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2016年7月16日 (土)

小説「楫取素彦物語」第142回

 

「道徳教育に力を入れよう。気付くのが遅かった。西洋の進んだ知識や科学は万能ではない。日本人の心を守らねばならない。日本人の心までが西洋文明に屈することは、日本が外国に服従するのに等しい。松陰殿が死の直前、身たとい武蔵の野辺に朽ちるとも留めおかまし大和魂と言ったことが思い出される」

「あなた様、道徳教育のために感動させる人物の物語を易しく書いた教科書を作ったらいかがでございましょうか。私は熊谷県の時、獄舎で法話をしました。あの時、兄松陰の話をしたら人々は真剣に聞いてくれました。獄の人々の心も子どもたちの心も同じだと思います」

「あの時の寿様のお話、本当に感動いたしました。私は、英雄、偉人の人物の紹介なら、西洋の偉人を取り上げても構わないと思います。弊害は表面的に西洋優先を受け入れることなのです。日本の偉人を心に植える。その上で西洋の偉人も心に植える。日本を誇ると同時に西洋も尊敬する。こういう広い心を子どもたちに育てるのです。今、心配なのは西洋一辺倒の文明開化なのです」

行薫の言葉には熱がこもっていた。法話を続ける中で文明開化の行き過ぎを肌で感じていたからだ。

「見えてきたぞ。道徳教育の教科書の姿が。最速、とりかかることにいたそう。私には群馬の道徳教育の頂きが見える。そこに至る道筋が見える。教育県群馬の姿が見えてきた」

 

※土日祝日は、中村紀雄著【小説・楫取素彦】を連載しています。

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