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2015年6月30日 (火)

人生意気に感ず「死刑判決は続く。同性愛者の結婚と社会。勉強しない議員」

 

 ◇世の中が狂っている。人の心が狂い出したのか。名古屋闇サイト殺人事件犯の1人が死刑の執行を受けた。その衝撃が冷めやらぬうちにミナミの通り魔に大阪地裁は26日死刑を言い渡した。犯人は通行人2人を無差別に殺した磯飛京三40歳。時代物の小説に登場するような名前である。 

 「殺せ」、「殺せ」と幻聴があったとかで、刑事責任能力が問題となった。磯飛は過去に覚せい剤で服役、そして薬による精神障害があったからだ。石川裁判長は「自らの行動をコントロールする能力が著しく失われていなかったのは明らか」、「幻聴は自ら招いた結果」として、完全責任能力を認めた。

 

 倫理や道徳が地に落ち、人生に夢を持つことも出来ず、生きる意義も見いだせない人々が増えている。そして、一般に、人々の生きる力は低下し、人の命が軽くなっている。病める社会のこのような潮流の中でどす黒い凶悪犯罪が渦巻いている。

 

 犯罪者が恐れるのは死刑である。だから死刑の存在意義は大きい。最近の世論は80・3%が死刑やむなしと容認する。しかし、それにも関わらず、国家として死刑を容認することの是非は真剣に論じられなければならない。国が人を殺すということの意味、それと冤罪の恐れが重要な論点だ。元最高裁長官の団藤重光さんは有名な死刑廃止論者だった。この人はかつて文京区本郷弥生町の住人で、その家は私がいた東大向ヶ丘寮の近くだった。死刑判決を下すとき、傍聴席から上がった「人殺し」の声が耳から離れないと語っていた。

 

◇アメリカの連邦最高裁が全ての州の同性愛者の結婚を認めた。裁判所を囲んだ人々の喜ぶ姿。オバマ大統領は歓迎するコメントを出した。基本的人権を尊重することが根拠である。

 

 私はここまで考えが進まず、この現象を理解することがない。結婚は男女の結合であり家族・親族の基礎であり、国家社会の基礎である。少数者の立場を尊重することには異論はないが、同性愛者の結婚を正面から認めることは、社会の方向と将来にどのような影響を及ぼすのであろうか。ローマ帝国もその末期性の乱れがあった。

 

◇日本の存亡にかかわる極めて重大な時に、自民党はなぜ妙な勉強会をするのだろうか。報道への圧力をかけると誤解されている。変な作家に講演させるのも軽率。政治家は普段、勉強をしな過ぎることの結果だ。地方議員も含めて。(読者に感謝)

 

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2015年6月29日 (月)

人生意気に感ず「日韓動く。原発は廃止すべき。教師のわいせつ」

 

◇日韓との関係が劇的に動き出したことを感じる。両国にはお互いを必要とする深刻な事情が存在する。韓国には、マーズがあり、追い詰められた北朝鮮が迫る。北は歴史的な干ばつに見舞われているらしい。北朝鮮の状況は日本にとっても脅威である。その上、日本には外に向かおうとしている危険な中国の問題がある。日韓両国は共に深刻な内憂外患を抱え、それらは影響し合っている。日韓の連携、日米韓の同盟の絆は三国にとって増々重要になっている。その中心となっているのが日本である。私たちは歴史的大転換点を生きる。このことをよりよく理解するためには歴史を知らねばならない。

 

◇沖縄戦と韓国問題が6月22日、23日と足並みを合わせたように騒がしいのはなぜかと人に訊かれた。沖縄戦が組織的戦闘の幕を閉じたのが70年前の6月23日、韓国が日本の植民地支配を清算して国交正常化に踏み切ったのが1965年6月22日だった。共に日本の現代史を築く上で極めて重要な出来事。ある意味で日本民族が血の海と決別し平和国家に生まれ変わる契機ともいえた。

 

◇知事選の中で、原発政策に関して大沢候補が次のように発言している。「国民生活、産業構造、地球環境などに大きな影響を与え、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題も抱える。国として責任あるエネルギー政策を進めて欲しい」

 

 福島原発事故の原因とその後の状況、そして、迫る巨大地震の恐怖。これらを真剣に考えた場合、「国として責任あるエネルギー政策」とは何か。それは「3・11」を徹底的に反省するものでなければならない。国家の任務は経済の発展か、それとも国民の生命と安全か。この比較は火を見るより明らかな筈。この点を過ったために人災として原発事故は起きた。「3・11」後、反省を生かして日本は変わることが出来るのか、このことが今、正に問われている。もう一度、更に巨大な南海トラフ型の地震とそれに伴う巨大津波に襲われて原発が壊滅した時、間違いなく日本は変わるだろう。しかし、それでは遅いのだ。私は小泉元首相の勇気と見識を評価する。「君子は豹変す」、安倍首相よ、今からでも遅くないのだと言いたい。

 

◇気になるニュースがある。伊勢崎の中学教師が女児に裸画像を送らせたことで逮捕。教師の携帯から2万点のわいせつ画が見つかった。真面目で生徒から慕われていたという。この種の事件をどう理解したらよいのか迷う。(読者に感謝)

 

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2015年6月28日 (日)

小説「楫取素彦物語」第17回

「江戸でお兄さんからあなたのことを聞きました」

「まあ、大兄(だいにい)さんに」

 寿は顔を上げて驚いた様子で言った。ぼっと頬を染めた表情に兄への思いが出ていた。松陰の家族は大二郎と呼んでいたのだ。輝く瞳を見て伊之助は美しいと思った。

「お兄様は元気でありましたか」

寿は意を決したように再び顔を上げて聞いた。

「お元気で、国事に奔走されています。立派な兄上ですね。私もとても話が合いましたし、教えられることも多かった

「まあ、それはようございました

寿は頬をいっそう赤くして嬉しそうであった。緊張と不安でいっぱいであった寿は懐かしい江戸の兄のことを聞いて安心し、江戸で共に過ごしたという伊之助のことを頼もしくそして好ましく思った。

 家では母の滝が大変喜んでいた。

「伊之助様は学問に優れた方です。大二郎の同志と聞いて母も安心しました。お前、まことの良縁ですよ」

「お姉さまよかったわね。おめでとうございます。文もいまにそんな立派なお婿さんにあえるかしら」

は、はしゃいだ様子で瞳を輝かしている。

二人は華燭の典を挙げた。伊之助二十五歳、寿十五歳であった。

 間もなく江戸の松陰から家族の下へ手紙が届いた。それには、妹が小田村氏に嫁したことは誠にでたい、彼ら三兄弟は皆読書人である、この一事をとっても大変嬉しいと書かれていた。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

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2015年6月27日 (土)

小説「楫取素彦物語」第16回

「は、は、は」

 二人は同時に心地良い笑い声を上げた。考えが一致したことを認め合った瞬間であった。

「今日は松陰殿の御高説を聞けて大変有益った。学問に、生きた学問と死んだ学問がある事を知りした。知行合一の本当の意味で国難に役立てるのが学問の役割と知りました。萩へ帰ったら私は私の学問で国難を訴えようと思います。長州の役割が如何に重要かを江戸遊学とあなたの話から知りました」

 伊之助は一歳年下の松陰が今、自分の師のように感じられた。

「松陰殿は良い家族をお持ちで心強いですね」

「あなたとてそれは同じこと」

「男だけの家は殺風景です。妹が三人もおられ羨ましい」

、家にいる二人もいずれ嫁いで他家に行きます。動乱の世で幸せにと願っています。一人は寿と申しそろそろ年ごろですが、なかなか男勝りでな、女にしておくのが惜しい。男なら今ごろ萩にはおらん。目の色をかえてこのあたりを飛び回っているでしょう。

もう一人はまだ子ども。文と申すが、お茶目で末っ子のせいか甘えん坊です。母が心配しています

家族の話になると松陰はいかにも嬉しそうであった。いつしか江戸屋敷に夕闇が迫っていた。

 

 

五、嫁取り

 

 

 萩に帰って間もなくの頃、伊之助嫁取りの話があった。しかも相手は松陰の妹と知って伊之助は驚いた。すっかり忘れていたがあの時江戸屋敷で松陰が話した人に違いない。伊之助は松陰の妹ということで不思議な縁を感じた。

 会うと、娘は利発そうで細面の顔は松陰と似ている。すっきりした鼻筋の線ときりっと結んだ口元は純粋で一途な性格を現しているようだ。伊之助は江戸で松陰が語った様子を懐かしく思い出していた。

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

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2015年6月26日 (金)

人生意気に感ず「闇サイト殺人犯死刑。死刑制度は。硫黄島の戦い」

 

