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2015年5月25日 (月)

人生意気に感ず「浅間の無気味さ。天明の悲劇。日本のポンペイを世界遺産に」

 

 ◇浅間は大丈夫か。このところ、地震や火山の動きが日本列島で活発化している。群馬には5つの活火山がある。一方で、群馬は災害が少ないという「安全神話」が支配している。あの「3・11」は「安全神話」を打ち壊すことが出来なかったのだ。歴史を振り返れば、ほんの束の間の平穏の中で私たちは生きていることを知る。 

 浅間山の静けさは長いこと無気味だった。子どもの頃は噴煙が前橋の上空まで伸びた。静けさは何を物語るのか。巨大な活火山は体内にマグマを溜めながら昼寝でもしていたのか。そんなとき東の方から横腹をつつかれ目を覚まそうとしているのかも知れない。

 

 ここのところ火山性地震が増加している。一日平均29回もあるというからただ事ではない。過去の悲劇を知る者は身構えて警戒しなければと思うはずだ。気象庁は変化なしと発表したが大自然の威力はヘリコプターでちょっと見ただけでは測り難い。

 

◇天明3年(1783)8月5日午前11時の大爆発は浅間の北麗を襲い、死者・行方不明2千人という大惨事を起こした。江戸は昼でも提灯をつけた。大量の火山灰は成層圏に達し世界の気候に変化を及ぼした。あの、フランス大革命は6年後の1789年。農作物に被害を与え社会の混乱を増幅させたことでこの革命の一因となったという説があるのだ。(1979年のイギリスの国際会議でも問題になった)

 

◇「天めいの生死をわけた十五だん」、鎌原観音堂は、あと一歩で熱泥流に呑まれた人と助かった人の物語を今に伝える。助かった村民は93名。地域の有力者が男女を組み合わせて夫婦とした。「浅間山噴火大知讃」には、「隣村有志の情にて、妻なき人の妻となり、主なき人の主となり」とある。この人たちが家族を作り村を再生させたのだ。

 

 極限の状態で、このように人間が助け合い、地域社会を再生させた例は世界の歴史に例がないのではないか。消滅自治体のことが叫ばれ、人間の絆が壊れつつある現代、嬬恋村鎌原の奇跡はもっと注目されねばならない。浅間に抱かれたこの鎌原観音堂を中心とした遺跡こそ、世界文化遺産に値すると思う。これを世に出さないのは行政の怠慢。嬬恋村から運動を起こすべきだ。県教育委員会は、こんな素晴らしい教材を活用しないのか。宝の持ち腐れ以上の無責任というべきだと思うが。(読者に感謝)

 

 

 

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