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2016年1月31日 (日)

小説「楫取素彦物語」第90回

 幕府は、この状況の中で停戦を画策した。惨めな敗北を避けるためには停戦が良策と考えたのだ。そこで、拘禁中の伊之助らを解放し、停戦の周施に当たらせようとした。慶応二年七月三日、伊之助は無事山口に到着し、家老に幕府の停戦希望を伝えたが長州はもとより応じなかった。

伊之助が長州に帰着直後、幻馬から手紙が届いた。

大阪城内で何か異変があるようです。将軍家茂の病状が悪化しているらしい。情報に注意し対応を計ることが肝要です」

とあった。

老中が停戦を急ぐ理由と関係があるかも知れない

伊之助は思った。

敬親公に情報を伝えると、

いずれにせよ、幕府軍の指揮は全然上がっていない、勝利は確実であり目前だから最後の力を結集して頑張らねばならないぞ

と敬親公は強く言い放った。その旨は全軍の指揮官に伝えられた。

この月に将軍家茂は大阪で病没した。八月、将軍死去のため征長停止の勅命が幕府に下る。そして、この月、幕府は一方的に止戦を告示した。この年、暮れも押し迫った十二月二九日、孝明天皇が死去した。徹底した外国人嫌いの天皇であった。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2016年1月30日 (土)

小説「楫取素彦物語」第89回

四境戦争

 

 

やがて、長州軍対幕府軍の戦闘が開始された。慶応二年六月七日のことである。大島口、小瀬川口(芸州口)、石州口、小倉口の四つの国境で戦われたので四境戦争と呼ばれる

幕府は第一次征長の時と同様、簡単に制圧できると考えていたが、長州軍は強かった。幕府に対して戦うことは朝廷に尽くすことであり、ここで負ければ長州はなくなると、長州の人々は皆決死の思いで燃えた。

「女ながらも武士の妻、まさかの時はしめだすき・・・」

当時、このような歌が流行った。女までもが様々な形で戦争に参加したのだ。

寿のことろへ、幽囚の夫から文が届いた

「大勢の臣下の中から特に選ばれて、重要な役目を果たしている。お前も、松陰の妹、私の妻であることに恥じない振舞いをしてくれ」

寿は烈婦と言われた激しい気性の女。まさかの時にその本分を発揮した。夫が野山獄に入れられた時も命がけで頑張ったが、今度は状況が違った。砲声が轟き人馬が走る。

この祖先から受け継いだ地を敵に渡してなるものですか皆さん頑張りましょう」

寿はこう言って、軍器鋳造のために家にあるあらゆる鉄を献上し、一族の子弟を激励した。寿の姿は近隣の人々の心を大いに燃え立たせた。

女や子どもまでが応援する陣営は強い。一方幕府軍には兵士を燃えさせる大義はない。長州軍は各地で善戦した。特に石州口の戦いでは大村益次郎の指揮の下、長州軍は連戦連勝した。その陰には、伊之助が長崎で買い集めた新式銃の威力及び薩長同盟に基づく薩摩藩の援助があった。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

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2016年1月29日 (金)

人生意気に感ず「甘利大臣の辞任。北の核、南も核。止まらぬ虐待死」

 

◇甘利大臣が電撃的に辞任した。第二次安倍内閣以降で4人目。いかにも多い。甘利大臣は50万円を2回受取り、これは収支報告に記載。秘書が500万円受取り200万円を報告書に記載し、300万円は秘書が「誘惑に負け」て使ってしまったとされる。これは政治資金規正法の虚偽記載だ。

 

 こういう秘書は他にもいるだろうと思ってしまう。秘書の行為は業務上横領罪に当たるだろう。大臣は記者会見で、「政治家としての矜持(きょうじ)に鑑み」という言葉を使った。矜持とは誇りの意。後任は石原伸晃氏。この人の言動を見てきたが軽い感じがする。急なことで身辺調査に時間をかけられないという事情もあったろうが、案外、人材不足なのかも知れない。順調に進んできた安倍政権だけに残念だ。「矜持」を口にするからには、秘書を告発すべきだ。そこまでしないなら、甘利大臣が更に疑われることになる。それにしても大臣室で現金を受け取るとは、信じられないことだ。

 

◇北朝鮮から緊迫した空気が伝わってくる。「水爆成功」と発表し、今度は長距離弾道ミサイルの発射準備をしているらしい。韓国は隣接しているだけに、北の「凶器」への恐怖を一層強く感じているに違いない。対抗するために韓国が核を持つようになれば、それは日本にとっても大きな影響を及ぼす。

 

 韓国最大手の朝鮮日報は「自衛策として最小限の核保有を公に議論するほかない」と主張した。日本国内にも、自衛のための核武装を主張する者がある。日本は、冷静に平和憲法の基本を貫かねばならない。

 

◇身長195センチの男が3歳の児童を虐待死させた。20代の母、同居の内縁の男。先日、同様のパターンがあったばかりだ。母親はなぜ必死に止めなかったのか。我が家の愛猫トコも子がいるときは近づく犬に突っ込んで行った。

 

 男は、幼児が「がんをつけた」からと言っている。かかと落としをし、ボウリングのように投げたとされる。男は暴力団の組員。子を守れなかった母親の責任も大きい。

 

 背景には簡単に結婚し、すぐに別れる今の結婚状況がある。20代のシングルマザーが非常に多いようだ。そこで育てられる子どもこそ被害者で可哀想。貧しさの中で、多くの兄弟がいて、喧嘩したり、分け合って食べたりしていた時代が懐かしい。日本が底知れない闇に沈み込んでいく恐怖を感じる。(読者に感謝)

 

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2016年1月28日 (木)

人生意気に感ず「トイレなき高級マンション・原発。刑務所と認知症。DV。料理を始めた」

 

 ◇「トイレのない高級マンション」、これは放射性廃棄物の処分場がない、日本の原発の状況を指した表現である。東海村の村長は、原発敷地内の埋設容認の考えを示した。原発立地自治体首長の容認は全国初。 

 福島第一原発事故を受けて原発の運転期間は40年とされたことから、今後、廃炉とされ解体される原子炉は57基。この中でも、最も危険な燃料棒やこれを包むコンクリート片などがある。これらを何千メートルも深い地層の中に埋める考えがあるが、それでも限界がやってくる。このことを考えると、原発は先の見通しが立たない暗闇の中にある。それでも日本は原発を続け、原発を世界に輸出するのか。それは、「絶望」の輸出ではないか。

 

 「3・11」から5年。世界を揺るがした原発事故を「天の諭し」ととらえるなら、日本は原発ゼロに向けて舵を切るべきではないか。安倍首相は、施政方針演説の中で、「再生可能エネルギーの大胆な技術革新、最大限の導入を進めてまいります」と表明した。この表現には、将来、原発を限りなく少なくしていくという決意が秘められていると解したい。

 

◇高齢化の進行は刑務所の中も同様である。法務省は13%超の受刑者に認知症の傾向があると発表した。これは、刑務所が大変な課題を突き付けられていることを意味する。刑を科する目的は社会から隔離することだけでなく、「矯正」にあるからだ。受刑者を人間として扱い、社会復帰させるために、受刑者の認知症対策は喫緊の課題である。刑務所が老人施設になると言って笑っていられる問題ではない。

 

◇恋人間DVについて思うこと。恋人間の暴力について裁判所が発した保護命令が約2年間で443件に達した。氷山の一角に違いない。同居する未婚の恋人間の暴力が多いことを示す。

 

 一方、高校生など、同居していない被害者は保護の対象外で早急な対策が必要なのだそうだ。男女間では、性的な関係に入ると、暴力が現れる。人間か動物か。理性と倫理観で動物を抑えられぬ人が多いに違いない。同居の恋人によって、幼児が虐待されることも関係あることだ。

 

◇週に2回程、食事を作ることを妻に約束した。妻の喜びようは大変。スーパーで買い物して実行した。料理の本も入手。意外に楽しいのだ。昔、菓子の製造をしていたことが甦る。(読者に感謝)

 

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2016年1月27日 (水)

人生意気に感ず「陛下のフィリピン訪問。教科書採択と謝礼。号泣県議の法廷」

 

 ◇両陛下がフィリピンの空港に降りられた。フィリピンは先の大戦で最大の激戦地だった。ルソン、レイテ、ミンダナオなどで約52万人の日本軍が死に、フィリピン人も約110万人が犠牲になったと言われる。国土を蹂躙されたフィリピンで反日感情が燃え上がるのは当然だ。それを乗り越えて友好関係を築いてきた。今年は、国交正常化60年の節目。天皇の訪問で友好関係が大きく盛り上がることに驚く。天皇が日本国民の象徴であることを海外は我々が考える以上に重く受け止めている。 