 ◇25日、闇サイト殺人事件の犯人の一人の死刑が執行された。44歳の神田司死刑囚。血も凍る信じ難い事件で、現代社会の病根の現われでもある。 

 神田の携帯電話の呼びかけによりそれまで全く面識のない3人が犯罪仲間を結成。31歳の女性を拉致し、「殺さないでください」と必死で命乞いをする女性の頭を原形をとどめないほどハンマーで殴り続け、現金6万円とキャッシュカードを奪い、死体は山に埋めた。この事件は一人が死刑、二人は無期懲役に確定していた。

 

 発覚の発端は、仲間の一人川岸が「このままでは死刑になる」と怯え自首したこと。また、この川岸の次のコメントに驚かされる。「被害者は運が悪かっただけ。今でも悪いことは、ばれなきゃいいという気持ちは変わらない。生かしてもらえてよかった。ありがたい」

 

「悪いことはばれなきゃいい」、こういう心理を多くの若者が抱いていると思われる。簡単に人を殺す、また人をだますという事件が余りに多い。これは、悪いことはばれなければいいという価値観が社会を覆っていることを示す。

 

 一片の倫理もない獣のような人たちも、死刑を恐れ「生かしてもらえてよかった」と自らの生には執着している。悪の前に厳然と立ちはだかる死刑制度の存在感を思う。

 

 今、死刑の存続が議論されている。廃止論の一つの論拠は、死刑には犯罪抑止力がないということだが、犯罪者が死刑に怯える事実は否定し難いことをこの事件は物語っている。

 

◇硫黄島元島民の慰霊訪問の姿がテレビで報じられた。指揮官栗林中将は東京の家族に「この世ながらの地獄」と書き送った。栗林は全島に蜘蛛の巣のように坑道を掘らせた。地下10mで49度に達する地熱の島。米軍は5日間で攻略と予定したが、地下壕を利用する日本軍は屈せず長く耐えた。最後の電報に栗林は「将兵の敢闘は真に鬼神をなかしむるもの」と述べた。日本軍の死者1万9千9百人。米兵の死傷者は実に2万8千686人であった。ある人は書く「一方的な戦闘となった太平洋戦争後半において日本の指揮官中最も効率のいい戦をした名将であり勇将であった」

 

◇昨日FMぐんまの収録を行った。テーマは「人間力向上」。中村さんは何チカラですかと問われ、一瞬迷ったが「歴史チカラ」と答えた。歴史上の人物から力を得ていることを感じる。(読者に感謝)

 

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2015年6月25日 (木)

人生意気に感ず「知事選の重要さ。3・11国会事故政調。高木仁三郎のこと」

 ◇知事選の最大の課題は投票率。支援県議団でOB会をつくり知恵を出すことになった。23日結成会議が開かれた。「一騎打ち」を全面に出したのでは、人々は、「決まっている」からと考え投票所へ行かないだろう。群馬の難題を克服するために県民の心を結集するという大義を訴えるべきだ。火山、巨大地震、ウィルス、薬物などの大災害が近づいている。それにも関わらず群馬県は「安全神話」に胡坐をかいている。知事選を県民と行政が目を覚ます契機にしたい。

 

◇私たちを包む不安と混乱は、あの「3・11」から始まった。教訓として活かすべきことが多いのに、早くも風化しつつある。その象徴が「安全神話」。

 

 私は改めて「国会事故調査委員会」の報告を読んだ。「原発事故は人災だった」という悲壮な訴えを新たな怒りで受け止めた。この感情を社会一般が共有することこそ今求められている。

 

◇報告書の次の部分は衝撃的だ。「想定出来たはずの事故が何故起きたか、その根源は政官財の『おごりと慢心』にあり、日本の原発はいわば無防備のまま『3・11』の日を迎えることになった」と指摘し、その一例として次の事実を指摘する。

 

「平成18年には福島第一原発の敷地の高さを超える津波が来た場合に電源喪失に至ること、土木学会の評価を上回る津波が到来した場合、海水ポンプが機能喪失し、炉心損傷に至る危険があることは、保安院と東電の間で認識が共有されていた。保安院は、東電が対応を先延ばしにしていることを承知していたが明確な指示を行わなかった」

 

 この電源喪失について私は、事故以前に亡くなった前橋高校出身の科学者高木仁三郎氏の指摘を読んでいた。いわば予言ともなった民間の学者に耳を傾けなかったところにも「おごりと慢心」があったのではないか。

 

◇高木さんは2000年、がんで亡くなった。死の直前、最後のメッセージを世に送った。その中で原子力時代は末期症状にあるが楽観できないのは、原子力最後の日を迎える前に巨大な事故や不正が原子力の世界を襲う危険だと指摘している。およそ10年後その通りになった。

◇年金情報流出とその後の不手際も官の緊張感と使命感の欠如の現われ。金城鉄壁も蟻の一穴から崩れる。今も蟻に食い荒らされているのか。(読者に感謝)

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2015年6月24日 (水)

人生意気に感ず「ロボットの時代。沖縄慰霊の日。日韓国正常化」

 

 ◇ロボットの時代到来か。ソフトバンクが売り出した人型ロボット「ペッパー」が1分で完売。本体価格21万3840円。いよいよロボットの時代が近づいたと思った。ペッパーは、マイクやセンサーを使ってこちらの感情を読み取り、会話をすることが出来る。ため息などでロボット自らの感情も表現出来るのだ。 

 今後の社会にどのような影響を与えるか。私の少年時代は手塚治虫の鉄腕アトムだった。人間が想像することは必ず実現するとうなってしまう。アトムの産みの親はお茶の水博士だが、ペッパーは、大企業ソフトバンクによって誕生した。恐る恐る世に出たペッパー。驚くべき世の歓迎ぶりの中で進化するに違いない。

 

 極めてシンプルな姿で登場したが、着物姿の超美人に変身するなど簡単なこと。孤独な男性を出迎え話し相手になるかもしれない。人間との役割分担は、やがて領域の奪い合いに発展するのか。将来、ロボットを規制する法律が検討されるかもしれない。

 

◇23日は太平洋戦争で特別の日だ。言語に絶する地獄の戦場に幕が下りた日。沖縄住民を含め日本人約19万人が犠牲になった。23日は「沖縄慰霊の日」。組織的な戦闘が終わった日である。

 

 戦後70年経ち戦争を直接知る人が少なくなりつつある。沖縄の惨状は特別の意味を持つ。もし本土決戦となればあれに近い地獄が実現された可能性があるからだ。沖縄住民は本土住民の身代わりとなったともいえるのだ。このことに思いを致すことなく多くの人は70年間沖縄慰霊を続けてきた。本当の慰霊といえたのか反省すべきである。

 

◇22日、日韓両国に、国交正常化50周年ということで、大きな変化が見られた。両首脳がそれぞれ記念式典で前向きな挨拶をしたのだ。昭和40年(1965)6月22日、日韓基本条約が調印された。日本の植民地支配解放から20年が経っていた。国民的議論を十分にせず国交正常化が最優先された。従軍慰安婦問題がくすぶるのはそのことを示す。当時、韓国では反対運動が激化した。日本からの膨大な援助等の経済協力により韓国経済は「漢江の奇跡」を達成した。この驚異的な経済発展を成し遂げた人物こそ、現大統領の父朴正煕大統領だった。

 

 マーズウィルス等を抱え韓国は国難の時。日本との関係の改善が必要なのだ。米国はアジアの同盟国日と力を合わせ台頭する中国に備えねばならない。日本の立場は増々重要となっている。集団的自衛権もこの渦中にある。(読者に感謝)

 

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2015年6月23日 (火)

人生意気に感ず「工藤会を壊滅できるか。トヨタ役員の麻薬。美しい女・フラッカ」

 

 ◇九州福岡の工藤会が注目を集めている。総裁が脱税容疑で逮捕されたからだ。県議時代福岡県警を視察して驚いたことは、県警が工藤会の撲滅を最大の目的にしている事実だった。市民に銃口を向ける、学校で暴力団を批判すると文句をつける、これが法治国かとあきれるような実体があった。 

 ある時、中国人の友人が言った。「日本では暴力団の存在を社会的に許しているのは理解できない」と。山口組、稲川会など、工藤会以外の大きな団体が事務所を構え、広大な屋敷をつくって社会を威嚇している。暴対法とて、犯罪集団の存在を認めた上での取り締まりではないか。なぜ、犯罪組織の存在自体を否定しないのか。憲法の集会、結社の自由との関係を問題にするのであろうか。地元の国会議員の見識を聞きたいものだ。

 

 世界に冠たる法治国、人命を最大限尊重する文化国家日本にして堂々たる暴力団。中国人が奇異に感じるのは無理もない。今回のような、暴力団トップを所得税法違反容疑で立件するのは全国初だという。この方針を徹底すべきだ。

 

◇トヨタの外人女性役員が麻薬犯容疑で逮捕された。このジュリー・ハンプという女性は、初の女性役員でトヨタの目玉人事として抜擢された。自動車に関する世界のトップ企業だけに事件の影響は大きい。

