢者の再犯率が非常に高いのは頷ける。三食、家つきで健康管理まで行き届いているのだから。名誉もプライドも無い人にとっては住み良い所なのかもしれぬ。そういう人を作らぬことが国家の使命なのだ。

 

◇台風10号は日本列島に衝撃を与えた。台風に対する従来の常識を覆した。太平洋で大きく円を描くように一回りして、史上初めて太平洋から東北に上陸した。5年前津波と地震に度肝を抜かれた人々は、またかと思ったことだろう。日本列島をすっぽり包むような規模、24時間に250ミリを超える雨量は、天が海にかわったかのようだ。瞬間風速は50mというのもこの世の最後を思わせる。

 

 世界的な想像を超える異常気象と合わせて考えると、この10号の出現は今後の台風の姿を示唆するものに違いない。首都直下型と南海トラフの巨大地震も秒読みだ。日本列島は1000年に一度以上の歴史的危機に直面している。浮草のような日本人の心は耐えられるのか。

 

◇吸わされる害、つまり「受動喫煙」の肺がんリスクが、科学的に「確実」であると発表された。タバコの歴史は長い。結果から見れば、国の産業として膨大な命を奪ってきたことになる。禁煙の規制はされに進み、喫煙は限りなく0に近づくだろう。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月30日 (火)

人生意気に感ず「生涯のライバル菅野さんの死。強姦罪とは。その厳罰化」

 

◇県議会の名物男だった菅野義章さんが亡くなった。数々のエピソードはきりがない。選挙区が重なるために私とは激しく対決した。世の人々は「桃の木側の決戦」とか「東大対京大の戦い」と言って面白がった。大胡県道に沿って二つの選挙事務所が並んで立ったこともあった。正直で直情径行の人だった。県議会ではよく憲法論を展開し、本会議場のポツダム宣言の英文を読むというようなことを平然とやってのける男だった。警察学校における議長の挨拶で、「凶悪犯に人権はない」と発言し、ピストルの積極使用を主張して話題になったこともあった。西郷隆盛を愛し、正義と人情を看板に大書した。晩年は私と心を通わせる仲となり、ある時、「中村さん、人生は短いですね」と語っていた。脳梗塞で倒れ、必死で立ち上がった後のことである。葬儀では長男が「父は激しい人でした」と挨拶した。84歳だった。訃報は新聞で知ったが、生前もう一度会いたかった。

 

好漢菅野義章さん、あなたの一筋の人生に敬意を表します。さようなら。

 

◇強姦致傷を侵した俳優高畑裕太は天国から地獄に落ちた感がある。母である女優高畑淳子の記者会見をテレビで見た。「どんなことになってもお母さんだからと言いました」と語る姿には胸に迫るものがあった。

 

 母親の存在は特別である。母と子の間には理性を超えた繋がりがある。私は人生の窮地に立った時、あのお腹から出て来たと思うと絶対の信頼を置くことが出来た。現在の世相では若い母がよく子どもを殺す。動物以下の存在である。高畑淳子の真摯な姿は、母の正しい姿を世に伝える効果もあったに違いない。

 

◇強姦は魂を切り裂く犯罪と言われる。人間の歴史と共に存在した。戦ではつきもので、異民族と血が交わる一つの契機ともなった。平和で人権が尊重され、女性が輝く時代である。一方で道徳、人倫が地に落ち、性が商品化される時代となった。そんな流れの中で有名芸能人の傲りがあった。女は泣き寝入りすると思ったのだろう。強姦罪厳罰化の動きがある。その一つは親告罪を改め、非親告罪とすることだ。今回の被害女性は街も歩けない状態だろう。警察への通報は知人男性とか。推測だが、女性には身を守れなかったことで、この人に済まなかったという思いがあったかもしれない。男性には容疑者に対する激しい怒りがあったかも知れない。加害者、被害者双方にドラマが。強姦とはそういうものか。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月29日 (月)

人生意気に感ず「ふるさと塾で総力戦を語る。歴史は繰り返す。真の勇気とは」

 

 ◇ふるさと塾が終わり充実感を味わうことが出来た。8月の話として、第二次世界大戦、太平洋戦争を取り上げ、それを悲惨な戦闘場面の紹介ではなく、深く掘り下げることが出来た。エピソードを交えたので、皆、真剣に耳を傾けてくれた。 

 

 切り口は、国と国との「総力戦」だったこと。「サメと小魚」という映画があった。日、独、伊は小魚だった。「総力」の中味として、資源、人口、「科学」「政治のかたち」等々を語った。

 

 「科学力」で、ロケットと原爆を取り上げ、これを取り巻く人間像として、フォン・ブラウン、アインシュタイン、オッペンハイマ―などのエピソードを登場させた。

 

 「政治のかたち」と関連するが、大戦は民主主義と独裁政治の争いだった。独裁者としての東条、ヒトラー、ムッソリーニ。なぜ三国同盟を結んだか。当初のドイツの圧倒的優勢の中で、ドイツと手を結ぶべしという世論が高まっていた。当時の朝日すらそうだった。そこで、松岡洋右が登場し、三国同盟は成り、日本は大きくカーブを切り地獄へ突き進む。しかし、心ある人は三国同盟に反対だった。それが抑えられ政治を批判出来ないのが独裁という政治のかたちだと語った。ドイツ勝利という熱が高まる中で、最終的にイギリス側が勝つと予測したのは92歳の再園寺公望であった。昭和15年は世界史の一つの転換点であった。この年三国同盟が結ばれ、翌年、太平洋戦争に突入した。私は、昭和15年生まれ。歴史を噛み締める程に私は戦中派であり戦争体験者であり、戦争を語る義務を感じる。

 

 あの戦争が遠ざかっていく。再びきな臭い今日、平和を語るとはどういうことか。真実を知らねば真の勇気は生じない。戦争を恐れるだけでは戦争を避けることは出来ない。軽薄な平和主義者にどのような覚悟があるのか。

 

◇科学の力と政治のかたちの所で、北朝鮮も語った。民主主義の下であれば、核の使用には嵐の議論が起こる。北の実情を見れば、非情な独裁者に異を唱える勇者はいない。独裁者の気分で、日本の頭上に核弾頭が降る恐れは高まっている。かつての日本、軍部の独走は同じように、シビリアンコントロール欠如の姿であった。昭和21年1月1日、天皇は人間宣言を行った。明治憲法の「神聖にして侵すべからず」の否定で、民主主義のスタートだった。憲法は「押し付け」で片づけられる問題ではない。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月28日 (日)

小説「楫取素彦物語」第157回

 「よし分かった。力を貸すぞ」

「明治維新は青年がやったのだ。頑張ろうじゃないか

 このようにして、会場は大いに盛り上がりその影響は直ちに四方に広がった。

 お金も各地から集まった。ある婦人は正月の帯を買う金だが娼妓を廃するために使ってくれと送金してきたし、十二、十三歳の少女が集まるある婦人会は、少ないけれど運動費の足しにとお金を届けてきた。

 運動がますます盛んになっていったある時、建議湯浅次郎が石島良三郎に言った。

「ここらで、県会に建議書を出したまえ。県民からの建議は意義がある、ましてや君たち青年の建議書には世間が大いに注目するはずだ」

「良い考えですね。気付きませんでした。早速取りかかります」

 良三郎の瞳は燃えていた。自分たち若者の存在が社会に認知されてきたことが何より嬉しかったのだ。

 若者たちは作戦会議を開いた。

「質の良い建議書を作ろう。僕等を低く見ている世間を見返す絶好の機会じゃないか

「それから、廃娼に反対している県議員に攻撃をかけよう」

「それは妙案。名前を調べ、宿舎を捜し、三人一組で押し掛けようではないか」

 次々に意見が出た。若者たちは新しいものを作り出す喜びをかみ締めていた。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月27日 (土)

小説「楫取素彦物語」第156回

 青年たちの活動振りは涙ぐましいものだった。旗を立てて行進し、各地で演説会を開いた。若者の純な行動はいつの時代も人々の胸を打つ。

 石島は演説会場で訴えた。

「娼妓をそのままにして淫風をふせぐことが出来ますか。私は目撃しております。貸座敷のあるところでは女の子が歌をうたえば、六つ、七つの男の子は太鼓をたたいて女郎屋の真似をして遊んでいる。これでは淫風を教える指南場ではありませんか。また、貸座敷のあるところでは勤労精神がなくなり市が立たないと言われます。