 フィリピンは戦国時代以来、日本と関係が深い。同じ民主主義の価値観を共有し、今後の日本にとっては特に重要だ。対中国を考える時、日本との連携は安全保障の上でも欠かせない。地球温暖化が進む中、南の国の自然災害がよく伝えられる。日本との協力は様々な面で重要なのだ。

 

◇受動喫煙禁止の動きが、東京五輪・パラリンピックに向けて更に強まる。他人の出す煙を吸わされ、健康被害を受ける。禁止は当然なのに長くかかった。「たばこのない五輪」の実現に向けた新法制定が検討され始めた。全面禁止などの具体策を取らない公共施設や飲食店に罰金も科されるようになる。旦那がパチンコから帰ると臭くなるとこぼす奥さんは多い。パチンコ屋などは真先に禁煙すべきではないか。

 

◇教科書業界の乱れは教育界の乱れである。小中校の教科書を発行する出版社にとって自社の教科書が採用されることは最大の課題に違いない。検定中の教科書を教員に見せ、いろいろな名目で金品を配ることが驚くべき規模で行われていた。最大手の東京書籍は2千人を超える教員に謝礼を渡した。よりよい教科書をつくるという検定制度の根幹を揺るがし、教育行政への信頼を壊し、ひいては日本の教育を傷つけることになる。教員の倫理観が疑われる問題だ。受取りを断った教員もいるという。文科省は、金品を受け取った教員を教育委員会に伝えるという。多くの教員が戦戦恐々ではないか。教委は厳正に対応すべきだ。

 

◇号泣県議の公判に長蛇の列。政務調査費913万円の詐取で詐欺罪の容疑。それにしてもあの号泣は異常。県会議員は同類かと思われたらたまらない。有効に使うことが出来ず、帳面づらを合わせる政治家が多いのは事実だ。肝を冷やした議員が多いとすれば、「号泣」の功績かも。(読者に感謝)

 

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2016年1月26日 (火)

人生意気に感ず「首相の施政演説。ジャポニウム誕生か」

 

 ◇首相の施政方針演説は私たちの羅針盤だ。首相は150年前の幕府は「挑戦」の意欲がなかったと批判。150年前といえば、薩長同盟が出来、長州征伐が始まり、幕府は滅亡の坂を転げ落ちていく。内憂外患と言われた。今日と似ている。危機を乗り切るのは挑戦の覚悟。その力は地方から生まれると訴える。それが「地方創生」である。 

 私が県議の時から地方分権、地方改革が叫ばれてきた。その目的は地方の特色を生かして地方をつくることだった。それは「地方創生」に他ならない。沸き立つ世界情勢の中で、地方創生の新たなチャンスが到来した。世界の変化を地方が呼び込んで、地方の特色と結びつけて地方の活力を生む。

 

 その材料が、TPP、新しい農業、中小企業、観光などだ。これらを生かして地方を創るためには、中央任せでは駄目で、地方が自主性を発揮しなくてはならない。それが地方分権である。

 

 TPPは、太平洋を囲む巨大な経済圏をつくることになる。それを支えるものが、新しい農業であり、地方の企業、つまり中小企業であり、観光産業だ。日本の農産物は世界の信頼を集めつつある。日本の社会、地方の自然と歴史を世界の人々は驚きとあこがれの目で見詰め始めた。平和とおもてなしと日本の伝統文化が観光をしっかり支えている。日本の売りは表面的でないから、今後、観光は増々発展するだろう。しかし、それを支えるのは人であることを訴えたい。金儲けに心を奪われるなら必ず失敗する。国際化を支える力は人、そして、観光を支えるのも人であることを忘れてはならない。国際化教育は、外国語だけでないことを強調したい。

 

 安倍首相の施政方針は、人の問題として、「一億総活躍への挑戦」を掲げるがそれを支えるものは教育である。教育の視点が薄いと思われる。

 

◇日本で誕生した新元素。その名称がどうなるかに世界の注目が。万物の構成要素となる元素。日本の基礎科学がそれを可能にした。アジアでは日本だけ、周期表の113番になる。予想される最有力名は「ジャポニウム」。元素、周期表などの知識を、今、教育で教える絶好のチャンス。元素名で、国名を用いられる例は多い。その例として、ドイツのゲルマニウム、ロシアのポロニウムは有名だ。(読者に感謝)

 

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2016年1月25日 (月)

人生意気に感ず「女子高生と覚せい剤。増える虐待。母性喪失。川柳とアベノミクス」

 

 ◇女子高校生の世界に何が起きているのか。岐阜県の県立高1年の女子生徒が覚せい剤所持で逮捕された。覚せい剤3グラムと注射器13本を所持し、腕に注射痕、尿反応があった。実態と背景がやがて分かるだろう。暴力団との関係は、特異な例なのか、それとも、高校生の間に広がっていることの現われなのか。 

 薬物は恐い。人間破壊に至る。教育界は、他山の石と受け止め警戒を強めるべきだ。

 

 私は、薬物依存からの脱却支援組織ダルクを支援している。地元の芳賀中で体験を語ってもらったことがあるが、一度依存症になると完全に抜けることは不可能、初めは遊び心で始めた等のこと。脳の奥に悪魔が棲みついてしまうらしい。ある暴力団が語っているのを読んだ。「女を沈める」と表現。注射により奴隷の存在にすることを意味する。何と恐ろしいことか。少女は母性につながる。母性教育を中学あたりから行わねばならない。それは道徳教育の役割だろう。

 

◇埼玉県のマンションで、今月、3歳の羽月ちゃんが顔に火傷を負って、放置され死亡した。22歳の母親と24歳の内縁の夫が保護責任者遺棄容疑で逮捕された。シングルマザー、内縁の夫、虐待死、余りに多いパターンである。以前、冷蔵庫のものを食べ尽くし餓死した幼児のケースがあった。若い母は遊び惚けていた。

 

 今回のケースでは内縁の夫がお湯をかけた、二人の虐待行為は日常的で、「根性焼き」、「リストカット」の痕も。近所の通報で警察が駆け付けた。保健センターは母と5回も面談した。なぜ察知し防げなかったか。

 

 母親は16歳から水商売、十代で結婚、ホストクラブでの遊び、内縁の夫は元ホストの配管工という。似たようなパターンが余りに多い。享楽の社会に溺れる少女を救うにはどうしたらよいか。判断力の欠如は生きる力の欠如、家庭が崩れ、教育が崩れ、社会が崩れ、と負の連鎖が続く。報じられるのは氷山の一角か。

 

◇暗い世相の中でほっとさせる川柳。オリックスがマネー川柳、入賞作を発表。「好景気 日本丸より 五郎丸」、「北陸へ レールでつなぐ 好景気」、「むかしダウ いま上海で 風をひき」

 

◇首相は、富山、金沢を貫く北陸新幹線を敦賀へ延伸し、大阪へつながる回廊をつなげ「地方創生回廊」を創り上げ、地方から好景気を盛り上げていくと施政方針で述べた。(読者に感謝)

 

 

 

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2016年1月24日 (日)

小説「楫取素彦物語」第89回

「吉田松陰が描いた夢が近づきつつあると伝えよと申されました」

 

ほほう、幻馬殿がそのように。松陰の魅力に引かれたといわれたことが思い出される。ありがたいことだ。この伊之助、松陰の死を決して無駄にはしません。また、幻馬殿の熱い心決して無駄にはしない、この伊之助がかよう申していたと幻馬殿にお伝えくださいませ

 

「はい、お綱、しかと伝えます。お綱、女の身で、身に余る大役を果すことが出来ました。こんな嬉しいことはございません。伊之助様、危険があふれている火の中でございます。十分用心されて、お仕事に励んでください

 

お綱は入ってきた時より丁寧に頭を下げ去って行った。小さな部屋に女人の香が微かに漂っていた。一陣の涼風が去り、我に返った伊之助は再び厳しい現実に立たされた。

 

 

 

老中小笠原長道は、怒りをあらわにし、声を震わせて言った。

 

宍戸備後助と小田村伊之助には不審のあり拘禁せよ」

 

二人の拘禁が伝わると藩内に怒りの炎が広がった。

 

使者を拘禁するとは何ごとだ。戦の作法に反するではないか」

 

幕府の卑劣な行為に対して長州藩内は打倒幕府に火がついた。

 

伊之助にとって二度目の入獄であった。

 

やけになっている幕府が何をするか分からない

 