 

 影響は2つあると思う。一つはトヨタのブランド力を傷つけるか、もう一つは麻薬の広がりである。社長が急遽会見したことは良かったがグローバル化時代の役員人事に甘さがあったと批判されるかも知れない。車の製造は人命に関わること。人事のミスは車の安全監理無関係ではない。

 

 トヨタの目玉役員さえ麻薬をやるということが、麻薬に対する社会の規範意識を薄れさせことを恐れる。享楽の社会を象徴し、享楽性を増幅させる薬物。真実はまだ分からないがトヨタの社会的責任は大きい。

 

◇薬物は精神を狂わせ人間を破壊する。アメリカで新種の合成麻薬・フラッカが蔓延。源は中国と言われる。安価で強い幻覚症状を伴う。

 

 フラッカは「美しい女性」を意味する。フロリダでは、私は悪魔だと叫び全裸で走っていた少女が逮捕された。この種の薬物が日本に入ってこないとは言えない。マーズが叫ばれているが、薬物も同様に危険な侵入者である。(読者に感謝)

 

 

 

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2015年6月22日 (月)

人生意気に感ず「原発ゼロの好機。原発事故検証委報告の衝撃」

 

 ◇韓国では今でも大災害は為政者の不徳に対する天の戒めという考えがあるという。日本もかつては同様だった。大地震の跡地に神社が建てられていることが多いのはそれを示すという説がある。社会心理としては、政治不信や倫理の乱れと結びつけて受け取る傾向は今日でも否定できない。かつて石原前知事が「3・11」に関して天罰だといってひんしゅくを買ったが、密かに同感を示す者も少なからずあった。 

 天変地異が近づいていることを肌で感じる。国際的政治の危機が歩調を合わせるかのように迫っている。強い政治のリーダーシップが求められている。憲法改正の問題は巨大地震同様に日本を揺すっているのだ。

 

◇安倍首相が将来の「原発ゼロ」を打ち出していれば、タカ派のイメージを薄め、憲法改正に関する世論の風当たりも大分違っていたのではないか。目先の利益で国家百年の計を混同するな。

 

◇「3・11」を踏まえて、安倍首相が将来日本は原発をやめると宣言すれば、その効果は測り知れない。日本は、世界で最も地震の多い国で、巨大地震の巣の上にある。大地震は周期的に必ず起きる。日本は人類で最初の原爆被爆国である。原発は原爆と同根である。ひと度、事故が起きれば制御し難い事態が生じることを「3・11」は証明した。首相が原発ゼロの決意を示し、それを実現するために日本の技術を総結集すれば、原発なしてエネルギー問題はやっていけるに違いない。中国が膨大な原発計画を勧めようとしている。日本が止めれば中国はもとより世界の原発状況に日本は正しく発言することが出来る。これこそ、世界平和への貢献ではないか。安倍首相は絶好のチャンスを失ったというべきか。誠に惜しい。

 

◇私は、今、再び「福島原発事故・独立検証委員会・調査、検証報告書」を読み始めた。巨大地震到来を肌で感じる状況で、この調査書の訴えが一層重く迫る。この中で、日本の原発は大丈夫という「安全神話」に原子力推進側の人々が縛られ、打つべき対策が不十分だったことが指摘されている。今でも過酷事故が終息しないにも関わらず「3・11」が早くも風化しつつある。多少時間が出来た今、私は「調査、検証報告書」を勉強し直そうと思う。浅間が無気味に動き出した。弘仁・貞観・安政の各巨大地震など過去の歴史は私たちに忘却を戒めている。列島全体が一斉に活動して何かを訴え始めた。(読者に感謝)

 

 

 

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2015年6月21日 (日)

小説「楫取素彦物語」第15回

幕府がこの情報をつかんでいるかは知らん。しかし、幕府に打つ手はなく、何も備えがないことは確かだ。幕府の狼狽ぶりを高みの見物というけにはいきませんぞ。異国船のことを話したついでにもう一つ実に興味深いことを貴公に伝えたい」

 松陰はここで言葉を止めた。空間の一点を見詰めた表情は長崎の記憶を辿っているようにも見える。伊之助は松陰の口が動くのを待った。

「私は長崎で妙な人物と心を通じることになった。異国の言葉を操り、異国の事をよく知っている。私が長州人と知って近づいてきた。初めは警戒していたが不思議に心を許し合うようになった

「ほほう、何者ですか、その正体は」

伊之助は身を乗り出すようにして松陰の顔をのぞき込んだ。

「その正体は謎だが、幻馬と名乗っていた。アメリカの軍艦の来航が近いことも幻馬の口から出た。この男が、千載一遇の機会を逃さず異国船から学ぶべしと言ったことが今でも耳の底にある。実は最近、この男からが届いて長崎で幕府が取調べた漂流民のことが書いてあるのだ」

「漂流民は珍しくはあるまい」

伊之助は先を急がすように口を挟んだ。

「幻馬は、ただの漂流民にあらずと言うのだ。ジョン万次郎と申す土佐の漁民のせがれで、アメリカで高等の教育を受け、鯨船に乗って世界の海を渡った経験を持ちアメリカの国政を正しく語ったそう。幻馬が言うには、日本の先を開く鍵を握る男だというのだ。

万次郎なる男、腹のすわった賢い人物で異国語を自国語と同じように使いこなす。このような男は今の日本では唯一人、と幻馬は申す。薩摩の島津斉彬公は三顧の礼をもって万次郎から学ぼうとしているそうだ。幻馬が私に注目すべしと言っていることがもう一つある。それは、幕府が万次郎を罰しないばかりか、重用するようになるだろうというのだ。幻馬は私に何を語ろうとしているのか。ずっと思案しております」

「万次郎なる人物に会ってみたいものだ

伊之助が言うと、松陰は大きく頷いた。

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2015年6月20日 (土)

小説「楫取素彦物語」第14回

 

松陰は伊之助が自分の言葉を真剣に受け止めていることを確かめると安心したように話を続ける。

 

「平戸ではさる人物からアヘン戦争のことも詳しく聞きした。それによれば、東洋の国々は夷狄どもの餌食になろうとしている。正に世は弱肉強食の時代。鎖国の国民は何も知らぬが存亡の時が迫っています。

 

眠れる獅子といわれた清国はひとたまりもなくイギリスに破れた。君はそれを知っているか」

 

「敗れたことは聞いておりますが、実情はどうなっておりますか」

 

イギリスは非道の国です。インドを支配し、そこで手に入れたアヘンを清に売りつけた。代金は銀だというではなりませんか。国民はアヘンを吸って廃人になり、銀はどんどん流出する。

 

林則徐なる将軍がアヘンを没収して焼却したことで戦争になった。イギリスの圧倒的な火器に清は全く対抗出来なかった。その後の清国はみじめな状態だ。大都市上海の一部はイギリスに支配され、中国人は犬同様に扱われているという。次はわが国だと思わなければならない」

 

 松陰の口調は更に激しくなり、瞳は火のように燃えていた。

 

 伊之助は、普段はおとなしい学研肌の若者のどこにこのような激しい炎が隠されていたかと不思議に思った。

 

 松陰は続けた。

 

「長崎で得た情報はまだまだある。実はく近い将来、アメリカの軍艦が日本にやってくるらしいのだ。鉄の船で、大砲を備え、蒸気の力で大海を渡ってくるという

 

「ほう、幕府はそれを知っているのですか。そして打つ手はあるのですか」

 

伊之助は不安を顔に現して言った。

 

 

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

 

 

 

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2015年6月19日 (金)

人生意気に感ず「知事選の意味。18歳投票権。道徳教育を」

 

 ◇知事選がスタートした。早朝8時、小雨の中、八幡宮で必勝祈願祭、8時45分マーキュリーホテルで出陣式が。あちこちで長年顔を合わせてきた政官財の人々と挨拶を交わす。大澤さんは人口減を食い止める決意を示した。 

 当選は初めから確実。何のための選挙か。難題を解決する力は民意の終結にあり、今回の選挙の意味はここにある。また、投票率が問われる意味もここにある。国会議員の挨拶に危機感はなかった。

 

◇18歳以上に選挙権が与えられる意義は大きい。来年の参院選から適用される。国民は主権者だが、政治に参加することで実質的な意味での主権者となる。主権者の範囲が広がるといえる。形だけにならないためには主権者教育が必要だ。学校教育の役割は一段と大きくなる。

 

 約240万人の、18歳19歳の若者が選挙の有権者になる。この変革は、従来選挙権がありながら投票所に行かなかった20代30代の若者にも刺激を与えるに違いない。私は長い政治生活の中で民主主義の危機を感じてきた。投票率の低さ、立候補者がいなくなるという驚くべき現実。今回の改正が一つの突破口になればと思う。

 