 教育の上からも産業を興す上からも貸し座敷は廃止しなければなりません。これは私たち上毛の青年の使命であります」

「そうだ、そうだ」

「頑張れ、応援するぞ」

 どの会場でもこのような声援が飛んだ。少し打ち込んで勉強を重ねていたある青年弁士は次のような格調あるを展開した。

「今、日本は世界に登場しました。日本の名誉が問われるにあたり、公娼があるため、多くの日本婦人が娼妓として海外に出て日本国が売淫国だと言われています。条約改正を目指して、いかに正正堂堂たる議論を唱えてもこれでは駄目です。娼妓のごとき者を廃して改革を一個人からめて一国に及ぼそうとする熱心なものが今日日本にいなくなった。だからその責任は青年が務めなければなりません。熱心と勇気をもって廃娼の大事業を成し遂げるのは青年の本分である。日本を愛する精神があるなら先ず娼妓を廃して日本国の徳義を高尚にして、その上で殖産興業を大きく進め一国の富を増加させなければ海外各国と対等な条約を結ぶことは出来ません。そのために私たち青年を助けて下さい」

 これを聞くや会場から喝采と共に声が上がった。

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月26日 (金)

人生意気に感ず「猛烈な10号。16歳の殺人。ネコを焼き殺す女。水の惑星発見。高畑の母」

 

 ◇日本列島を地球規模の怪物が狙っている。台風10号である。こんなことがあるのだろうか。長期に居座り、30度の海面から無限のエネルギーを吸収して巨大化した怪物。向きを変えて南西に動き、意志あるように日本を目指し始めた。25日、「強い」から「非常に強い」に。27日、最大ランクの「猛烈な」に変化、30日には本州に向かう。スーパーコンピューターはこう予測した。 

 

 新たな異常気象時代の幕開け。瞬間最大風速60mなどという事態が常態化するのか。自然の大乱は、人間界の天下大乱と呼応するかのようだ。

 

◇16歳の少年が殺人で逮捕された。「メールを無視された」などと動機を語る。複数の子どもたちが暴行に参加した。凄惨なリンチの地獄絵が想像される。先日は、生きたネコを焼き殺し動画に流した若い女性が動物虐待で逮捕された。彼女の心の闇には何が棲むのか。日本人の心に変化が起きている。礼節の国日本、サムライの国日本が遠ざかっていく。

 

◇宇宙時代が進む中で、はっとするような情報が。わずか4光年の所に、地球に似た水の存在が確からしい惑星が発見された。

 

「プロキシマロ」と名付けられた惑星は重さが地球の1.3倍。恒星の回りを約11日で公転。水が存在するなら生命の可能性がある。今や、宇宙に生命が存在することは常識となりつつある。温度、水、元素によって、一度生まれた生命は進化の道を必然に辿る。昔、学生時代に、オパーリンの「生命の起源」を読んだ。生命が生じたとしても、精神を持った高度な知的生命体に発展するとは限らない。この地球で、人類に至る進化の過程を導いたものは神であると信ずる人々は依然として存在する。いずれにしても、夢はふくらむ。宇宙が誕生して140億年。膨脹はこの瞬間も続く。近い将来、宇宙人と接触する日が必ず来ると思える。

 

◇イタリアとミャンマーで、共に6・8の地震が。日本の巨大地震が秒読みの時だけに大いに気になる。首都直下型がオリンピックと重なったら大変だ。政府は対策を具体的にとり始めた。外国人を含めた安全確保は、情報の提供、交通手段の確保など課題は山積。東京五輪の成果として求められるのは、メダルの数だけではない。安全、安心、おもてなし。日本の文化の特質の真価が試される。

 

◇高畑の母が会見で「どんなことがあってもお母さんだから」と言った部分は胸に迫った。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月25日 (木)

人生意気に感ず「俳優の強姦致傷。凶悪な少年事件。みかじめ料要求事件」

 ◇前橋で起きた凶悪性犯罪が列島を騒然とさせている。強姦致傷とは破廉恥で重罪である。大きな話題となっているのは、容疑者が今売出し中の俳優高畑裕太であり、その母がやはり高名な女優高畑淳子である点だ。犯行の現場は、前橋市の中心街にあるサンカントホテル。容疑者は「女性を見て欲求を抑えきれなかった」と容疑を認めている。享楽の世相を反映した犯罪であり、芸能界の隠れた実態を窺わせるようだ。

 

 強姦致傷の罪は重い。無期、または5年以上の懲役で、執行猶予の余地はない。手をつかんで部屋に連れ込み、押し倒して乱暴し手に打撲のけがを負わせた。強姦罪は親告罪だが致傷に至ると親告罪でなくなる。親告罪とするのは被害者の名誉を重んずるからで、告訴がなければ公訴出来ない。致傷の場合、告訴を要しないのは、犯罪の重大性故である。

 

 強姦などで、被害女性は通常告訴を躊躇する。強姦と和姦の境は微妙なので、当然のことながら、警察で被害者は細かく状況を聞かれるのだ。恐らく、そのために表に出ない強姦は非常に多いはず。私の憶測だがイケメンの若い男優に強く抵抗しない女性もいるだろう。容疑者はそれを見越して犯行に及んだ。そういう世界が芸能界には広がっているのではないか。薬物犯罪と共に人間性の根幹、道徳の砦を壊す犯罪に、裁判員たちは鉄槌を下すに違いない。

 

◇強姦で非親告とされるのは、二人以上が共同で犯した場合。いわゆる「回し」で、被害女性のダメージは想像を超える。野獣の牙に心まで引き裂かれるのだ。

 

 凶悪な少年事件が増えている。それを窺わせる事件が埼玉で起きた。16歳の少年が暴行を受けて殺され河川敷に埋められたらしい。23日、遺体が見つかった。女子高生コンクリート詰め殺人、栃木リンチ殺人事件など少年事件は、社会の病理を映して暴走が止まらない。

 

◇小さな事件のようだが、大きな意味をもつ事件として注目したのは、「みかじめ料」に関するもの。暴力団が運転代行業の女性に要求し、沼田署は暴対法に基づいて「中止命令」を出した。「金を払わないのはお前のところだけだ」と言って、要求したらしい。勇気ある代行業者を警察は全力で守って欲しい。暴力団対策法はこのような例によって生き、暴力団を追い詰めることになるのだから。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月24日 (水)

人生意気に感ず「五輪と国の姿。北朝鮮、ロシア、中国。東京五輪の課題。台風9号は」

 

 ◇熱狂のリオ五輪が幕を閉じた。スポーツとは何か、国家とは何か、民族とは何か。これらを深く突きつけた大会だった。ブラジルが舞台というので、私は特別な思いで観た。 

 

 北朝鮮、ロシア、中国などでは、オリンピックは恐い舞台であるらしい。国威発揚が至上命令で、そのためには何でもありである。ロシアは、国を挙げてのドーピングをやっていた。大きな罰を受けたが懲りた風はない。

 

◇金正恩は、連戦連勝し5個以上の「金」をと厳命したが、女子重量上げの1個のみだった。オリンピック責任者や選手たちは粛清を恐れているだろう。スポーツはその国の文化である。国民を飢えさせている国に真のスポーツは育たない。

 

 ロシアでは、この大会で体罰事件が発生した。女子レスリングで敗れた選手に対し、ロシアのレスリング協会長は、わいせつな言葉を浴びせ顔を殴ったという。信じられない。女子選手は「公衆の面前で辱められた。こうしたことを阻止したい」と訴えている。

 

 今回、スポーツが国の政治体制と深く関わっていることが示された。総じて民主主義の国ではドーピングもなく、スポーツは国民のものになっている。北朝鮮、ロシア、中国など全体主義の国ではスポーツとオリンピックは強い国策の下で行われ、国民が楽しむものとはほど遠いようだ。

 

◇次は東京である。小池知事は、「伝統と革新が交差した日本の独特の文化を世界に知って欲しい」と抱負を語った。気温はもっと熱くある。テロはもっと深刻になる。巨大地震が迫る。そんな中で、安心安全な五輪が求められる。日本の文化度、真の国力に世界の注目が集まる。サムライ日本の出番である。

 

◇台風9号が東日本を直撃した。隣県栃木でも「こんな酷い水は生まれて初めての経験」と人々は呆然としている。1時間に100ミリを超える雨量が常態化するようになった。

 

 東京が災害に弱いということが明らかになった。こんな程度の台風でも大混乱なのだ。今後、台風は増々巨大化する。地下街、広く広がる0メートル地帯はどうなるか。更に怖いのは首都直下型巨大地震である。関東大震災は大正12年(1923)であった。あれから93年。サイクルの期は到達している。「東日本」の影響もあるし、様々な予兆が起きている。私たちは正に累卵の危うきにあるのだ。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月23日 (火)

人生意気に感ず「リオ閉幕。日本の力とは。コロンブスとジャマイカとケンブリッジ」

 