異様な雰囲気の中で、伊之助は今度こそはと死を覚悟した

 

 

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

 

 

 

 

 

 

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2016年1月23日 (土)

小説「楫取素彦物語」第88回

幕府は広島藩を拠点にして、山口藩を厳しく審問、尋問を行った。征長令を発したとはいえ、その口実を固める必要があったのである。伊之助は七時間に及ぶ大目付の厳しい尋問に耐えた。

伊之助たちは、問答案を作り十分に準備していたのである。

伊之助の下へは幻馬から情報が寄せられていた。

ある夜、伊之助の宿舎に突然お綱が現れた。御高祖頭巾は付けず、普通の町家の娘が商用で訪れたと見える様子であった。

「お久し振りでございます」

お綱は両手をついて言った。変身して見える姿が美しい。伊之助はお綱の笑顔に戸惑った様子で、

「幻馬殿は健在ですか」

「はい、馬様と連携され、今こそ、正念場と申され、日夜走っております」

「そうか。松陰がかつて、幻馬殿のことをしきりに謎の男と申したが、私は今はそう思わなくなった。謎には違いないが、単なる謎でなくその下にある確たる基盤を信じております」

、幻馬様に伝えます。お喜びになることでしょう」

「して、この度の用向きは何ごとですか」

「はい、しかと届けよと言われ預かってまいりました、これを」

お綱はそう言って帯の下から取り出したものを渡した。

「薩長同盟が成りました。同盟書にないことで重要なこともある、馬様より聞いたことをあなた様に伝えるのだと申しました」

「そうですか。今の私の御役目にとって、非常に重要なことに違いない。ありがたい

「それから、これは書面にないこととてお前の口から伝えよと言われたことがございます」

「ほほう、何でか」

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2016年1月22日 (金)

人生意気に感ず「甘利大臣の秘書と文春。NHKの醜態。鬼畜の母」

 

 ◇文春の記事を読んだ。一読して思うことは、甘利大臣の二人の秘書は軽率で質が悪い。内閣の重鎮の大臣がこのような秘書を使うことが考えられない。書かれていることが事実であればのことだが。そういう雰囲気が伝わってくるのだ。もう一つは悪い業者と軽々に付き合ったこと。週刊文春の取り上げも甘いようだ。グラビアの写真は決定的なものではない。大臣室で大臣と業者、秘書と業者の対面、官庁へ秘書と同行。これらはよく見られる陳情の風景と変わらない。ただ、文春で取り上げられたこと自体が大きな意味をもつ。甘利大臣は説明責任を負うことになった。 

 秘書の着服、収支報告書不記載、政治資金規正法違反などが問題になるだろう。「国交省の局長に渡す商品券5万円を用意してくれ」、「商品券は局長に渡った」等言っている。野党が喚問や審議拒否の戦術に出れば国会の日程の関係で政権は窮地に陥るから説明責任を果たせぬまま辞任に追い込まれることも。産経大臣といえば利権が集中する。秘書の口利きのポーズが大きな意味をもつ。秘書は、その気になればすれすれの所で甘い汁を吸える立場にある。秘書を厳しく管理することは大臣の力量と資質である。

 

◇NHKのアナウンサーが危険ドラッグで逮捕された事件は何を物語るか。NHKは国民が納める毎月の料金で支えられているという厳粛な事実を忘れたものではないか。タクシーチケットの私的利用も批判された。これらは潤沢な資金に胡坐(あぐら)をかいているという感じを与える。小さなことは大きなことの象徴だ。

 

 350億円の用地買収計画は相場の倍近いことや放送法抵触が指摘された。トップの品格が巨大組織の隅々に影響を与えることは否定出来ない。籾井会長のあのとぼけたような表情からはNHKの品格と知性が伝わらない。

 

 問題となっている料金不払いが広がるだろう。それよりも、最も重大なことはNHKの使命と役割だ。NHKの力は凄いと思う。良質な企画によって的確に情報を提供する姿は日本の民主主義を支えるものといっても過言ではない。金城鉄壁も蟻の一穴からという。職員の志気の低下と謙虚さが失われていくことを恐れる。

 

◇また幼児の虐待死。いつものパターン。10代で出産のシングルマザーは水商売。元ホストの内縁の夫と共に湯をかけ、根性焼き等。母子を支える実家の縁も切れているのか。人間性喪失の一断面だ。(読者に感謝)

 

 

 

 

 

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2016年1月21日 (木)

人生意気に感ず「甘利大臣の疑惑の行方。爆買いと中国人の実情」

 

 ◇今日の国会審理は、甘利大臣の「政治とカネ」で荒れそうだ。TPP、参院選への影響が心配だ。週刊文春が疑惑を取り上げた。建設業者から口利きの見返りとして1200万円の金を受け取ったとされる。 

 TPP関連法案は今国会最大の山場。甘利大臣は難しい交渉によく対応してきた。TPPの解決は安倍ノミクス推進のカギ。肝心な議論に入らず、疑惑追及に時間が割かれるだろう。今の国会の論戦を見ていると、野党は安倍政権に歯が立たない。そんな野党にとって、看板大臣、そして、政権の屋台骨の疑惑は天の恵みだろう。

 

 最近、佐田代議士の女性問題がまた週刊新潮に載ったが、それほど騒がれない。次元が違うのだ。真偽は分からない。進退問題に発展するか見守りたい。

 

◇2日間にわたる大雪は異常だった。どの道路も延々とした渋滞。異常気象の一場面だ。夏には集中豪雨が常態化していたが、それに冬の低温が重なれば、このような豪雪となる。事故が多発した。事故の大部分はノーマルタイヤだという。私は連日外出したがスノータイヤでよかった。北海道などは35m超の風速で巨木が倒れるなどの凄い被害。先日の震度5弱の地震と共に、今年の天下大乱を予想させるような自然現象である。今年は、人間界、自然界ともに何か起きる気がする。

 

◇明るいニュースといえば、空前の外国人観光客。その中でも中国人の爆買いが一際目立つ。それも中国経済の最近の低調から行先を危ぶむ見方がある。

 

 昨日、信頼出来る在日中国人が最新の中国事情を語った。慧眼の持ち主は中国が心配だと語る。爆買い現象は中国人が自国を信じないことの現われ、現在の中国人は国を信じない、人を信じないという状況が蔓延しているという。習政権は腐敗の追及を徹底して進めている。そのマイナス効果として、公務員は積極的な行動を控えるというのだ。何か頑張ると賄賂を疑われるからだ。「一党独裁は不変か」と質問したら、「中国の歴史で、漢でも清でも、崩れなかった政権はない」とこの男は語った。激変する世界の中で日本は特異な立場にある。西欧の価値観が壁に突き当たり揺れている。東洋の伝統と歴史を西洋の価値と調和し得るのが日本。そのために、日米同盟は重要だ。かつて、日英同盟で危機を乗り越えたことが想起される。(読者に感謝)

 

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2016年1月20日 (水)

人生気に感ず「阪神大震災を見詰めよ。廃棄食品流通の深い闇」

 

 ◇阪神大震災から21年が過ぎた。あれは平成7年(1995)、1月17日だった。6,434人が犠牲になった。多くの教訓を残した筈だが、それを活かせぬ間に、「3・11」を迎えた。そして、現在、同様な都市型大災害、例えば首都直下地震などが近づいている。今、改めて阪神大震災を見詰めなおす時。その上で「3・11」東日本大震災をしっかりと受け止めるべきだ。 

◇私は、平成8年に出版した「炎の山河」の冒頭、次のように書いた。「オモチャのミニチュアが子どもの小さな指の一突きで押し倒されたかのようにあっけなく横倒しになっている高速道路があるかと思えば、五十年前のB29による爆撃の惨状はかくやと思われるようなペチャンコになった家々がある」

 

◇あの大震災は日本社会の一大転換点だった。自己中心と言われた若者の驚く程多くがボランティアで救済活動に参加。若者を中心としたボランティアの数は1年間で延べ120万人と言われ、NPO法成立の契機となった。平成12年度の「国民生活白書」は、主題を「ボランティアが深める好縁」として、阪神大震災が提起する問題を取り上げている。

 

 大災害対策で重要なことは地域の連帯である。現在、地域の連帯が崩れ、人々の心は貧しくなり、騙し合いの社会になっている。しかし、「阪神大震災」が教えたことは、日本の社会の底流には凄いパワーが秘められているということだ。このことを、今始まろうとしている大災害の時代に生かすことを考えねばならない。

 

