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2016年2月 6日 (土)

小説「楫取素彦物語」第91回

伊之助は、にわかに忙しくなった。長州は新たな勝利者となり、時代の寵児になりつつあった。諸藩の藩主など訪れる者が多くなり、伊之助は応に追われた。広島にける対幕府の応接は特に重要で、長州の威信を示しつつ深慮が求められた。正に伊之助の正念場であった。そんなある日、広島の伊之助の宿舎を幻馬が訪ねた。

「やりましたな。幕府の惨めさは絵にかいたようだ。幕府もこれで終わりですよ」

幻馬は満面笑みにして言った。

「あなたには随分助けられた。情報の大切さを知りましたぞ」

伊之助はそう言って幻馬の手を固く握った。

慶応三年一月、幕府は征長休戦の勅許を諸藩に布告し、ここに正式に対長州戦、長州から見れば四境戦争は終わった。

 

 

 楫取素彦の登場 再会

 

 

慶応三年九月二五日、伊之助は藩の奥番頭に抜擢された。同日藩主毛利敬親は伊之助を呼び出して言った。

「そなたはよく頑張った。礼を言うぞ。大きな時代の転換だ。ついては、以後、楫取素彦と名乗るがよい」

「ははー。ありがたいお言葉。身に余る光栄です」

伊之助は感激して言った。

藩を背負って立つにふさわしい名を与えられたのだ。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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