◇リオ五輪が終わった。メダルラッシュという言葉が定着した。久しぶりに日本人の心を湧かせる大イベントだった。私は、日本の国力、文化度、そういったものに心を躍らせた。これを機に萎縮した日本人の精神の世界が回復に向かえばと思う。71年目の終戦記念の月は、廃墟から立ち上がって登り詰めた頂であり、また、新たなスタートラインとなった。敗戦を機に生まれた新憲法は時にまま子扱いされたが、平和と人権の憲法が、今日の日本の発展を導いたのだ。リオ五輪の成果は、平和と文化の祭典の中で、五輪で示すにふさわしい日本の正当な国力を示した。日の丸と君が代に感動する心は、純粋な愛国心である。

 

 体操、柔道、水泳等、皆、血湧き肉躍るドラマであったが、陸上男子400メートルリレーの銀は圧巻だった。4人の選手のチームワークが、彼らの個々のベストの和以上の成果をもたらした。アンカーで王者ボルトと競ったケンブリッジ飛鳥は、ボルトと同じジャマイカ生まれの日本人である

 

◇私は、「ふるさと塾」でコロンブス、奴隷貿易を何度も取り上げてきた。

ジャマイカは、コロンブスが第2回航海の時発見した島で、今からおよそ522年前のこと。コロンブスの新大陸発見は、発見された側にとっては悪夢の幕開けだった。コロンブスに続いて訪れたスペイン人は、このあたりで暴虐の限りを尽くし、先住民は絶滅する程に激減し、かわりの労働力として求められたのが西アフリカの黒人であり、大規模な奴隷貿易が開始された。

それ以後、人類の歴史は人種差別を乗り越える戦であったが、差別と偏見は今も絶えない。オリンピックで肌の黒い人が白人を圧倒する姿は、オリンピックが差別や偏見と無縁な世界であることを物語る。

 

 ケンブリッジ飛鳥は、ジャマイカで生まれ、2歳までその地で育った。ジャマイカ人の父と日本人の母を持ついかにも真面目で知性的な若者である。脅威の運動能力は、ボルトと同種のDNAを受け継いでいるからに違いない。また、リレーで見事な連携プレーを見せたことは、日本人の和の精神、サムライの力を発揮した証拠と思える。

 

◇リオ五輪がフィナーレを迎え、小池新知事が大会旗を受け継いで帰る。リオで学ぶべきこと、生かすべきことは限りなく多い。日本の力、日本精神が真に問われる時が近づく。今回以上に事態は悪化するのだ。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月22日 (月)

人生意気に感ず「リオ終わる。北の悲しい現実。楫取の除幕式。マラトンの戦いは終わった」

 

 ◇平和の祭典は終わり、平和と文化の国日本は、いかんなく本分を発揮し、世界に面目を施したといえるが、日本をとりまく安全保障環境は風雲急を告げている。隣国北朝鮮と中国に関する情勢である。 

 

 特に北朝鮮で大きな変化が起きていて、無気味な予兆を思わせる。国外で働く高級外交官が頻繁に亡命しているのだ。駐英外交官で、副大使のテ・ヨンホが綿密な事前準備で亡命を決行したと報じられた。更に驚いたことは、19日、北のトップ金正恩の資金管理者が数億円の金をもって子どもと共に亡命したという。

 

 脱北者は増加し、外交官の亡命は少なくとも毎月1人か2人。東南アジア、中東、欧州で相次いでいる。

 

 北朝鮮の崩壊が叫ばれて久しい。国のトップレベルを残酷に処刑したり、日本の領海に弾道弾を打ち込んだり、無法の限りを尽くしている。国際孤立の中で国民を飢えさせつつ生きる悲しい不思議な国なのだ。ある意味、外交戦略でしのいでいるとも言える国である。それだけに、このような外交官の亡命は、紛れもなく追い詰められている証拠に違いない。日本にとっては、ISと共に大きな脅威である。

 

◇リオ五輪が今日、閉幕する。リオの最大の課題は国際テロであった。ここまでこぎつけたが最後が危ないのだ。閉幕式には各国首脳が集まる。ISは追い詰められた手負いの虎だ。トルコの結婚式で50人の死者を出す自爆テロが起きた。熱狂のサッカー会場が無事だったのでほっとした。地球の反対側の炎の五輪が終わろうとしている。近い将来8月の五輪は実現困難になるだろう。

 

◇昨日、楫取素彦銅像除幕式が行われた。ここまで来たと感激した市長は目頭を押さえていた。五代目当主の楫取能彦さんが御礼の挨拶。注目したのは、新井領一郎の子孫のティムさんがカリフォルニアから駆け付け、日本語の挨拶文を読んだこと。耳を傾けて聞いたが中味のある良い文であった。目玉である銅像は、松陰の形見の短刀を楫取夫妻が領一郎に渡す有名な場面。4人の立像は迫力に欠け史実を伝えていないと感じた。寿さんが「兄の魂は太平洋を渡ることで救われるのです」と涙ながらに訴える。日本の文化からして立ったままで行われるであろうか。近現代の歴史が薄くなっていく今日。それを踏ん張って食い止める使命をもつ銅像の筈。

 

◇死力を尽くした佐々木の16位。マラトンの戦いだった。ゴールに倒れ込んだランナーを見て、かつてアテナイに勝利を伝えて絶命した使者の姿を想像した。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月21日 (日)

小説「楫取素彦物語」第155回

「素晴らしいことですね。目の前が開けた思いです。では更にお聞きいたしますが、穢多(えた)非人などの差別も廃止すべきものでしょうか」

「おお、君たちは、の建白で、穢多・非人の賎称が廃止になったことを知らぬか。新しい世になったにもかかわらず、人間扱いされない非人たちがいかに多いこと実は娼妓より、こちらが深刻かもしれないと考えたほどだ。同じ血が流れているのに、なぜ、代々差別されるのか。は、関東の賎民の長老、弾左衛門と会って、策を練ったこともあった。は、穢多、非人という賎称を廃止することが第一と考え、その旨の建白書を提出した。幸い、政府はこれを受け入れた。文明国の仲間入りを世界に示すという大義にかなったからだ。明治四年八月二八日の太政官布告がそれです」

若者たちは、驚き、感激して瞳を輝かした。

諸君、人間平等の理解は、新しい世の人間の価値の尺度となる。特に若者のな。だから、この太政官布告をよく頭に刻みたまえ

 そう言って、大江は、改めて若者たちの顔を見詰めていった。

穢多、非人の称を廃され候故、これより身分職業とも全て平民同様たるべきこと、これです。これが明治四年のこと、その翌年奴隷船事件。私は同じ脈絡の問題ととらえ、清国人を解放した。外務省などは面倒を恐れて反対したが、副島司法卿はと同じ信念なので、一つ天下に日本の文明度を示す時だと奮発して、ベルーと戦ったのだ。世界の大勢と一致していたから、娼妓解放の太政官布告も出た。この太政官布告をまともに受け止めてくれたのが群馬の人々だ。諸君、この流れをよく心に刻んで進撃するがよい

 大江の瞳は炎え、頬は紅潮して若者のようであった。群馬の若者は、心に新鮮な力を与えられたように勇気付けられたのであった。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月20日 (土)

小説「楫取素彦物語」第154回

「群馬は特別だった。楫取県令が偉かった。議会に見識をもった人物がいた。それなのに、楫取殿が去ったら、またおかしな動きが出てきたという。諸君、御布告の罪人を許すな。これは、日本の文明開化が試されていること。われら、幕末の若者は元気がよかった。根性があった。新しい世になり、平和の社会になった途端、若者に元気がなくなった。困ったものと思っていたら、諸君の存在を知った

「上州の若者の根性を示す時だ」

「楫取県令がのこした松陰の精神が生きているぞ」

会場から次々に声が上がった。

正義のに燃えて一途に走るのは若者の特権である。楫取殿が始めたことを諸君が守り抜けば諸君の名は不滅となる。廃娼とはそれ程大きな意味がある。歴史的意味とはこのこと。諸君頑張りを大いに期待しますぞ

 愛宕座は廊下にまで人があふれ、拍手はいつまでも鳴り止まなかった。

 大江の気迫に接した上毛青年会の若者たちは大江という男の尋常でない中味を感じとった。会の終了後、青年会役員と大江が別室で懇談したとき、一人の若者が尋ねた。

「人生において先生の行動を貫く信念はいかなるものでありますか」

「一口で言えば、人間の平等、人権というもの。徳川の封建制を倒した目的は平等の実現であった。四民平等がそれだ。平等にすることで押さえ込まれていた力が発揮される。それは、個人の幸せとなり、国家にとっては無限の力となる。奴隷の解放はその象徴なのです。だからこそ、マリア・ルース号から中国人を解放した。女郎の解放もまたしかりなのだ」

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月19日 (金)

人生意気に感ず「女性軍の躍動。吉田の涙。南米の移民たち。パラリンピックの危機」

 

