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2016年1月15日 (金)

人生意気に感ず「97歳の亀作さん、地獄を語る。インドネシアの連続テロ」

 

 ◇昨日、約束に従って岩田亀作さんに会った。97歳の老人は身軽に動いて茶を入れた。テーブルの上に私が書いた「今見る地獄の戦場・ニューギニア」が置かれている。数年前、百歳まで頑張って下さいと言ったことを踏まえて、「105歳迄」と言ったら、「両手を広げて、あと十年」ときっぱり。そして、「戦友が皆亡くなりました。私は、何度も死にましたよ」と笑いながら、話は自然とニューギニアに。 

「また、3月2日が来ます」、「ダンピールですね」亀作さんは頷いて語り出す。制空権は既になく敵機のなすがまま。旭盛丸の横腹に空いた大穴から死体をかき分けて飛び込む。振り返ると船は船尾を上にして大きな渦をつくって沈んだ。亀作さんは角材にすがって3時間泳いで救われた。「サメに食われた人もいた」、そう語る亀作さんの瞳は燃えているようだ。昨日のことのように地獄の戦場が甦っているに違いない。この海で3,663人が死に、岩田さんの部隊でラエに上陸できた者は11名。私は平成13年10月、慰霊巡拝でニューギニアを訪れ、ダンピール海峡に近いラエの追悼式に出た。

 

 次に話は、ラエの野戦病院に。亀作さんは衛生兵。尾のついた大きな蛆が真っ赤な肉の中をうようよ。壊疽の人が続出。麻酔がない中、数人で押さえつけてノコギリで大腿部切断。遂に玉砕命令が下る。「毒殺の話ですね」、「そうです。重症者はお前の部隊に何名かと問われ、約200と答えると、毒殺しろと薬を渡されました」、命令は、「病兵に至るまで立ち上がり斬り死の覚悟をせよ。生きて捕虜となる者、一人もあるべからず。一兵に至る迄徹底すべし」亀作さんは命令に従がわず薬を埋めた。何十人かは助かったと振り返る。「いい人生でしたね」と言うと亀作さんは嬉しそうに笑った。3月21日、叙勲の祝いの話をすると、出席すると言ってくれた。

 

◇インドネシアのジャカルタで連続テロとは。ショッピングモールなど複数の商業施設が狙われ7人が死亡。「イスラム国(IS)」の予告があった。警察はパリのテロの模倣と言っている。日本も商業施設などを狙われたら防ぎようがない。ISは追い詰められているようだが潜在的勢力は世界に広がっているのか。インドネシアは人口約2億5千万人。そのうち88%がイスラム教徒。ほとんどは穏健派なのだ。日本にも過激なイスラムの影が近づく。(読者に感謝)

 

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