◇絵に描いた餅にしないために、教育界は勇気と見識を示すべき。何もしないことが中立ではない。従来、政治的中立に気を遣って教育の現場は社会の重要問題から目をそらしてきた。客観的事実を堂々と教えるべきだ。憲法の基本原理を知らずして主権者といえるか。原爆も原発も教えて教室を活性化すべきだ。「若者に夢を」と訴えながら、その声が若者に届かなかった。去勢されたような若者の現実は政治と教育にも大きな責任があったと言わねばならない。

 

◇道徳が平成30年度から小中で教科化される。これまでも、道徳は教育基本法や学習指導要領で学習の中心とされていたのに形だけになっていた。きれいごとに目を奪われ惰性に流されるうちに日本人の心がしぼんでいく。

 

 道徳教育を推進する上で心配されることは過去の軍国主義だろう。だから、平和憲法を堅持しつつ真の道徳教育を進めるべきだ。私は、道徳教育に力をいれた楫取素彦の講演をした時、楫取が道徳教育に力をいれた今日的意味をこのように考えた。

 

◇今朝の新聞は大澤・萩原一騎打ちと大きく掲げる。しかし、形はともかく実態は違う。大澤さんが県民の大きな信頼を得ることが出来るか否かだ。今回の得票数がいかに重要か改めて思う。(読者に感謝)

 

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2015年6月18日 (木)

人生意気に感ず「特殊詐欺一網打尽の快挙。不気味な浅間。情報は誰のものか」

 

 ◇溜飲が下がる快挙。特殊詐欺に関わる連中40人が一斉に逮捕された。都内4か所の拠点マンションに踏み込み、電話をかけるなどしていた者を取り押さえた。固定電話116台、ケータイ111台、パソコン30台を押収。大野春水(27歳)が統括。被害は約20億円。 

 警察は綿密で周到な捜査を執念で続けたに違いない。オレオレ詐欺から進化した特殊詐欺は現代の不思議、病める社会の象徴である。県議時代、私は時々質問したし、誰かが常に取り上げていた。半ば職業化し、高齢者を騙すことに罪の意識を持たない若者。倫理や道徳が地に落ち社会に巣を食うシロアリ。厳罰に処して社会の規範意識を天下に示すべきだ。

 

◇インドネシアのシナブン山が噴火。住民約1万人が避難。噴煙は上空2キロに達し、火口の溶岩も隆起しているという。5年前400年ぶりに噴火し昨年も大噴火を起こした。インドネシアは約130の火山を抱える地震の国で日本と似ている。今回の噴火は明日の日本を思わせる。日本列島が熱く動き出した。

 

◇無気味な動きを始めたのが浅間山だ。火口底の温度が上がり新しいマグマの動きが見られ爆発の危険が高まっている。火山と地震については、歴史に学ぶ必要が特に大きい。過去にあったことは必ず繰り返されるからだ。

 

 浅間については天明の「浅間焼け」。言語を絶する惨状を生んだ。大爆発は天明3年(1783)8月5日だが、7月になるとイノシシやシカが狂ったように山から走り出した。巨大噴火はこの世の最期を思わせる世界を作りだした。再び大噴火が起き土石の大洪水が生じた場合、一つのポイントは八ツ場ダムの存在である。

 

◇韓国のマーズ騒ぎを見ていて思うことがある。情報は誰のものか。そして、社会のリーダーは人命を守る使命感をもっているかということだ。混乱を招くとして情報を隠したためにマーズの被害が拡大した。

 

「3・11」の原発事故でも、「国民がパニックを陥らないように」との考えから情報を隠蔽したとされる。社会の存立に関わる情報は主権者たる国民のもの。福島原発事故検証委の報告書を改めて読んで痛感した。

 

 大災害の時代に突入しつつある。「3・11」が風化しつつあるが、活かさねばならない。火山の噴火、巨大地震、無気味な足音が聞こえる。空振りでもいい、大事な情報を国民へ。(読者に感謝)

 

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2015年6月17日 (水)

人生意気に感ず「産経連載の楫取。マーズの恐怖。突風に怯える三太」

 

 ◇産経新聞(群馬版)連載の私の小説「楫取素彦物語」が結構あちこちで読まれているらしい。週3回(火水木)で47回になる(17日)。 

 登場人物に私の思いを語らせるのは楽しみの一つ。第46回では坂本竜馬が伊之助に次のように語る場面がある。「差別のない平等の社会にすれば、押し込められている無尽蔵の人材が一斉に力を発揮できるのだ。アメリカでは見識が優れた人物なら一介の農民でも国王になれるという。これは、実際にアメリカを見たジョン万次郎に聞いた話だ。どうだ、頭を押さえられて心を閉ざした国民と誰もが夢をもって国を支える国民の違い。国力の違いはここにある」竜馬は自由な国民こそ国力を生み出す源泉と言いたいのだ。

 

 安倍首相は、過日、米議会で150年以上も前のアメリカとの出会いは民主主義との遭遇だったと語った。黒船の来航は1853年。

 

 しかし、真の民主主義との遭遇は日本国憲法の実施を待たねばならなかった。今や、国民は、持て余す程の自由を得て自由は空気のような存在になっている。自由と民主主義は不可分である。自由がなければ民主主義は成り立たない。また、健全な民主主義がなければ自由は失われてしまう。今、民主主義は危機にある。日本人は目覚めて憲法を守り、国を守り、自由を守らねばならない。

 

◇マーズが唯事ではない。日本に入っていないと断言できる筈はない。韓国での隔離対象者の中に日本人がいた。幸い陰性だったというが、ずさんな管理体制の網をくぐって日本に入る感染者がいると考えるべきではないか。WHOは国際的な緊急事態に該当するかを検討するため緊急委員会を開く。WHOは昨年エボラ出血熱対応で「緊急事態」を宣言した。

 

 エボラにしろ、マーズにしろ目に見えない人類の敵。世界が一体化している現在、日本からの距離は問題ではなくなった。県の危機管理は万全か問いたい。

 

◇先日の突風は異常だった。伊勢崎の被害は特に甚大で長い人生で初めてとお年寄りが語っていた。我が家では柴犬の三太と愛猫のトコが今までにない反応を示した。雷鳴に怯える三太は家に入りたくて必死。昼寝のトコも起き出して不安気な目で私を見上げていた。こういうことが温暖化で常態化するのか。私には迫りつつある火山の噴火と巨大地震の前兆のように思えた。安全神話の否定を重ねて訴えたい。(読者に感謝)

 

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2015年6月16日 (火)

人生意気に感ず「憲法9条の存在意義。1枚1万円のマスクに注文殺到」

 

 ◇憲法9条に関しては次のことが問題となる。自衛隊の規模と実態は誰が見ても軍隊である。そして、憲法9条は戦争放棄と陸海空軍を持たないことを宣言する。更に、憲法は最高法規であり国の基盤だから9条は守らねばならない。 

 さて現実の問題として、憲法9条と現実は大きく離れている。この不一致は改めなくてはならない。改める方法は現実を変えるか憲法を変えるかどちらかである。自衛隊を縮小して軍隊でないようにすることは非現実である。とすれば、9条を変える他はない。

 

◇ところで政府の9条解釈は長い間、次のようなものであった。放棄しているのは侵略戦争である。だから自衛のための戦力を憲法は禁じていない。また、個人に自衛の権利、つまり正当防衛の権利があると同様に国家にも自衛権が当然に認められる。ただこの自衛権は、9条の下で抑制的にあらねばならぬから、個別的自衛権であるべきだということであった。現在、火に油を注ぐように議論が激しくなっていることは、個別的自衛権を超えて集団的自衛権まで認めようとしている点である。9条の解釈をそこまで広げられるか。憲法学者からすればそれは無理というのが理論的帰結なのだ。しかし、それで国を守り、国民の命を守れるかという現実論が、厳しい国際情勢の下で突きつけられている。安倍首相よ堂々と9条を改正せよという議論は実現が難しいことは別として筋が通っているのである。

 

◇対岸の火事、マーズが飛び火しようとしている。日本製の1万円のマスクに注文が殺到しているという。愛知県の会社は内側に涼感ガーゼを使い夏でも快適につけられる「ピッタリッチ」を2年前に売り出した。マーズの拡大とともにこの超高級マスクは売れに売れている。7~8層のフィルターを重ねて細菌やウイルスの侵入を防ぎ、熱い夏でも息苦しくない。洗って再使用も出来る。1日1万枚以上製造しても注文に追い付かない状態という。1人で約60万円分輸入した韓国人だけでなく日本人、中国人にも注文が広がっているという。感染の拡大への不安と日本商品への信頼感が追い風になっているのは間違いない。大災害の時代にあって、この種の不安対策ビジネスは今後新産業として広がることだろう。

 

WHOはマーズが今後も増えるだろうと警告、朴大統領は国難に直面していると述べた。政府の初期対策の失敗が一因。陸続きの中国、北朝鮮は大変だろう。海の有り難さを思う。(読者に感謝)