 ◇リオ五輪が勢いに乗りまくっている。当初の予想を遥かに超えてメダルラッシュが続く。一つのメダルの陰に様々な熱いドラマ、特に家族の絆があったことを知る。金を獲得した3人の若い女性、登坂、土性、伊調の金は、それぞれ女性としてよくもここまでと思わせる。家族の熱い支えは、非婚時代の日本女性に家族を考えさせる材料を提供し、結婚率にプラスの影響を与えるのではないか。それにしても、吉田の涙に涙。 

 

◇リオ五輪は、元気を失ったと見られていた日本人の心に新しい力を与えている。高く上がる日の丸。会場に流れる君が代。日本人は皆感激する。これは理屈ではなく、自然のものである。

 

 日本の五輪は純粋であるから、誇っていい。メダルの成果は文化度を現す。身体の小さい日本人が遥かに巨大な外人を圧倒する姿は、昔なら考えられない。それを支えるのはメンタルなものである。サムライの精神が生きづいているのだ。

 

◇リオの成果に歓喜しているのは、国内の日本人だけではない。南米の日系人は、国内の日本人以上に感激しているのではないか。私は、県議の時、二度南米各国を訪ね、県人会の人々と接し、望郷の念を抱きながら頑張っている姿に接した。ブラジルには百万人を超す日系人がいる。移民一世は少なくなっているが、彼らは私たち以上に、伝統の日本文化を愛しているのである。

 

◇移民といえば、多くの人はブラジル移民を想起するが、実はペルー移民の方が10年ほど古い。今、獄中にいる元大統領フジモリは、日系2世で、彼の中を流れる血は100%日本人のものである。彼が初めて大統領選に立候補した時、アンデスの貧しい人々は日本に期待して熱狂的に支持した。フジモリは、獄中でサムライ日本の活躍に涙を流しているのではないか。

 

◇華やかなオリンピックが間もなくパラリンピックとなるが、報じられたところによれば、パラリンピックが危機の状況にある。チケットがわずかしか売れない、協力するボランティアの辞退が続出している。皆疲れ切っている上に9月はもっと暑いなどと言われているのだ。

 

 日本人のパラリンピックに対する熱は盛り上がらないのではないかと恐れる。今の熱狂が一気に冷めるのは日本人として恥ずかしい。静かに真心をもって応援したい。違ったより厳しいドラマに注目すべきだ。そこには人間の真の極限の姿がある。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月18日 (木)

人生意気に感ず「館林の猛暑は何を。大地震の兆候・バヌアツ。押し付け憲法の中味。ドーピング国ロシア」

 

 ◇昨日、館林の気温は40度を突破した。館林は、日本一暑い都市ということが定着してしまった。それにしても40度は凄い。このまま、この現象は右肩上がりに続くのか。人間が生きられる限界に近づきつつある。 

 

 4年後の東京五輪は、この気温の点が先ず心配。加えて、それ以上の心配は首都直下。多くの専門家は、それまでもたないと言っている。前が後か、重なるか。地震の兆候についてはすっかり慣れっこになってしまった。5年前の東日本は日本列島に大地震が起きる序曲であった。千年に一度、400年に一度、このサイクルが、今重なる時期という指摘も。「群馬は大丈夫」という安全神話が支配し、それにあぐらをかく私たち。私は県議の時、よく赤城南麓を襲った弘仁大地震を取り上げ警鐘を鳴らした。弘仁9年(818)のこと。「類聚国史」には、山は崩れ多くの里は埋まり、死者は数えることが出来ない程とある。歴史は嘘をつかない。特に地震は。

 

◇地震は地球規模で激しくなっている。ペルーで日本時間15日、M5.4があった。また、つい最近、南太平洋では7.6があった。これはバヌアツの大地震で、日本の地震と大いに関係があるらしい。太平洋プレートの関係で、バヌアツあたりで大地震があると、数日~2週間後に日本でも大きなのが起こる傾向がある。今春の熊本地震もその11日前バヌアツで6・8の巨大地震が起きた。いずれにしろ、秒読みの段階にあると思わねば。

 

◇今月は敗戦の月で、今年は憲法改正問題が重なって話題騒然。敗戦を機に戦勝国アメリカから押し付けられたということは聞き飽きた。しかし、今、注目するのは、アメリカの副大統領が「日本国憲法は私たちが書いた」と発言していることだ。事実はそう言っても過言ではなかろうが、米高官が明言するのは極めて異例なのだ。何度も、このブログで書いているが、押し付けられた中味が問題なのだ。70年、この憲法でやってきて繁栄を築いた。日本国憲法の骨子は、長い民主主義の闘いの歴史とその成果を踏まえている。ただ、現実にそぐわない点が生じているのは、否定できない。どこをどう変えるかが問題なのだ。

 

◇日露国交省がモスクワで始まる。ドーピング国家ロシア。小さな北方領土も返さない。終戦時、北海道の半分を要求した。実現していたらと思うとぞっとする。眉をしめして見守りたい。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月17日 (水)

人生意気に感ず「温暖化、北極の異変。追い詰められるIS。中国の群船」

 

 ◇リオ五輪が熱い。気温も熱い。地球温暖化は不気味に進み止まることはない。熱中症の警告が頻繁に発せられる。4年後の東京五輪の時、更にこの暑さは酷くなっていることが懸念されている。政府はその対策を取り始めた。

 

 私は先日、今力を入れている紙芝居2作を実演した。「前橋の一番熱い日」及び「未来への警鐘」で、いずれも温暖化の焦熱地獄、熱中症に触れた。「氷河が融け、海面は上昇し、地球はこの先どうなるのだろう」と。地球を覆う異常気象を心配していた矢先、北極の大変な異常を伝える情報に接した。凍土が溶け、危険な細菌やウィルスが解放されているというのだ。

 

 ロシア極北のヤマロという地方。「炭疽」が集団発生した。炭疽菌に感染したトナカイの死骸が永久凍土の融解で露出したことが原因らしい。凍土の下に眠る病原体は氷河時代に遡る可能性がある。

 

 ロシアは世界平均より2.5倍の速さで温暖化が進む。北極のヤマル半島では、今年7月、最高気温35度に達したというが信じ難いことだ。地球という宇宙船が炎に包まれようとしている。私たちは、今、地球規模の歴史的な転換点に生きているのだ。

 

◇リオ五輪は終盤に入った。今のところ、恐れていた国際テロはない。このまま無事に終わることを祈るばかりだ。超過激の狂気の集団ISが追い詰められている。世界にテロが広がり、第三次世界大戦が始まっているという見方もある状態なのだ。ISの指導者が次々に殺されている。

 

 衝撃的な映像を見た。人質となっていた多くの少女が解放された光景だ。黒い衣装をまとった彼女たちが抱いているのは、何と赤ちゃんではないか。何百人という少女が拉致され、兵士たちに分配されているという。赤ちゃんを抱く姿は想像を超えた地獄からの脱出を思わせる。「IS」の指導者は、アメリカを中心にする勢力を十字軍と見る。西欧に侵略された長い歴史があるとはいえ、人間性と文化を全く無視する行為には一片の説得力もない。

 

◇尖閣に群がる中国の船団は異様である。情報によれば中国国内の危機は深刻らしい。国民の目を外にそらす目的もあるのか。一党独裁の体制は、かつての王朝と変わらない。昔と違う点は、国民が科学の目と耳を得たこと。もはや矛盾を隠せない。経済の破綻が暴動の引き金になる。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月16日 (火)

人生意気に感ず「リオ五輪の現実。日本の武士道。教育としてのスポーツは。最悪の治安」

 

 

◇リオ五輪が半ばを過ぎた。報道は、メダルラッシュと叫んでいる。日本人の精神をこれ以上高揚させる出来事はない。柔道の好調ぶりは凄い。全階級でメダルを獲得。その数は12。正に本家の面目躍如である。しかし、外国人選手の闘う様は、本来の柔道ではない。相手の指導があると敵失を利用すべく時間稼ぎで逃げ回る。とても柔道の本質たる武道とはいえない。百キロ超級のフランス代表は、テディ・リネル。プロレスのボブサップを思わせる巨体。原沢が指導を受けると逃げ回り会場はブーイングで湧いた。こういう人はプロレスに本来の活躍の場を見つけるべきだ。銀を得た原沢は愚痴を言わなかった。4年後に繁ぐ道が出来たと思う。日本柔道界は、外国の力の柔道の現実をしっかり踏まえて、これを乗り越えて一本を取る力を研究すべきだ。セコイ柔道が目立つほど、本家の柔道が輝くチャンスが増す。体操も水泳も後継者が育っているのは心強いかぎりだ。

 