◇廃棄処分された冷凍食品が、産廃業者を介して、大規模に食品として流通されていた実態が明らかになってきた。なぜ、このようなことが企業の方針としてなされたか不思議に思う。企業倫理の欠如は言うまでもないが、ばれない筈がない馬鹿げたことがなぜなされたか理解し難い。このような企業は、食品を扱うということもあって、社会的に存続を許されないであろう。

 

◇廃棄食品は、産廃業者・ダイコーから「みのりフーズ」が仕入れ、「みのりフーズ」が横流ししたとされる。これら廃棄食品の中には前橋、高崎に製造元がある食品も見つかっている。両市以外では24の自治体があるという。最も古い賞味期限は2007年だというから9年前に切れていた。深い闇に繋がっている。(読者に感謝)

 

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2016年1月19日 (火)

人生意気に感ず「花燃ゆ記念講演で大河を批判。冷凍食品の横流し。危険ドラッグ、懲役8年」

◇16日、県庁舎ビジターセンターで楫取の講演をした。「花燃ゆ」終了の記念講座。満席の聴衆は熱心に耳を傾けた。私は、冒頭、山口県のある住職のコメントを紹介。今年の年賀状に次のようにあった。「大河ドラマは脚色されたものであると承知していても、史実の厳しさが伝わっていない感じを受けた。花燃ゆは心残りでした。寿さんの存在感が薄くガッカリ」。文を主人公にしたことに無理があったと思う。視聴率が最低だったことには、それなりの理由があったのである。

 私は2年程前、萩の明倫小と陳東小で講演したことと、生徒の感想文を紹介した。そこには、「楫取さんは群馬の風船をふくらませた偉大な人だったんだ、今の日本を楫取さんにならってふくらませていきたいと思いました」、「楫取、松陰・・・など、みな志をもっていてすごいと思いました。私も志をもって頑張ろうと思います」等と綴られている。風船の話は私が今日の日本人の心を語ったことに対応したものだ。

 NHKが楫取を取り上げたことは画期的なこと。これを今後に生かすことこそ私たちの使命。子どもたちの感想文はこのことを強く示唆している。私は、こう語った。楫取が「修身説約」を作らせたことは、極めて今日的問題であると訴えた。楫取素彦顕彰会はこれからが正念場と考えている。

◇職の安全に関する重大事件がまた発生した。「また」というのは、かつて「表示」に関する大問題が発生し記憶に新しいからだ。

 廃棄の冷凍カツが売られていた。芋づるのようにどんどん出て、チキンカツ、メンチカツ、豚のロースカツなど、廃棄対象の品物が横流しされ、スーパーと弁当屋で流通。このようなことが常態化していた疑いが強まっている。関連業者はぼろもうけ。食の安全の実態はこんなものだったのか。中国製品を非難することは出来なくなった。食品は国民の健康と生命に直結する。鉄壁も蟻の一穴から崩れる。

◇久しぶりに「群馬ダルク」の幹部と話した。薬物依存症の体験を芳賀中で語ったことがある。薬物は人間を破壊する。危険ドラッグで暴走し7人を死傷させた池袋の事件で東京地裁は8年の刑を言い渡した。ドラッグは意識障害を生む。裁判所は「走る狂気、極めて危険」と指摘。繁華街の運転だから酷い。(読者に感謝)

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2016年1月18日 (月)

人生意気に感ず「またもや大型バスの事故。ヘイトスピーチ条例のこと」

 

 ◇バスの大型事故が発生。県境に近い軽井沢の碓氷バイパス。15日深夜、14人が死に27人が重軽傷。運転手2人も死亡した。ガードレールを突き破り転落して大木に衝突したバスはくの時に折り曲げたようだ。乗客の大半は大学生。 

 バス会社「イーエスピー」の社長は記者会見で土下座で謝罪。ある遺族は「謝って済むことと済まないことがある、絶対に許さない」と社長に告げた。社長は「誠心誠意対応させていただきたい」と語った。亡くなった14人には、それぞれのドラマがあったに違いない。報道は早稲田大のあるカップルを紹介している。同じゼミ、交際中、周囲がうらやむ「仲睦まじい完璧なカップル」と。

 

 現場の峠は私も時々通るところ。くねくねと蛇行した道路。直前に行政処分をうけたばかりという驚くべきずさんな運行管理。運転手が亡くなったので「死人に口なし」、重要なことが分からなくなった。背景には格安、過当競争、運転手不足という業界の事情がある。とすれば、大事故の危険が伴うバスツアーは他にも多くあるのではないか。

 

 本県では平成24年関越道で7人が死亡する大事故があり、私がいた県議会でも大問題になった。教訓として生かされていなかったのか。国民の精神が総崩れの時代、営利のために目が総眩みの時代、人命軽視、倫理も道徳も地に落ちた時代を象徴する一コマといえる。

 

◇ヘイト抑制条例に注目。大阪市議会が条例を成立させた。HATEは憎む、ひどく嫌うという意。特定の人種や民族を攻撃して「殺せ」などと叫びながらデモを繰り返す行動が社会問題となっていた。ナチスのユダヤ人排斥が連想される。日本には在日朝鮮人や同和の問題があり、最近はイスラム教徒のこともある。危険な兆候が進んでいた。憲法21条の表現の自由に関する問題でもある。

 

◇ヘイトスピーチの定義を「特定の人種や民族を社会から排除する目的で不特定多数の者が内容を知り得る場所や方法によって誹謗中傷する」表現活動とし、違反した団体名を公表する。罰則はなく不十分であるが、一歩として大きな意義がある。市議会では賛成討論中、傍聴席からカラーボールが投げられ混乱した。この問題は一般社会の差別や偏見につながり、教室のいじめにも関連すると考えねばならない。表現の自由の限界と制限の問題でもある。(読者に感謝)

 

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2016年1月17日 (日)

小説「楫取素彦物語」第87回

 第二次征長 

 

「長州藩は伏罪使を出頭させよ」

破れた長州に対して幕府はけじめをつけねばならない。しかし、晋作の挙兵によって正義派が復権を果した長州は幕命に従わなかった。幕府は何度も出頭を命じたが長州藩は藩主の病気を理由に応じない。

藩主敬親は四支藩の藩主たちを山口藩庁に集めて協議した。藩主敬親は言った。

「今こそ、我が藩は関が原以来堅持した藩是を果たす時。そのためには我等は一致結束しなければならぬ。藩祖の三本の矢の教えを最大限に生かすべきです。四藩の結束、つまり四本の矢ですぞ」

支藩の藩主は異議なく幕命には応じないことに意見を一致させた。幕府は長州藩に対する指示命令を隣藩広島藩を介して行った。

表面は恭順を装いつつ、長州の臨戦態勢は進んでいた。長州をめぐる環境は大きく変化していた。何と言っても最大の力は西国最大の雄藩薩摩との連携が進んでいたことである。

今や、長州内の空気には意気軒昴たるものがあった。一方、幕府は長州戦で勝ったとはいえ、その後は長州藩に侮辱された状況となり面目は丸潰れであった。このままでは幕府の威厳は地に堕ち幕府の存続に関わる。遂に幕府は第二次長州征伐を諸国に発令した。慶応元年(一八六五)五月のことであった。

伊之助が縦横に活躍する舞台が展開していった。伊之助はこの時小姓役筆頭人に昇格した。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

 

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2016年1月16日 (土)

小説「楫取素彦物語」第86回

「やあ、突然お呼びだてしてすまない。木戸殿との連絡、大役御苦労でした。まずは一献」

幻馬が伊之助に盃をすすめた。

「私の役目は身に余る大役。長州は、何せ、禁門の変以来薩摩を怨んでおるにちがいないからな

こう話す龍馬の表情は言葉とは裏腹に何も苦にしていない様子である。

「長州は滅亡のに立っている。昨日の敵は明日の救いの神。馬よ、おはんには似合いの役

「幻馬殿は簡単に申すが、この酒も、飲み納めになるかも知れぬことだ。は、は、は」

馬は豪快に笑った。

「神に祈る心地ですぞ。その後も木戸には何かと情報を伝えて準備を進めています。幕府の密偵も神経をとがらせている。不心得な刺客にも十分気をつけてくだされ」

 伊之助は酔えぬ表情で言った。

、いざという時はこういう用心棒もる」

 馬は懐からずしりと重そうな短銃を取り出して見せた。

「幻馬殿からもらったイギリス製の業物。これまでも何度か助けられた」

「それに頼るようでは今度の交渉は成功しないぞ。命を捨てて誠意を伝えることだ。おはんの身辺はわしらが守るから心配しなくともよい

は夕べ一晩考えた。松陰が伊之助殿によい言葉を残したそうな。これも幻馬殿から聞いたのが、至誠にして動かざるは未だ有らざるなりか。孟子の言葉。この言葉を抱いて黒船に乗り込むとは純粋にして大胆、松陰の大きさが、今、大事を前にして分かったの。馬関に向うは、あの時の松陰と同じ。長州を黒船と考え、この誠意で体当りしようと思う」