 

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2015年6月15日 (月)

人生意気に感ず「マーズに見る韓国の政治。私立で講演、若者は羊のごとく。憲法9条を議論する時」

 

◇マーズの死者は遂に15人に達し、感染者は138人に.WHOは感染の規模が大きく「複雑」なため更なる発生が予想されるとして警戒を呼び掛けている。

 

「複雑」とは感染の経路のことらしい。新たな感染者の中には民間の救急隊員がおり、この男性隊員は3次感染の患者を運んだ際に感染した4次感染者らしい。新たに死んだ60歳の女性はソウル近郊の病院で、別の患者から感染した。感染者が出た病院の管理が徹底していないという情報がある。病院外の自宅隔離の父から女児の感染が出た例も。これらの状況は潜伏期の感染者からどんどん拡大していることを示している。ということは、日本上陸も時間の問題では。

 

◇朴大統領は来週に予定された訪米をマーズのために延期した。訪米は、最重要課題の筈。大統領がいなくてもマーズ対策は出来ることを考えると、この延期は国民感情を恐れたためだろう。とすれば、大衆迎合政治というべきだ。韓国には昔から天災などの大事件は指導者に徳がないから起きるという考えがある。マーズもその例なのだろう。大衆迎合ということは冷静で的確な政治判断が出来ないことを意味する。北朝鮮という爆弾を抱えながらのこの政治状況は日本にとっても大きな脅威である。引火性の高い国民性への大衆迎合。韓国はこの危機を乗り切れるのか。

 

◇大衆迎合は民主主義の危機に通じる。大衆迎合政治と衆愚政治は紙一重というべきだ。感情的で愚かな大衆に迎合する政治の姿は衆愚政治に他ならない。日本の政治状況も過熱気味である。韓国を他山の石としなければならない。

 

◇2・3日前、ある私立大の一年生を対象に楫取素彦と吉田松陰について講演した。講堂を埋めた若者たちは熱心に耳を傾けていたが終了後、質問を促したが手を挙げる人はいなかった。おとなしい羊のような若者たちは今日の日本の象徴である。彼らの行く手には嵐の海が広がっている。ひ弱な若者たちよ、平和を守るためには戦わなければならない。国のために血を流すことも現実に有り得ることを歴史から学べと、私は心の中で叫んだ。

 

◇安保論争がにわかに高まっている。9条は大いに議論すべきだ。日本海、南シナ海の波が中国の台頭で激しく逆巻いている。9条の下で日本をいかにしたら守れるかが問題なのだ。(読者に感謝)

 

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2015年6月14日 (日)

小説「楫取素彦物語」第13回

嘉永五年のある日、江戸の長州藩邸で二人の若者が話し合っていた。松陰と伊之助である。松陰は亡命問題で迷惑を掛けたことを先ず詫びて二人は話に入った。

「さすが江戸見る、聞くことみな驚くことばかり

伊之助が言った。

「その通りです。衰えたとはいえ、二百五十年も続いた徳川の力。侮ることはできませぬぞ」

 松陰は顔を上げ鋭い視線になって伊之助を見た。

「様々な情報には驚くばかりだな。江戸へ出て、長州の自分は井の蛙であることが分かりした。学問も、大家の説に接すると自分がやってきたことが小さく時代遅れのものに見えてなりません。我が家の儒学も根本に光を当てねばならんと思う」

伊之助がチラと心配そうな表情を見せた。

「そのことだが、私の場合、兵学ゆえにより切実なの。象山先生に会って外国の火力が如何に強大かを知った。攘夷は言うは易いが実行は並大抵なことではない」

「我々の意識を根本から変える必要がある」

「その通りです。この国が置かれている危険な状況を若者がしっかり受け止めねばならない。若者の目を開き心を育てねばならない。私は国へ帰ったら新しい塾を開きそのことを是非やってみたい」

松陰の言葉は次第に熱をおびてきた。

「藩校は伝統に縛られて新しい時代を受け止められないでいる。あなたのいう塾には賛成です」

「事はさし迫っています。昨年のことです。私は長崎の平戸に五十日以上も滞在して驚くべきことを見聞きした」

「そんなに長い間何をなさっておられたのですか

「あそこは面白い所です。大きい声では申されぬが、手引きする者があって思わぬ所へもぐり込んで国法に触れるようなことも見聞きしたのです。私はあそこで、いまは改革を起こすとき、救国のためには国法も破らねばと実感したのです」

 伊之助は重大なことを平然と話す松陰の目を正視した。そして、この男は私を信頼しているなと思うと嬉しくなるのであった。

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2015年6月13日 (土)

小説「楫取素彦物語」第12回

 門弟には、折からの時代の激流の中で、何かを求める有為な人材が集まっていた。伊之助は、鎖国であることを忘れさせる世界に目を見張った。そして学問とは時代の先を見る目を養うものであり、時代の課題を解くためのものでなければならないことを知った。

 長州は人材育成の策として優秀な人材を藩外に修業に出させていた。江戸で学ばせることは藩のこの政策の中心であった。伊之助が江戸で学んでいる頃、松陰は諸国を旅しそれぞれの地で著名の人物と会い、また、各地の特色や実情についで学んでいた。旅は、今日でも現実を学ぶ最高の教室であるが、歩いて諸国をめぐる旅は格別の意味があった。

 松陰は幼少から限りない本を読んだ。それを思い出しながら歩くのである。旅は学んだことをさらに深く考える機会であった。学んだことが机の上の学問であったと気付くことがあった。激しい時代の風の中で、書物で学んだことについて新たな疑問が湧く。草鞋で踏み締める大地がそれに答えてくれる。

 旅を進めるにつれ、分かったつもりのことにまた疑問が深まる。疑問が深ければ深いほどに悩めばそれに応じて大地は松陰に答えてくれた。松陰にとって大地は偉大な師であり測り知れない深さを持つ教室であった。旅の成果を携えて、その先で、その地の学者に教えを乞い議論した。

 嘉永三年、二十一歳の松陰は九州を旅した。特に長崎平戸では五十余日も滞在し、後に述べる特異な人物にも会い、世界の情報に接し心を躍らせた。翌、嘉永四年、藩主に従って江戸に出て安積艮斉や佐久間象山に学んだ。この年、藩の許可なしに東北への旅に出てきついお咎めを受けることになる。水戸、会津、新潟、佐渡、秋田、引前、青森、盛岡、仙台、米沢等を歴遊し、嘉永五年四月、松陰は江戸に戻った。

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2015年6月12日 (金)

人生意気に感ず「警察官のわいせつ罪。大地変動の時代の浅間。サカキバラを読む」

 

◇先日、元警察官の若者にわいせつ目的の誘拐未遂罪ということで前橋地裁は有罪判決を下した。警察官がわいせつで逮捕されることに人々は驚かなくなった。このことは何を意味するのか。多くの人は「警察官だって」と考え始めている。倫理と道徳の砦が内から崩壊しつつある姿は恐ろしい。 

 折りも折、神奈川県警巡査部長が電車内で10代の少女の体を触ったとして現行犯逮捕された(10日)。この巡査部長は近くで目撃していた乗客と被害少女に取り押さえられ警察官に引き渡された。事の重大性は別にして、状況を想像して笑ってしまった。享楽の巷に神は鉄槌を下そうとしているのかも知れない。途方もない大地の鳴動が聞こえるようだ。

 

◇浅間山の火山活動が高まっている。火山口周辺から半径2キロの範囲内に大きな噴石が飛ぶ恐れがあるとして気象庁は11日噴火警戒レベルを1から2に引き上げた。

 

 私は先日、嬬恋村の鎌原観音堂を訪ねた。天明3年(1783)8月5日午前11時。死者行方不明2千人。「天明の生死を分けた17段」、発掘された石段は時を超えて生々しい悲劇を語りかけていた。私は「嬬恋・日本のポンペイ」を読み返した。

 

◇文藝春秋最新号の「日本は『大地変動』の時代に突入した」(京大教授・鎌田浩毅)を読んだ。4年前の「3・11」をきっかけに、地球科学者全員は、日本全体が「大地変動の時代」に突入したことを認識したと述べている。私は浅間の動きもその一環に違いないと思う。

 

 首都直下や南海トラフの巨大地震に対し、政府は意識して情報を流さないようだ。これに対して心ある学者が雑誌や週刊誌で勇気ある警告を発する。私たちはアンテナを高くして自衛に心がけねばならない。

 

◇昨日、神戸連続児童殺傷事件の元少年Aの手記「絶歌」を入手した。病める現代を象徴する非行少年の実態を知る手がかりとなる。面会の母親を前にした描写がある。「母親を睨み付けながら僕の眼からはとんでもない勢いで大粒の涙が雪崩落ちた。14年間、身体の内側に流し続けていた涙が一気に体外へ逆流したかのようだった」。又、後記で、「自分自身が生きたいと願うようになって初めて僕は人が生きることの素晴らしさ、命の重みを皮膚感覚で理解し始めました」と書く。アメリカの無期囚郷隼人の手記を手に取った。(読者に感謝)