◇スポーツに関して見失ってはならない点がある。私が現職の県議の時強調したことであるが、スポーツに於ける勝利主義、エリート優先に陥ってはならぬことだ。教育界には現実にこの弊害が見られる。スポーツの目的は本来、国民全体が楽しみ、そして、心と身体の健康に資することだ。現状は、スポーツ嫌いを多くつくりだしている。本来のスポーツに戻すことによって、結果としてスポーツ人口の層を厚くし、良い選手も出ることになる。オリンピックの輝かしい成果は、日本の教育の成果でなければならない。

 

 日本では現在、あらゆる分野に格差が広がっている。経済的環境がよくなければ、良い大学へ進学出来ない。同じことがスポーツの分野でも行われている。これでは、公平、平等の社会といえず、不平不

満を抱く人を増やし歪んだ社会を育ててしまうことになる。

 

◇リオの治安の悪さは唯事ではない。各国の政府高官や報道関係者が強盗や窃盗に襲われる事件が頻発している。リオは世界有数の犯罪都市といわれ、殺人は日本の25倍、強盗は660倍と言われる。日本と比較するのは妥当でないかも知れない。なぜなら日本の治安の良さは、かつて奇跡と言われた。その安全神話が崩れつつある。4年後の日本は、教育、文化、治安、礼節等あらゆる分野で日本の良さが本物か試されることになる。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月15日 (月)

人生意気に感ず「8月15日を考える。歴史は教訓の母。私は戦争体験者」

 

 ◇71回目の8月15日を迎えた。全国でお決まりの戦没者慰霊式典が行われる。私は昨年までは毎年、ぐんまアリーナの式典に出たがそこで感じることは、慰霊の実態が年々薄くなっていくことであった。出席遺族が少なくなっていくことも理由の一つだ。太平洋戦争に現実に参加して地獄を見た人々も多くは死に、生きている人も90を超える。生の体験を伝える人が少なくなり、あの戦争の風化が進んでいるのだ。何とかしなければならない。 

 私は県議時代、中学生高校生を式典に多く参加させ、そこで戦争の惨状を感じさせる工夫をと訴えてきたが、役人は動かなかった。自民党の県議が真剣に動かなければ道は開けない。

 

◇歴史は教訓の母である。歴史を振り返れば、70年も世界の平和が続いたことはない。時と共に、一度出来た秩序が現実に合わなくなるのだから当然といえば当然なのだ。現在、世界の情勢がにわかにきな臭くなってきたことは偶然ではない。北朝鮮が従来の秩序を変えようとしている。これに対してアメリカは内向きになり、かつての役割を果たさない。東西の争いの接点にいる日本は重要な岐路に立たされている。戦争は嫌だからということで日本を守る議論が疎かになっている。

 

 私は昭和15年10月生まれで、その翌年12月に太平洋戦争が始まった。戦地には勿論行かないが、B29の下で逃げ惑い、戦後の廃墟と飢えの時代を経験している。あの時代も、正に戦争の続きだったのだと、今振り返っている。

 

 昭和22年に小学校に入学した時、ノートはなく、腹には回虫が湧き、女の子の髪には白いシラミが蠢いていた。前年昭和21年に新憲法が公布され、私の小学校入学時から教科書も内容が一変した。軍国調から平和調になったのだ。

 

 その一頁は、ひらがなで綴る優しい詩であった。

 

 おはなをかざる

 

 みんないいこ。

 

 きれいなことば

 

 みんないいこ。

 

なかよしこよし

 

 みんないいこ。

 

 ハングリーに耐えた私たちの世代も少なくなっていく。私たちの体験も貴重だとつくづく感じるこの頃である。昭和15年生まれの私は、戦中派であり、戦争の経験者なのだということを自覚して、体験を伝えていこうと考えるようになった。ハングリーな時代と飽食の時代の両方を知る時代の存在は非常に重要なのだ。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月14日 (日)

小説「楫取素彦物語」第153回

「私は明治五年九月政府へ廃娼の建白をした。先ず、その理由を諸君に話したい。私たちは、ペルーに運ばれる中国人奴隷を解放した。ペルーとの間で裁判になり、政府は特例をもって、この大江を裁判長に任じた。中国人を奴隷にしたことを理由に賠償請求を拒否するこの裁判で、ペルーの法律家は日本にはもっと酷い奴隷の制度があるといって、娼妓制度を取り上げてきおった。これと比べたら支那人に賃金を払って働かせることは残酷ではないから許すべきだという論法。言われてみると、娼妓の実態は奴隷と変わらない。このような者がおることは、これから文明の世になろうとする日本国の大きな恥じである。そこで、私は、これらの者を解放することを建白しました。政府はこれを認めて解放令を出した。これが明治五年十月二日の太政官布告なのです

 

 大江が胸を張ってテーブルを叩くと、

 

「よくやった」

 

「すいぞ」

 

と一斉に喝采が起きた。

 

「諸君、この太政官布告には、実に面白い部分があります。娼妓の借金は返す必要はないというもの。その理屈を、諸君、頭にいれられよ。娼妓は人の権利を失うものだから牛馬と同じだ。牛馬に返済を求めることは出来ないというの。なかなか粋なはからいではないか。この御布告がその後無視されていることが私は許せない。このような御布告があるにも関わらず牛馬にひとしき者を増やす地方長官は御布告の罪人と断定できると思うがどうかな

 

「その通りです」

 

「断じて許さないぞ」

 

会場から声があがった。

 

 

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月13日 (土)

小説「楫取素彦物語」第152回

「ウーム、君たちとは妙な巡り会わせのう。廃娼の火はわしらがつけたようなものだ。の火は群馬で本格的に燃え上がった。君たち若者もその炎のひとつらしい。行きますぞ、群馬に」

 大江はきっぱりと言った。

 三人の若者は予想外の展開に大いに驚きかつ狂喜して凱戦将軍のような気分で前橋に帰った。仲間たちの喜びよう大変なものだった。

「これで、俺たち連合会は大いに勢いずくぞ」

「僕たちの廃娼運動を天下に示すことが出来る」

若者は口々に叫んだ。

 劇場愛宕座が休演の日を会場として使わてくれることになり、その日に大江も都合がつくということで日も決まった。青年たちは一人でも多くの仲間を集めることがその後の運動の勝利につながると信じて頑張った。

その日がやってきた。場内は若者であふれ立錐の余地なき盛況であった。

 大江卓は万雷の拍手に迎えられて壇上に立った。

「諸君、今日、芸娼妓の風習が広く行われていること、この群馬においても復活の動きが見えること、これは、明治五年十月二日の御布告の精神に反することです。この幣風を断じて許してはならない。君たち青年会がこの目的に立ち上がったことには歴史的意味がある」

 大江は開口一番鋭い口調で叫んだ。明治五年の御布告とは何か。歴史的意味とは何か、大江の一声は若者たちの心を衝いた。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月12日 (金)

人生意気に感ず「内村の会心の笑み。東京五輪の序曲と試練。中国の蛮行」

 

 ◇会心の笑みという言葉がある。リオ五輪でメダルを得た人々の表情である。激しく長いドラマがあったことだろう。特に体操総合の内村航平の姿は何度見ても感動である。完璧な演技は正に神技。多くの人の支えがあった。家族が映された。涙もあったろう。家族の重要さを世の人々は改めて感じたに違いない。 

 

 リオ五輪は東京五輪の前奏曲。東京へのはずみになる。メダルにこだわるのはおかしい、オリンピックに参加することに意味があると言われる。その通りだが、メダルには、一つ一つにドラマがある。高い山の頂きに立った時と同じ感動と達成感。それを全国民のものとして味わうのだ。日の丸と国旗を純粋に喜べる意味は測り知れない。しかも、事はスポーツであり、教育であり文化なのだ。

 

◇リオのメダルラッシュの中で、8月15日を迎える。71年前、あらゆる都市が焼かれ、原爆を落とされ、焦土の中で私たちは立ち上がった。私は4歳だった。あの時、心の中まで焦土が広がって、誰が今日の日本の発展を予想し得たろうか。リオ五輪の成果は、日本民族の勇気の証であり、誇りなのだ。

 

◇4年後の東京五輪を考える時、重大な壁が立ちはだかっていることを深刻に思う。1つは焦熱地獄のような熱さ。熱暑は更に酷くなっているだろう。また、首都直下型地震、4年を待たずに起きているかもしれない。更に国際情勢の悪化。今回軍隊まで出動させて警戒している国際テロ。第三次世界大戦が始まっているような状況なのだ。あらゆる意味で4年後の東京五輪は、日本が試される重大事である。

 