馬殿、よくぞ言ってくれた。私は松陰に代わって礼を申します

伊之助は思わず、馬の手を固く握りしめた。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2016年1月15日 (金)

人生意気に感ず「97歳の亀作さん、地獄を語る。インドネシアの連続テロ」

 

 ◇昨日、約束に従って岩田亀作さんに会った。97歳の老人は身軽に動いて茶を入れた。テーブルの上に私が書いた「今見る地獄の戦場・ニューギニア」が置かれている。数年前、百歳まで頑張って下さいと言ったことを踏まえて、「105歳迄」と言ったら、「両手を広げて、あと十年」ときっぱり。そして、「戦友が皆亡くなりました。私は、何度も死にましたよ」と笑いながら、話は自然とニューギニアに。 

「また、3月2日が来ます」、「ダンピールですね」亀作さんは頷いて語り出す。制空権は既になく敵機のなすがまま。旭盛丸の横腹に空いた大穴から死体をかき分けて飛び込む。振り返ると船は船尾を上にして大きな渦をつくって沈んだ。亀作さんは角材にすがって3時間泳いで救われた。「サメに食われた人もいた」、そう語る亀作さんの瞳は燃えているようだ。昨日のことのように地獄の戦場が甦っているに違いない。この海で3,663人が死に、岩田さんの部隊でラエに上陸できた者は11名。私は平成13年10月、慰霊巡拝でニューギニアを訪れ、ダンピール海峡に近いラエの追悼式に出た。

 

 次に話は、ラエの野戦病院に。亀作さんは衛生兵。尾のついた大きな蛆が真っ赤な肉の中をうようよ。壊疽の人が続出。麻酔がない中、数人で押さえつけてノコギリで大腿部切断。遂に玉砕命令が下る。「毒殺の話ですね」、「そうです。重症者はお前の部隊に何名かと問われ、約200と答えると、毒殺しろと薬を渡されました」、命令は、「病兵に至るまで立ち上がり斬り死の覚悟をせよ。生きて捕虜となる者、一人もあるべからず。一兵に至る迄徹底すべし」亀作さんは命令に従がわず薬を埋めた。何十人かは助かったと振り返る。「いい人生でしたね」と言うと亀作さんは嬉しそうに笑った。3月21日、叙勲の祝いの話をすると、出席すると言ってくれた。

 

◇インドネシアのジャカルタで連続テロとは。ショッピングモールなど複数の商業施設が狙われ7人が死亡。「イスラム国(IS)」の予告があった。警察はパリのテロの模倣と言っている。日本も商業施設などを狙われたら防ぎようがない。ISは追い詰められているようだが潜在的勢力は世界に広がっているのか。インドネシアは人口約2億5千万人。そのうち88%がイスラム教徒。ほとんどは穏健派なのだ。日本にも過激なイスラムの影が近づく。(読者に感謝)

 

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2016年1月14日 (木)

 

 ◇女講釈師の講談が始まるかと一瞬錯覚する。いつもの北朝鮮のニュースの場面。「水爆成功」を得意げに内外に発表し、国民は拳を突き上げて喜んでいる。北にとっては国威発揚の最高の瞬間だと分かる。世界から孤立し、国民を飢えさせ、政治的に反対する幹部を無慈悲に粛正し、航空機を爆破し等々、その現実の悲惨さと非道振りは想像を絶する。 

 北の崩壊は間近だと多くの専門家は指摘してきたが一向に倒れない。北の実態の本質は私たちの知らないところにあるのかも知れない。

 

◇水爆か否かは疑わしい面もあるらしい。しかし、水爆成功に近づいているのは確実だと言われる。専門家は、北朝鮮の技術力を軽視してきたと指摘する。

 

 水爆のエネルギーは原爆の数百倍。その原理は太陽の活動と同じで、核融合である。原爆は原子核分裂によって放出されるエネルギーだが、水爆は原子の融合によるエネルギーである。水素を融合させるために1億度以上の高温と地球の大気圧の1千億倍の高圧を要する。この高温高圧をつくりだすために原爆を利用する。悪魔の兵器を悪魔が手に入れようとしている現実。この隣国に日本はどう向き合うか。脇腹にピストルを突きつけられたような状態が続く。

 

◇イスラム国(IS)を中心とした国際テロの動きは、北朝鮮を勇気づけているのではないか。北とすれば、アメリカに挑戦する同志に思えるのではないか。「ならず者国家」同志は生き残りを賭けて必死。それは、日本の危機となって日本を包み込んでいる。

 

◇ハンセン病の元患者二人が国に謝罪と賠償を求めていた

 

裁判が和解で決着した。元患者の言い分が通った内容。同様な訴えに、同様な対応をとる方針であるが、400人の元患者が提訴していない。その理由は、偏見と差別の呪縛から解かれていないことである。恐ろしい遺伝病で感染するから社会から隔離するという誤った政策が長く続けられた。ハンセンが癩菌を発見したことで、遺伝病でないことは科学的に証明された。明治4年のことだ。また、癩菌の感染力が極めて弱いことも指摘されていた。日本は近代史の中で、対外的な戦いを聖戦と位置づけ、癩は聖なる戦を汚す国辱ととらえる傾向があった。草津楽泉園に復元された重監房が差別と人権無視の歴史を語る。(読者に感謝)

 

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2016年1月13日 (水)

人生意気に感ず「投票率と民主主義。株価、習主席暗殺計画。新成人と女性パワー」

 

 ◇国会の論戦を見ながら日本の未来を思った。長い議員生活を振り返って日本の危機を感じる。それは民主主義が形骸化していく現実だ。投票率の低下、立候補者の減少、政治不信の加速。これらに今、歯止めをかけなければ日本は沈没してしまう。政治は、そして民主主義は、国にとって、社会にとっての命なのだ。 

◇この点に関して画期的な対策が実現しようとしている。一つは選挙権年齢が18歳以上になること。これは、今夏から実現される。更に、投票の在り方が大きく変わろうとしている。

 

 駅や、大型商業施設でも行えるよう公選法が改正される動きなのだ。期日前投票が大きな改革の好例だが、改革の余地はまだまだあったわけだ。投票率向上は民主主義の原点である。日本人の公共心の低下によって、投票率が下がり続けている。代表民主制といえない実態なのだ。北朝鮮、中国、ISなだを見れば、民主主義の素晴らしさが分かる。これを絵にかいた餅にしてはならない。

 

◇株価が連日下がり続けている。中国の経済と株価の影響である。一気に世界の経済大国となった中国では様々な矛盾が噴出している。それは、巨大な獣が内部に抱えるがんの増殖で苦しむ姿に似ている。大気汚染は末期的に見える。国民、そして、少数民族の一党独裁に対する不満も限界に近づいている。

 

 こういう状況の中で、政治の腐敗が事態に拍車をかけている。習近平は躍起だ。厳しい賄賂の摘発は深刻な政争に発展している。「法治」が進まず「人治」であるが故にこねと賄賂がとどまるところを知らない。

 

 習主席の暗殺計画が幾度も発覚しているのは事実のようだ。主席は暗殺に備えヘリを使うことが増え、北京の中枢拠点への移動は地下道を利用していると言われる。壮大な産みの苦しみを乗り越えることが出来るか世界の注目が集中している。その一つ一つが日本にも影響を与える。群馬県日中友好協会の新春交流パーティは2月9日に開かれる。

 

◇各地の成人式のキラキラした新成人の姿が報じられた。半世紀以上前の自分の姿に重ねて正に隔世の感。女性のパワーと変化が特に著しい。草食系、絶食系などと言われるのは男のことだ。女性たちは、前途に何が待ち構えるかなどについてはまるで無頓着。日本の発展は彼女たちにかかっている。産む気にさせ、社会参加の意識を高めさせることが政治の最大の課題だ。(読者に感謝)

 

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2016年1月12日 (火)

人生意気に感ず「母を処刑したイスラム戦闘員。イスラムに入る母と子。前橋にモスク」

 

◇「イスラム国(IS)」の戦闘員が母親を処刑したという。このニュースを聞いて、私はISの将来は暗いと思った。事実はこうらしい。シリア北部のラッカでのこと。40代の母親が20代の戦闘員の息子に「ISを離れて町から逃げよう」と説得を試みた。息子から報告を受けたISは、この母親を拘束。裏切り行為として、処刑を指示。息子は数百人が見守る中で母親を銃殺した。