 

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2015年6月11日 (木)

人生意気に感ず「少年Aが手記を出す。次の巨大地震はどこか」

 

 ◇まさかと驚くことが起きた。あのサカキバラセイトが手記を出版した。世の中を震撼させた「少年A」。ブログで時々取り上げてきた。最近、家裁審判決定全文が文藝春秋に公表され私も読んだ。巧みな文書を操る犯人は14歳の少年と知って世は驚愕した。土師淳君の頭部を切断して中学正門に晒した。医療少年院で完全に立ち直った32歳の青年はどこかで密かに働いていると伝えられていた。マスコミは必死で追っていたことだろう。 

 私はいつか少年が手記を出すだろうと思っていたが、こんなに早く実現するとは夢にも思わなかった。今日(11日)にも店頭に並ぶという。Aの人生は今後どう展開するのか。再び社会の表に引き出される被害者の関係者は。早速、土師淳君の父親が出版に反対、本を回収しろと声明を出した。

 

 太田書店から出され、本の名は「絶歌」だという。世の注目を集め本は売れるだろう。事件の真実を知るために出版の意義は大きいが、Aの真意はどこにあるのか知りたい。

 

◇最近の犯罪現象に異常さを感じる。犯罪の認知件数は減り続けているというが、治安にとって重要なことは犯罪の数ではなく質ではないか。異常な少年犯罪、そして親殺し、子殺しが増えている。人の命が限りなく軽くなり、倫理や道徳が地に落ちていく。社会が根底から崩れていくのを食い止めなくてはならない。

 

◇濱嶌博士に勧められ、「次の巨大地震はどこか」を読んだ。著者は、産業技術総合研究所チーム長の宍倉正展氏。貞観地震を研究し巨大津波を数年前から報告していた。「3・11」の4か月前に多賀城市のある企業で講演を行い、巨大津波の切迫性を説いた。そのおかげでそこの従業員は今回の津波で一人も犠牲者を出さなかった。私は「3・11」の直後、宮城県多賀城市を訪ねた時の市長の言葉を今思い出している。「歴史は嘘をつかない」と語っていたのだ。宍倉氏の研究チームは、あの巨大津波を伴う地震を予測していた。宮城県庁の反応は鈍く真剣に対応しなかったらしい。氏は、最近の研究から、従来の「関東地震はしばらく起きない」という見解を変える必要に迫られているという。ごく最近の状況は、この説と符節を合わせているように思える。「安全神話」に胡坐をかく群馬県は、今こそ足元を見つめる時ではないか。(読者に感謝)

 

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2015年6月10日 (水)

人生意気に感ず「マーズのパニック。巨大地震近づく。弘仁と貞観」

 ◇韓国で大パニックが起きている。マーズコロナウィルスの感染が広がっている。感染者87人、死者6人、感染者には16歳の高校生が含まれている。日本への飛び火は時間の問題との見方もある。私は県議時代新型インフルエンザウィルスに警鐘を鳴らした。3年前に発見された新種のウィルスに備えねばならない。新型インフル、エボラ出血熱、マーズと目に見えない人類の敵が次々に襲う。 

◇韓国の最初の感染者は、感染確認まで4つの病院を転院し、この人と接した人から次々と感染者が確認された。

 

 韓国は感染者が出た病院を公表しなかった。だからどの病院へも行けないことになる。風邪気味の人は皆薬局に行く。薬局は大行列だという。小中校など約700校が休校。3次感染者まで出ているから今や誰が感染しているか分からない。日韓間は毎年500万人が往来しているから既に感染者が日本に入っている可能性も。人から人にも感染し、飛沫や直接の接触で移る。致死率は約40%というが、ウイルスが広がる中でより強毒性に変異する可能性もある。対策は、マスク、手洗い、人ごみを避けるなどだ。

 

◇この種の事件につき情報の重要さを痛感する。情報なしでは自衛のしようがないからだ。国は「混乱を招く」という理由で隠す。日本でも長いこと原発の情報が知らされなかった。知る権利がいかに大切かを改めて思う。韓国政府はやっと感染者が訪れた24の病院名を公表した。

 

◇今朝も早朝、栃木で震度4があった。ほとんど連日である。何かがあると考えない方がおかしい。

 

 昨日、地震学者濱嶌博士に会った。元前橋工科大教授で、地殻変動解析、地震発生メカニズム、予知及び防災システムを専門とする。この人の前橋工科大時代、私は地震対策でアドバイスを受けた。かつて、前橋に地震が来ると講演したら脅すのかと大学に怒鳴り込んだ人がいたと振り返っていた。私は、学者の良心と責任感がある人と思う。

 

 元教授は、日本列島が今、1200年の周期を迎えたと危機を訴える。挙げた5つの大地震の中には弘仁9年(818)、貞観11年(869)がある。福島の原発事故は貞観を無視したため起きた、弘仁は赤城南麓で起きた、首都直下に対する国の想定は甘すぎる、プレートの力と共に群馬に大地震が近づいている等語っていた。(読者に感謝)

 

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2015年6月 9日 (火)

人生意気に感ず「国会論議に求められる至誠。神社に油。英語新テスト」

◇安倍首相は「私の発言に関して重ねてお詫び申し上げる」と頭を下げた。辻元議員の「早く質問しろよ」とヤジを飛ばしたとされた。集団的自衛権行使を可能にする法案の審議。日本国にとって最重要な法案。国民の多くは「安倍政権が国民に十分に説明しているとは思わない」。私の耳にもこういう声が聞こえる。

 

 尖閣や南シナ海での中国の目に余る横暴は、憲法9条を改めて国民の前に晒し、同時に自衛官のリスクを現実のものとしている。だから真摯な分かり易い説明が求められている。

 

「リスクは高まらない」と語るが、国民は誰もそうは思わない。平和を維持し国民の生命を守るために必要なのだという高い理念と決意が伝わってこない点が根本的に重要である。

 

 従来の憲法解釈を変え、参考人の憲法学者はそろって「違憲」と述べた。首相には今、国民に対して最大の「至誠」が求められている。

 

 岸さんの頃の安保騒動が思い出される。今の若者は自分たちのことなのに戦おうとしない。自民党の一強態勢の危機につながる。驕りがあってはならない。安倍さんが尊敬している筈の吉田松陰が「至誠」を訴えている。

 

◇奇怪な事件が注目され出した。奈良東大寺の大仏殿や京都の清水寺など全国の寺社などに油のような液体がまかれた事件。器物損壊罪、あるいは文化財保護に反する犯罪に当たるだろうが、懸念される点は新たなカルト教団の姿だろう。

 

 逮捕状が出たのはニューヨーク在住の日本人医師。日本に百人以上の信者がいるという。「私は戦うために兵士として日本に遣わされた。悪霊を追い出した証として油をまいている」と語る。満たされない日本人の心にカルト教団の影が伸びる。オウム真理教の再来を想像する声もある。感化された信者が寺社に油をまいている可能性も指摘されている。油をまくこと自体は微罪かもしれないが、心に何かが根を下ろせば次なる行動につながる。健全な社会を維持するために注目を続けなければならない。

 

◇文科省は、全ての中3に平成31年度から英語の新テストを導入すると発表した。義務教育段階で英語力の底上げを図るためだ。読む、聞く、書く、話すの4技能。国際化教育が大きく加速する。聞くと話すが重要になるだろう。(読者に感謝)

意気に感ず「国会論議に求められる至誠。神社に油。英語新テスト」

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2015年6月 8日 (月)

人生意気に感ず「長江の大事故が語ること。FIFAの汚職。元巡査に執行猶予」

 

 ◇長江の大型船事故は絶望的だ。死者は396人、行方不明は46人。生存者は船長を筆頭に14人。船長が真先に助かったことは韓国のセウォル号の場合と同様だ。中国は被災者の関係者や国民の批判を多少ともかわすために船長の責任を厳しく問うのではないか。現場の状況如何で異なるから直ちに断定出来ないが、この船長は船長としての責任を全うしたのか疑わしい。自分の命は最後に回して乗客の救助に当たらねばならなかった筈。 

 海を走る船と比べ喫水が浅く安定度が低いと言われる船。長江を走る他の客船はどうなのか。他国に観光に行く時は、異常気象の常態化とその国の人命尊重度を念頭に置いて安全対策を立てるべきことを、この事故は教える。

 

 船室から一度に40人近い遺体を発見したという。閉じ込められた狭い空間に逆巻く濁流。阿鼻叫喚の地獄絵が想像される。この事故の教訓は中国でどう生かされるのか。

 