◇中国の傍若無人さは呆れる他はない。尖閣周辺に230隻もの船が押し寄せている。この騒ぎは、偽物大国の証ではないか。南シナ海では、フィリピン、ベトナムが大変だ。ベトナムは問題海域の小島にロケット発射装置までつくった。中国には国際世論に訴える大義はない。更にそのことを示す事実として北朝鮮に対する姿勢だ。日本に対して弾頭弾を打ち込んだことに対する国連の非難決議に中国は反対している。北とすれば、孤立する中で有力な味方を得たようなものだし、中国は国際社会から北朝鮮と同類と見られることになる。日本は毅然とした姿で、国を守らねばならない。国際秩序は正義がなくては成り立たない。日本にとっては、自国を主張するチャンスなのだ。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月11日 (木)

小説「楫取素彦物語」第151回

上毛青年連合会が出来たとき、会員の自覚を深め、会の方針をしっかりさせるために記念行事をやろうという事になった。

「しかるべき高名な講師の話を聞こう」

 誰かがこう発言した。では誰がよいかということであれこれと名を上げるがいずれも適切な人と思えなかった。

 その時、じっと考えこんでいた石島良三郎が意を決した表情で言った。

「いま、すごい人物を思いついた。今の僕らの状況にあって、これ以上の人物はいない」

「誰だ、それは。もったいぶってないで言ってくれ」

 こう言って、その場の若者は一斉に石島の言葉を待った。石島は言った。

「土佐出身の熱血漢大江卓先生だ。奴隷船マリア・ルーズ号事件で、裁判長として、この事件を仕切った人物です。廃娼県群馬の青年会といえば、承知してくれる可能性はある」

「よし、やって見よう、当たって砕けろではないか」

衆議はたちまち一決した。

 若者たちはあらゆる伝を頼って所在を調べ外務省の一室で会えることになった。代表して石島良三郎、竹越与三郎、高津仲次郎の三名が上京することになった。

 群馬の若者を待っていたのは二人の男あった。眼光鋭い、がっしりした男がいった。

「わしが大江です。群馬の青年会と聞き待っておりました」

 もう一人の男は驚くべきことを口にした。

「わしらは土佐者です。昔、長崎で情報を集める仕事をしておった。長崎では、吉田松陰にも、楫取素彦にも会った。楫取殿の武器買付を手伝ったことも、ジョン万次郎を紹介したこともあった。あの頃は幻馬と名乗っておった。楫取殿の活躍は常に遠くから見ておった。懐かしい限りだ

 三人の若者の驚く顔を見ながら幻馬は言った。石島が続いた

「楫取様が下した廃娼令が、楫取様が去ってからおかしなことになりました。そこで、僕らは青年連合会をつくって廃娼の戦いを進めようと決意しました。つきましては発会の大会に、大江様のお話をお願いしたということで参上いたしました。どうかよろしくお願い申し上げます」

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月10日 (水)

人生意気に感ず「天皇の御言葉に思う。日本の象徴とは。柔道の金」

 

 ◇天皇がお言葉を述べる姿を見て、まず浮かんだのは、あの「玉音放送」である。71年前の国民の衝撃は今回の比ではない。当時天皇は神であった。声だけであったが、直に声を聞くことは多くの国民にとって信じ難かったのだ。 

 

 敗戦、そして日本の姿は天皇の地位と共に一変した。昭和20年、ポツダム宣言受諾、翌昭和21年1月1日、天皇は自ら人間であることを宣言した。つまり、「現御神(あきつみかみ)という架空の観念」に立つことを否定し国民と共にあることを宣したのである。これは、この年11月3日公布の新憲法に規定された。第一条の「天皇は日本国民の象徴であり・・この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく」である。そして、第4条は、天皇は国政に関する権能を有しないとされた。これは政治的な影響力を持つ発言を認めないことを意味する。天皇が今回の御言葉の中で、「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら」と、注意深い発言をされているのは、この4条の関係である。又、事前に、天皇の御言葉に反対していたグループの狙いも、この4条との関係を問題にしていたと思われる。天皇の御言葉は、それでも生前退位の強い意向を窺せるものであった。

 

◇82歳の天皇の表情は、白髪を載き、深いしわを刻み、視線は優しかった。4歳で終戦を迎えた私は、国民と共に歩まれた天皇の人生を自分の人生と重ねて人間天皇の言葉をしみじみ味わった。

 

 変転きわまりない時代で先が見えない海を漂っている状況が今日である。その中で象徴天皇の存在は、長い歴史の岩盤から伸びた伝統の絆によって日本国と日本国民を繁ぶ存在である。憲法改正がにわかにクローズアップされてきたが、象徴天皇制は国民主権と共に不変である。天皇の御言葉はタイムリーに憲法を身近なものにすることになった。

 

◇リオで日の丸が躍っている。スポーツは教育の一環であり、その国の文化の様子をあらわす。今回、リオの日本の状況は日本の力の高揚を物語る。柔道少年だった私は、特に、大野将平の金に感動した。つぶれて盛り上がる耳たぶは激しい修練を示す。サムライ日本を天下に発信する姿だ。勝ちにこだわり、セコイ競技になり、本来の日本の柔道から遠ざかる競技に、これが柔道だということを示す「一本」であった。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 9日 (火)

人生意気に感ず「前橋大空襲の紙芝居と留学生の目。稲田防衛相と核」

 

 ◇8月5日は、前橋大空襲の記念日。私は750人の留学生の前で、紙芝居「前橋の一番熱い日」を演じた。これだけの群衆の目と耳を一点に集めることが出来るか不安があった。今の学生には、日本の大学でも受講の態度が良くない。遅刻は平気で、私語をよくする。私は、百数十人の留学生に対し、「国へ帰れ」と怒ったことがあり、後味が悪かったことがある。この紙芝居には真剣勝負だという思いがあった。 

 紙芝居に入る前に、絵を描いた秋葉二三一さんを紹介する。「病で倒れ右手が使えなくなり、左手で描きました」。会場がしーんとなる。何度もリハーサルをした。絵はプロジェクターで取り込み、大スクリーンに映した。8月5日の場面は、B29から降る爆弾、炎の市街、泣き叫び逃げ惑う人々を描き、「死者は何と535人。呆然と立ち尽くす人々」と語り、ドドン・ドンと続く。

 

 翌6日の原爆では、黒いキノコ雲が描かれ、「天の魔王がおり立ったのです」と語りの声にも感情が入る。そして、15日正午、ラジオから流れる天皇の声を聞く人々の姿。最後は、再建に立ち上がる人々。「リンゴの歌」を歌う歌手の姿。ピアノに合わせて私は一番を歌った。夢中で演じた私は、熱心に目と耳を傾ける留学生の姿に感動した。

 

◇稲田防衛相は大丈夫なのか。日本の核を問われ、可能性をほのめかすような発言をし、安倍首相は必死で打ち消した。首相は「非核三原則は変わらない。核については検討の余地もない」と。北朝鮮の核の脅威、尖閣に押し寄せる中国の船団。このような国際情勢下で、日本の一部では核をもつことを望む声があるに違いない。稲田防衛相の発言がこのような地下水脈と繋がっているととらえる向きは否定できない。稲田氏の過去の発言などを考えると、安倍首相がなぜ防衛相という最も微妙なポストにこの人を選んだか理解に苦しむ。

 

 今後、北朝鮮や中国との関係で自衛隊が難しく、かつ緊張した場面に立たされることがあるに違いない。そのような時、自衛隊の先頭に立って毅然とした態度を貫き、それを国民に理解してもらえる人。防衛相には、そんな見識と人格が求められる。更に防衛相が関わる重要点は憲法改正である。改正に関する最大の課題は第9条である。70年経って最高法規が現実と最も離れているのが9条である。ごまかしでなく、しっかり議論する時が来た。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 8日 (月)

人生意気に感ず「リオ五輪と人類の歴史。日本の原爆投下秘話。京都は危なかった」

 

 ◇6日、南米初のリオ五輪が開幕。広島では原爆慰霊式典が行われた。壮大な歴史のドラマを見る思いだ。コロンブスが新大陸発見からわずか524年。南米大陸がかくも発展したことに驚く。開会式では原住民インディオが登場した。一万数千年前、私たちの祖先モンゴロイドと呼ばれる人々がベーリング海峡を越え、アメリカ大陸に渡り、氷のない回廊と呼ばれる地帯を通り南下した。およそ千年で、南米大陸の南まで達したという。インディオたちの祖先である。南米初の五輪は、地球は一つという思いを抱かせる。テロの嵐が吹き荒れる現在、無事に終わることを祈る。 

 

