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2015年11月30日 (月)

人生意気に感ず「明倫小の感想文。風船をふくらませたい。湯浅治郎楫取を語る」

 

 ◇先日、ある町の公民館で楫取の話をした時のことである。いつもと組み立てを変えて、話の中で萩市の小学生の感想文を紹介した。昨年、明倫小と椿東小で講演した時、感想文をお願いしたのである。明倫小は松陰の教えを踏まえた教育をしていた。また、椿東(ちんとう)小は楫取の孫が学んだということであった。ここでは明倫小のSさん(女子)の文の一部を紹介したい。 

「楫取素彦さんは、萩ではあまり知られていない人だが群馬県の風船をふくらませた偉大な人だったんだと思いました。同時にそんな人を生んだ萩に住んでいてほこらしくも感じました。今の日本は風船のようにしぼんでいるとおっしゃいました。だから今日の日本を楫取素彦さんにならって私たちでふくらましていきたいと思いました」

 

 この作文は話の冒頭、私が今日の社会は元気を失って風船が萎むようだ、松陰先生や楫取県令にならって元気を取り戻さなければならない、と話したことを受けている。今、私の胸に広い体育館の光景が甦る。生徒代表の御礼の言葉にも、風船のたとえが上手に使われていることに感心した。柳林校長の文章が添えられていたが、そこでも「子どもたちの心の中の風船に『熱い空気』をしっかりと吹き込んで頂きました」とあった。

 

◇この日の公民館の話でもう一つ大切なことを話した。それは、1914年、群馬県廃娼20年の記念会に於ける湯浅治郎の発言である。湯浅は新島襄の教えを受けてキリスト教徒になり県議会に入り第二代の議長を務めた人物。

 

「私が議長の間に2つの大事件があった。一つは秣場(まぐさば)事件、一つは公娼の廃止である。(中略)我等の主張がいかに正義人道に叶っても知事の如何によってはどうなったか分からない。幸に楫取素彦氏だったから採用されることになった」

 

 湯浅の言う通り「知事の如何によってはどうなったか分からない」とは事実が物語る。それは楫取の跡を継いだ佐藤知事は、楫取の決定を当分延期するとして大問題となったことである。

 

 今日とは比較にならない程中央集権体制が強固な時代にあって楫取は議会と力を合わせて地方の意思を貫こうとした。人間尊重の強い信念があったから出来たことである。楫取素彦は、地方の特色を活かして地方の自治を実現したといえる。時代の先覚者であった。(読者に感謝)

 

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