 

 泥棒にも三分の理という。ましてや、欧米の価値観に立ち向かうISには1片の大義があると思っていた。しかし、息子に実の母親を殺させるというのは、人間性を否定するものである。命令に従う息子も正気の沙汰ではない。事態はここまで緊迫し、ISはここまで追い詰められているということか。戦略的に見ても大きなマイナス効果だと思う。多くの難民が流出していることは、事態を雄弁に物語っているといえる。

 

◇それにしても多くの人がISに参加する動きは理解を超える。英国の裁判所は実子を連れてISの支配地域に入ろうとした英国出身の母親を、16歳未満の子を拉致した罪で禁錮5年4月の罪とした。裁判官は「ISは殺人やレイプといった極端な力を行使して自らの意思を貫徹するグループであることは疑いない」と説明し、母親の行為は子どもへの責任を放棄するものだと判じた。ちなみに、この事件は夫が通報して、トルコからISに向かう母子を拘束したという。この事件は世界中が、ISを嫌っていることを示すと共に、ISには何か、私たちには理解し難い人を惹きつけるものがあることを示すのかもしれない。

 

◇ISのために被害者の立場に立たされているのは、多くのイスラム教徒である。無知は偏見と差別を生む。世界は多様な価値観が共存する時代である。それが今日の国際化の特色であり、私たち日本人が苦手とするところだ。

 

 私たちは前橋市の表町にモスクをつくり、開所式に私は「楫取」の紙芝居をやった。新聞で取り上げられたために、私のところへ問い合わせもあった。日本語を教える「NIPPON・ACADEMY」には多くの留学生が集う。私は名誉学院長だが、同時に日本の文化や歴史も教える。紙芝居もその一環。人口減少社会と重なって、国際化も一変の様相だ。多民族との共生に慣れていない日本は今大きな壁に直面している。「イスラム」は宗教の問題なので難しい。(読者に感謝)

 

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2016年1月11日 (月)

小説「楫取素彦物語」第85回

「それは容易なことです。木戸に異論はあるまいと思うが、書状にて問い合わせるゆえ、返事が来るまでお待ち願いたい

 伊之助は早速、次のような書状を認(したた)めた

一筆参らせ候。今、藩命により太宰府に帯在中にござ候。三条卿に会い、時局の大変なることを聞かせられ、卿は薩長の反目を天下の為ならずと大いに憂いおる風に拝察いたし候。過日、土佐の坂本馬いう者、薩摩の西郷等と話した後、太宰府に参り、我を訪ね候。この男の申すには、薩長の反目を、天下のために解消し、両藩手を握る為の仲介の役を果たしたい、ついては木戸殿に会いたいが意向を伺って欲しいとのことゆえ、貴殿の指示を仰ぐべく一筆啓上つかまつり候。

 木戸孝允殿         塩間鉄造

 

 早速木戸から返事が来た。

坂本なる者に来てもかまわぬと伝えてくれ、今馬関に散在している各部隊のものにも粗暴の事をせぬように注意しておくから気縣りなく来るように言うてくれ

細々と書かれ、なかなかの熱の入れようであった。

 こうして、馬は馬関に渡ることになった。馬が馬関に旅立つ前夜、御高祖頭巾のお綱が風のように伊之助の前に現われた。お綱は言った。

幻馬が例の所で待っています。今、道筋は大丈夫ですが念の為私が先を走ります

伊之助は直ちに宿を出た。お綱の身のこなしは素早い。ある時は、黒い塀にぴたりと身を寄せて塀に吸い込まれるよう見えた。

これはますますもってくの一だわい

と伊之助は舌を巻いた。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

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2016年1月10日 (日)

小説「楫取素彦物語」第84回

「ところで、相談がある。幻馬からある程度聞いておられようが」

馬は声を落として、あたりを窺った。

「薩摩と長州が争っていては、天下のことは前に進まぬ。私は薩摩で西郷らに会い大方の空気をつかんでこの太宰府に来た。今こそ、薩長が手を結ぶ時私は命をかけてもその役割を果したいと考えるがおぬしはどう思うか」

 ローソクの揺らぐ中で馬の横顔には並々ならぬ決意が現れている。

「全く同感で。我らは長州が生き残る道は日本が生き残る道と考えています。そのためには幕府を倒して新しい日本を作らねばならぬ。このことは、幕府と戦ったことで骨身で受け止めました。破れたが藩内は高杉の挙兵によって戦う姿勢で一丸となっている。次こそ黒白をつけるとき。薩摩我らと目的を一つに出来るなら手を握ることに異存はない」

「それを聞いて安心いたした。私は、馬関へ渡り木戸に会いたい。ついては貴公に一つ骨を折ってもらえまいか」

「出来ることなら何でもいたす。腹蔵なく言ってもらいたい」

 伊之助は身震いするような興味を身内に感じていた。

 龍馬が目指すことは二六〇年余りに及んだ徳川幕府の打倒である。うまくいけば、日本再生に道を開くことになる。その歴史的大事業に関わることなのだ。

「幻馬殿の話では、馬関に木戸孝允が来ているらしい。この話は木戸に話をするのが一番だが、今、馬関は大変物騒でよそ者が入れぬという。ついてはおぬしから木戸殿に話を通じてもらえまいか」

 馬の声には熱がこもっている。伊之助と同じように歴史を作る大事業に臨むなみなみならぬ決意がにじんでいた。

 

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2016年1月 9日 (土)

小説「楫取素彦物語」第83回

 伊之助は再び幻馬に会った。話す前に全ては分かっているような顔をしている。

(妙な男だ)

伊之助は心でつぶやいた。

馬と申す男、薩摩と長州が手を握ることに役割を果せる人物なら会わしてくださらんか」

「もちろん。天下のために会ってくれ。おぬしは歴史的役割の一端を担うことになる。今、公儀の目は誠に厳しい。馬はお綱に案内させよう」

 夜陰に乗じて御高祖頭巾のお綱は一人の若者を導きそして、風のように去った。

 無造作に髪を束ね日焼けした男は言った。

「土佐の坂本す」

「長州の塩間鉄造です」

「は、は、は、小田村伊之助殿、御苦労なことです」

 馬は快活な笑い声を発した。

「吉田松陰の義弟と伺っています。惜しい男をなくしました。久坂といい、高杉といい、力を発揮するのは皆軽輩の若者。ここにこの国をつくり替える秘密がある

龍馬の言葉は、時代の本質を衡くものとして、伊之助の耳に小気味よく響いた。

差別のない平等の社会にすれば、押し込められている無尽蔵の人材が一斉に力を発揮できるのだ。アメリカでは見識が優れた人物なら一介の農民でも国王になれるという。これは、実際にアメリカを見た我が藩のジョン万次郎に聞いた話だ。どうだ、頭を押えられて心を閉ざした国民と誰もが夢をもって国を支える国民の違い。国力の違いはここにある」

 馬は一気に語った。

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2016年1月 8日 (金)

人生意気に感ず「水爆・IS・アラブの断絶。非道の北。毒殺命令」

 

 ◇北の水爆実験が伝えられた。「イスラム国」、サウジとイランの断絶等、これらは連動して世界はにわかにきな臭くなってきた。これらは、日本にも、私たちの生活にも密接に関係していることである。 

 水爆成功の真偽は不明だが、成功を伝えるニュースに北の国民が拳を突き上げて喜んでいる姿に驚く。無知な国民が狂気の政治を支える縮図である。孤立を深め経済的に追い詰められている。寒い冬を飢えた国民はどう生き抜くのか。一発の核兵器にかける金で多くの国民に温かいものを食べさせられる。どういう損得勘定をしているのだろう。痩せ細った国民と豚のように肥えた金正恩。

 

 この国に失うものはないと思える。追い詰められて何をするか恐い。平和と安全を真剣に考える必要が今ほど強く求められる時はない。辛うじて保たれている安全と平和なのだ。この平和を丸腰で守れると考えるのはいかにも甘い。戦争反対に異存があろう筈がない。戦後70年平和が続いた。これがいつまでも続くと考えるのは、歴史と現実の無知を示すもの。

 

◇日本海側の多くの県に北朝鮮のものと思われる木造の漁船、遺体が漂着している。これは、北の国民の悲惨さを物語るものだろう。

 

 同じ民族でありながら、北と南の違い。そして日本の繁栄ぶり。これらは、政治の違いによって、国民がどのような運命を辿るかを物語る壮大な劇場である。新年にあたり、私たちは単なる観客であってはならないことを銘記すべきだ。