◇昔、駒場寮にいた頃、寮の友だちと三軒茶屋で「眼下の敵」を見た。海底のUボートの艦長はクルトユルゲンスが演じる海の強者。海上はロバートミッチャム演じるアメリカ軍の艦長。上下秘術を尽くして戦った末、クルトユルゲンスは爆弾を仕掛けて脱出することに。カチカチと時計の音。最後に海底から現れた艦長を海上の米兵は挙手の礼で迎えた。平和な時代の世の船長にこの映画を見せたいと思う。

 

 ◇FIFAの汚職は信じられない程だ。ブラッター会長は再選後4日で辞意を表明。何百億という金が動いていると伝えられる。金まみれ、汚職まみれの構造の中で世界の若者が熱狂している姿が信じがたい。こんな中では審判にも疑いの目が向くのは自然だろう。

 

 サポーターの熱狂ぶりと極限に挑戦する選手の姿は本物に違いない。巨額の金をやり取りする国際サッカー連盟役員たちはこれら若者を侮辱するものだ。そして、スポーツを侮辱することに他ならない。改革して浄化出来なければサッカー熱が冷める日が来るのではないか。

 

◇元群馬県警巡査に懲役2年6か月、執行猶予5年の判決が。一生を棒に振った若者の行為に複雑な思いを抱く。わいせつ目的で車に誘った点で誘拐未遂となる。実際は乗せなかった。裁判長は、警察官という立場で犯行を「決意」したことは厳しい非難に値すると指摘した。執行猶予に内心ほっとした。県警は若い警察官をしっかり教育すべきだ。難しい社会なのだ。(読者に感謝)

 

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2015年6月 7日 (日)

小説「楫取素彦物語」第11回

 嘉永三年伊之助は大番役に任ぜられ江戸の藩邸で勤務することになった。明倫館の諸友はこれを大いに羨んだ。

 明倫館で学ぶ仲間に北条源蔵という若者がいた。伊之助より二歳年下で伊之助と成績を競うほどの英才であった。後年、日米通商条約批准のためポーハタン号で便節が渡米した折随行員に選ばれた男である。二人は心を通わせ、議論し励ましあう仲であった。伊之助の出発が近づいた時、源蔵が言った。

「江戸行きおめでとう。羨ましい限りです。江戸はなんといっても学問の中心。諸国の人材が集まっています。江戸に比べたら長州の我等は井の中の蛙ですからね

ありがとう。蛙であることを胸に置いてしっかりと学んできます。源蔵殿の分まで頑張る決意です」

「江戸には、佐久間象山、安積艮斉、佐藤一斉など、名だたる学者がひしめいています。そして、そこには諸国の優れた人物が集まっているでしょう。想像するだけでもわくわくしますね」

「そうです。鎖国とはいえ、江戸には、世界に通ずるわずかな隙間から海外の情報が集まっているに違いない。一人の師に出会うことは数百の書を読む以上の収穫があると思う。私は天下の江戸に謙虚な心で挑戦するつもりです。君にはできるだけ、江戸の情報を伝えることにしよう」

 二人は固く握手して再会を誓った。当時、学問で江戸に向かうことは、今日の若者が外国に留学する以上の一大事であった。心に期するところのある伊之助にとっては正に冒険の旅であった。

 伊之助は村田清風の紹介書を携えて安積艮斉に会いその塾に入った。艮斉は幕府の学校昌平黌の教授としてアメリカの国書を翻訳した人である。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2015年6月 6日 (土)

小説「楫取素彦物語」第10回

四、松陰と伊之助江戸へ

 

 

 松陰が兵学の家を継いで大きな歩みを始めた頃、儒学を継いだ小田村伊之助にも変化が見られた。

 弘化から嘉永にかけての年月は、伊之助が学問及び人間の練磨に大いに励み成果をあげた時期であった。弘化元年(1866)、十六歳の伊之助は藩の許可を得て藩校明倫館に入学した。館内の学舎に寄宿した伊之助は生来の英才に加え寝食を忘れて勉学し、その進歩は同窓の者を驚かせた。伊之助の心中には絶えず学問の家を継ぐという使命感があった。

「奴は寝るときも枕下に書を置く、厠にも持って入るぞ」

と同窓の者は噂した。

 弘化四年、養父小田村吉平没し、家督を継ぐと伊之助の学問への情熱と使命感はさらに高まった。兄剛蔵が言った。

「いよいよお前は独立して学問をやることになった。学問の家の責任を知れ。清国はアヘン戦争でイギリスに敗れて屈辱を味わっておる。我が国を救うことが学問の役割であるぞ」

「はい、兄上。身が引き締まる思いです」

伊之助は、きっとなって兄の顔を見詰めた。

嘉永二年(1849)、二一歳の時、新明倫館落成し伊之助は特旨をもって講師見習役を命ぜられた。この頃、近海の外国船の動きは激しくなり、刺激を受けた長州藩は人材育成の必要を痛感し明倫館の規模内容の一新を図った。学問の家を継いだ伊之助の役割はさらに大きくなり、律義な彼は必死で責任を果たそうとした。新しくなった明倫館は、時代の風と共に若者たちを大いに勇気づけた。切磋琢磨する中で、後年日本を支えた英傑を次々に輩出した。

 

※土日祝日は中村紀雄著「小説 楫取素彦」を連載しています。

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2015年6月 5日 (金)

人生意気に感ず「三連動の巨大地震は。参考人の憲法学者。海賊キッド」

 

 ◇先日、群馬県に大きな地震が来ると言っている専門家のことを書いたが、8日に会うことになった。短い電話であるが、深刻だと元教授は言う。早く資料が見たい。先月末、この人と話した後も、北海道で5弱があった。ただ事ではない。来る、来ると言われている首都直下、南海トラフ、富士山の噴火。これらが近いことを素人感覚で肌で感じる。 

◇先日、ある所で楫取の講演をした時、安政東海地震と安政南海地震に触れた。二つは安政元年(1854)末に、わずか32時間の間隔で起きた。安政東海の巨大地震の大津波にロシアのメディナ号は遭遇し大変な目にあった。ペリーの艦隊は去った後であった。地震の周期からして、東海、東南海、南海の三連動地震が近いことを予測する専門家が少なからずいる。その時の被害は「東日本大地震」を遥かに上回るのではないか。各地の原発はどうなるか。誰もが恐れながら誰もが自分は大丈夫と日常生活を送っている。

 

◇国会の安保の論戦が激しい中、3人の憲法学者が、参考人として招かれた。集団的自衛権の行使容認について見解を問われた三氏は、全員が「憲法違反」だと明言した。三人の一人、慶応大名誉教授の小林氏は「憲法9条2項で軍隊と交戦権が認められていない。仲間の国を助けるために海外に戦争に行くことは憲法9条違反だ」と強調した。このように主張する憲法学者は多い。いろいろな意見の学者がいるのに政府は人選ミスをした。この衝撃は政府にとって震度5強級ではないか。いや、日本の運命に関わる国会議論であることを考え、国民の心を揺るがした点を思うと「5強」の比ではないというべきかもしれない。

 

◇17世紀のイギリスの海賊キッドのものかと騒ぎになっている。沈没船から銀塊が見つかった。ディズニーランドでは人気の企画として海賊が登場する。17世紀頃、世界の海は無法状態で海賊が活躍し各国の政府も自国の戦略として利用したことも。当時世界の経済は銀で動いた。メキシコやペルーで銀山が発見され、膨大な銀がスペインにもたらされ価格革命を起こした。海賊ときくと夢とロマンを感じるが現実は残酷な世界だった。子どものころスティーヴンソンの「宝島」をわくわくして読んだ。このスティーヴンソンが書いた「吉田松陰」を最近面白く読んだ。松陰に13歳で師事した正木退蔵から聞いて書いたという。この事実も面白い。(読者に感謝)

 

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2015年6月 4日 (木)

人生意気に感ず「人権擁護団体で楫取を語る。林健太郎の世界の歩み」

 ◇昨日は、群馬県人権擁護委員連合会で楫取の講演を行った。元総社町の市町村会館の講堂は200人余の人々であふれた。法務省管轄下の団体。人々は人権擁護に当たる民間のボランティア。人権は社会を支える最も重要な原理である。私は人権の観点から楫取素彦を話すことにした。

 

 いつもと違った切り口は、明治5年の奴隷船マリアルーズ号事件である。思えば、十数年前、私は自ら主催する歴史塾で、この出来事を取り上げ、その中で初めて楫取素彦に触れたのである。明治5年(1872)といえば、長く続いた世界の奴隷制はほとんど廃止され奴隷貿易は禁止されていた。ペルー船籍のマリア・ルーズ号は、密かに中国人を奴隷として南米に運んでいた。明治政府は多くの中国人を断固解放したことからペルーとの間で訴訟となった。この訴訟の中でペルー側は、日本にも酷い奴隷制度があると言って、訴訟資料として女郎の証文を提出した。驚愕した政府は急遽太政官布告第295号を出して娼妓解放を宣言した。この布告こそ、形の上では日本で最初の女性解放であり、人権尊重の原点であった。

