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2015年4月20日 (月)

人生意気に感ず「NASAに宇宙時代の始まりを見る」

◇NASA・国際宇宙センターを見学した。度胆を抜かれた。役割を終えたスペースシャトルやロケットが展示されているのだ。見渡す限りの広大な敷地に多くの建物が。研究所だという。その間を縫うように、見学者を乗せたオープンカーは走る。真に感動した棟が2つあった。

 先ずその一つ。特別の表示もない工場風の建物に入った途端、「ワァー」と思わず声を上げた。人類を初めて月に運んだロケット・サターンが横たわっている。その太さは見上げる程で、長さは30メートル近くあろうか。ロケット底部の火を吹く5つの口が物凄さを無言で語る。何百トンとも知れぬ巨体を突き上げる推進力を生む火がここから吹き出た。

 息を呑んでテレビに見入った瞬間を思い出した。1969年、昭和44年7月。この年長女ゆりが生まれ、名をアポロにしたらという声があった。人類は初めて月に一歩を印した。「小さな一歩だが偉大な一歩だ」と叫んだアームストロング船長。建物内には月から見た地球の姿が展示されている。地球が球体であることを人類が初めて見た瞬間だった。

 アメリカが国の存亡あるいは威信をかけて取り組んだ事業を2つ挙げるとすれば、1つは原爆製造であり、もう一つはこのアポロ計画だろう。ナチスドイツの下でⅤ2号ロケットを作った天才クオン・ブラウンがこの計画の中心となった。人類が宇宙時代に突入したことを改めて実感した。

◇もう一つの棟は、コントロールセンター。階段を上へ上へと登った所に、テレビでよく見るコントロールセンターはあった。コンピューターの画面が並び、その前に多くの研究者が座る姿。正面に巨大なスクリーンが。ここでアポロの着陸と期間を指揮したのだ。私たちが座ったのは、センターを一面のガラスで仕切った階段状の部屋である。解説者が語った。「ここには、大統領、飛行士らの家族などが座りました」巨大なロケットが火を吹き大空に飛び上がる瞬間の家族の心を想像すると胸が熱くなった。又、解説者はスマートホンを手にして言った。「今ではこの位に納まるものが、大変大きなコンピューターでした」時代の変遷を感じた。視察が終わりに近づいた時、案内人が数本の樹木を指して言った。「犠牲者を記念して飢えた木です」発射直後猛火に包まれて粉々になった光景があった。犠牲者よ。(読者に感謝)

 

59()より、中村紀雄著 小説「楫取素彦物語」を連載致します。

 

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