 

◇昨日、岩田亀作さんに電話をして会う日を決めた。「ゆっくり話したいですね」と手紙にあった。あと約一年免許があって車を運転しているという。驚くべき97歳。「私が100まで」と言ったのでそれ迄頑張ると言っている。娘が「あったら105まで延ばすように」と注文をつけている。

 

 ブログの読者が、先日書いたダンピールと毒薬のことを聞きたいという。ニューギニアのダンピール海峡では米機の攻撃で3600余名が海にのまれ、亀作さんは3時間も泳いで助かった。猖獗(しょうけつ)を極めた野戦病院に玉砕命令が下る。亀作さんが「重症者は200名」と答えると上官は、「これをマラリアの薬と言って2錠ずつ呑ませろ」と。亀作さんは薬を土に埋めた。毒殺命令拒否により、何十人かが生還したと確信しているという。この事も話題となるだろう。(読者に感謝)

 

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2016年1月 7日 (木)

人生意気に感ず「議会と上毛の新年会で。サウジとイランは世界の火薬庫」

 

 ◇6日、恒例の県議会及び上毛新聞の新年互礼会に出る。県庁舎32階では、かつての同僚県議、県幹部職員に会えた。岩井議長の挨拶では、童謡「ふる里」を巧みに引用して人口減対策を語った点が光っていた。志を「立てて」ふるさとに帰るではなく「立てに」帰れる地方の社会を創ろうと訴えるもの。多くの若者が東京に向かう中、地方に呼び戻す、そういう流れを作ることが今求められている。 

 期せずして、大沢知事も同様のことを語っていた。つまり、今、県政の最重要課題は人口減対策である、若者を呼び戻さなければならないと。私もかつて、ここで議長の挨拶をしたのだなと懐かしく振り返り県議会の活力を感じた。

 

◇上毛新聞社長の挨拶もよかった。申年にちなんで、「三猿」を語っていた。見ざる、言わざる、聞かざるは、封建時代の民の処世術である。社長は、今日大切なことは、「見ちゃえ」、「聞いちゃえ」、「言っちゃえ」だと言う。まさに、その通りだ。これは民主主義を支える市民の心構えでなければならない。そのために情報を提供することが新聞の使命だと訴えたい社長の気持ちが伝わってきた。

 

◇今、中東から目が離せない。サウジとイランが国交を断絶し、一触即発の火薬庫の感が強まったからだ。宗教と政治の分離は民主主義を支える基本原理だが、これらの国では政教は不可分だから恐い。

 

 サウジアラビアはスンニ派の国で日本の5・7倍、石油の埋蔵量は世界2倍。この国のメッカはイスラム教の教祖マホメットが生まれた地。対するイランはシーア派の国で、面積は日本の4・4倍、石油埋蔵量は世界4位。かつてアレキサンダーに征服されたペルシャである。

 

 世界テロの震源地「イスラム国」がスンニ派であることは、問題を非常に複雑かつ困難にしている。二つの大国の間にペルシャ湾がありホルムズ海峡がある。日本が使う石油の85%はここを通る。昨年成立した安全保障関連法案が早くも関わる可能性が出てきた。ホルムズ海峡に敷設される地雷の除去をめぐり。

 

◇アメリカの大統領選の行方も一層気にかかることになった。候補者討論会の最大の論点は「イスラム国」(IS)対策となっている。ISに宣戦布告すべきだという法案が議会に提出されたと言われる。正に、第三次世界大戦の危機というのは誇張ではない。平和ぼけと言われてきた日本が緊張の渦に巻き込まれつつある。(読者に感謝)

 

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2016年1月 6日 (水)

人生意気に感ず「69年ぶりに共産党が出席。重い年賀状。97歳の亀作さん」

 

◇国会の開会式に共産党幹部が69年ぶりに出席。起立し、天皇陛下に礼をする姿が。69年間も出席しなかったこと及び、共産党もかわったなということに驚く。昭和22年の第一回国会以来のこと。欠席の理由は天皇の臨席に反対ということらしい。もっとも、志位委員長は「天皇制に反対しているというのは誤解」、「天皇に礼をするのは人間として当然」、「高い玉座からお言葉を賜る戦前の形式が踏襲されている」等述べている。

 

 69年ぶりの出席は、共産党が何かを目的として一大決心した現われだろう。先ずは今年の参院選への影響を計算しているに違いない。共産党も変わったものだ。若い人には共産党に対するアレルギーはほとんどない。昔は、「アカ」といって大変だった。隔世の感だ。

 

◇国民主権と調和する天皇制である。だから「主権者たる国民の総意に基づく」、「象徴」なのである。この天皇制は日本の長い歴史に基礎を置く「文化」である。現実に「天皇」は大きな役割を果たされ、反対の日本国民は極く少ない。天皇制に反対ととられたら選挙は出来ない。共産党の現実路線は、このことを踏まえたものに違いない。

 

◇いろいろな年賀状を頂いた。私が重く受け止めたものを2・3紹介。「宗教者が平和を語りずらい時代になった」、「花燃ゆから史実の厳しさが伝わっていない」、「集団的自衛権に関する法案を戦争法案と叫ぶのは言語道断、戦争抑止法が的確」等。

 

◇特に嬉しいのは97歳の岩田亀作さん。「貴殿から100歳まで頑張れと激励され、肝に命じております」と。「弔辞を読みます」と約束した人。まだ、車を運転し、頭脳は明晰。私が目標とする人だ。私と組んでニューギニアの講演をした。私は、「今見る、地獄の戦場」を書いた。ダンピール海峡、サラワケット山を生き抜いた人。撤退に際し、動けない数十人の病人がいた。上官から渡された毒薬を土に埋めた。亀作さんは衛生兵だった。後に生還した人から礼を言われたという。私が弔辞を読む日は確実にやってくるだろう。「やもめ生活です。ゆっくり話したいですね」とあった。奥さんは亡くなったのか。近く時間をとって訪ねたい。

 

◇イスラムの2大勢力を代表する大国、サウジとイランが国交断絶。日本にも両派がいるから影響は必至。大きな重しが外されてしまった。(読者に感謝)

 

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2016年1月 5日 (火)

人生意気に感ず「ロボット社会近づく。ヒトラーのわが闘争」

 

 ◇年末のテレビで若者たちのロボットコンテストを見て面白いと思った。全国の高専の生徒たちがロボットを作り輪投げをさせる。若者の熱中ぶりは大変なものだ。この光景こそ世界に冠たる日本のロボット技術を支える底辺に違いない。私は、小学生の頃から親しんできた手塚治虫の鉄腕アトムを懐かしく振り返っていた。 

◇本格的なロボットの社会が近づいている。先日ある福祉施設を訪ねたら、車いすの老人が人型ロボットと対面している姿を見た。老人が指でロボットの胸の文字を指すとロボットが可愛い声で答える。ロボットが人間にかわって仕事をする時代が既に始まっている。

 

 ある民間の研究機関によれば、近い将来、国内労働の約半数の職種が人口知能(AI)やロボットに置きかえられるという。調査では代替可能性が高いものと低いものが分析されている。一般事務やレジ係などはロボットにかわられ易く、医師、教師、研究者などは人間様だ。人口減少社会が進む中でロボットと人間の役割分担が行われ、ロボットの役割が待つ。

 

 晩婚、非婚が進み寂しい家に帰る人が多いが、将来美人のロボット妻が笑顔で迎え「お疲れ様ね。あなた、ご飯にしますか、それともお風呂が先」などということが実現するかも知れない。

 

◇「わが闘争」が解禁になる。著作権が昨年末に失効したためドイツ国内で再び出版されるようになった。バイエルン州が著作権を持ち、ドイツでの再出版を認めなかった。8月に「注釈本」が発売される。これを機に第二次世界大戦の「ナチス」が改めて議論されることになるだろう。

 

 著者、ヒトラーは数百万人のユダヤ人を虐殺した。人類史上最大の狂気を支えた思想は何だったのか。ヒトラーのナチスが優勢だからというので日本は三国同盟を結んで、結局墓穴を掘った。「わが闘争」から引き出すべき教訓は大きいはずだ。

 

 狂気の独裁者の末路は哀れだった。1945年4月28日、三国同盟の一角を占めたイタリアのムッソリーニは愛人と共に銃殺され見せしめに吊るされ、ヒトラーは2日後の30日ピストルを口にくわえて引き金を引いた。

 

 ヒトラーとは何だったのか。戦後70年の節目に第二次世界大戦を見詰めなければならない。ふるさと塾でヒトラーとユダヤ人を取り上げたことがある。ヒトラーの思想に改めて注目したい。(読者に感謝)