 

 明治12年の最初の県議会で、湯浅治郎等が中心となって廃娼の建議をまとめ県令楫取が実施に向けて動いた。この動きの背景には奴隷船の物語、そこから生まれた太政官布告があった。

 

 なお、吉田松陰と楫取の教育理念の根底には、身分にとらわれず人間を平等視する価値観があった。今でこそ、日本国憲法の基本原理をなす人権であるが、その源流は松陰や楫取の価値観の中にもあった。「人権」は時を超えて社会を支える価値であることを私は人々に訴えた。

 

◇私は今、書棚の奥から「世界の歩み」を出して読んでいる。岩波新書の上下で、恩師林健太郎先生の著作。先生は文章の達人であると改めて思う。奥深い複雑な歴史の動きを平易な文章で見事に流れるように語る。この本の中で、林先生がフランス革命について熱く語る部分がある。そこで先生は、ルソーについて「フランス革命の精神的な父であった」、「ルソーはフランス革命の創始者であると云っても過言ではない」と語っておられる。フランス革命で出された人権宣言こそ、その後の世界を大きく変えた人権の政治的原点であり、日本国憲法の中にもその価値は流れ込んでいる。憲法改正を考える基礎理論でもある。(読者に感謝)

 

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2015年6月 3日 (水)

「長江の大事故の行方。三国志の舞台は今。18歳の選挙権」

 ◇中国で大故事が起きた。430人超が行方不明。これらの人は船底を上にして沈没した船内にいるらしい。中から叩く音、助けを求める声が聞こえるという。南京を出て長江を遡る観光船。多くの救助船が出て大騒ぎしている。

 

 私は最近の2つの事故を直ぐに思い浮かべた。一つは、穴を掘って事故車両を埋めようとした中国の新幹線事故。もう一つは昨年4月の韓国セウォル号の転覆。今回、船長が先ず脱出し救助され身柄を拘束されたことは、真実は不明ながらセウォル号事故と似ている。

 

 人命に関わる大事故が起きると、その対応いかんにより、その国の国柄が分かる。中国は一党独裁の国で、強大な国家権力に対し国民の権利は弱い。この国家構造により必然的に人権軽視になっている。そのことを示す象徴的出来事が1989年の天安門事件である。

 

 船内は地獄であろう。映画ポセイドンアドベンチャーを思い出す。気になるのは日本人の存在。日本人に人気の歴史の舞台であるから、私は日本人がいるのではないかと心配だ。

 

◇船の事故は湖北省荊州市。船の目的地には有名な赤壁がある。私は少年の頃、三国志に夢中になった。曹操の魏の大軍を、劉備と孫権の連合軍が火計でもって破った。お互いが敵を欺くために謀略の限りを尽くす。呉の名将・周瑜、劉に仕える天才軍師孔明。現在の中国のしたたかさを見ると、その背景に中国の悠久の歴史を感じる。こう書いているうちにも、激しい降雨と逆巻く波に翻弄される船中の人々の運命を思う。

 

◇18歳以上に選挙権が与えられる。昨日、特別委で可決された。本会議で可決されることは確実。世の中を変える一石になるだろう。

 

 18歳からの選挙権実現が直ちに若者の意識を変えることはないという意見がある。しかし、今までなかった権利が若者の手に与えられるのだから、多くの若者はこれは何だと考えるに違いない。選挙権が与えられることは、実質的に主権者の仲間入りをするということだ。これを形だけのものでなく実りあるものにするのは教育の責任である。18歳に一番近いのは高校教育だが、中学あたりからしっかりと政治や憲法を教えなければならない。私は県議の時、このことを主張してきた。まったなしである。生きた教育をして欲しい。近現代史を教える意義も重みも増したというべきだ。(読者に感謝)

 

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2015年6月 2日 (火)

人生意気に感ず「教室にわいせつ動画。歯止めがなくなったわいせつ。拉致は期限」

 

 ◇山形県の中1の教諭が誤って授業でわいせつ動画を大型画面に写したことが報じられた。生徒の反応が想像できる。誤りとはいえ、教室で先生がとなると衝撃度は大きいに違いない。先生の信頼は失墜だ。40代の先生は「アダルトサイトを観てパソコンに保存したままだった」と語っている。週刊誌などからもいえることだが、最近の「わいせつ」は歯止めがなくなったと思える位に酷い。 

 議員の頃、有害図書をチェックした。ひどいもので、刑法のわいせつ罪は死文に帰したのかと思った程だ。

 

 昔「チャタレイ夫人の恋人」の翻訳文がわいせつ文書に問われた。「わいせつ」とは、いたずらに性欲を興奮、または刺激し、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するということだった。最高裁のこの基準は死んでしまったのか。社会の倫理を守る砦の役割を果たしていたと思うが、最近の出版物は「正常な性的羞恥心」とか、「善良な性的道義観念」などを無視しているようだ。それともそういうものは存在しないのか。

 

 教員のわいせつ事件の多さは、このことを端的に物語っている。文科省が今年1月にまとめた公立学校教職員に関する調査では、わいせつ行為等で処分を受けた教師は過去最多の205人。その中の最多は盗撮、のぞきだというから呆れる。時々、新聞ざたになる校長先生のことも驚かなくなった。だから、援助交際に走る女子高生を責められない気がする。性的羞恥心とか性的道義観念など取り戻すことが健全な社会の再建の第一歩だ。

 

 26年間にわたってフィリピンで買春を繰り返した、のべ12,000人以上と性行為をした横浜市立中の校長の事件は衝撃的だが、この下には表に現れないケースが多いのではないか。教育界はどう受け止めるのか。道徳教育など白々しくて出来ないのではないか。

 

 それでも、道徳教育は実行しなくてはならない。各地の教育界は、並々ならぬ決意と工夫で断行しなければならない。

 

◇日本人としてやり切れない怒りは「拉致」。多くの日本人が連れ去られ、北朝鮮はそれを認めた。それなのに一向に進まない。やっと再調査を約束。その期限は来月、7月だ。制裁しか手がない。経済的にぎりぎりに追い込まれている「北」。主権が侵された点も大きいが被害者の苦痛は地獄だろう。政府は最大限の努力をしているか。この6月は限りなく重要だ。(読者に感謝)

 

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2015年6月 1日 (月)

人生意気に感ず「巨大地震の意味。群馬に大地震か。県民マラソン今年も」

 ◇30日、午後8時過ぎ、突然巨大地震が発生した。M8・5、東日本大震災(M9・0)以来の大きさだ。震度5強から1まで、日本列島が広く揺れた。死者が出なかったのが奇跡的だ。小笠原の西方沖を震源とし深さは590キロ、巨大なプレートの境目だった。

 

 東京都小笠原村と神奈川県二宮町で震度5強、埼玉県春日部市等で震度5弱、群馬県でも館林、邑楽等で4。前橋は3であった。東京タワー、六本木ヒルズなどの高層建物がほとんどびくともしなかったのは日本の建築技術の賜である。これだけの巨大地震が他の国で起きたらどうなったかと想像する。

 

◇専門家は太平洋プレートとフィリピンプレートのぶつかり合いをしきりに説く。日本列島は、常に生きて動くプレートの上にあって、その動きに運命を託している。

 

 それにしても最近の火山や地震の状態は異様だ。4年前の「3・11」から一挙に大自然の動きが激しくなった。あのときの「9.0」、そして今回の「8.5」。南方のプレートが限界まで来て、「備えをしろ」とサインを送っているようにも思えるのだ。

 

◇実は、30日の午後、私は妙な体験をした。最近の異常な自然現象が気になっていた私は、知人の地震研究者に電話をかけた。この人は、大学教授時代、独自の地殻理論で地震の到来を予告して当てたことがある。

 

 ケータイに出た教授は意外なことを語った。今、東南アジアのある国にいて6月3日に帰るが、その時是非話したいことがあると言って次のように語ったのだ。

 

「群馬県に地震が近づいています。大きいのです。そのことについて中村さんに協力して欲しいことがあります」

 

 私は驚いた。箱根山や口永良部島の動き、そして、つい最近の埼玉県や桐生市の震度を考えると、教授の話が現実味をもって胸に響いた。小笠原諸島沖の巨大地震のニュースは、教授と外出先で話して帰宅した直後のことなので、改めて更なる現実味をもって私に迫った。教授は外国にあってこの巨大地震をどう受け止めているだろうか。教授の言う群馬の地震は、この巨大地震とどう関わるのか。とにかく、3日の帰国とその語るところを待つことにする。

 

◇6月1日、県民マラソンの受付開始。今年は75歳で10キロを走る。今までのように60分は無理かも。毎朝、走った成果を試す時。(読者に感謝)

 

 

 

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