◇開幕の同じ日、71年前のこの日。日本は原爆の投下を受けた。夜のNHKは、投下をめぐる大統領と軍の激しい攻防を伝えていた。軍の中でもグローブスとスチムソンの対立があった。マンハッタン計画を進めてきたグローブスは、原爆の効果を最大限発揮できるために人工密集の大都市を強く主張。具体的には京都だった。スチムソンはこれに強く反対。歴史のまち京に落とせば、民族の恨みをかい、日本を長くアメリカの敵にしてしまうと。スチムソンは二度、京都を訪れ、日本の文化と歴史に理解を示す人だった。大統領トルーマンは、スチムソンに賛成だった。女や子どもを犠牲にしない、軍事施設に限るという考えだった。トルーマンは、しかしこのことを強く軍に命ずることが出来なかった。そのために事態は進む。京都は避けられたが、広島がターゲットに決定する。広島は軍事拠点ということで、大統領は黙認した。その直後に長崎にも。これらの惨状を知ったとき、トルーマンは全閣僚を集め、これ以上の投下を中止させた。グローブスは3発目の計画を中止せざるを得なかったという。3発目は、小倉、あるいは新潟だったかも知れないのだ。

 

◇広島・長崎の惨状は今更ながら言語に絶する。日本には、勝てば官軍という言葉がある。米国は官軍であった。広島と長崎の凄まじさを見れば、ヒトラーのユダヤ人虐殺の比ではない。現在の定説は原爆によって戦争を終結させることが出来、50万人の命を救えたというものである。しかし、原爆がなくとも、日本の降伏はもはや明らかであった。歴史とは「過去と現在の対話」。発掘された新たな事実をもって過去に語りかけると、過去は答える。NHKの報道はこのことを物語っていた。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 7日 (日)

小説「楫取素彦物語」第150回

佐藤知事に対する攻撃の火の手が上がった。

 もとより議員の間には廃娼に反対の議員も少くなかったから論戦は激しかった。しかし、前回と違う点は議論の質が人権論の点で高度になっていることである。ま、議会の外では上毛の青年たちの理想に燃える激しい動きが起きた

 天野宗忠は人民の権利自由を高らかに主張した。

「売淫は野蛮時代の旧慣で婦女子を奴隷にするものです。人民の権利自由を保護すべき政治の上で公許することは姑息であって政治の改良を目指すものが取るべきではありません

一方、新時代の空気を受け止めて新しい社会を築こうとする青年たちは楫取の廃娼決定策に強い期待を抱いた。そして、この社会改良の気運を大いに盛り上げていこうということで、若者たちは前橋の住吉屋という旅館の一室で上毛青年会を発足させた。幹事は石島良三郎、竹越与三郎、高津仲次郎の三名だった。

 この青年会に刺激されて県下各地に青年会が結成された。佐藤知事が出した明治二十一年五月の「廃娼当分延期」は予期せぬ出来事として青年たちに衝撃を与えた。

「こんなことを許してよいのか。楫取県令の精神を踏みにじるものだ」

 石島が憤激していった。

「これを放置したら群馬の青年は意気地なしと天下の物笑いになる。戦おう」

「力を合わせて立ち上がろう

 かくして、各地の青年会が集まって明治二十二年七月上毛青年連合会が結成された。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 6日 (土)

小説「楫取素彦物語」第149回

 最後に楫取が壇上に立つと、万雷の拍手が湧いた。

「皆さんありがとう。群馬は私の人生で最高の舞台でした。一つ一つの思い出は私の貴重な財産です。八年間、熊谷県から数えると十年、皆さんと力を合わせて群馬を築いてきました。

時代は世界の中で更に大きく変化し発展しようとしています。この群馬県は、その流れの中で大木に育つでしょう。忘れてならないことは、物の豊かさよりもずっと豊かさが大切だということです。

至誠にして動かざるは未だ有らざるなり。松陰が遺したこの言葉は、時代を超えて不滅です。素彦は群馬を去っても、素彦の心はいつまでもこの群馬の地に有ります」

鳴り止まぬ拍手と歓声の中を楫取夫妻は去っていった。

 

 

 上毛の青年立つ

 

 

 楫取群馬を去ったあと、次の知事(県令は知事とよばれることになった)佐藤与三の時、突然議会を揺るがすことが起こった

即ち、佐藤は、明治十五年布達の娼妓座敷廃止の儀は問題があるので当分の間延期すると打ち出した。命令は、明治二十一年五月二六日付で、楫取が定めた期限の五日前のことであった。

 佐藤は楫取と同じく長州萩の出身であった。

「あれだけ議会で議論を尽くしたのに何としたことか」

「議会ばかりか県民を愚弄するものだ」

 議員たちはこのように叫び激しく反発した。

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 5日 (金)

人生意気に感ず「安倍内閣は大丈夫か。その課題。リオ五輪は。紙芝居」

 

 ◇第三次安倍内閣が発足した。日本丸を託せる人々か。未曾有の激浪が逆巻く海である。これらの人々に、覚悟と見識と手腕はあるのだろうか。今日の内憂外患振りは、あの幕末に比べて劣らない。世界に占める日本の役割を考えれば、遥かにダイナミックな状況にある。 

 

 国際的には、北朝鮮の凶暴と中国の台頭ぶり。国内的には不気味に近づく巨大地震。先の見えない不安の中でほっとさせるものは首都東京が順調に動き出したと見える点だ。テレビなどは、小池新知事と女性閣僚の人間関係がどうのこうのと騒いでいるが、いかにも表層的でゲスの勘ぐりと言ったところだ。小池百合子知事は、早速、安倍首相と会見し、笑顔の手打ちを演出してみせた。巧みな戦略であり強かさを思わせる。

 

◇実は安倍政権の課題として、極めて重要なことは「憲法改正」である。今回の参院選の結果につき、例外なく各紙の一面に踊ったのは「3分の2」であった。衆院に続けて、参院についても、改憲の条件は整った。今、私たちに突きつけられているのは、地に足をつけた憲法の議論である。

 

 70年、一度も改正されていない現憲法の真の姿は何か。憲法はとどまったままだが、世の中の現実は大きく変化した。憲法と現実の不一致は大きい。憲法は最高法規であり、現実の規範たるべきもの。現実と不一致では規範の役割を果たせない。問題は、どの不一致につき、どこの条文をどう改めるかである。

 

◇リオ五輪が始まる。地球の反対側で繰り広げられる人類の祭典は大丈夫なのか。心配は尽きない。南米初のオリンピックを最悪の治安状況の中で迎える。

 

 私は、二度ブラジルを訪れたが、治安の悪さは想像以上なのだ。既に日本人の被害が報じられている。腹巻の下に隠した現金まで堂々と奪われた事件も。最高の治安の良さの中で慣れた日本人は格好のカモに違いない。軍隊まで出動している異常さである。更に大きな不安は、個人レベルを超えた国際テロの発生である。第三次世界大戦が起きているという見方さえある状況である。リオ五輪は累卵の危うさにある。次は東京五輪であるだけに、リオ五輪は誠に他人事と思えない。

 

◇今日は、700人の留学生に日本の文化である紙芝居を二つ見せる。「前橋の一番熱い日」と、「未来への警鐘」。ウルグアイのムヒカが登場する。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 4日 (木)

人生意気に感ず「鈴木貫太郎の真の姿を。本土に突きつけられた北のミサイル」

 

 ◇71年前の日本の運命を決定した8月15日。今年もその日が近づいた。終戦には鈴木貫太郎が決定的に重要な役割を果たした。今月の「ふるさと塾」のテーマである。ふるさと塾、鈴木貫太郎を何度か取り上げてきた。今年は太平洋戦争を続けて話してきたので、その締めくくりとして、新たな視点で取り上げることにした。 

 

 前年7月、サイパン全滅の月、東條内閣は総辞職。あとを継いだ小磯内閣も翌年4月退陣。最後の内閣として登場するのが鈴木内閣であった。鈴木は首相就任要請を固辞した。 

  

 

深夜、天皇の前に立つと、「卿に内閣の組織を命ずる」と言われた。明治憲法の組閣の大命であった。鈴木は「何とぞ拝辞の御許しを」と願う。天皇は「頼むから、どうか、まげて承知してもらいたい」と発言。天皇から「頼む」とは全く異例のことであった。

 

 鈴木は、自伝で書いている。組閣当夜のラジオ放送で「国民よ我が屍を超えて行け」と言った。意味は、大命が降った以上、機を見て終戦に導く、そして自分は殺されるということだと。本土決戦派の勢力は強く終戦に導くことは殺されることを意味したのだ。鈴木は、この時、自分はあの二・二六事件で一度は死んだのだと回想したという。日本を救った宰相と言われる理由を確認したいと思う。

 

◇北のミサイルが秋田県男鹿半島西、わずか250キロの海上に落下した。知事は「戦争行為は赦せぬ」と憤り、「戦前なら応戦」と発言した。これは秋田県民の気持ちであり、日本国民の感情である。排他的経済水域であり、日本国土への攻撃と実質的に異ならない。佐竹敬久知事は「これまでと全く局面が違う。秋田が射程圏内に入っている。戦争行為であって許せない。国と連携し、県民の安全を守るために努力したい」と述べている。