 

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2016年1月 4日 (月)

人生意気に感ず「箱根駅伝の選手の顔。出生数上がる。新元素発見」

 

 ◇箱根大学駅伝で青山学院が2年連続2度目の総合優勝を果たした。栄冠までに、チームにもメンバー1人1人にも様々なドラマがあったに違いない。「箱根の山は天下の険、函谷関もものならず」と口ずさみながら映されるまわりの景色と逞しい若者の足腰を見た。選手たちの顔だちがみないいのに驚く。一筋のことに打ち込むと心も美しく育つのか。私も走る世界の片隅の人間として嬉しく思った。 

◇赤ちゃんの出生数は5年ぶりに増と報じられた。人口減は、私が県議の時からの県政最大の課題の一つ。出生数が前年より4千人多いが全体の人口減少は止まらない。しかし、雇用情勢や保育所整備などの改善で出生数が増すらしいと分かったことは大きな朗報である。人の生死離合は誠に激しい。31秒に一人が生まれ、24秒に一人が死亡、50秒に1組が結婚し2分20秒に1組が離婚したことになるという。

 

 先が不安では子どもを産む気にならない。安心な社会づくりに政策を転換することが少子化対策の大きな課題である。それは地方の創生にかかるといえる。

 

◇理研が合成した元素が新元素として国際的に認定された。原子番号113.アジアでの発見は初めて。その発見は、国家の科学技術力を示す象徴である。化学の分野で日本がいくつものノーベル賞を得ていることと相まって誠に誇らしいことだ。

 

 原子番号は、その原子の原子核の中の陽子の数を現す。又、原子番号は原子量、つまり原子の総体的質量も表わす。水素が1番軽い物質とされ、周期表は水素(H)から始めて順に重い元素が並ぶ。新発見の113は、陽子数、質量数が113ということである。

 

 周期表については懐かしい思い出がある。東大入試の化学は易しかった。合格者の化学の平均点は90点を超えていたのではないか。必ず周期表が出て、空欄の元素名を問う質問だった。陽子や中性子の数との関係から理論的に導かれるが、暗記しておくと時間が省けたので真剣に暗記したのであった。

 

◇元素は万物の根源の要素。紀元前のギリシアでは、土、空気、火、水が元素で、それぞれ本来の位置が決まっていて、火は高い位置にあるから上に上がる、土の位置は低いから投げれば下に落ちる等、東大の科学史で興味深く授業を聴いた。アリストテレスが自然の仕組みの全てを説明していたのが古代の学問の世界であった。(読者に感謝)

 

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2016年1月 3日 (日)

小説「楫取素彦物語」第82回

「土佐人で、これからの日本の方向に大きな役割を果す男だ。万次郎によって目を開かされたと申してる。この男、幕府だ長州だと言っている時代ではない、国民が力を合わせられる国をつくらねばならぬという雄大な構想をもっている。思想と行動力を合わせ持った男。松陰殿がそうだった。わしは、松陰殿馬が新しい世をつくると見ていたが、松陰殿がこの世を去ってしまった。あとは馬のみ。その馬が今、この太宰府におる。おぬしがぜひ会っておくべき男だ。わしが仲介いたす」

 伊之助は幻馬の真剣な視線を受け止めながら言った。

貴公の提案、ありがたく心に留めただが、しばしお待ちいただきたい。私は主命を帯びてこの地に来ておるがまだ果たしておらぬ。先ず主命にかからねばならぬ身。その結果によって今後の動きを考えねばならぬしばらく待ってもらえまいか」

「いかにもその通りです。三条卿は薩長が手を握ることを望んでる。そこで馬なのだが、わしも先走ることは慎もう」

 伊之助は三条実美に拝謁し主君の書状を渡した。

「麿らが京を追われて以来、禁門の戦い、幕府の長州征めなど、長州には大変苦労をかけてる。朝廷とて、頼りになるのは長州のみと思っているのだ

ありがたきお言葉、誠に恐れ入ります。そのお言葉で長州は勇気百倍でございます」

「麿も指をくわえて時を過ごしているのではないぞ。ここにいろいろな情報が集まり、それを見て心を砕いておる。吉田松陰の黒船乗り込みは長州の心意気を天下に示した。四国(よんごく)と戦って破れはしたが、あの出来事は異国の者共が長州に新たな目を向ける契機となった。イギリスのパークスの考えが薩摩にも伝わり、薩摩に微妙な変化が生じているらしい。麿はそれを願っている。敬親公には書面で伝えるが、そちも麿の気持を伝えていただきたい

 自分を京から追放した主力の薩摩を三条卿が許そうとしていることに伊之助は時代の大きな変化を感じた。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

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2016年1月 2日 (土)

小説「楫取素彦物語」第81回

 幻馬は目を落として話すのを止めた。松陰の記憶を追っているのか。伊之助は幻馬の口が開くの待った。

「あの時、わしは松陰殿に言ったのだ。年が明ければ早々にペリーが再びやってくる。その機会をどう活かすかでお前の運命は変わるだろうと。そして漂流民万次郎と坂本馬のことを話した。この馬という男を覚えておけと申したら、馬と幻馬とは妙な結びつきだとあの男は首を傾けておった。は、は、は」

 幻馬は懐かしそうに笑った。

「松陰殿が生きておったら、是非会わせねばならぬ男がこの馬なの。松陰殿亡き今、松陰殿の代わりを務める人は貴公をおいてない。そのことでは、太宰府にやってきたの

おかしなことを言い出す男

伊之助はこう思いつつ幻馬の顔を覗き込んだ。

幕府とはこのままで済むはずがない。必ず決戦の時が来る。その時、長州にとって重要なことは孤立を免れることだ。そのために三条卿等の力を借りねばならぬ

目の前の謎の男の話すことは、今回の密命とどう関わるのか。

「坂本龍馬という男は何者でか」

 松陰殿に会わせたかった男と聞いて伊之助は興味をつのらせた。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

 

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2016年1月 1日 (金)

人生意気に感ず「2016年の年頭に当たり」

 

 ◇2015年が終わりに近づいた12月29日、私は長男の周平と茨城の海岸で一夜を過ごした。阿字ヶ浦の浜には太平洋の波が静かに寄せていた、湯上りのビールがうまかった、太平洋が近くなったものだ。北関東、東北道と、高速道路を乗り継ぎ、2時間余で「ひたちなか」に着いた。一年の終わりに、茨城を訪れ、幕末の歴史にひたりたかった。「内憂外患」の語は、烈公と言われた徳川斉昭の初発と言われる。この言葉の意味は今日的である。桜田門外で大老伊井直を暗殺したのは水戸浪士たちだった。 

 翌朝未明海岸を走った。水平線が赤く染まり出していた。太平洋が幕末の歴史を語りかけているようであった。私は走りながら、激しかった一年を振り返った。

 

◇新年を迎え、激しかった昨年を改めて思う。私にとっては人生の大きな転機だった。7期つとめた県議を引退。別の世界が始まって超多忙だった。初めての新聞連載長編小説は127回に及び12月22日に完結した。私が企画原作で櫻井顕監督作品の「楫取素彦物語」は、テキサス・ヒューストンの国際映画祭で最高賞を受賞した。毎日更新のブログは長年続けてきた私の対社会メッセージの発信舞台であり、県議引退と関係なく続けてきた。この点は「ふるさと未来塾」も同様である。塾といえば、今年はもう一つ、「人間塾」が加わった。これは、アジアの留学生に日本の歴史と文化を教えることを目的とする。ここでは、工夫の一つとして、紙芝居も始めた。いろいろ並べたが、私の新しい舞台はごたごたしているようだがめりはりをつけ、優先順位もあって結構楽しくなっているのだ。優先順位といえば、その上位に、小説の連載があった。これが終わり、今「癩の嵐」(仮題)を書き始めた。先日、「草津楽泉園」を訪ね、また、近くの「湯之沢部落」跡を見た。ぎりぎりの環境の中で人間は人間の真価を発揮するものだ。「重監房」は正にアウシュビッツ。

 

 今年はどんな年か。私の予感では、天変地異が爆発する。あの「3・11」は予告に過ぎない。日本人の真価が問われることになる。高齢社会が進むが、高齢者は皆哲学者だと思う。死を目前にして生とは何か、人生とは何かを命がけで考えるからだ。特に現在の高齢者の存在意義は大。70年前のぎりぎりの生き方を知る人が少なくなったからだ。バトンを受け継ぐ世代がないように思えてならないが、その絶望感を乗り越えて希望の年にしたい。(読者に感謝)

 

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