 

 何とかに刃物という言葉がある。核という凶器を持ち、追い詰められた狂犬。それを隣国に持つ日本であることを改めて自覚しなくてはならない。平和ぼけした日本人は、それでも遠い他県のことと危機感を持たない。国を守るということを真剣に考えねばならない。私たち一人一人の喉元に匕首(あいくち)が突きつけられているのだ。「戦争は嫌だ」と叫ぶ人々。そんなことは当たり前。国を守ること、子どもたちの生命を守ることは別のことだ。平和はきれいごとでは守れないことを北のミサイルは突きつけた。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 3日 (水)

人生意気に感ず「百合子は日本を変える。地方議会の実態。千代の油断。トランプ失脚」

 

 ◇小池百合子新知事の記者会見を見た。一夜を境に正に天地の差が生じていた。前日まで必死で一票を求めていた一介の候補者が、大東京の知事として千人近い都職員に迎えられ、何百人の記者を前に抱負を語る。これこそ民主主義の真の姿であった。 

 

 新知事の応答は歯切れがよく、語る内容も適切であった。私はそれを見て、選挙戦終盤の状況を思い出していた。池袋駅前の広場は聴衆で埋め尽くされ、押し寄せる大海のようであった。あの光景を見て私は、小池陣営の勝利を確信した。

 

 民主主義の欠陥がよく言われる。衆愚政治のような実態が至る所で現われているからだ、しかし、今回の都知事選は候補者がよければ良い選挙が行われるという好例を示した。小池、増田両候補とも訴える言葉もよく、地に足をつけた戦い振りであった。

 

◇初の女性都知事は好スタートを切った。あとは都議会である。地方議会の形骸化が指摘されて久しい。知事も議会も選挙によって選ばれる二元代表制なのに、どこの自治体でも知事の力が余りに大きく、議会の存在感が薄い。昨日の小池知事が都議会を訪ねた時、「一輪車にならないように」という表現が見られた。

 

 東京都の抱える問題は余りに多く深刻である。都の行政は全国の自治体に大きな影響を与える。リオ五輪の開催と重なったことも不思議な位だ。久しぶりに日本人の心に大きな光がさそうとしている。

 

◇千代の富士が61歳で亡くなった。すい臓がんだという。あんな超人の肉体があっけなくがんに破れるとは信じられない。ウルフの愛称で人気を集めた。亡くなった後、まちの人々は「イケメンだった」と振り返っていた。ぬかったとしか思えない。こんなに医学が発達しているのに。2人に1人ががんになる時代。がんは今や一般病で、かつてほど恐怖の存在ではなくなった。それでも、がんは恐いのだ。千代の死は、改めて国民にこのことを教えた。

 

◇トランプが馬脚を露しつつある。イスラム教徒に対する差別発言を指摘され大統領の資質を疑われていたが、今度は若い頃の数度にわたる兵役逃れが問題となっている。この問題は深刻なのだ。あのケネディ大統領が太平洋戦争で戦って海に投げ出された話しは有名である。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 2日 (火)

人生意気に感ず「8月5日・『前橋大空襲』、『未来への警鐘』、二つの紙芝居。19人殺人鬼」

 

◇8月が始まった。日本人にとっては、毎年8月は胸を焦がす熱い月である。8月5日は前橋大空襲。夜、10時30分。92機のB29の爆撃で前橋は焼土と化した。私は4歳で県庁の近く、曲輪町に住んでいた。母に手を引かれ、前橋公園を横切り、今の幸の池の崖に掘られた防空壕に避難した。死者は535人。一夜明けた前橋の光景は一変していた。国破れて山河あり城春にして草木深し。あの杜甫の誌を思わせる死の世界が広がっていた。あれが私の人生の一つの原点であった。

 

◇8月5日、私は紙芝居「前橋の一番熱い日」をロイヤルホテルで実演する。物語は私が書き、絵は秋葉二三一さんが描いた。防災訓練の場面で次の会話がある。「おかあちゃん、戦争負けるの」、「しっ、それを言ってはいけません。必死で戦い抜くのよ」。これは、当時の私と母を想像して書いたもの。

 

◇19人を殺した容疑者植松聖の変身した姿は人間とはかくなるものかと思わせる。学校の成績もよく明るい若者が、身体中に刺青をし、護送される車の中で不気味に笑っている。とらえられた一匹の野獣ではないか。ジキルとハイドの物語がある。性善説と性悪説の対立もある。人間には、本来、いずれにも変化する要素が潜んでいる。ゲームやスマホで育つ子供たちは、機器によって育てられ、自ら機械のようになっている。この流れは止められないのか。

 

 私は鉄腕アトムと共に育った。科学の子、お茶の水博士、これらは夢の存在だった。今やロボットは子どもたちにとって夢ではない。ロボットが仕事を奪い、人間がロボットにとってかわられる時代が目の前に迫っている。71年前、焼土の中から立ち上がった私の子ども時代が懐かしい。

 

 紙芝居の目的は、手作りの物語で機械に挑戦し、心の元気を取り戻すことだ。第二作も既に出来た。「未来への警鐘」である。最近の異常気象を地球の温暖化と結び付けて漫画にした。ギラギラ燃える太陽の中に閻魔大王の顔が描かれている。「世界で一番貧しい」と言われた前ウルグアイ大統領ムヒカの顔が画面いっぱいに描かれ、「生き方を変えよ」と訴える。私は県会議員から紙芝居おじさんに変身した。8月27日の「ふるさと塾」は、鈴木貫太郎を中心に、御前会議、ポツダム宣言などを語る。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 1日 (月)

人生意気に感ず「百合子圧勝。闘将木檜三四郎の碑。その孫英子さんに会う」

 

 ◇この文は、土曜日の夜に書いている。興味深く注目してきた都知事選が終わったのだ。長い選挙期間であった。候補者は様々な思いで、選挙終了の瞬間を迎えた筈だ。私は自分の長い選挙の歴史を振り返って、三人の候補者の姿に重ねる。 

 選挙の期間中、時代は激しく動き様々なことが起きた。これらも天下大乱の時の選挙に影響を与えたに違いない。アメリカの大統領選ではクリントンが初の女性大統領候補になった。小池百合子を励ます力強い援軍だろう。鳥越は精彩を欠き腹に力が入っていないように見えた。文春、新潮二つの週刊誌報道がボディブローとして利いたのだろう。増田、小池の戦いで、自民公明の組織票も巨大都市の無党派の数に比べたら巨人と小児の差ではないか。選挙は選挙戦といわれ、戦いである。古来、戦いを制する要素には、地の利、人の和、天の時があると言われてきた。これらは、小池に味方しているように思える。私のこの文がブログに載るのは月曜日である。

 

◇7月31日夜、8時を打つと同時に共にテレビは小池百合子の当確を報じた。予想された結果だった。史上初の女性都知事、小池百合子の満面の笑顔が一際輝いていた。勝者が御礼を感動で語り、敗者がお詫びする。いつもの慣例の光景が続く。都連会長の石原伸晃氏は逃げるように去って行った。

 

 小池の291万余に対し、増田は179万余で、その差は百万以上、圧倒的な勝利である。

 

◇29日金曜日午後、私は吾妻郡原町の顕徳寺へ飛んだ。真言宗の寺で、目的は木檜三四郎の頌徳碑。木檜は吾川と号し、吾川将軍と呼ばれて人々から慕われた反骨の政治家であった。

 

 碑文を時間をかけて注意深く読んだ。「人間、不幸は疾病に如クハナシ。中ンズク、癩患を以テ最ト為ス。親朋厭棄シ、世人顧ミズ。苦恨尤モ甚シ。是レ仁政の怱ニスベカラザル所ナリ・・・」と刻まれ、木檜が草津の栗生楽泉園創立に力を尽くしたことが称えられている。文は終戦の詔勅に筆を加えたと言われる高名な陽明学者の安岡正篤による。

 

 実は今、小説「癩の嵐(仮題)」を書いているが、その中で木檜三四郎を登場させる。小説でも描く、大正8年の群馬県議会は木檜の発言を巡って荒れた。木檜は「知事は政友会の知事として群馬県に来たのか、それとも群馬県知事として来たのか」と迫った。大芝惣吉知事は歴代知事の中で最も露骨に政党色を出した人物。「問題外発言、中止させろ」、「だまれ、私の質問だ。問題外ではない」。議場は騒然となった。私はこの日、原町にある木檜邸を訪ね、90歳の孫、英子さんに会うことが出来た。とても年に見えず、大変美しい方であった。時を超えて、木檜三四郎が目の前に現れたようだった。まだ車を運転されるとのこと。(読者に感謝)

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »